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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第2章 ~雨降って、地固まるか?~
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当主代理の初仕事

どうも、東方転妹録最新話です!



今回はフラン達が役割分担をする回になっています。

今まではレミリアとさとりがやっていたことを分担するだけですけどね。




それでは早速楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー翌日の朝、紅魔館。

ーーーーside フラン



「いいことフラン?

朝起きたらちゃんと着替えてから歯を磨いて顔を洗って食事をして……」


「はい、もうそこまでで良いですよレミリア。

……それではそろそろ行きますね。

私とレミリアが留守の間のことは頼みましたよ?」


「「「はーい!!」」」



そうして出発していった御姉様とさとり。

それを見送った後、私とこいしとルーミアは玉座の間に集まり、アドバイスをお願いした美鈴の見ている中で紅魔館をどう運営していくかを話し合っていた。



「色々考えないといけないけど、とりあえずフランは絶対に当主代理なのかー」


「御義姉様の唯一の血族だもんね。

というわけで当主代理頑張ってねフラン!」


「うん、御姉様の名に恥じないように頑張るよ!」



まず始めに決まったのは紅魔館全体をまとめなくちゃいけない当主代理。

これは流石に御姉様と血縁関係がある私がやらないといけないよね。

美鈴も私の隣で頷いてるもん。



「じゃあ次に決めるのは、運営をする上で重要な財源についてで良いかな?」


「お姉ちゃんも御義姉様から財源については念入りに教えられてたみたいだし、それで良いと思うよ」


よし、じゃあ次に話し合うのは財源についてだね。

確か紅魔館が財源として生産していたのって紅茶や綿花を使った布団とかだったよね。こういう関係が得意なのってこいしとルーミア、どっちだろう……?



「今までの紅魔館の生産物って言ったら紅茶や綿花から作った布団だけど、両方とも植物を育てなくちゃいけないね」


「美鈴がそういうのが得意だけど、大切な門番の仕事もあるのだー」



いくら紅魔館がこの辺りでは難攻不落の館だとはいっても、今でもたまに攻めてくる妖怪がいるから美鈴は門番から外せないもんね。

強さだけなら門番にはルーミアが最適なんだろうけど、やっぱり経験が豊富な美鈴が一番だと思うもん!



「だったらメイド達のまとめ役と一緒に私がやるよ!

他に決めることっていったら館内の警備くらいでしょ?

警備ならそっちはルーミアが適任だと思うしね!」


「確かに私は警備の方が性に合ってるのだー!

ついでだから他の警備担当メイドの指導もしておくのかー」



うーん……確かに警備担当メイドの指導は重要だと思うけど、ルーミアとの実力差が大きすぎるしなぁ……。

……まぁ、あまりやり過ぎない程度の指導にするように頼んどけば良いよね?



「……それじゃあこいしが財源の管理と警備担当以外のメイドのまとめ役、ルーミアが警備担当メイド達の長、って感じで決まりかな?

それとルーミア、警備担当メイドへの指導はあまりやり過ぎない程度の指導にしてね」


「「はーいっ!」」



よしっ、これで大体決めなきゃいけないことは決めたよね。

それじゃあ抜けがないかどうか美鈴に聞いてみよっと!



「というわけで美鈴、こんな感じにまとまったんだけど何か指摘したい所はあるかな?」


「おっ、私の番ですか?

……そうですねぇ、強いて言うならこいしさんとルーミアさんの立場をもう少しはっきりとした方が良いかもしれませんね!」


「「「もう少し、はっきり……?」」」



二人ともやることはきっちり決まってるから、他に立場をはっきりさせるには…………肩書きを決める、とかかな?



「つまりこいしとルーミアに肩書きを与えるってこと?」


「その通りですよ妹様!

メイド達が誰の指示に従うべきなのかを理解しやすくするためには、やはり肩書きがある方がいいです。

だからこいしさんなら『メイド長』、ルーミアさんなら『警備隊長』といった肩書きをつけると良いと思いますよ!」



確かに、誰かの上に立ち従わせる立場なら肩書きというのは重要な役割を果たしてくれる。

その代わり誰かの上に立つ責任っていうのがより重くなっちゃうんだけどね。

……でも、そうなるとこいしとルーミアとの関係が大分前の時みたいになっちゃったら嫌だなぁ……。



「肩書きをつけるのは良いけど、それでフランへの態度も改めないといけないなら私はつけたくないなぁ……」


「そうしたらまたフランが悲しんじゃうのかー……」


……どうやらこいしとルーミアも同じように思ってくれてたみたい。

大分前のことなのに二人とも覚えていてくれたのは嬉しいや!

それにしても、このまま肩書きをつけても本当に大丈夫かなぁ……?



「それなら心配しなくても大丈夫ですよ!

態度を改める必要なんてありませんから!

例をあげるなら……御嬢様と秘書であるさとりさんの関係も親しいものだったじゃありませんか!」


「……そういえばさとりって御義姉様の秘書だったのだー」


「確かに御姉様とさとりの関係も普通だったよね」


「それなら肩書きをつけても大丈夫そうだし、私は構わないよ!」



正直に言うとさとりが御姉様の秘書をし続けていたの忘れちゃってたよ……。

……さとりが紅茶を入れる姿は自然なものだったし、求愛モードに入ると御姉様よりさとりの方が押しが強かったりしてたもん。

まぁ今はとりあえず置いといて、結論をまとめとかないとね!



「これで意見もまとまったみたいだね!

