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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第1章 ~生まれ変わったら吸血鬼!?~
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恥ずかしがりやのフラン

どうも、東方転妹録最新話です!



今回はフランの後始末回なわけですが……とある方ととある方のおかげであまり印象が……。


まぁとりあえずやることはやってるはずですよ!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー翌日、紅魔館。

ーーーーside フラン



「あっ、それはこっちに持ってきてください妹様!」


「はーい!!」



はい、皆さんこんにちは!

御姉様達がボロボロにした紅魔館を修理中のフランドール・スカーレットだよ!!


昨日は御姉様達を運んだ後に、その前日の夜にさとりから逃げようとして御姉様が放ったグングニルが直撃したらしい美鈴の怪我も一緒に治療したの!

……メイド達曰く、グングニルで消し飛ばされるのを防ごうとした美鈴が再生するための妖力すら残してなくて、最初は目も当てられない状態だったから誰も美鈴に近づけなかったんだって。

……まぁ、下半身が完全に吹っ飛んでたら誰だって近づくのは嫌だよね。


そんなこんなで医務室に放置されていた美鈴に妖力を分け与えて一気に再生させてたら、今度は紫さんがスキマで来たんだ!

そして紫さんから聞いたのは、守護の解雇通知だったんだよね……。

やっぱりとってもショックだったし、すぐに謝ったとはいえ流石に紫さんから怒られると思ったんだけど、紫さんは…………。



『フランが反省してるなら私から言うことはないわ。

上白沢慧音も笑って、気にするな、って言っていたしね。

……たーだーし、この経験はちゃんと今後に活かすのよ?』



……って言って私の頭を撫でてくれたの。

御姉様達もそうだけど、紫さんも慧音さんも優しいよね!


そういう訳で今日からやることがなくなった私は、まだ動けない御姉様達の分も紅魔館の修理をすることにしたの!



「えっと、ここを押さえとけば良いんだよね?」


「はいっ! ってか妹様、かなり手際がいいですね!

大工か何かの勉強をしたことがあるんですか?」


「ううん、旅をしてた時に計算とか簡単な勉強はしたけど、大工の勉強はしたことないよ!」



まぁ前に人里で御姉様達に教えたぐらいの数学が出来たら、簡単な組み立ては出来るよね!

前世じゃ日曜大工とかをよくしてたもん!

……あれっ、日曜大工って大工の勉強になってたのかな……?


……まっ、いっか!



「……どうやら修理は順調なようね?

困ってるなら、何か手伝おうと思ってきたのだけれど……」


「あっ、御姉様!?

もう動いて大丈夫なの!?」


「お、御嬢様!? 無茶はしないでください!!」



私と美鈴の後ろに、壁に手をつきながら現れた御姉様。

……手伝おうとしてくれる気持ちはありがたいけど、妖力を尽かしてしまってるからとっても辛そうなのに、無茶をしたらダメだよ御姉様……!



「まぁ歩くことくらいなら出来るから大丈夫よ。

……私ももう少し休んでいようと思っていたのだけれど、昨日の庭でのことを思い出したこいしとルーミア……そして目が怪しくなってきたさとりがなんだか怖かったから、こっそり逃げ出してきたのよ……」


「……あぁ、なるほど……。

……それは本当に怖そうですね」


「………………!」



庭での事って……あ、あれのことだよね?

御姉様が、私にした…………。

…………うぅぁあ!?

お、思い出したらまた恥ずかしくなってきたよぉ!!



「……あら、フラン?

どうして頬を紅く染めて固まってるのかしら……?」


「…………あっ……っ!?」



私の様子に気付いた御姉様の問い掛けに、自分でも分かるほどの甘い声を一瞬出してしまった私。

……ななな何やってるの私!!!?

こ、これじゃあ御姉様に催促してるみたいだよ!?



「……あっ、わ、私は向こうの修理をしてきます!」


「えっ、あ、美鈴!?

ま、待ってよぉぉぉ!?」



恐らく自身の出せる最高速度で逃げ出した美鈴。

途中に立っていたメイド達を掴み上げながら、その後ろ姿はあっという間に見えなくなっていった……。


……み、皆連れて行っちゃったよ、美鈴…………。

御姉様と二人っきりになっちゃったから……これはかなりヤバイ状況だよね?


……そう思っていると、いつの間にか御姉様が側まで来てしまっていた。



「……ふふっ、可愛いわね、フラン……?」


「えっ!?……あっ、お、御姉様……!?」



私の両手首を掴み、ゆっくりと壁に押さえつける御姉様。

その紅い瞳はまるで獲物を見つけた猛獣の瞳のように細められ、口元は艶やかな笑みを浮かべている。

更には小さく舌舐めずりをし、その紅い舌で私の唇を舐めていった……。



「……あっ、ぁぁ……お、御姉様ぁ……!?」


「……さぁて、フラン?

美鈴が気をきかせてくれたことだし、二人だけでゆっくりと楽しみましょう……?」



そういって今度は焦らすようにゆっくりと、それでいてぶれることなく私の唇を啄みに御姉様の唇が近づいてきて…………。



「いくら御義姉様でも、フランと二度もディープキスなんてさせないよ!!!!」


「なっ!? きゃあぁ!?」



……横から放たれた妖力弾に撃たれ、吹き飛ばされていった……。

……い、今の声って、もしかしてまた…………。



「……大丈夫だったフラン!?

