決着、そして得たモノ。
どうも愛式未来です!
東方転妹録を読んでくださっている皆様、本当にありがとうございます♪
この度ユニークが1000を突破いたしました!
これからも皆様により楽しんでもらえるように精進していきますね!!
それでは最新話です、今回は決着がつきますよ!
それでは楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー数十分後。
ーーーーside フラン
ーー……ドガァァァァァン!!!!!!
うっひゃあ〜!?
それなりのクレーターができたよ!?
やっぱり鬼って力強いなぁ……。
「ほらほらほら!!!! 避けてばかりじゃ私達は倒せないよ!?」
「だって御姉様に吸血鬼は気高くあれって教わったもの、そんな獣みたいにがっつく戦い方はしないよ!!」
まぁ原作の狂ったフランならまだしも、私は狂ってないしね。
そう簡単に挑発に乗るほどバカじゃないもん!
「ほぉ? ならお前の戦い方を見せてもらおうじゃないか!!」
ノリノリだなぁ勇儀…………じゃあ、スターボウブレイクとレーヴァテインの用意をしてっと……!
「いいよ、じゃあ後ろに気を付けてね!」
「後ろ?…………がっ!?」
「油断大敵ですよ勇儀さん!!!!!!」
「勇儀!?……くっ!! 待て射命丸!!」
「待てません!!!! 待ったら私が死にます!!」
よし、文お姉さんナイスだよ!
これはタッグマッチだってことを勇儀は忘れてたね。
だから…………
「フフッ、隙有りだよ?」
「っ!? しまっ……!?」
ーーーー『スターボウブレイク』
ーーズガガガガガガガ!!!!!!!!!!
これに合わせて!!!!
ーーーー『レーヴァテイン』
一気に仕留める!!!!!!
「ぐぅ!?……くっ、鬼をなめるんじゃないよ!!!!!!!!」
なっ!?
体勢を立て直した!?
レーヴァテインがまだ届いてないのに……!!!!
「喰らいな!!!!」
ーーーー『三歩必殺』
ーーズガガァァァァァァァァァン!!!!!!!!!!!!!!!!
…………
……………………
……やっぱり、勇儀って強いなぁ…………。
「ごめんなさい、御姉様…………」
私、負けちゃった…………。
ーーーーside 勇儀
ーートサッ…………
後ろに倒れていく少女の体を、できるだけ優しく抱き止める。
「ほぉ、意識を失っても武器を手放さないなんて根性があるねぇ?」
フランドールという少女の握る武器を見て思う。
……先ほどの衝突、もしこのレーヴァテインとかいう武器の威力が三歩必殺よりも強かったら……。
「…………私が、負けていたね」
力は私が上だった。
速さは少女が上だった。
耐久力は大差無い。
私は能力を使っていたが、フランドールは使っていたのか分からない。
不明な点はあるが、それでも総合的な強さは大差無いだろう。
「いや、やっぱりフランドールの方が強いかな……?」
よくよく考えてみればフランドールは万全では無かったはず。
私と萃香と戦う前にフランドールは天狗達と戦っていたからだ。
元々天狗達は余所者を好まない、きっと私達に連絡が来て現場に着くまで、ほとんど戦い続けていたはずだ。
いくら強くとも体力は無限じゃない…………恐らくフランドールは少なからず消耗していたはず。
だからこそ射命丸と組んだのだろう、私達に勝てるようにするために…………。
「まぁ結局、喧嘩は私が勝ったわけだけど……私はフランドールに負けたんだね……」
たとえ消耗していても最後まで姉の教えを貫き通し、そして負けてしまっても自身の誇りを失うものかと言うかのように武器を握りしめていたのだ。
それは正に全ての鬼が目指すと同時に尊敬する姿だった。
「フランドール、お前は強いんだねぇ?」
可愛い寝顔してるくせにその内に秘めた器は素晴らしいものだ。
だからこそ…………
「お前が欲しいよ…………フランドール」
揺るぎない強さと大きな器を持った少女。
それは正々堂々とした者を好み、強さを求め続ける鬼にとって、これ以上にないほど魅力的に見えた。
「……まぁ喧嘩は私が勝ったんだ、勝者の特権を使うとするかね」
敗者が勝者の言うことを聞くのは当然のこと。
だから私はフランドールを…………
「拐わさせてもらうよ?」
ーーーーside 萃香
いやー、ようやく取っ捕まえたよ!
「うぅぅ……あれは反則ですよ萃香さん……」
「にゃはは、能力使用禁止とは言われてないから反則じゃないよ!」
ただ私は能力で射命丸を私の側に集めてミッシングパワーでぶっ飛ばしただけじゃないか!
「それは、そうですけどねぇ…………それにしても勇儀さんの方はどうなったんでしょうね?」
確かに、さっきすごい音がしてたけど…………。
「勇儀、私の分まで残してるかなぁ?」
そりゃあ射命丸とするのも楽しかったけど、私だってあの子とやりあいたいしね!
「とりあえず様子を見に行きませんか? 大きな音がしてから異様に静かですし…………」
「そうだねぇ……じゃ、行こっか!」
さぁて、どうなってるかなぁ?
ーーーーside 文
これで今日は何回信じられない光景を見たのだろうか?