じゃあ美鈴の意見をそのまま採用して、こいしは『メイド長』、ルーミアは『警備隊長』をよろしくね!」


「「はーいっ!」」


「やった…………!!

私の意見が採用された……!」



こうして私は『当主代理』、こいしは『メイド長』、ルーミアは『警備隊長』として名乗ることになり、早速それぞれの持ち場へと散っていった……。


……因みに美鈴は門番なので一応ルーミアの管轄となった。










ーーーーーその日の夜。

ーーーー紅魔館、書斎。



「……うー……当主って、案外暇なんだね……」



朝こいし達と話し合ってから御姉様が使っていた書斎へとやって来ていた私。

それからしたことといえば、午前中に時々来ていたこいしやルーミアを通して上がってきた不足品の補充などの案件の方針を決める…………だけ。

それだけだとあまりに暇だから書斎にある本棚を漁ってみたり机の引き出しを開けてみたりしたんだけど、見つかった本の中に…………。


『フラン観察日記ver193:著レミリア・スカーレット』

『対さとり防衛戦略術書・真MarkⅤ:著レミリア・スカーレット』

『妹を悪い虫から守る百八の方法(改):著レミリア・スカーレット』


……こういった御姉様が書いたらしい本が含まれていた。

確かに筆跡は御姉様のものだから、誰かが悪戯で忍び込ませたとも考えられない。

後、私の観察日記はまだ余白のページがあるver193しか見つけられなかったの。

今度御姉様の部屋を隅から隅まで探さなきゃね……!

……因みに書いてある内容はあまりにも恥ずかしいから割愛するね。

あれは私の黒歴史帳だよ……!!


そう思いながら今度御姉様の部屋を調査することを決意していると、かなり疲れた様子のこいしとルーミアが入ってきた。



「……フラーン……。

もう、もう妖精メイドをまとめるのは疲れたよぉ……!」


「よ、妖精メイドに何かを教えるのがあそこまで大変だとは思わなかったのかー……!」


「えっ!? あっ、こ、紅茶を注ぐから二人ともそこのソファーに座りなよ!」



朝や案件を持ってきた時は凄く元気だったのに、今にも倒れそうなくらいフラフラしながら入ってきたこいしとルーミア。

二人が疲れきっているのを見て妖精メイドに指導をするのがそんなに難しいのかと質問をしたい気持ちになったけど、二人が質問に答えられるような状態ではないと思って先に休ませることにした。



「……はい、ちょっと冷えてるけど紅茶注いできたよ?」


「あっ、ありがとうフラン……」


「本当に……助かるのかー……」



私が急いで注いだ紅茶をお礼を言いながら受けとる二人。

ただ、やはりとても疲れているらしく二人ともそれぞれ端の背もたれと肘おきに同時にもたれ掛かるようにしながら紅茶を飲んでいた。

……真ん中に私が座れるくらいのスペースがあるけど、二人とも疲れてるから広い方が良いよね?

私は反対側のソファーに座ろっと。


……そう思って小ぶりの机を挟んだ反対側のソファーに腰かけようとすると……。



「「フランはこっち……!!」」


「えっ、あっ、うん……」


紅茶を飲み干した二人がカップを机におきながら、物凄い気迫で私を呼んできた……。

……こ、これは逆らったらヤバイや……!!


そうして私はこいしとルーミアが座っている方のソファーに移動し、真ん中に空いていたスペースに座った。



「やったぁ……フランだぁ!」


「やっと癒されるのかー……!」


「ひゃうっ!? ふ、二人とも!?」



私が間に座った途端に抱きついてきたこいしとルーミア。

最初はびっくりしたけど二人の腕にいつもより力が入っていないことに気づいた私は、すぐに冷静になることができた。



「ねぇこいし、ルーミア。

かなり疲れてるみたいだけど大丈夫なの……?」


「「………………」」



私の肩に頭を乗せている二人に質問してみたけど、いっこうに返事は返ってこない。

……えっ、ちょっ、ほ、本当に大丈夫だよね?

死んだりしてないよね!?



「こいし? ルーミア?

……って、あっ……!」


「「……スゥ…………スゥ…………」」



二人に呼び掛けながら呼吸をしているか確認すると、小さな二つの寝起きが聞こえてきた。

……つまり、こいしとルーミアは寝ていたのだ。



「ありゃりゃ、こんな所で寝たら風邪引いちゃうよ。

……レーヴァテイン、使っとこうか」



出来れば寝室に連れていってあげたかったけど、二人が私に抱きつきながら頭を肩に乗せてるために動けなかった私。

だからせめて、レーヴァテインに炎を出させる代わりに熱を保ち続けるようにしてから魔力で私達の前に運んだ。

……よしっ、結構暖かくなったからこれで大丈夫だね!

私もやることなくなっちゃったし、このまま寝ちゃおっと……!


そう思いながら寝ている二人の背中に手を回して互いの体温が伝わるくらいまで体を引き寄せ、再び魔力を使って部屋を照らしていたランタンの火を消した……。



「それじゃあおやすみ、こいし、ルーミア……」



そうして私も二人の体温と鼓動を感じながら、深い夜の闇へと意識を手放していった……。









ーーーーー

以上、役割分担&初仕事回でした!



今回はまさかのこいしが『メイド長』になりました!


普通なら紅魔館のメイド長は咲夜さんなんですけどね。

まぁまだ作中の時間が早すぎるので、もし今咲夜さんが登場したりしたらヤバくなっちゃいますね!


……本当、全キャラが出揃うのは何時になることやら……。




それではまた次回にてお会いしましょう!

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