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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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尽きた妖力と不吉な運命

どうも、東方転妹録最新話です!




いきなりですが、今回は完全にシリアス構成になっています。

フランが、とても危険なことになりますよ。




それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー数時間後。

ーーーーside フラン



「……ン…………い、おき……よ……」


「……ぅ…………ぅっ…………」



ふと気がつくと、意識が朦朧としていて周りが認識できなかった。

……どこかから声が聞こえる……?

誰が、何を言ってるのかな……?



「……のか……は…………るのだ………フ…………」


また、誰かの声が聞こえた気がする……。

これは、さっきとは違う声……?



「……きて…………ラン……!」


「……のだ……フラ…………!」


「「……起きてフラン!!!!」」


「っ!!!!!!!?」



重なる声が聞こえた瞬間、一気に覚醒する意識。

そして同時に、目覚めた私の体に空気が満ちたような感覚がした。



「フランの目が開いたよ!!!!

大丈夫フラン!? 私の声が聞こえる!!!?」


「フラン!! 私達の声が聞こえてるなら返事をするのだー!!!!」



意識は覚醒するも、まだ口すら動かない私の体。

視界に映るこいしとルーミアは、目に涙すら浮かべながら私を心配そうに見つめている。

……ここは……そうだ、私は藍さんの弾幕に飲み込まれたんだっけ……。



「お願いフラン、返事をして!!」


「もしかして喋れないのかー!?

それならほらっ、指だけでも良いから動かすのだー!!」



そう言いながら両手で私の頬を包むこいしと、同じく両手で私の手を握るルーミア。

……あぁ、早く、二人に返事をしなくちゃ……。

早く、二人を安心させないと……。



「……ぁ……うぅぁ…………」


「あっ、しゃ、喋った!!

フランが喋ったよルーミア!!!!」


「うん! フランが喋ったのかー!!

フラン、無理はしないで良いのだー!

今からこいしと一緒に医務室に連れてくのだー!!!!」



そうして揺らさないように優しく私を横抱きに抱えてくれるルーミア。

こいしもルーミアの隣に立ち、時折別の方向を不安そうに一瞥しながらも私が安心するような落ち着いた笑顔を向けてくれていた。

……そういえば、二人の怪我は大丈夫なのかな……?

見た限り目立った怪我は無いけど……。

……ううん、どれくらい経ったのか分からないけど、むしろ吸血鬼である私の怪我が治ってないのがおかしい…………?



「……!?……うぁ……!?」



思い浮かんだ疑問を解消するべく少しだけ動くようになった体を動かそうとして、私は自分の状態を知った……。

……む、胸から下の感覚がない!?

いや、感覚所か、体がないの!?



「……かっ……から…………わ…………らだぁ……!?」


「っ!? フラン落ち着くのだー!!

フランは今妖力が尽きてる状態なのかー!!

だからさっきから私とこいしでフランに少しずつ妖力を分け与えてるから、じきに治るのだー!!」


「それに医務室に行けばちゃんとした治療もできるから大丈夫だからね!!

それに藍さんは美鈴が抑えてくれてるから、フランは心配せずに落ち着いて!!」



二人が何を言っているのかすら理解する余裕もなく、自分の体が治らないことに酷く混乱する私。

……どうして回復しないの!?

霧にも、蝙蝠にも、どうしてなれないの!?

私の、私の体はどうしちゃったの!?



「……あ……あぁ……!?

……か……から…………わた…………。

……!?…………ごふぅっ!?」


「なっ!? 落ち着いてフラン!!

フランは死んだりしないから!!

私とルーミアが傍にいるから!!!!」


「喋ろうとしたら血を吐いてしまうのだー!!

もうすぐ、もうすぐ医務室に着くから……!!!!」



喉にこみ上げ、自分の口から出てきた血の塊を見て一瞬で放心してしまう私。

それと同時に私の意識は再び揺らいでいき、そして遂に私の意識は暗転していった…………。



「フラン!? 寝ちゃダメ!!!!」


「お願いだから起きるのだー!!

フラン、フラァァァァァン!!!!!?」

















ーーーーースカーレット姉妹の故郷。

ーーーーside レミリア



「…………っ!?」


「なっ、レ、レミリア……!

今貴女が見た運命は、一体……!?」



さとりと共にテラスから寝室に戻った後、大きめのベッドに二人で入って眠りかけていると、ふと私の能力が捉えた運命。

……それは紅魔館ではない何処かで、こいしとルーミアがフランの名を呼びながら泣き叫んでいる運命だった。



「な、何故こいしとルーミアが泣いているのですか!?

それにこれからフランはどうなるのです!?」


「落ち着きなさいさとり!!

とりあえず原因と今見た運命までの経過は見れないわ。

……ある時から突然フランの運命が見えなくなっているのだけれど、今回もフランが関係しているからなのか、原因も、これからフランに起こることも見えないのよ……」



フランが初めて紅魔館から脱出して凡そ半世紀経った頃、突然見えなくなったフランの運命。

それからというもの、フランに少し関わるくらいなら何とか見えるものの、フラン本人に関わる運命はどうやっても見えなかった……。

……今はこんなことを考えてる場合では無いわね。

とにかく今は紅魔館に戻らなければ!!



「レミリア、帰りのために八雲紫から譲り受けた札を用意しました。

妖力を流せば人里まで転移できるはずです!」


「流石さとりね、口にする前に行動してくれるのは凄く助かるわ!

……さぁ、早く札に妖力をこめましょう!!」



スキマでここまで送ってもらった際に、八雲紫から譲り受けた特製の札。

使うのは初めてではあるけれど、スキマを使えたり術に関して詳しい八雲紫の特製なのだから効果は信用できる一品。

……そしてこれに私とさとりが同時に妖力を注ぎ込むと、札が強く光りだし、やがてその光は広がって私とさとりを飲み込んでいった…………。













ーーーーー人里の広場。

ーーーーside さとり



「……どうやら人里に着いたようね」


「……はい、辺りを見る限りそのようです。

流石は八雲紫の札といった所でしょうか」



既に夜の闇に包まれている人里の広場。

時間帯のせいか人は一人もおらず、家から出てくる気配もない。

レミリアの心を見る限り、それぞれの家の中に人の気配はしているようだ。

……人々が騒がないなら、むしろその方が好都合ですね。

私もレミリアも早く紅魔館に戻りたいことですし、早速出発しましょう。



「……それではレミリア、早く紅魔館に向かいましょう」


「言われなくても分かってるわよ。

……さとり、手を貸しなさい。

今の私の最高速で紅魔館へ飛ぶわ!」



そう言いながら、こちらが手を差し出す前に私の手を掴むレミリア。

するとレミリアはすぐに浮き上がったため私も急いで浮き上がり、レミリアの腕にしがみついた。



「それじゃあ行くわよ!

しっかり捕まっていなさいさとり!!」


「はいっ!!」



私の返事を聞くやいなや、射命丸さんにも追い付けるのではないかと思う程の速さで飛び始めたレミリア。

その速さに負けそうになり、さらにレミリアにしがみつきながら、私とレミリアは夜の闇を切り裂いて紅魔館へと飛んでいった…………。








ーーーーー

以上、フラン妖力枯渇回でした!



……えっと、かなりヤバい状況になりましたね。


レミリアとさとりも緊急召集されましたし、次回はどうなるのでしょうか?




それではまた次回にてお会いしましょう!

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