表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
63/283

フランのミスとレミリアの胸騒ぎ

どうも、ようやく模試二日目が終わり灰となって力尽きた愛式未来です!



……前回よりも点数が70点くらい下がって、950点のうち601点しか取れませんでした……。

自己採点をした時は太陽に焼かれた吸血鬼のように灰になる気分でしたよ。



と、まぁこんな話からスタートしましたが今回フランもレミリアも灰にはなりません!


……ある意味もっと危険かも……?



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー1週間後、紅魔館書斎。

ーーーーside フラン




「よしっ、これで全部だよね……!」



現在新婚旅行でいない御姉様に代わって私が使っている机の前にそびえ立つ本の山。

その山にある本はどれもが分厚く、そして中には相当な古い物もあった。

……ようやく全部見つけたよ…………御姉様の書いたおよそ半世紀分の私の観察日記!!



「まさか、わざわざ魔方陣を使ってるとは思わなかったよ……。

流石は御姉様、と言いたい所だけど全部見つけたから私の勝ちだね!

アハハハハハハハッ!!」



最初に見つけた193番目の観察日記以外中々見つからなかったけど、御姉様の部屋をひっくり返す勢いで探してたら枕元に紅魔館の引っ越しをする時に使った魔方陣の小型版が書いてある紙があった。

少し気になって魔力を流し込み魔方陣を起動させてみれば、案の定沢山出てくる本の山。

そしてその書斎を埋め尽くさんばかりの勢いで出てくる本のタイトルを確かめてみると、そこには御姉様の綺麗な字で『フラン観察日記』と記されていたのだった……。



「……さぁて、この本の山はどうしようかなぁ?

流石に全部燃やして処分したりしたら御姉様が可哀想だし……やっぱり私が保管してた方がいいよね」



結局私が全て保管することに決め、早速私は紙を用意し、御姉様が使っていた魔方陣と同じ魔方陣を用意し始めた。

ただし、私以外の魔力には反応しないように……。


……そうして私が魔方陣を用意し終え、すぐさま発動させようとした瞬間……。



ーーー……ガチャッ


「フラーン、報告があるから入るのかー」


「ひゃあぁぁぁぁ!?」



魔方陣を発動させようとした瞬間に扉から入ってきたルーミア。

これだけは誰にも見られたくないという思いと、ちょうど扉に背を向けて立っていた偶然により私は思わず驚いてしまっていた。



「えっ!? ど、どうかしたのフラン!?

それにこの本の山は一体なんなのだー!?」


「いいいいいや何でもないよ!?

い、今すぐ片付けるからルーミアは気にしなくて良いからね!!」



ルーミアの問い掛けに慌てながら返事をする私。

そして次のルーミアの言葉を聞く前に魔方陣を書いた紙に手をつきながら直接魔力を流し込んだ。

……しかし、この行動は転移用の魔方陣を発動する上での大きな間違いであり、もっともしてはならないことだった……。


「……あっ!?」


「えっ!? フ、フラン!?」



紙に手をつけてしまっていたせいで、魔方陣の収納対象とされてしまい手から魔方陣に収納され始めた私。

しかもまだ少し離れていたために本の山は一切飲み込まれる様子はなかった。



「なっ、ちょっ……き、きゃあぁぁぁぁ!?」


「っ!! や、やらせないのだー!!」



自分がしてしまったことに気付き悲鳴をあげた頃には既に両肘まで飲まれてしまっていた私。

ようやく驚愕から我に還り何が起きてるかを理解したルーミアが後ろから私を抱え込むように捕まえてくれたが、私とルーミアの力をもってしても魔方陣の吸引力には逆らえず、徐々に魔方陣へと引き込まれていく……。



