射命丸のフラン特集!(後編)
どうも、模試で力尽きた愛式未来です……!
今回はようやく文の取材が終わりますよ!
……まぁ今回もほとんどお風呂シーンですけどね。
それでは楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーーお風呂場。
ーーーーside 文
「……ふぅっ、良い気持ちですね……」
ネコミミとしっぽを着けたままこいしさんとルーミアさんを抱えてフランさんが玉座の間を出ていった後、まるで見計らったように現れたメイドさんに頼んで只今私はお風呂に入っています。
流石大豪邸にあるお風呂なだけあって外見や装飾も綺麗ですし、それにかなり広いですよ!
一回このお風呂場を記事にしても良いかもしれません!
「……さて、今記事と言えばフランさんのことですよね……!」
ネコミミとしっぽを着けているフランさんを見たらメイド達は噂をするはず……。
後はその噂を『紅き館のメイドは見た!』というような感じにして、既に手に入れたメイド達からレミリアさんやさとりさんに関する情報に混ぜて記事にすれば……!
「合法的にネコミミフランさんを記事にできる!」
……まぁフランさん個人の特集は暫く諦めなければなりませんが、それはまたほとぼりが覚めた時にするとしましょうか。
そうして今回書く記事の内容と今後の計画をたてていると、脱衣室の方から大きな音が聞こえてきた……。
ーーバァァァァン!!
「文お姉さぁぁぁぁん!!
ネコミミとしっぽのことわざと教えてくれなかったでしょ!!」
大きな音がした脱衣室の方を振り向くと、ネコミミとしっぽを着けたまま真っ赤な顔をしているフランさんが突撃してきました……。
……まぁ実際はわざとな訳ですが、ここでそれを言うと危険ですね……。
「あっ、あやややっ!?
フランさんネコミミとしっぽを着けたままだったんですか!?」
「うっ……そ、そうだよ!
玉座の間を出る時に文お姉さんが何かを企んだような感じだったのって、これのことだったんでしょ!?
私はちゃんと見てたもん!」
あやや、まさか私のちょっとした雰囲気まで気付かれましたか……。
いくら幼いといっても、流石は戦争を無傷で生き延びただけはありますね。
……さて、この状況をどう切り抜けましょうか?
「あー……確かに私は企んでいたことがありますが、それはフランさんのネコミミについてじゃなくてお風呂のことですよ?」
「えっ……? お、お風呂……?」
ふふっ、やはり食いついてきましたね……。
後はこのまま押しきればこの状況を乗りきれます!
「はい、紅魔館は大豪邸ですからね。
誰でも大豪邸にあるようなお風呂のことは気になると思いましたし、こいしさんとルーミアさんがあんな状態だったので流石にフランさんの特集は無理かなぁ、っと思ってこっちを記事にしようと思ったんですよ」
「あぅ……じ、じゃあネコミミとしっぽのことは忘れてたの……?」
「正直フランさんがここにやって来て、私に訪ねてくるまでは忘れてましたね」
私がそう言った瞬間、もう爆発するんじゃないかと思うくらいさらに顔を真っ赤にさせるフランさん。
先ほどから羞恥のあまり潤んでいた瞳に、今度は目に見て分かるくらいの涙が溢れ始めた……。
……って、な、泣いてるぅ!?
「……ウァァァァァァン!!!!
私の、私のバカァァァァァァ!!!!」
「フ、フランさん!?
ちょっ、落ち着いてください!」
遂にはその場にかがみ込んで声を出して泣き出すフランさん。
その姿に、フランさんが入ってきた時に開いた扉から流れ込んでくる冷気を感じながらも、私は思わず湯船から出てフランさんの元へ駆け寄っていた。
「ほら、泣かないでくださいな。
可愛いお顔が台無しですよ?」
「……ヒグッ……だって、だってぇ……!!」
……これはやり過ぎましたね。
大妖怪とは言えども、まだまだ子供のフランさんにはキツすぎましたか……。
とりあえず、何とかして泣き止ませないと……!
「大丈夫ですよフランさん。
決して似合わないなんてことはなく、むしろ自然なくらい似合っていて可愛らしかったですし、メイドの方達もそんなことでフランさんに従わなくなったりしませんから。
……さぁ、もう泣き止んでくれませんか?」
「……グスッ……でも、とっても、とっても恥ずかしかったんだもん……!!」
泣いて顔をクシャクシャにしながら恥ずかしかったと言うフランさん。
……どうしましょう、全然泣き止みませんね……。
うーむ……こういうときは……。
「…………そうだ!
フランさん、これから一緒にお風呂に入りましょうか!」
「ふぇっ…………?」
「辛いことや悲しいことがあった時は水に流すのが一番ですから!
