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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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こいし、怒りの一撃!!

どうも、東方転妹録最新話です!



再び更新が遅れてすみません。

最近、さらに学校が忙しくなってきました。



さて、今回はこいしside onlyでいきます!

一人取り残されたこいしは一体どうするのでしょうか?



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー脱出少し前、紅魔館書斎。

ーーーーside こいし



ーーコン、コン…………。


「……フラーン? ルーミアー?」



フランに報告をしに書斎へ行ったらしいルーミアが戻ってこないと警備メイド達に言われて、ルーミアを書斎へ呼びにきた。

ノックをして呼んでみたけど、誰も出てくる様子はない……。

……まさか、私を差し置いてフランとイチャイチャしたりしてないよね……?



「もう、中に入るからねー!

……って、な、何これぇぇぇ!?」



不満を声に混ぜながら書斎の扉を開く。

するとそこには、フランとルーミアの代わりに沢山の本の山がそびえ立っていた。


……こ、この本の山は何なの!?

なんでこんなに積まれてるの!?

それよりフランとルーミアはなんでいないの!?


目の前に広がる光景の衝撃が強すぎたせいで、おもいっきり混乱してしまっている私。

とりあえず一体何の本が積まれているのか確認しようとして、山から一冊の本を取ろうとすると……。



ーースゥゥ…………。



「フラン、妖力が感じられなくなったけど何かあったのかしら?

……って、何なのこの本の山は!?」


「えっ、ゆ、紫さん?」



本の山の反対側、扉ではなくフランの机がある方から聞こえてきた紫さんの驚く声。

私も突然聞こえてきた紫さんの声に軽く驚きつつも、とりあえず本人確認をしていた。



「……あらっ、もしかしてそちらから聞こえてくる声はこいしさんですか?

ちょうど良かったですわ、今からそちら側に行きますからこの部屋がなぜこんな状態になっているのか、そしてフランの妖力が感じられないのはなぜかを教えてくださいな」


「うん、それはいいけど私もよく分からないよ?

私が来たときには既にこうなってたもん」



私の返事を聞くまでもなく側へとスキマを開いてやってきた紫さん。

それを見計らって私も返事を返す。

……それにしても、いつかは藍さんに怒られたのにまだスキマを使いまくってるんだね。

これは藍さんに報告するべきかな……?



「……そうですか、何の手がかりも無いようですわね」


「まぁこの本の山に何か関係がありそうだけどね。

とりあえず一冊取ってみたけど…………」



そう言いながら先ほど山から掴み取っていた一冊の本を眺めてみる。

すると、題名のところにあった名前は…………。



「『フラン観察日記ver39』……?」


「……著者は、レミリア・スカーレットとなっていますわ」



本の題名と著者の名前に思わず呆気に取られてしまった私。

紫さんも扇で口元を隠しながら興味深そうに私の持つ日記を覗き込んできていた……。



「これはとても面白そうな題名ですわね?

一度中を見てみません?」


「それは流石に悪趣味だよ紫さん。

題名があれとはいえ御義姉様が書いた日記なんだし、それにフランの恥ずかしいことまで書いてあったとしたら後でフランにまで怒られちゃうよ?」


「うっ…………!?」



フランに怒られると言った所で扇で隠していても分かるくらい顔をひきつらせる紫さん。

そんなにフランに怒られたくないなら、ちょっと考えて行動すべきだよね!

……まぁ、私も理性が抑えきれなくなった時は考えきれてないけどね。


そんなことを思いつつ他に何か別の本がないか探そうと、本の山へ近づいていくと…………。



ーークシャッ…………!



「んっ? これは、紙……?」


「……何かの陣が書かれていますわね。

この国の術式では見たことはないから、きっと魔法陣だと思いますわ」



後ろから再び覗き込んでくる紫さんの見解を聞きながら、紙に書かれた魔法陣を眺めてみる。

しかし、魔法は勉強をしているフランの横で本を眺めてみる程度でしか知らなかった私には、この書かれている魔法陣がどのような効果を持つのか全く分からなかった。



「……むぅ、全く分かんないや……」


「あら、こいしさんは紅魔館にきてから魔法について学んではいないのですか?」


「魔法を学ぶ気にはなれなかったから学んだことはないよ。

強いて言うなら、魔法を勉強しているフランの横で軽く覗き込んでいたくらいかな……?」



そう言うと納得顔で頷く紫さん。

それを私は横目で見た後、再び魔法陣が書かれた紙へと視線を戻した。

……沢山の本の山と、落ちていた魔法陣が書かれた紙、そして本来ならここにいるはずなのにいないフランとルーミア…………。

……もしかして、何か大変なことでも起きたのかな?



「……この状況から察するに、何かあったようですわね。

早く二人を探し出すべきですわ」


「やっぱり紫さんもそう思うんだね。

二人とも、大丈夫かな……」



ただでさえ強いのに、それぞれの持つ能力もまた凄く強いフランとルーミア。

そんな二人が同時にいなくなってしまう用なことが起きたなら、絶対ただ事じゃない……。

……本当に、本当に無事でいてね、フラン、ルーミア…………!!!!


……そうやって私がフランとルーミアのことを心配しつつ二人を探し始めようと部屋を出ようとすると、持っていた魔法陣が強く輝き始めた…………。



「えっ!? な、何!?」


「っ! こいしさん早くそれを離しなさい!!」



突然輝き始めた魔法陣に驚き、思わず固まっていると、紫さんが私の手から魔法陣をはたき落とした。

そして言葉も出せずに輝く魔法陣を見つめていると、輝きが段々強くなってきて……。



「……コクッ……コクッ……」


「んぁぁぁ…………!!」


「「………………はっ?」」



……魔法陣から、私と紫さんに背を向けてルーミアの首筋辺りに顔を近づけているフランと、そのフランを抱き締めつつ顔を赤くして恍惚とした表情と声をあげるルーミアが現れた。



「フ、フラン……ルーミア……?」


「……うっ、くぅぅぅん…………!!」


「……コクッ……コクッ……」



私の呼び掛けにすら反応せずに声をあげ続けるルーミアと、血の臭いが漂ってきているから恐らく吸血をしているフラン。

……フランは夢中で血を吸ってるみたいだしルーミアの声を耳元で聞き続けてるから私の声が聞こえてないんだろうけど、ルーミアは確信犯だよね!?

だってフランと違って最初からこっちを向いてるし、しかも薄目を開いてるんだよ!?

仕事を忘れるどころか、本当に私を差し置いてフランとイチャイチャしてるだなんて…………この恨み、はらさでおくべきか!!


胸に込み上げてくる激しい怒りのような感情に突き動かされるままにフランとルーミアに近づく私。

そして二人に手が届く距離になると日記を投げ捨てながら私は一気に距離を詰め、最初にルーミアの首筋に噛みついていたフランの頭に右手を回し、歯が痛くなったり首がしまったりしないようにルーミアから引き剥がした。

次にそのまま空いている左手で驚愕の表情を浮かべているルーミアの頭を鷲掴みにして…………。



「……こぉんの、バカルーミアァァァァァァァァ!!!!!!!!」


ーードゴォォォォォォォォ!!!!!!


「キャアァァァァァァァ!!!!!!!?」



……慧音さんのそれにも勝るとも劣らぬ、今までで最高の威力を誇るであろう渾身の頭突きをルーミアの額に向けて放った…………。





ーーーーー

以上、こいしside回でした!



……最後のこいしの一撃は煮えたぎる気持ちがしっかりと表されましたね。


なんというか、書いていてこいしにもルーミアにも別々の意味で合掌したくなりました。




それではまた次回にてお会いしましょう!

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