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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第1章 ~生まれ変わったら吸血鬼!?~
54/283

輝く笑顔、望む未来

どうも、東方転妹録最新話です!!




……今回の話、まるで最終話じゃないのかって思えるくらいの内容&長さになりました。


シリアス続きだったので、一旦明るく行こうと思ったら…………まぁ、暖かく見守ってあげてもらえたら幸いです。



それでは楽しんでいってください!!

ゆっくりしていってね♪



ーーーーー翌日の昼、紅魔館。

ーーーーside フラン



色鮮やかに飛び交う弾幕、通路に響く少女達の怒号……。

……どうしてこうなったの?



「くっ、フラン!! 早くこっちに来なさい!!

遅れたら捕まるわよ!?」


「ま、待ってよ御姉様!!

…………あっ!?」



御姉様に手を引かれながら弾幕をすり抜けて逃げる私。

しかし、御姉様が急に曲がったことにすぐには着いていけず、後ろから来た弾幕の一つに私の帽子が吹き飛ばされる。



「……往生際が悪いですよ、レミリア!!

早くフラン共々私に捕まってください!!」


「御義姉様はお姉ちゃんにあげるけど、フランだけは譲らないよ!?」


「フラン、抵抗しなければ優しくできるのかー!!

……御義姉様はさとりにあげるのだー」



とってもデジャヴを感じるこの状況。

……まぁ今回は御姉様が一緒だから、前よりマシだよね。



「結局私はさとりの所に行くことになるじゃない!?

もう、もう貞操の危機は嫌ぁぁぁぁ!?」



さとりとこいしとルーミアの発言に思わず絶叫してしまっている御姉様。

……そっか、私が帰ってきた途端に御姉様がキスをしてきたのも、さとりに奪われかけたのがトラウマになってたからなんだね。


……とりあえず、私もう悟っていいかな……?










ーーーーー三十分前。

ーーーー紅魔館、門前。



「……フラン、大丈夫なのかー?」


「一旦落ち着いてからでいいからね?」



御姉様に怒られると思って門の前で固まってしまっている私を、左右にいるルーミアとこいしが心配している。

……朝起きてから、私達が抱き合ったまま寝てしまったのを布団まで運んでくれたことと私がお世話になったことのお礼を星に言った後、紅魔館まで全速力で飛んで帰ってきた私達。

そして昼前に門まで帰り着いたのは良かったんだけど…………門の前に美鈴がいないのを見て、怒っている御姉様を落ち着かせてるのかな、って思っちゃったせいで私が動けなくなっちゃったの……。


……でも、これじゃあダメだよね。



「……ごめんね、二人とも。

でも、今度は私が頑張らなきゃいけないんだもん。

私、もう入るよ……!」



呟くように話す私に、二人とも心配そうな視線を向けてくる。

……二人が頑張って探してくれたんだもん!

今度は私がちゃんと御姉様に謝らなくちゃ……!

そして私はゆっくりと門を開けて、こいしとルーミアと一緒に庭に入っていく……。

……すると門が開く音が聞こえたのか、紅魔館の玄関が吹き飛ぶように開いて目にも止まらぬ速さで何かの影が飛び出してきた。



「……フ、フラァァァァァン!!!!!!

もうっ、何処に行ってたのよこのバカっ!!」


「あっ、お、御姉様!?

……ご、ごめんなさい!!」


玄関から飛び出してきた勢いのまま私を抱き締めてきた影は、私が今もっとも気にかけていた御姉様だった。

日傘を持って私に抱きついているのが御姉様だと気付いた私は、怒鳴る声に反射するかのように謝っていて思わず身を縮めてしまっていた……。

……うぁぁ、やっぱり、御姉様怒ってるよ……。

どうしよう、許してもらえるかな……?



「まったく、今回の事はちゃんと反省するのよ!?

……ほらっ、顔を見せなさい!」


「あっ、ごめっ…………っ!?」



言われた通りに顔を上げた途端、私の唇に広がる柔らかく甘い感触。

それと同時に、私の視界は御姉様の閉じられた目蓋で埋め尽くされていた……。

……えっ、これって、御姉様の……『キス』……?



「……んっ、ぁっ……」


「……んぅぅ、っ……!」



ゆっくりと啄むようにしながらも、一切離れること無くキスを続ける御姉様。

遂には御姉様の舌が私の口内に侵入してきて、私の舌に絡み付いてきた……。



「……んぅ、ぷはぁっ……!」


「……ぁっ、はぁっ……はぁっ……!?」



永遠にも等しいと思えるぐらい長く感じ始め、あまりの心地好さに私の意識が薄れ始めた頃、ようやく御姉様が私の唇を解放した。


……あっ……い、今のは単なる『キス』じゃなくて、『ディープキス』だよね……?

今までルーミアやこいしと普通のキスならしたことあるけど、『ディープキス』なんて始めてだよぉ……。


……う、うぁぁぁっ…………!!!?

お、思い出したら一気に恥ずかしくなってきたぁ!!!?



「はぁっ、あっ……お、御姉様……!?」


「ふふふっ……どうだったかしらフラン?

