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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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突撃ちびっこチーム!

どうも、東方転妹録最新話です!




今回はフランが目覚め、藍が罰を受けますよ!


……まぁ、平和(?)な罰ですがね。



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー翌日、夜明け前。

ーーーーside レミリア



窓から見える空が、段々と明るくなっていく。

……しかし、医務室にある紅く染まった寝台に横たわる眠り姫は未だ目を覚ますことは無かった。



「……御嬢様、もう御嬢様と私以外は皆寝入ってしまいましたよ?

妹様が心配なのは心が痛むほど理解できますが、後は私が看病をしておきますから御嬢様もお休みください」


「それを言うなら貴女も八雲藍を止めて疲れているはずよ?

私はまだ平気だから、貴女こそ休みなさいな」



フランを見守りながらも一人、また一人と眠りに落ちていったさとり達。

暴走していたために妖力を大幅に消費し、その上美鈴から受けたダメージが溜まっていた八雲藍が数分前に寝入ってしまったことにより、残るは私と美鈴だけとなっていた。



「酷い怪我もありませんから大丈夫ですよ。

普段から門番として獣のように戦う者達には慣れていましたからね」


「幾ら大妖として名の知れた九尾の狐といえども、暴走していれば只の猛獣……。

確かに、それならば貴女が苦戦することも無いわね」



常日頃から紅魔館に押し入らんとする猛獣のごとき妖怪達を相手にしている美鈴にとって、暴走している九尾の狐もまた猛獣と違い無かったのだろう。

……やはり戦いというのは経験がモノを言うのね。

幾ら知識や技術、力があろうともそれを扱う器が無ければ意味は無い。

そしてその器を育てるには経験が必要不可欠だもの。



「……ねぇ、貴女もそう思うでしょう?

…………八雲紫…………」


「あら、気付かれていらっしゃったとは……」



ーーースゥゥ…………。



私が何も無いように見える空間へ話しかけると、静かな部屋に響く胡散臭い声。

それと同時に空間に亀裂が走り、中から扇で口許を隠した八雲紫が現れた……。

……フランは気に入っているようだけれど、どうも私は気にくわないわね。

主としての同族嫌悪みたいなものかしら……?



「美鈴ですら気付くほど気配が駄々漏れだったというのに、私が気付かないとでも?」


「ほとんど気配は消していたつもりだったのですけれど、ね…………。

……とりあえず先に用を済ませていただきますわ」



そう言って未だ目覚めぬフランへと近寄る八雲紫。

その手には、何やら怪しげな薬のようなものが握られていた……。



「ちょっと待ちなさい!

その手に持っている瓶に入っている物は何なの!?」


「レミリアさん、大声を出したら皆さん起きてしまわれますわよ。

……これは単なる気付け薬ですわ。

私の妖力と栄養のある薬草を混ぜた、ね……」



そう言いながら八雲紫はフランの上半身を抱き上げ、ゆっくりと液状の薬をフランの口へ流し込む。

そして全てフランの口に入っていくと…………。



「っ!? う、あぁ……!

…………こ、ここは?」


「なっ、フ、フラン!!」


「妹様!!」



八雲紫の言う通り、本当に目を覚ましたフランの下へ即座に駆け寄る私達。

視界の端でさとり達が私達の大声を聞いて起き出したのを捉えたが、それは無視して私は八雲紫の腕からフランを奪い去っていた。



「あっ……お、御姉様?

わ、私……生きてるの?」


「えぇ、フランは生きているわ!

今こうして私に抱き締められているでしょう!?」



フランが目を覚ましたことに思わず興奮してしまっている私。

美鈴も隣で胸を撫で下ろし、はっきりと状況を把握したらしいさとり達も間に立つ八雲紫を押し退けるようにして駆け寄ってきた。



「フ、フラン、目を覚ましたのかー!?」


「大丈夫!? どこか痛い所とか無い!?」


「二人とも一旦落ち着きなさい!