「ぐぅぅ!? こ、このままじゃもたないのかー……!!」


「うぅ……た、体勢が、崩れる……!」



最早二の腕も飲み込まれつつある私。

目と鼻の先にある魔方陣の光を閉じた目蓋の裏で感じながらも、それでも抵抗を続けていた……。

……しかし、遂に魔方陣と私達の力の均衡が崩れていき…………。



「くぅぅっ……うぁ!? 」


「し、しまったのかー!?」


「「……きゃあぁぁぁぁぁ!!!?」」



私を捕まえてくれていたルーミアごと、私は魔方陣へと飲み込まれていった……。

……私にしか使えない魔方陣へと……。









ーーーーースカーレット姉妹の故郷。

ーーーーside レミリア



「…………んっ?」


「……どうかしましたか、レミリア?」


「いえ、何でもないわさとり。

少し胸騒ぎがしただけよ」



半月前に紅魔館をさとりと共に旅立ち、人里にいた八雲紫に頼んでスキマで故郷へと送ってもらった私。

その後到着してからすぐに私とさとりは故郷の現状を把握した後、残しておいた羽虫の一部が勝手に自らの領土としていたのを奪還しにかかった。

そして今では奪われていた領土のほとんどを取り返しており、残すは小さな勢力だったため今日は先日奪還した館で休みをとっていたのだけれど……。



「……何か変な運命を見たわけでもないみたいですね」


「私の心を読んだなら言い訳をする必要も無かったわね。

……まっ、本当に私の直感だから気にしなくていいわ」



そう言いながら妙に早い自分の鼓動を抑えるかのように紅茶を飲む。

その私の横でさとりも自分の紅茶を手に取り、一度香りを楽しみながら紅茶を飲んでいた……。



「それにしても、フラン達は上手くやれてるかしら……?

まだ半月ぐらいしか経ってないと言っても、やっぱり心配になるわね」


「あの子達なら大丈夫だと思いますよ。

皆やるときはやる子ですし、あまり当てにならないとはいえ一応八雲紫さんに何かあったら連絡をするように頼んでありますからね。

……まぁ、頼みごとの本命は八雲紫さんの式である八雲藍さんですが……」


「それ、八雲紫が聞いてたら後でうるさくなるわよ?」



さとりの言う通り、確かに八雲紫よりも式である八雲藍の方が遥かに役に立つけれど、そういうことを言ってると後々面倒なのよね。

……まぁフラン達のことは今は一応八雲紫を信用しておきましょうか。



「ふふっ、私よりレミリアの方が酷いことを思っていませんか?」


「別に思うだけなら構わないでしょう?

それに私の心を直接覗くのはさとりだけなんだから、何も気にする必要はないわ」



さとりに心を見られて困ることなんて何もないもの。

まぁ、それで弄られたりするのはどうにかしたい所だけれどね。

……そう思いつつふとさとりの顔を見てみると、何故かとても真っ赤になっていた。



「……こ、言葉と心の同時は卑怯です……!

そんなことを言われて思われたら、とてつもなく嬉しいですけど凄く恥ずかしいじゃないですか!」


「えっ、ちょっ、えっ?

い、一体どういうことなのさとり?」



どこか嬉しそうに顔を真っ赤にしながらいきりたつさとり。

私からしたら当然のことに突っ込まれたせいで、全く理解が追い付かなかった。



「分からないなら別に気にしなくていいです!

……本当にレミリアといいフランといい、どうしてこんなに天然たらしなんでしょうか……?」


「えっ、最後はなんて言ったのかしら?」


「レミリアは聞かなくていいです!」



再び叫んだ後にさとりが呟いた言葉が聞き取れず、さとりに聞き返したら思いっきり怒鳴られてしまった……。

……私何か変なことをしたかしら?

別に、これといって何もしてないわよね……?



「とにかく、レミリアとフランは良く似た姉妹だってことです!」


「あら、それは嬉しいわね!

私達姉妹を褒めてくれてありがとう、さとり!」



私とフランが似ていると言われるだなんて本当に嬉しいわ!

……そういえば、私とフランが似ているって誰かに言われたのはこれが初めてね。

あまり意識してなかったけれど、今度こいしやルーミアにも聞いてみようかしら……?

……そうこうしていると、既におかわりの紅茶すら飲み干してしまっていることに気付いた。



「あらっ、もう紅茶がきれちゃったわね。

……しょうがないわね、そろそろ冷えてくるし部屋に戻りましょうか。

カップとかは私が片付けておくわ」


「……ありがとうございます。

それではレミリアが片付け終わるまで、私はここで涼んでおきますね。

少し落ち着きたいですから……」



私はテラスにさとりを残し、ティーカップのセットを下げに一度中へと戻っていく。

そして下げ終わった後、テラスに戻ってみるとようやく顔の赤みが引いたさとりが涼んでいた。



「今戻ったわ、さとり。

さぁ、そろそろ十分に涼んだでしょう?

もう部屋に戻るわよ」


「……えぇ、おかげで十分に涼めました。

それでは中に戻りましょうか……」



そうして椅子から立ち上がろうとするさとりの手を引き、軽くエスコートをする私。

その私の行動に、さとりは一瞬驚きを見せた後、すぐに嬉しそうな表情に変わり私のエスコートに身を委ねていた……。

……まぁ、たまにはこういうことをするのも良いわね。

またいつかしてあげることにしましょう……。


そして私は先ほど感じた胸騒ぎすら忘れ、さとりの手を取りながらゆっくりと部屋に戻っていった……。









ーーーーー

以上、フランの事故(ルーミア道連れ)&レミリアのたらし回でした!



……レミリアの直感は凄いですね。

どんなに離れていてもフランのことには気付くんですから。

流石は姉妹だということですね!




それではまた次回にてお会いしましょう!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