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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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それぞれの酔い方、そして教訓

どうも、テストで死んでる愛式未来です!



今回はフラン視点無しで、フランの初めてのお酒ですよ!



……多少カオスになってますけどね。




それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー数週間後、人里酒場。

ーーーーside ルーミア



「にゃはははは!!

さぁさぁもっと飲みなよ紫ぃ!!」


「飲む! 飲むから無理矢理押し付け、っ……ガボゴボ……!?」



反対側で紫さんの口に酒の入った瓢箪を押し込みながら、とても楽しそうに笑っている萃香。

その隣では既に藍さんが倒れてしまっていて机に隠れて見えなくなってるのだー。

……御義姉様とさとりが旅立って数週間、私とこいしが仕事に慣れ始め、フランはよく分からないけども仕事の間に何かをし始めていた。

そうこうしていたら人里で宴会をしないかと紫さんから誘いが来たのが一昨日。

美鈴が気を効かせてくれたおかげで私達は宴会に来たのだー。

そして今酒場の一角にある座敷にフラン、私、こいし、勇儀、萃香、紫さん、藍さんがいるのかー。

……いっつも思うけど、美鈴ってなんであんなに気を効かせてくれるのかー?



「あっはっはっはっはっ!!

萃香もガンガン行ってるねぇ!!

こりゃ私達も飲まなきゃダメだね、なぁフラン?」


「うん、自分のペースで飲まなきゃダメだね!」



フランを抱きながら萃香に負けず劣らず酒を飲む勇儀。

その勇儀の誘いを爽やかな笑顔でさりげなく断りながら自分のペースで飲むフランは凄いと思うのだー……!!



「むぅ……だけどさフラン?

お前さん宴会が始まって一時間経つってぇのにまだ二杯目じゃないか?

自分のぺーすとやらも大切かもしれないけど、もっと飲んで良いんじゃないのかい?」


「……だって、山にいた時もお酒は飲んだことなかったし……。

始めて飲むからちょっと不安なんだもん……」



……これは鼻血を吹き出してもいいかー?

二杯目で既にほてっているのか紅潮した頬をしながら、ふてくされたように軽く頬を膨らませている様子は……本当に、本当に可愛いのだーー!!

同じ思いを抱いたのか、フランを抱いている勇儀を挟んで反対側にいるこいしも、私と同じようにわなわなと震えながら鼻を押さえてしまってるのかー……!



「……落ち着け…………!

落ち着くんだ私の右腕……!!

いくらフランさんが可愛いからって襲っちゃいけないんだ……!!」



……うん、もっと痛々しい方が正面にいたのかー。

藍さんって酔い潰れて倒れてたはずなのに何で起き上がってるのだー?

……とりあえず、藍さんがこんな言動をしているのはお酒のせいだと信じておくのだー。



「あー、そういやフランが酒を飲む姿は見たことなかったねぇ。

まぁ初めて飲むならフランが楽しめる飲み方で飲まないといけないな!!

なんたって楽しい酒が一番旨いんだからなぁ!!」


「勇儀の口から零れたお酒が私の頭にかかってるんだけど……」



うん、確かに勇儀が豪快にお酒を飲む度にフランの頭にかかってるのかー。

……できればそのまま服にまで流れてほしいのだー……!

そうすれば服が濡れてフランの裸体が透けて見えるのかー……!!



「にゃははははははっ!!

やっぱり宴会は最高だねぇ!!

さぁて、今度は樽ごと飲むよぉ!!」


「おっ! それいいねぇ!

……すいませーん、酒樽六個くれないかーい!?」




……あれ、これって私達の分の酒樽まで頼まれたのかー……?

…………酔い潰れ確定なのだー……!












ーーーーー三時間後。

ーーーーside こいし



宴会が始まって四時間が経ち、段々と皆酷く酔い始めてきていた。

フランだけは無言でちびちびと飲んでいて、酔っているのか分からないんだけどね。

……もしかしてフランって酔ったら無言になるタイプなのかなぁ?



「もうこんな服暑いです!

脱いでもいいですよね紫様!?」


「かっへひぬへばいいひゃない。

わたひはまだまだのひたりないわぁ!」



酔って羞恥心を捨て去っているらしい藍さんと、最早呂律が回っていなくて何て言っているか分からない紫さん。

……店主が慌ててしきりをたててくれて良かったね、藍さん。



「勇儀〜!! 私の焼き鳥奪うなぁ!!」


「沢山あるんだから良いじゃないか!」



鬼の二人はおつまみとして頼んだこの店の焼き鳥が気に入ったらしく、酒と一緒に奪い合いをしている。

……フランを揺らさないように器用に奪い合う勇儀は流石だと思うね。



「フラン〜、大好きなのだ〜!」


「あっ、ずるいルーミア!

私も大好きだからねフラン!」



私が妖怪観察をしている間にフランに抱きつくだなんて、本当に油断も隙も無いよ!

まぁルーミアに奪われないように私もフランに抱きついたけどね!



