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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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河童と厄神と氷漬け

どうも、東方転妹録最新話です!



更新が遅れて申し訳ありませんでした。


今回は新キャラが二人登場しますよ!

……そして、何故か迎えに来ないあの人も…………。




それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー数十分後、紅魔館エントランス。

ーーーーside フラン



「ねぇねぇ! 後どれくらいで勇儀達来るかな!?」


「……こいし、もう少しで来るはずですから落ち着きなさい」



普段着けている帽子の代わりにハート型の飾りの付いた簪を刺して、服は鮮やかな黄緑色の生地に青い薔薇の模様がある着物を着ているこいし。

動きやすいミニスカートのように太股の半ば程で着物は途切れていて、健康的な肌が外気にさらされている。

そしてそこから左に視線をずらしてみると、ルーミアと藍さんが話していた。



「確か来る人数は六人だったな。

私が分かるのは鬼二人と天狗二人だが……後は誰か分からないか?」


「私も分からないのだー。

多分、挨拶兼勇儀達の新しい仲間との顔合わせになるのかー?」



頭は何も着けずに金色と白色の糸で織り込んだらしいチャイナドレスを着て、スリットからこいしとは違う妖艶な美しさを見せる締まった脚を覗かせている。

そしてその隣にいるルーミアは…………何故か、黒のタキシードを着ていて手にはナプキンを提げており、しっかりと執事の様に振る舞っていた。

……ルーミアがなんでタキシードを着ているのかは置いておくとして、藍さんの言うように後の二人って誰なんだろう?


そう私が考えていると、待ちきれないのかそわそわしている御姉様が話しかけてきた……。



「フラン、勇儀達は昼頃から来るって言っていたはずよね?」


「うん、そうだよ御姉様!

でも時計台の針はまだ正午を示したばっかりだから、まだ来ないと思うよ?」



私がそういうと、御姉様は白いワンピースの裾を弄り始めた。

……今御姉様が着ている服は、普段ルーミアが着けているような感じに頭に紅いリボンを結び、胸元にルビーのブローチとフリルの付いたシンプルな白いワンピースを着ている。



「そう……それならもう少し待たないといけないわね。

こういう大がかりな会食になると、本当に落ち着かないわ……」


「あははっ! 勇儀達のことだから宴会になると見越したのは御姉様なのに、その御姉様が一番待ちきれないんだね!」



次の瞬間には『うっ!?』、と狼狽えながら恥ずかしそうにする御姉様。

……それを見て面白くなった私が更に御姉様を弄っていると、遂に勇儀達が到着したと門から先に来たメイド達から報告が来た。



「ようやく勇儀達が到着したのかー!

……本で読んだ執事みたいにして驚かしてやるのだー……!」


「それが目的だったんだね、ルーミア……。

あっ、御姉様、日傘持ってあげるよ!」


「あら、ありがとうフラン。

後でお礼にキスをしてあげるわ!」



ルーミアにツッコミを入れ、エントランスの扉が開いたら射し込んでくるだろう日光から御姉様を守るために日傘を持つ私。

御姉様の洒落にならない発言はスルーすることにした。

……そうしていると、大きな音と共に扉が開き…………。



「よーーっす!!!!

宴会以来だなフラン!!

他の皆も元気にしてたかい!?」


「にゃはは〜!! お邪魔するよ〜!!

それにしても旨そうな匂いと酒の匂いがするじゃないか!!

どこに酒はあるんだい!?」


「こんにちは、今日も清く正しい新聞記者の射命丸文です!

今日は紅魔館特集のネタ探しをしに来ましたよ!」


「ちょっ、文さん!?

今日は山の皆が近くの山に引っ越して来たことを挨拶するために来たんですよ!?」


「いやぁ、山の皆さんはいつも元気ですね!

私もその元気っぷりを見習わないと!」



入ってくるなり大声で叫びながら挨拶をする勇儀。

その横で萃香は早速お酒を探しだし、文お姉さんは主旨を間違え、椛はその間違いにツッコミを入れるというかなり賑やかな様子で皆は現れた。

そして勇儀達を案内してくれた美鈴まで影響を受けたらしく、いきなり拳法の型を作り始めている。

……その様子に私が呆気にとられていると、勇儀達の影から更に二人現れた。



「へぇ〜…………。

どれもこれも見たことがない品物ばっかりだね!

ちょっと解体してみたくなっちゃうな!」


「にとり、それをしてはダメよ?

そういうのはちゃんと持ち主から許可を得てからでないと…………」



片や緑の帽子に青い髪と服、背中になにやらコンテナのようなものを背負っていて、片や赤いリボンで緑の髪を纏め、黒いゴスロリのような服を着ている……。

……あっ、この二人って…………!!



「紅魔館へようこそ、妖怪の山の皆さん。

紅魔館当主である私、レミリア・スカーレットが館を代表して歓迎するわ!

