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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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この世の恨みを越えた狐

どうも、東方転妹録最新話です!



連日更新が遅くなり本当にすみません。

受験が刻一刻と近づいてきているため、このようなことが続くと思いますが、御容赦していただけるとありがたいです。



さて、今回は前回から引き続きほのぼの(?)ですよ!

……最後にどんでん返しがありますけどね。




それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー紅魔館書斎。

ーーーーside フラン



「ほらフラン、バカルーミアの血なんかペッ、てしてよ!

フランにルーミアの口調が移っちゃうよ!?」


「私はバカじゃないのかー!?

それに口調が移るのは別にそれでいいのだー!!

私とフランでお揃いになるのは最高なのかー!!」


「いや、あの……血を吸っただけじゃ口調が移ったりしないよ……?」



魔法陣から出てきてすぐにルーミアとこいしが言い争い始めている。

私はこいしに後ろから抱き締められながら言い争いにツッコミを入れつつ、溜め息を吐いている紫さんに動けない私に変わって口元を拭ってもらっていた。



「……んっ、ありがとう紫さん!」


「フランは気にすることはないわ。

これは私がしたくてしてるもの。

……それより、何故フランとルーミアが魔法陣から現れたのか教えてほしいわね」


いまだに言い争っているこいしとルーミアを無視しながら、私に魔法陣から出てきた理由を訪ねてくる紫さん。

……まぁ、それは気になるよね。

ルーミアはこいしと言い争いの真っ最中だし、私一人で説明しなきゃ……!



「あのね、私とルーミアが魔法陣にいたのは「ルーミアはバカだからフランは任せられないよ!!」てしまったから、だからそのまま魔「さっきからバカバカうるさいのかー!!」れちゃったの」


「そうだったの……。

それは大変だっ「バカもバカ、大バカだよ!!」に行けなくて申し訳ないわ……。

……今度同じよ「なっ、こいしの方がバカなのだー!!」ぐに助けにいくわ!」



「「……二人とも、うるさい!!」」


「「ひゃうぅぅぅぅ!!!?」」



会話を遮るほどの大声で言い争い続けるこいしとルーミアに、おもいっきり怒鳴りつけた私と紫さん。

私と紫さんの突然の怒鳴り声にびっくりしたのか、こいしとルーミアは驚きながら固まってしまっていた……。



「……さて、静かになったわね。

聞こえてはいたけど、一応もう一度話してもらってもいいかしら、フラン?」


「うん、じゃあもう一度話すね!

……私とルーミアが魔法陣から現れたのは、私のミスで魔法陣を誤作動させたからなの。

そのせいで私が魔法陣に飲まれちゃって、助けてくれようとしたルーミアまで飲み込まれちゃったの。

それで中から魔法陣を正常に発動させて脱出してきたから、私とルーミアは魔法陣から現れたんだよ!」



私がもう一度説明すると紫さんは改めて理解したというように頷く。

そうして紫さんは少し安心したように小さく息を吐き出すと、私とルーミアの頭を撫で始めた。



「色々あったみたいだけれど、二人が無事に帰ってきてくれただけでも良かったわ。

ただし、もう二度とこんな心配はさせないでちょうだい?

もちろんこいしも同じよ?」


「「「…………うん!」」」



私とルーミアの頭を優しく撫でながら、私達と一つの約束をかわす紫さん。

それに私達も元気な返事を返していた……。

……それにしても、今紫さん、こいしとルーミアにも私に話すような感じになってたよね!

今回のことで紫さんが二人に気を許したなら、魔法陣に閉じ込められちゃったりしたけど、良かったなぁ……!



「……それじゃあフラン、今日は私も紅魔館にいても良いかしら?」



名残惜しそうに頭を撫でるのをやめて、私に今日は紅魔館にいても良いかと聞いてくる紫さん。

……私自身としても、当主代理としても紫さんがいるのは嬉しいから別に構わないけど、藍さんは大丈夫なのかな……?



「別に構わないし、むしろ嬉しいけど藍さんは大丈夫なの?」


「そうだよ、もし今日このまま此処に泊まるんだったら藍さんも呼んだ方が良いんじゃないの?」



紫さんが紅魔館に長居するとなるとやはり気になる藍さんのこと。

私がその事を指摘し、こいしが藍さんを呼んだ方がいいと言うと、紫さんが急にソワソワして挙動不審になっていった。



「あ、あー…………。

その、藍はちょっと、ね……?」


「? 藍さんと何かあったのかー?」



何かを察して欲しいと言うように引け腰になって私達をうかがっている紫さん。

確かに藍さんと何か気まずいことがあったことは察せるけど、ルーミアが言ったように何があったのかが非常に気になる……。



「…………言わなきゃダメかしら?」


「「「うん!」」」



これで聞けなかったら、気になりすぎて夜も寝れないよ!

一体紫さんと藍さんに何があったのかな……?



「あー、その、実はね?

最近今まで張っていた結界以外に新しい大結界を張ることに決めたから、色んな妖怪の所を渡り歩いていたのよ。そこでお酒をいただいたりしてそのまま宴会になることが多々あったのだけれど…………藍に今までの結界を任せたままだったのよね…………」



最後には私達から顔をそらしながら小さく呟いていた紫さん。

しかしその声はギリギリ私達の耳に届いており、私達は揃って呆れてしまっていた……。

……そして私はこいしとルーミアと顔を見合わせ、紫さんへ向けて一斉に言い放った。



「「「藍さんを呼ばなきゃ絶対に泊まっちゃダメ!!」」」


「そ、そんな〜〜!?」



私達が言い放った言葉に、情けない悲鳴をあげながらその場に崩れ落ちていく紫さん。……それでも私達は主張を変えることはなく、結局紫さんは一度藍さんを迎えに行くことになった。



「うぅ……本当に呼ばなきゃダメかしら……?」


「呼ばなきゃダメ!!」


「紫さんがどうしても迎えにいかないなら私が無意識で迎えに行くもん!!」


「ほら、さっさと迎えに行くのかー!!