「フラン〜! ずっと愛してるからね!!」


「むぅ、私の方がずっとずっと愛してるのだー!!」


「なっ!? 私の方がずっとずっとずっと愛してるもん!!」


「ふんっ、私の方がずっとずっとずっとずっと愛してるに決まってるのだー!!」


「「うぅ〜〜!!!!」」



フランの左右に抱きつきあいながら睨みあう私とルーミア。

それでも勇儀は揺らさないように器用に萃香と酒と焼き鳥を奪い合っていた。

……絶対に、絶対に私の方がフランのこと愛してるもん!!



「「絶対に私の「二人とも、静かにしないとキュッとしてドカーンってするよ?」……」」



二人同時に再びどちらがよりフランを愛しているか言い争おうとすると、突然のフランからの警告に思わず固まってしまっていた……。

…………あれだよね?

フランの『キュッとしてドカーン』って能力を使うときに言うやつだよね?

……フラン、怒っちゃったかな……?



「あぅ……フ、フラン?」


「も、もしかして怒っちゃったのかー……?」


「別に怒ってはないよ?

ただあまりにも二人がうるさかったから、これ以上うるさくするなら二人の服をキュッとしてドカーンってしてから私に『奉仕』させよっかなぁ〜、って思っただけだよ」


「「「「「…………えっ?」」」」」



普段のフランなら絶対に言わないようなことがフランの口から言われ、思わず皆して酔いも覚めて固まってしまった……。

……は、裸にして『奉仕』ってあれだよね?

若干SMが入った、『あれ』だよね……?


フランの言ったことに頭の中で戸惑いながら、私とルーミアがゆっくりとフランを見上げていくと……。



「………………」


「「………………」」



……普段のフランなら絶対に見られない、酔って頬を紅くしながらもまるで狩人のような鋭い目をしたフランと目が合ってしまった。



「……どうしたの二人とも?

もしかして私に『奉仕』をする気になったの?」


「「……あっ……!」」



鋭い目をしたフランがゆっくりと口を開いて放った言葉とプレッシャーに気圧されて、断ることができなかった私とルーミア。

……ど、どうしよう……!?

今は断らないと危険なのに、体が、体が動かない……!!



「ふふっ、どうやら本当にしたいみたいだね?

……良いよ、存分に奉仕させてあげる……!」


「「…………っ!?」」



そう言いながらフランは固まる私達を無視してゆっくりと右手を上げ、『何か』を握りーーーーー





……グラッ、トサッ…………



「「えっ、きゃっ!?」」



ーーーー言い争うために膝元に動いていた私とルーミアの方へ倒れてきた。



「……フ、フラン?」


「きゅ、急にどうしたのかー?」



勇儀達が困惑したように見つめる中、私とルーミアはゆっくりとフランの顔を覗きこんだ。

すると…………。



「……スゥ……スゥ……」


「「…………ね、寝てる……」」



……フランは静かに寝息をしながら、酔い潰れたように寝てしまっていた。



『『『『……ふぅぅぅぅーー……』』』』



とりあえずフランの暴走が治まったことに安堵して、一斉に肩の力を抜きながら息を吐き出す私達。

それと同時に私はなんとも言えない、とてつもない脱力感を感じていた……。



「……とりあえず、フランさんは落ち着きましたね」


「本当にどうなることかと思ったわ……」


「フランが能力を使ったら、ミッシングパワーで壁になって酒場を潰す所だったよ……」


「私の上であんなことを言われた時は、心臓が止まる思いだったねぇ……」


「それを直接言われた私達は、もう恐怖すら通り越してたよ……」


「今まで色んな奴のプレッシャーを受けてきたけど、今回のフランのプレッシャーが一番だったのかー……」



それぞれの思いを口々に言う私達。

その言葉一つ一つには、安堵と疲労の思いがひたすらにこめられていた……。

……それにしても当の本人であるフランは、本当に気持ち良さそうに寝てるね……。

なんだか凄く羨ましくなってくるよ……。


……そう思いながらフランの寝顔を見ていると、何かを心得たといったような表情でルーミアが話し始めた。



「……まぁ、これで一つ教訓を得たのかー」


「……あぁ、確かにこれは教訓にしないといけないことがあるよね」



流石に今回はルーミアの呟きだけで、ルーミアの言いたいことはよく分かったよ。

フランを起こさないように周りを見回してみても、やっぱり他の皆もわかってるみたいだね。


……そして私達は一斉に口を開き、全員が胸に抱いた今回の同じ教訓を口にした。



『『『フランに酒は飲ませるな』』』



……これだけは、今後も絶対に守っていかないとね。








ーーーーー

以上、カリスマフラン暴走回でした!




……えぇっと、まぁあれですね。

なんだかんだ言ってもフランはレミリアの妹だということです。

カリスマの方向性が若干あれですが……。



ま、まぁ次回からは普通のフランに戻るので御安心ください!



それではまた次回にてお会いしましょう!

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