さぁさぁ、早く服を脱いでそのネコミミとしっぽも取ってしまいましょう!」
「えっ? あっ、えぇっ!?」
私の突然の行動に驚いて、泣くことすら止めて固まるフランさん。
その間に私はそそくさとネコミミとしっぽを取って、フランさんの服を脱がしていく。
……うわ、フランさんって幼い体にしては胸は大きいんですね。
無論私や椛よりは小さいですが、それでも見た目的に同じくらいの歳の子の中では大きい方だと思います……。
「あぅ……ど、どこ見てるの文お姉さん……?」
「…………はっ!
い、いえ何でもありませんよ!?」
まじまじと胸を見てしまっていたせいで、何かを不思議に思うような純粋な視線を向けてくるフランさん。
その視線から逃れるように脱がした服を脱衣室に持っていき、落ち着いてから扉を閉めてフランさんの所に戻った。
「それでは湯船に浸かる前に、一度体を洗いましょうか!」
「う、うん……」
泣き止んだとはいえ、まだ先ほどのことを引きずってるのか元気がないフランさん。
……よし、早く水に流して元気にしてあげないといけませんね!
子供は元気に笑顔でいるのが一番です!
ーーーーside フラン
「フランさん、どこか痒いところはありませんか?」
「ううん、無いよ!」
勘違いに気づいた私が恥ずかしさのあまりに泣いてしまった後、あれよあれよという間に文お姉さんとお風呂に入ることになった私。
今は頭を洗ってもらってるんだけど、文お姉さんの手ってすっごく気持ち良いんだよ!
強すぎも弱すぎもせずに優しくしっかりと洗ってくれるんだもん!
「さぁ、頭を流しますからちゃんと目をつぶっていてくださいね。
それじゃあいきますよー?」
「はーい!」
桶に溜めたお湯をゆっくりとかけて、私の頭にある石鹸の泡を流してくれる文お姉さん。
泡を流しきった後、私が顔の水をぬぐう前に文お姉さんが後ろから手を伸ばし優しく水をぬぐってくれた。
「えへへ……ありがとう文お姉さん!」
「ふふっ、どういたしまして。
それじゃあ次は体を洗いましょうか!」
そう言って端に置いてあったタオルに石鹸を擦り付け泡立てる文お姉さん。
そしてタオルに十分に泡が立つと、まずは背中から洗い始めてくれた。
「あはっ! 気持ち良いー!」
「まぁ、椛と水浴びをする時に洗ってあげたりしますからね。
椛からはお墨付きをもらってますよ!」
背中から腕、前、お尻、足と順に丁寧に洗っていってくれる文お姉さん。
最後にお湯をかけてくれた時は、今度は悪戯をするように勢いよくかけてきて思わず文お姉さんにじゃれつくように怒ったりした。
……そしてちゃんと泡を全部流した後、ようやく文お姉さんが私を後ろから抱き締めるようにして浸かった私達。
「……あぁ〜、何回浸かっても良い湯ですねぇ……!」
「文お姉さんに喜んでもらえて嬉しいや!
……それと、さっきは勘違いして怒っちゃってごめんね。
お詫びと言えるか分からないけど、今ならどんな取材でも受けるよ!」
さっきは私の思い違いで文お姉さんを怒鳴り付けちゃったもん……。
だから、お詫びとして文お姉さんがしたがっていた私への取材を受けなきゃね。
「ほっ、本当ですか!?
あ、ありがとうございますフランさん!
じゃあ早速良いですか!?」
「うん、良いよ!」
そうしてお風呂に浸かって始まる、文お姉さんによる私へのインタビュー。
文お姉さんは私が予想していたよりまともな質問をしてきて、好きな食べ物、嫌いな食べ物、旅での思い出、山での修行の感想……。……そして、遂に最後の質問になった……。
「……ふむふむ、ありがとうございます!
それでは最後の質問にいきますね!」
「うん!」
「……フランさんが今、一番大切な方は誰ですか?」
今、私が一番大切な人……?
……これは言わずとも決まってるよ。
でもまぁ、こういうのはこう言わない方が記事的には売れるよね!
「えっと、ね……?
今、私の一番大切な人は…………」
「た、大切な人は…………?」
「……ヒミツだよ!」
「ってちょっ、えぇぇぇぇ!?」
私がヒミツと言った瞬間に、私を動かすことなく器用に自分だけ湯船の中で滑った文お姉さん。
それでも流石は最速の実力を持つだけあって、即座に元の体勢に戻って質問をしてきた。
「そ、そこでまさかのヒミツですか!?
な、生殺しもいいとこですよフランさん!!」
「ヒミツなのはヒミツだもん!
絶対に言わないからね!」
そうやって私がヒミツだと言い張っても必死になって聞き出そうとしてくる文お姉さん。
……結局その質問に私が答えることはなく、しばらくの間二人だけのお風呂場に賑やかな声が響き渡っていた……。
ーーーーー
以上、お風呂&取材ラスト回でした!
結局、フランは文にだまされていたことに気づきませんでしたね。
まぁ楽しく過ごせればそれが一番なのでしょう!
……因みに今回の話を読んでいてフランと文の入浴シーンを思い浮かべた貴方、貴方は僕と同じ変態です(笑)
それではまた次回にてお会いしましょう!