フランが困ってしまいますよ!」


「フランさん、本当にすまなかった!!

償っても償いきれないが……何でも、何でも言ってくれ!!」


「……散々押し退けられた上に従者に忘れ去られてるだなんて…………。

出来るだけ急いで薬を調合してきたのに…………」


「八雲紫さん、今はしょうがありませんよ。

……それと、妹様に薬を持ってきてくださりありがとうございます!」



約一名落胆しているけれど、それぞれ思い思いの声を発している。

……八雲紫がいなかった理由は薬の調合だったのね。

まぁ遅れたとはいえ、あそこまで効果のある薬を作ってきてくれたのだから多目に見ましょう。

……どうせ後で皆から怒られるでしょうし。



「えっと……あ、そうだ、私は死にかけて、それから…………。

……ううん、皆、心配してくれてありがとう!!」



途中何やら考えていたみたいだけれど、すぐに状況を把握してお礼を言って来るフラン。

それと同時にフランが見せた笑顔に、私達は皆一様に見惚れてしまっていた。

何か憑き物が落ちたかのような、綺麗な笑顔に……。



「……あっ、フ、フランさん。

改めて言わさせてもらいますが、本当に、本当にすみませんでした!

フランさんが言うことならば、罰でも何でも聞きます!」



いち早く我に還り、口調を丁寧にして改めてフランに謝る八雲藍。

それを聞いたフランはキョトンとした後、今度は妙案が浮かんだというかのような悪戯っ子の笑みを浮かべた。



「それじゃあ藍さん!

さっきの罰として、私が満足するまで藍さんの尻尾をモフモフさせてよ!」


「……えっ? そ、そんなことで良いのか!?」



……ちょっ、フランは本当にそれで良いの!?

貴女は八雲藍に殺されかけたのよ!?


絶句している私の思い等気付かずに清々しい笑顔をして、今にも八雲藍に飛びかかりそうな感じに手をワキワキさせるフラン。

さとりやこいし、ルーミアも私と同じように絶句しており、美鈴や八雲紫に至っては頭を抱えて肩を落としていた。



「罰なんだから気にしなくて良いんだよ藍さん!

それじゃあいくね!!」


「えっ、ちょっ、まっ!?

……ひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!?」



死にかけるほどの重体だったというのに、そんな様子の欠片さえ見せることなく八雲藍に飛びかかるフラン。

そのままフランは慌てる八雲藍の背後に回り、流石九尾と言いたくなるほどの立派な尻尾の群れに飛び込んでいった。



「うわぁ〜〜…………!!

椛のよりふわふわしてて柔らかくて気持ち良いよ!!」


「ちょっ、フランさん!?

く、くすぐったいからそこはダメ…………!?

く、くぅぅぅぅぅぅん!!!!!?」


「罰なんだからやめないよ〜だ!」



……最早フランは九本の尻尾に埋もれて体全体で堪能している。

姿は見えないが、中から聞こえてくるフランの声は本当に気持ち良さそうだった……。



「フラン、気持ち良さそうだね……。

私達も混ざったらダメかな、ルーミア?」


「一応私達も被害者だから大丈夫だと思うのだー……。

……という訳で」


「「突撃〜〜!!!!」」



余程くすぐったいのか悶え苦しむ八雲藍の尻尾に、今度はこいしとルーミアが突っ込んでいく。

その瞬間、八雲藍は最早この世の物とは思えない奇声を発していた……。



「……あれはある意味かなり厳しい罰ですね」


「……私も混ざってみたいわね。

よし、行くわよさとり!」


「……はい、レミリア!」



……この後、八雲藍が更なる奇声をあげたのは、必然的なことだった…………。






ーーーーー

以上、モフリ倒し回でした!



……まぁフランですからね!

罰といってもこんなものです。


さて次回は……どうしようかな?



それではまた次回にお会いしましょう!

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