……とまぁ、これで挨拶は終わりね」


「いきなり堅っ苦しい挨拶だねぇ?

まぁ、今はそれよりもフラン達に紹介したい奴等がいるんだよ!!

ほらっ、物色してないでにとりも雛もこっちに来な!」



勇儀が呼ぶと、ふと気付いたかのように振り向きこちらに寄ってくるにとりと雛。

そして二人は私達皆が見える位置に立って自己紹介を始めた。



「おっと、挨拶を忘れていたよ。

私は山の川に住んでる河童の河城にとりさ!

早速だけどここにある物解体して良いかな?

大丈夫、ちゃんと直すから!」


「だからダメと言ってるじゃない、にとり……!

……あっ、挨拶が遅れました。

私は厄神の鍵山雛と言います。

あまり近寄られると厄が移りますから、適度な距離でよろしくお願いしますね」


「えぇ、こちらこそよろしく頼むわ。

それとここにあるものを解体するのはやめて頂戴。

後、厄が降りかかることなんて私は気にしないから適度な距離なんてとる必要は無いわよ?」



一度当主として挨拶をした御姉様がにとりと雛に返事をする。

そして当然のように私達も挨拶をすることになり、にとりと雛の前に並んで私から順に自己紹介を始めた。



「私は御姉様であるレミリア・スカーレットの妹で、吸血鬼のフランドール・スカーレットだよ!

雛さんが言う厄なんて破壊しちゃうから気にしなくて大丈夫だからね!

二人ともこれからよろしくね!」


「私はフランの一番のパートナーの古明地こいし!

私も厄なんて無意識に避けちゃうから大丈夫だよ!

後、フランは私のモノだから手を出したりしたらダメだからね!」


「残念ですが、こいしにフランを渡したりはしませんよ……?

フランもレミリアも未来永劫私のモノです。

……挨拶が遅れました。

私は古明地こいしの姉で覚り妖怪の古明地さとりと言います。

私も厄など気にはしませんから、これからよろしくお願いしますね」


「私は紅魔館に住まわせてもらっている、宵闇の妖怪のルーミアと言います……のだー。

厄など闇に飲み込んでしまいますから気にしなくて構いません…………のかー」


『『『『ぶふぅっ!?』』』』



ルーミアが執事になりきろうとしてなりきれなかったせいで思わず吹き出してしまった私達。

そのまま初対面であるにとりや雛も一緒に大笑いを始めてしまった。



「そ、そこまで笑わなくても良いのかー!!

……うー、フラァァン!!」


「あははははっ、ご、ごめんねルーミア?

ほら、撫でてあげるから落ち着いて?」



羞恥のあまり目に涙を浮かべて抱き着いてくるルーミア。

それを私は笑いながら抱き留め、なんとか笑いをこらえながらゆっくりルーミアの頭を撫でていた。



「いやぁー、笑った笑った!

とりあえずこれで挨拶は終わり…………ってまだ狐さんが残ってたね!

門番の美鈴とは外で挨拶してるから狐さんで最後なんだ。

催促するのはあれだけど、一つ挨拶をしてもらって良いかい?」


「あ、あぁ……少々声が震えてしまっているが挨拶をさせてもらおう。

私はこの辺りを管理している八雲紫様の式である、九尾の狐の八雲藍だ。

今は訳あって紅魔館に世話になっているよ」


「「「「「「八雲紫、ね…………」」」」」」



藍さんが挨拶をすると、一斉に八雲紫と呟く妖怪の山勢。

それを見た私達紅魔館勢が訝しげにしていると、にとりが背中のコンテナみたいなものを下ろし始めた……。



「ゆ、紫様がどうかしたのか?

なにやら反応していたが……」


「あぁ、それに答えるのはこのコンテナの中身を見せてからにするよ!

それじゃあ椛、これを開けるの手伝って!」


「了解、じゃあしっかり押さえててねにとり」



藍さんの疑問の声に返事を返しつつ椛を呼ぶにとり。

それに答えた椛はコンテナへ近寄り、コンテナに向けて腰に携えた蛮刀を引き抜き構えた。



「それではいきます………………せいっ!!」


ーーーーーズパァァァァン!!



コンテナの板の一枚を切り落とす椛。

その切り落とされた所からコンテナの中身を覗いてみると、そこには…………。



「「「「「「…………えっ?」」」」」」


「……ゆ、紫様ぁぁぁぁぁぁ!!!?」



……そこには、完全に氷漬けにされた紫さんが仕舞われていたのだった……。






ーーーーー

以上、にとり&雛登場+紫氷漬け回でした!




ルーミアは子供らしい悪戯をしようとして見事に自爆しましたね!


そして紫は何故氷漬けに…………。

その真相は、次回!!……多分。




それではまた次回にてお会いしましょう!

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