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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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吸血鬼の世界を模した着物

どうも、東方転妹録最新話です!



今回は勇儀達の訪問直前となっています。


基本的にフランとさとりの衣装選びがメインになっていますよ!

さて、二人はどんな衣装を選ぶのでしょうか?


因みに筆者に衣装の詳しい知識は無いのであしからず!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー翌日、紅魔館書斎。

ーーーーside レミリア



「御姉様、会場の準備は完了だよ!

それとこいし達は着替え始めたからね!」


「……レミリア、八雲藍のおかげもあって料理もできました。

後は勇儀さん達が来ればいつでも配膳できますよ」


「二人とも報告してくれてありがとう。

後で皆にもお礼を言わないといけないわね!」



書斎に来てから可愛い笑顔で会場の準備が完了したことを伝えてくれたフランと、そのフランの腰に手を回しながら優しい微笑みで同じく料理が出来たことを伝えてくれたさとり。……さとりがフランを抱き寄せることを幸せに思いつつ、それを見ている私の反応を楽しんでいることは一目瞭然ね。

一見優しそうな微笑みの中にどこかサドスティックな気配がするもの……。



「……あまり反応しませんでしたね…………。

まぁ良いです、今は残りの準備をしないといけませんから。

……それではフラン、レミリアは着替えているようですから私と衣装合わせに行きましょうか」


「はーい!」


「さとり、フランに手を出したら駄目よ!」



書斎から出ていく時にかけた最後の私の声に対して再び微笑み返してきたさとり。

その笑みには先ほど以上の異様な気配が含まれており、何故か私の背筋に悪寒が走っていった。



「……ま、まぁ大丈夫よね?

さとりは能力が効かないフランには手を出しづらいはずだもの…………」



まぁ能力が効かないと言っても手を出すことはできる。

昨日酒を買って帰ってきたこいしが、買い物中にフランに手を出していたように……。

……因みにあの後はかなり荒れたわね。

二人の唇が腫れてしまっている理由を聞いた私とさとりとルーミアは、まずは主犯であるこいしを全力で追い掛けたの。

こいしが能力を使おうにも、心まで読めないとはいえこいしの無意識を見破れるさとりに運命を見ることでどこに現れるかを知ることが出来る私、挙げ句には能力に頼らずとも長年の戦いの勘だけでこいしの居場所が分かるルーミアの三人が揃ったことによりこいしは逃げる術を持たず…………結局こいしは、私達に捕まりフランが止めに入るまで全身をくすぐられることになったわ。



「あれからさとりがフランに対して更に積極的になったことは誤算だったわね……。

フランにだけは手を出させないようにしなければ……!!」



私やルーミアはかなりフランの唇を奪っているけれど、逆にキスをした回数が少ないさとりはこいしにまで先を越され過ぎていると思ったらしいわ。

それで昨日フラン達が帰ってきてから、フランに対して積極的になっているのよ……。

……まだあまり時間が経っていないとはいえ本当に、こいしと同じように、私やルーミアにくすぐられることになったりしないと良いのだけれど…………。



「……まぁ考えていても仕方がないわね。

今は会場のホールに行くとしましょうか」



そうして私は書斎から出てホールへと向かっていった……。

……先ほどの悪寒を気にしながら…………。








ーーーーー三十分後、衣装部屋。

ーーーーside さとり



「……フラン、このドレスなんていかがですか?

小さな光でも映えて見えるくらい綺麗な紅い色をしていますよ?」


「うっ、ま、また背中が開いちゃってるよ、それ…………?」



先ほどから何度この押し問答を続けているでしょうか……。

背中に翼があるフランのために着やすい背中が開いたドレスを選んでいますが、どうもフランが気に入ってくれません……。

……まぁ、私がフランの艶姿を見たいがために背中の開いた部分が大きい物を選んでいると言うのもありますが…………。



「フラン、時間もありませんから一度このドレスを着てみてくれませんか?