またディープキスをされたりしてないよね!?」


「唇を舐められたけど、キスはされてないよ……。

あっ……その、助けてくれてありがとね、こいし……」



助けてもらったのはありがたいんだけど……これで脱走者が二人目だね……。


……この後、わずかながらに回復した妖力で撃たれた所を再生した御姉様とこいしが言い争いを始め、私が二人を医務室に強制連行するのはすぐのことだった……。










ーーーーー医務室。



「……あっ、戻ってきましたね」


「二人とも抜け駆けはズルいのかー!

私だって……美鈴に捕まりさえしなければ……!」


「あれっ? もうお済みになられたのですか御嬢様?」



御姉様とこいしを担いで医務室に入った途端に、三者三様の反応を見せてくれたさとり達。

……美鈴、お済みになったってどういうことかな?

まさか、さっきのあれのことじゃないよね……?



「こういう時無意識って便利だよね!

美鈴に捕まらなかったおかげで御義姉様の凶行を止めることができたもん!」


「ちょっと、凶行ってどういうことかしらこいし?

フランと昨日の続きをしようとしただけじゃない」



その『昨日の続き』っていうのが凶行なんだよ、御姉様……。

……そうこうしている間に御姉様とこいしをベッドに運び終える私。



「…………よしっ!

それじゃあ私は修理に戻るから、抜け出したりせずにちゃんと休んでてね?」


「あれっ、もう行くのですかフラン?

どうせですから、ここで少し休んでいきませんか?」


私が医務室から出ていこうとすると、さとりから名残惜しそうな声で引き留められる。

……うぅ……今はまだ恥ずかしいから出来るだけ御姉様から離れたかったけど、このまま出ていったら名残惜しそうなさとりが可哀想だよね……。



「紅魔館の修理ならさっき私と妹様がしていた所が最後ですから、妹様はもう休んでいてもらって構いませんよ。

それに、妹様は早朝から頑張っていらっしゃいましたしね!」


「あっ、うん、ありがとう……」



美鈴がまた気を効かせた一言を残して医務室を出ていき、御姉様達と残ることになった私。

とりあえず引き留めてくれていたさとりのベッドに、俯きながら腰かける。

……どうしよう、御姉様を見るのが恥ずかしすぎて顔を上げられないよ……!



「ねぇフラン、さっきからどうしたの?

私と御義姉様を運んでる時から随分と静かだけど……」


「朝から動いてて疲れたなら、そのままさとりのベッドで休むといいのかー」



私が静かに俯いているのを心配してくれるこいしとルーミア。

言葉は無いけどさとりは頭を撫でてくれていて、御姉様のいるベッドからは御姉様がソワソワしているのかベッドが軋む音がせわしなく聞こえてくる。

……疲れた訳じゃなくて、ただ単に恥ずかしいだけなんだけど……うん、ここは一眠りして気分を戻そう……!



「あぅ……あ、ありがとう……。

私、ちょっとだけ休むね?」


「……はい、ゆっくり休んでくださいフラン」


「ちゃんと良い夢を見なさいね……?」



さとりと御姉様の声を受けながら、さとりが掛け布団を広げてくれている所にゆっくりと横たわる。

そして掛けられた布団の暖かさと、再び頭を撫でてくれているさとりの手のひらの温もりを感じながら、私の意識は薄れていった…………。











ーーーーーside さとり



「……寝ちゃったね、フラン」


「可愛い寝顔なのだー……!」



わざわざ自分のベッドから抜け出してフランの様子を見に来たこいしとルーミア。

二人ともフランの寝顔を可愛い可愛いと言っていますが、そう言いながら声を出さないように笑ってる二人も可愛いと思うのは、身内贔屓ですよね……。



「……それにしても、フランは一体どうしたのかしら?

早朝から修理を頑張っていたとはいえフランの体力を考えれば、それぐらいで疲れてしまうことはないはずなのに……」


「……呼吸も規則的で寝てすぐに顔の赤みが薄くなりましたから、具合が悪かったわけではないみたいですね」



そうなるとやはり、フランの中の感情が原因なのでしょう。

ただ、怒っているような反応もなく俯いているだけでしたから…………何か、恥ずかしいと思うようなことがあったのでしょうか……?



「まぁ、どうせ後で直接フランに聞いたら分かることだし私達ももう休もうよ」


「それもそうなのかー。

フランも寝ちゃってるし、私達も休むのだー」



私とレミリアが思考している間にフランの寝顔を堪能し終えたらしいこいしとルーミアが、それぞれのベッドに戻っていく。

……そうですね、休むことにしましょうか。

妖力を回復するには寝るのが効率が良いですし、レミリアもいつの間にかこいし達と同じように布団に潜り込んでますしね。



「……まだ日が昇っている時間ですが、おやすみなさい、皆……」



そう言って私も布団に潜り込み、フランの寝息を子守唄にフランの暖かさを感じながら意識を手放していきました……。










ーーーーー



ある日の昼下がり。

門番が従者達を指導しながら館を直している時、とある一室では少女達が安らかな眠りについていた……。



……余談だが、その後妹の様子がおかしかった理由を聞いた姉は、妹を慕う少女達から制裁を受けたそうだ……。




ーーーーー

以上、フランの後始末(?)回でした!



……紫と美鈴が頑張ってたおかげでフランがやることがほとんどありませんでした。


まぁちゃんと謝ってたし修理は頑張ってましたから、大丈夫、ですかね?



なにはともあれ、次回から時間が一気に飛びます!




それではまた次回にてお会いしましょう!

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