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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
64/283

二度目の初めてと脱出

どうも、東方転妹録最新話です!



更新が遅くなってしまいすみませんでした。



今回はフランとルーミアの脱出回になっています!


そしてルーミアがフランの二度目の初めてをもらっていきますよ!




それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー魔法陣の中

ーーーーside フラン



「……うぅ……こ、ここは……?」


「……んっ、フラン起きたのかー。

どこか痛い所とかないかー?」



ふと目を覚ますと、私に膝枕をしていてくれたらしく、すぐに目の前に現れたルーミアの顔。

そのルーミアの顔には私を心配する気持ちと一緒に、何かへの戸惑いが現れていた。



「ル、ルーミア……ありがとね、どこも痛くないよ」


「それなら良かったのだー!

結構目を覚まさなかったから本当に心配したのだー……!」


「そっか……私、気絶してたんだ……。

心配かけちゃって本当にごめんね、ルーミア」



どうやら私は魔法陣に飲み込まれた後、しばらく気絶していたみたい。

それを理解した後、少し惜しく感じながらもルーミアの膝から頭を起こして周りの状況を確かめてみると、辺り一面真っ白な空間が広がっていた……。



「フランは気にしなくてもいいのかー!

目が覚めたからそれでいいのだー!

……それにしても、ここはどこなのだー?」


「えっと、私が作った魔法陣の中のはずだけど……。

……どこを見ても、真っ白だね」



御姉様が使っていた転移用の魔法陣、それは言い替えると収納用の魔法陣を改造して何でも収納できるようにした持ち運び用の魔法陣とも言える代物だった。

だからこそ、魔法陣の中は今私とルーミアが見ているように延々と広がる空間になっている。

……本来の収納用の魔法陣ならこっちから魔力を流して、空間を魔力で満たせば魔法陣は発動するはずだけど…………。



「うーん、できるかなぁ……?」


「えっ? もしかしてここから脱出する方法があるのかー?」


「うん、理論上なら一応ね。

今私達がいる空間を形成している魔法陣に、こっちから魔力を流して空間を満たせば発動するはずなの。

……まぁ、私の魔力でしか発動しないんだけどね」



しかし、問題はここからである。

通常の魔法陣なら空間を魔力を満たすだけでいいが、この空間を形成している魔法陣は元々は御姉様が作ったものに改良を加えたものでしかない。

……つまり、効果のほとんどは御姉様が作ったままなのだ。



「なるほど、つまりフランが魔力を流せば戻れるのかー!」


「……まぁ、やれるか分からないけど…………」



ルーミアが喜んでいる横で私がそう言うと、ルーミアが不思議そうな顔で私を見てきた。



「それはどういうことなのだー?

もしかして、魔力が尽きちゃってるとか……?」


「ううん、魔力は尽きてないよ!

……ただ、魔法陣を発動させるにはこの空間を魔力で満たさないといけないんだけど、この広い空間を満たしきれるかなぁ、って思ったの…………」



見渡せど見渡せど先の見えない真っ白な広い空間。

この空間を魔力で満たすには、途方もないほどの量の魔力を放出しなければならないはず。

……魔力が尽きても妖力で代用できるとはいえ、それでも私一人の量じゃきっと足りないよね。



「そっかー、魔力でこの空間を満たさなければならないのかー……」


「うん……まぁ妖力でも代用はできるけど、それでも足りないだろうしなぁ……」



上げて落とされたような感じになってしまい目に見えて落ち込むルーミア。

……魔力も妖力も休めば回復するけど、その間に放出した魔力は消えちゃうだろうしなぁ。

妖力なら吸血鬼らしく誰かの血を吸えばすぐに回復できると思うけど、ルーミアの血を吸うわけにはいかないし……。

……それにこの空間を破壊したりしたら何が起きるかわからないし、紫さんもスキマで来ないってことは気づいてないよね。



「せめて、入って泳げるくらい沢山の血があれば妖力だけでもいけると思うんだけどなぁ……」



そういって今この状況を打開するために必要な願望を呟いていると、隣で落ち込んでいたルーミアの肩がピクリと動いた……。



「……フラン、血があればここから脱出できるのかー?」


「えっ? あっ、うん。

本当に沢山の血がいると思うけど、あれば脱出できるはずだよ」



いきなりそんなことを聞いてくるなんて、ルーミア、どうしたんだろう?

ここにはそんなに沢山の血がある訳じゃないのに……。

……そう思いながら急に動き出したルーミアを見ていると、なんといきなり襟元のリボンをほどきだし、その白い首筋から肩にかけてを私の目の前に晒し始めた。



「えっ、ちょっ!?