確かに背中は開いていますが髪を下ろせば隠れますし、きっと一度着たら動きやすくて気に入ると思いますよ」



私が今手に持っているドレスはワンピースタイプの物ですから、余計な装飾などは一切付いていない紅い色だけで誰かを魅力するドレスとなっています。

……言い換えれば着る者を選ぶ、着こなすのが難しいドレスなのです。

普通装飾がしっかりしている服などの方が着こなすのが難しいと思われますが、実際こういう会食のような公の場の時は体型や肌の色、身長や着る者の雰囲気などに左右される簡単な作りの服の方が着こなすのが難しいのです。

……まぁ、これは私の見解でしかありませんけどね。



「うーん…………。

……分かったよ、さとり。

さとりがそこまでオススメしてくれるドレスなら一度着てみるね!」


「ふふっ、それなら良かったです。

それでは私はフランが着替え終わるのを待っていますね」



私がそういうと元気に返事をしながら衣装部屋の奥に消えていくフラン。

それを見届けた後、私は自分の衣装を探し始めた……。



「……さて、どれが良いでしょうか?」



今この部屋にはレミリアとフランの故郷の服に加え、私とこいしとルーミアが御世話になり始めてから集めてくれた着物があります。

出来れば一度洋服を着てみたいものですが…………やはり不安が残るので着物から選ぶとしましょうか。



「これは菊ですね……。

こちらは藍染め、それと椿ですか……」



……中々良い品物が揃っているのは良いことですが、良い品物だけというのも困りものですね。

決めるのに悩んでしまいます……。


……そうやって数々の着物を物色していくと、一つ気になるものを見つけた。



「これは……紅い薔薇……?」



恐らくレミリアが作ったのだろうか、黒い下地に紅い薔薇と星のような白い点が散りばめられた一着の着物があった。

思わず目に止めたそれの袖を手に持ち、肌触りを確かめる。

……これは、かなり肌に馴染みますね。

下地に特殊な何かがある訳でも無いみたいですが……。



「あれっ、さとり?

もしかして気に入ったやつがあったの!?」


「あっ、フ、フラン!?

お、驚かさないでください!」



後ろから聞こえた声に驚き振り向くと、そこには紅いドレスを着て髪を下ろしているフランがいた。

……自分で選んでおいてなんですが、あのドレスはフランにかなり似合っていますね!

やはり私の目に狂いはありませんでした!



「あははっ、驚かしてごめんねさとり!

……それで、さとりはその着物を着るの?」


「あっ、この着物ですか……。

……そうですね、私は気に入りましたからこれに着替えます」



見れば見るほど、触れば触るほど私を引き付けるこの着物。

……その引き付けるモノが何なのか、始めは分かりませんでしたが、今、分かった気がします。



「……紅い薔薇はレミリアとフラン。

黒い下地と散りばめられた白い斑点は、夜の空と浮かぶ星達。

これに引き付けられるのは、レミリアとフランのいる世界に私も一緒にいられる気がするからでしょうね……!」


「私と御姉様のいる世界……?

何だかよく分からないけど、さとりと一緒にいられるなら私はそれで良いよ!」



夜の世界の覇者である吸血鬼たるレミリアとフラン。

今目の前で可愛らしい笑顔を浮かべて嬉しいことを言ってくれているフランは、やはりそれでも吸血鬼なのだ。

それならば私は、レミリアとフランと一緒の世界に入りたいと思う。

……それを叶えてくれる気がするのが、きっとこの着物であり引き付けられる原因なのだろう。



「よし、気に入ったなら早く着替えてきてよ、さとり!

私もその着物を着たさとりを早く見てみたいもん!」


「えぇ、分かりました。

それでは少しだけ待っていてくださいね、フラン……」



そうして衣装部屋の奥に紅い薔薇の着物を持って行く私。

その際、フランの側を通りすがる時にフランの頬に一つキスを落としたのは、果たして私の意思か、紅い薔薇の着物の力だったのか、今の私には分からなかった…………。






ーーーーー

以上、衣装選び回でした!



……何だかさとりが積極的&軽いロマンチストになりました。



それと若干レミリアが憂鬱げな感じになりましたが、さて、それは何が原因でしょうか?




それではまた次回にてお会いしましょう!

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