そしてきっちり怒られるのだー!!」



決して主張を変えない私達に絶望し、さらにルーミアが放った言葉に止めを刺された紫さんは、文字通り泣く泣くスキマを開いた……。

すると、開いたスキマから…………。



ーーー『プリンセス天狐 -Illusion-』



「えっ……?」


「「っ……!?」」


「なっ!? 『カゴメカゴメ』!!」



紫さんが開いたスキマから飛び出してきた藍さんの弾幕。

紫さんと同じように不意をつかれた私達。

紫さんの後ろにいた私達も巻き込まれないために、いち早く我に還った私は咄嗟に『カゴメカゴメ』を展開していた。



「き、きゃあぁぁぁぁぁぁ!!!?」


「あっ! フランの弾幕が消えちゃう!」


「っ! 『ナイトバード』!!」



スキマから飛び出してきた弾幕に飲み込まれ姿が見えなくなる紫さん。

その後ろでは怒濤の勢いで迫る藍さんの弾幕に私の弾幕が打ち消されていて、それに気付いたこいしの叫びに反応したルーミアがフォローをしてくれていた。



「くっ!? ま、まだ勢いが衰えないのかー!?」


「あぁ! ルーミアのナイトバードが!?」


「私も行くよ! 『弾幕パラノイア』!!」



現メンバーで最強のルーミアの弾幕すら藍さんの弾幕に打ち消されていく。

こいしも弾幕を展開するけど、やはりルーミアの弾幕以上に早く打ち消されていっていた……。



「……紫様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

かぁぁくごぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」


「こ、この声は藍さん!?

……くっ、『スターボウブレイク』!!」


「スキマから聞こえるのかー!!

『ムーンライトレイ』!!」


「この世の恨み妬みの全てを混ぜたような叫びだね……!

『妖怪ポリグラフ』!!」



姿は見えないけどスキマから聞こえてくる藍さんの叫び声。

その叫び声に呼応するかのように『プリンセス天狐 -Illusion-』はさらに勢いを増していく。

ここで驚くべきは、藍さんの技は一つしか使っていないのに私達の技が同時に何個も打ち消されていくということ。

原作のようにスペルカードではないため制限時間や威力の劣化はないとはいえ、目の前の光景は本当に信じがたいものだった……。



「ゆぅぅぅかぁぁぁりぃぃぃさぁぁぁまぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


「も、もうもたないのかー!?

ディ、『ディマーケイション』!!」


「お、押しきられちゃうよ!?

『サブタレイニアンローズ』!!」


「能力を使う時間さえあれば……!

『過去を刻む時計』!!」



新たに弾幕を投入するも最早焼け石に水といった状態で、私の能力で破壊する余裕すら無くなってしまっている。

……こういうときにチルノがいたら…………!!


絶望的な状況の中、チルノに来て欲しいと願っていると、遂に弾幕の均衡が崩れてしまった……。



「あっ! だ、弾幕が破られた!?」


「こ、こっちにくるのかー!?

……こいしとフランには当てさせないのだーー!!

来い、『ダーインスレイヴ』!!!!」



もう避ける余裕がない所まで迫り来る弾幕。

こいしは悲鳴に近い叫びをあげ、ルーミアは己の回復能力を信じて私とこいしの前に剣を盾のように持って立ち塞がった。

……フォーオブアカインドは間に合わない……!

せめてルーミアと同じように『レーヴァテイン』だけでも…………!!



「来て、『レーヴァテイン』!!」


「えっ!? フラン!?」



ルーミアの位置までは間に合わないから、せめてこいしを庇うようにレーヴァテインを構えて立つ私。

その間に藍さんの弾幕はルーミアの位置に届きかけていた。

……この中で最も回復能力の弱いこいしに当てさせる訳にはいかない!!



「ぐぅ!? ガァァァァァ!!!!!!」


「ル、ルーミアァァァ!?」



届いた弾幕にダーインスレイヴを振るいながらも、遂に藍さんの弾幕に飲まれていくルーミア。

見えなくなるルーミアの姿に、こいしが悲痛の叫びをあげていた。

……そして、とうとう私の所へ弾幕が届く……。



「全部、壊れろぉぉぉぉぉ!!!!!!」



迫る弾幕へ叫びながらレーヴァテインを振るう私。

初めの一振りで数十個近い弾幕を消し飛ばしたが、すぐさま腕を引き戻す前に新たな弾幕が届き…………。



「っ! アァァァァァァ!!!!!?」


「フ、フラァァァァァン!!!!!!!!」



後ろから聞こえる、こいしが私を呼ぶ声をどこか遠い所で聞きながら、私は弾幕に飲み込まれていった…………。







ーーーーー

以上、藍の怒りと被害回でした!



……フランとルーミア、こいしまで巻き込まれてしまいましたね。


三人の運命は、紫の命は、レミリアの日記は、一体どうなるのでしょうか……?




それではまた次回にてお会いしましょう!!

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