「……スゥ……スゥ…………」
「………………よしよし…………」
「「……………………」」
確かに、戦いの中で感じられる殺気が無かったから決着がついているとは思っていた。
しかし、これは…………。
「……ね、ねぇ勇儀?」
「んー? なんだい萃香?」
「あっ、いや、ど、どうしてその子を抱いて寝かしつけてるのかなぁっ、と…………?」
恐らく山の者なら誰でも目を疑うだろう。
あの勇儀さんが戦った相手を、まるで母親のように暖かく抱きしめているなんて誰が信じるだろうか?
いつもなら相手を叩き起こして一緒に酒を飲ませたり山から追い出したりしているのに…………。
「……よっぽど疲れてたんだろうねぇ…………死んだように眠ってるよ」
「ま、まぁそれは見て分かりますが……」
「そんな状態の子を、冷たい地面に寝かすわけにはいかないだろう?」
「えっ?……あっ、うん、確かにそうだよね……あははは、は…………」
あのいつも陽気に笑ってる萃香さんですら上手く笑えないこの状況…………。
「……んっ……うぅん…………」
「おっと、体勢がキツかったかな?……よいしょ、と」
「「っ!!!!!!!!!!!?」」
い、一体なんなのだろうか?
本当にフランさんは勇儀さんに何をしたのだろう?
確かに見た目はとても可愛らしいし、抱き心地は素晴らしいものだ。
それに勇儀さんと張り合うだけの実力もある。
だがそれだけであの勇儀さんがああなるとは考えられない。
どうやらフランさんは深く寝ているようだし、妖術の類いの可能性はないだろう……
「…………っ!?」
もしや話法や仕草で勇儀さんを落としたのだろうか……!?
……思えば幼さが目立つ行動の中に、さりげなく大人びた行動も見られた。
さらには戦いの最中の会話でも自分の姉のことを「御姉様」と言っていた。
となるとフランさんは相当な教育を受けていると考えられる。
ならばこれは…………
「……これは、ネタになりますね」
最近無くなっていた新聞のネタ。
今の勇儀さんの姿も十分ネタにはなるが、読者の中には信じないものもいるだろう。
実際に目にした者は驚愕と共に受け入れるだろうが、多少なりとも私の新聞の評価が下がるのは確実だろう。
だがフランさんの持つモノならどうだろうか?
勇儀さんのような方まで落とす方法。
フランさんの見た目もあるかもしれないが、それ以上に落とし方に効果があったはず。
それを応用して誰でも使えるようにして分かりやすく記事にすれば…………
「……恋愛部門で文々。新聞の評価が上がります!!」
そうとなれば、フランさんが目を覚ましたらすぐに取材をしなければ!
「でも、勇儀さんがいますしねぇ…………」
…………しまった、最初の壁が大きすぎた……。
ーーーーside フラン
「……んっ、んぅ?」
……あれっ?
ここはどこ?
私、何をしてたっけ?
「……あっ、負けたんだっけ……?」
そうだ、私は勇儀さんに一歩及ばずに負けたんだった。
「でも、外にいたはずなのに…………何で御屋敷みたいなところにいるんだろう?」
ゆっくりと起きてみると、大きな和室の真ん中に私は寝ていた。
……もしかして勇儀さんが運んでくれたのかな?
文お姉さんと萃香さんは別の場所に行ってたはずだし。
ーースッ…………
「おっ! 目が覚めたかい?」
「あっ、おはよー!」
勇儀さんがいるってことはやっぱり勇儀さんが運んでくれたみたい。
「もう動いて大丈夫なのかい? 手加減無しにやっちまったから…………」
「全然大丈夫だよ、私は丈夫だもん!」
「そうかい、それならよかったよ……あっ、フランドールの武器は枕元にあるからね」
えっ?
…………あっ、レーヴァテインだ!
そっか、レーヴァテイン喚んだまま気絶したから戻してなかったもんね。
「ありがとね勇儀さん!」
「あぁ、お礼なんて別にいいよ。 後私のことは勇儀って呼んでくれ、拳をぶつけあったのに他人行儀だと嫌だからね」
「うん! じゃあ勇儀も私のことはフランって呼んで?」
「あいよ! さて、フランも腹が減っただろう? 飯が出来てるから食いなよ」
確かに美味しそうな匂いがしてる…………これは、味噌汁の匂いかな?
「ホントッ!? やったぁ!!!!」
思わずはしゃいじゃったけどしょうがないよね?
だって久しぶりに純粋な和食を食べれるんだもん!!
「あははっ、元気そうで何よりだ!! それじゃあ行こうか!」
「うん!!……あっ、ねぇねぇ勇儀」
「んっ? なんだいフラン?」
「エヘヘ……これからよろしくね、勇儀!」
「!……あぁ、よろしくフラン!!」
ーーーーー
Dear 御姉様
元気にしてるかな?
今日は御姉様に報告があります。
今日、戦いで初めて負けました。
とっても……とっても悔しかった。
でもね、今日は嬉しいこともあったんだよ!
それはね……?
初めてのお友達ができたこと!!
ーーーーー
はい♪
最新話、いかがでしたでしょうか?
フランが遂に負けちゃいましたね……。
でも、そこから得たものもあるみたいです!
今後の成長に期待ですね。
それではまた次回でお会いしましょう!