ル、ルーミアはなんで服を脱ぎ始めてるの!?」


「フランに血を吸ってもらう準備をしてるのだー!

大丈夫、血は妖力でいくらでも造り出せるし妖力自体もフランより沢山あるから気にすることはないのだー!!」



そうして私にしがみついてきて、私の口元へ噛みつきやすいようにその白い首筋を近づけてくるルーミア。

私は思わずルーミアの白い肌に見とれてしまっていたけど、我に返るとすぐにルーミアを止め始めた。



「ダ、ダメだよルーミア!!

この空間がどこまで続いてるか分からないからルーミアの妖力でももつかは分からないんだよ!?

……それに、誰かから直接血を吸うのは始めてだから、上手く吸えないと思うもん…………」



見渡す限り白い空間は、本当に永遠に終わりがないんじゃないかと思うほど広く見える。

その感覚は、ルーミアの妖力を持ってすら私には不安に感じられた……。

……しかし、ルーミアは…………。



「は、じ……めて……?

……それなら尚更私の血を吸うのだー!!

絶対にフランの初めては私がもらうのかー!!

それと妖力の心配はいらないのだー!

数十億年生きてきたのは伊達じゃないのかー!」


「うっ……で、でも…………」



止めたらむしろさらに勢いを増して迫ってきたルーミア。

その勢いに私は押しきられそうになるが、なんとか踏みとどまっていた……。

……しかし、ルーミアはさらに追い討ちをかけるようなことをしてきたのだった。



「むぅ……ならフラン、ちょっとこっちを見るのかー」


「えっ、どうしたのルー…………っ!?」



ーーー……チュッ……




唇に広がる柔らかく甘い感触。

しかしそれは、以前の御姉様のそれのように激しいものではなく、ただそっと触れるだけの、優しいものだった……。



「……っ! ル、ルーミア!?」


「……ねぇフラン、私達が初めて出会った時のことを覚えてるかー?」



突然のことに困惑している私の目を見つめながら、ルーミアは私とルーミアが出会った時のことを話し始める。

……私とルーミアが出会った時って、私がルーミアの口の回りについた血を舐めてキスをしてしまった時だよね。

あれが私のファーストキスだったから、よく覚えてるよ。



「うん、ちゃんと覚えてるよ!」


「あはっ! フランに覚えててもらえて嬉しいのかー!!

……あの時、私は今みたいにフランの初めてをもらったのだー。

だから、それと同じようにもう一度フランの初めてが欲しいのかー!」



最早零距離と言っても過言では無い位置で私の初めてが欲しいと言うルーミア。

そしてダメ押しとでも言うように、もう一度キスをして顔を離していった……。



「……分かったよ、ルーミア。

もう一度、私の初めてをあげるね!」


「うん! ありがとうなのだー!!」



そうやって二人でひとしきり笑いあった後、再びルーミアは私の口元へ首筋を近づけ、私もルーミアの首筋へと顔を埋めていった。



「それじゃあ、吸うね……?」


「うん、いつでも良いのだー!」



そうしてルーミアから了承の返事を得た私は、ゆっくりと口を開き、せめてあまり痛まないようにと思いながらルーミアの白い首筋へと牙を沈めていった……。



「っ!……ん、あぁ……!」


「……コクッ……コクッ……」



やはり首筋が痛むのか、それとも血を吸われる感覚がむず痒いのか、少し声を漏らすルーミア。

その声を耳元で聞きながら私は妖力を放出しつつ、首筋から溢れてくる血を溢さないように飲み込んでいく……。

……そうするとやはり私の妖力は減ることはなく、むしろその量が増していく感覚がした。



「あぅぅ……フ、フラン…………血を吸われるのって、気持ちいいんだね……!」


「……ゴフゥッ!?」



ルーミアのまさかの発言に吹き出してしまう私。

それでもルーミアの血を無駄にしないために、すぐさま血を吸い出していく。

……そうしていつまでそうしていたか分からなくなってきた頃、血を飲む間閉じていた目蓋に明るい光が当たるのを感じた気がした…………。







ーーーーー

以上、脱出&フラン初の吸血回でした!




これでルーミアが二つ、レミリアが一つ初めてをもらっていきましたね!

……さとりは時期的にともかく、こいしが不遇過ぎた気が今さらながらにしてきました。

今度こいしにサービスしようかな……?




それではまた次回にてお会いしましょう!

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