私が必死で守り抜いたファーストキスの味は……」



紅く紅潮した顔で、不敵な笑みを浮かべながら感想を聞いてくる御姉様。

私の意識はその紅い瞳に飲まれかけてしまっていて、返事を返すことは出来なかった……。


……御姉様の綺麗な紅い瞳……まるで、夜空に浮かぶ紅い満月みたい…………。



「あらあら……フランったら意識が飛びかけてしまってるみたいね?

……そんなに良かったなら、もう一回しようかしら……?」


「……ぁ……っ!?」



御姉様の呟きに思わず目を見開きながら体を震わせてしまった私。

そして、それと同時に再び欲しがるような甘い息を吐いてしまった……。


……これじゃあ、私がまたして欲しがってるみたいになっちゃうよ!?

わ、私のバカァァァァ!?



「ふふっ、どうやら本当にして欲しいみたいね、フラン?

……良いわ、もう一度「「「したらダメに決まってるでしょ!!!!!?」」」して……って、しまった……三人がいるのを忘れてたわ……!!」



いつの間にかいたさとりと私の後ろにいたこいしとルーミアが止めに入った言葉に、惜しむような表情をした御姉様とまだ少しボーッとしてるけどようやく我に還った私。

……その瞬間、私は周囲が濃密な妖力で満たされていることに気付いた。



「……ふふっ、昨夜も私から逃げ出したというのに、帰ってきたばかりのフランに『ディープキス』をするなんて……。

……どうやらレミリアは焦らすのが好きらしいですね?

私にキスをさせないばかりか、私より先にフランと濃密なキスをするんですから…………!」


「いくら御義姉様でも、今のは見逃せないなぁ……?

私のフランに、あーんなキスをするなんて絶対に許されないよ……?

……とりあえず、フランを渡してもらうね!」


「フランの初めては全て私が貰うつもりだったのに……!!

……まぁ、これぐらい良いのかー……。

こうなったらフランの貞操は私が奪うのだーー!!!!」



そう言った瞬間、一気に弾幕を展開するさとり達。

それらの弾幕には一切の隙がなく、最早外の風景が全く見えないぐらい辺り一面を埋め尽くしていた……。



「ちっ、時間帯的にも此処だと不利ね……。

フラン、しっかり捕まってなさい!!」



ーーーー『スカーレットシュート』



「なっ!? くっ……!!」




ーーーズバァッ……ドガァァァァァァン!!!!!!!!



私を抱き寄せながら御姉様が放った技は、御姉様の技を急いで回避したさとりがいた場所を通って弾幕に命中し、そのまま紅魔館の玄関まで一直線に貫いていた。

それを刹那的に確認した御姉様は回避をして体制を崩したさとりが戻る前に、紅魔館の中へと私を連れ込んでいった……。
















ーーーーー現在。



「いい加減諦めなさい!

フランは私のモノで、私はフランのモノよ!!」


「……御姉様、凄いなぁ……!」



いくら姉妹として発言しているにしても、聞く人によっては一発で勘違いしそうなセリフを堂々と言う御姉様に思わず感心してしまった私。

その私の呟きを聞き取った御姉様は、弾幕を回避しながらも私に満面の笑みを向けてきた。



「当たり前よフラン!!

『今の私』は凄いに決まっているでしょう!?

今私の側には……私の大切なフランがいるんだもの!!」


「………………!!」



さとり達の色鮮やかな弾幕の光に照らされながら自信に満ちた綺麗な笑顔を見せる御姉様に、思わず魅せられた私。

……私って幸せ者だね……!

こんなに『姉』から想われる『妹』なんて、世界中どこを探してもそうそういないよ!!



「……本当に素晴らしい方ですね、レミリアは……。

だけど、私のフランへの想いも負けてはいませんよ!!」


「フランへの想いは私が一番だよ!

絶対に御義姉様の想いには負けないもん!!」


「何がなんでもフランへの想いは譲らないのだーー!!

この想い、誰にも負けることはないのだーー!!!!」



御姉様の発言に続くようにして、それぞれ私への想いを叫んでくれたさとりとこいしとルーミア。


……訂正、こんなにも『姉』や『親友』達から想われる幸せ者は、この世界には絶対に私しかいないね!



「アハハハハハハッ!!!!

良いわ、貴女達の想い、どれ程のモノか私が確かめてあげるわ!!

フラン、貴女は後ろに下がっていなさい……!

……さぁ、三人まとめてかかって来るがいい!!!!」


「「「望むところ!!!!」」」



御姉様とさとり達が戦い始める前に、御姉様の言う通りに後ろへ下がる私。

そして私が十分距離をとった時、御姉様達は激しく戦い始めた。


……この時の戦いと、戦っている時の皆の表情は一生忘れられないと思う。


皆の想いに呼応するかのように、一段と輝きを放つ弾幕達……。

そして…………激しく戦っているのに、何かが満ち足りたような様子で……綺麗な笑顔を浮かべていた皆の表情を…………。

















ーーーーー1時間後。



ーーードシャアッ……!!



「……っ……か、体が動かないわね……!?」


「……全身が燃えているかのように、痛みます……!」


「……う、っぅ……も、もう少しだったのになぁ…………!」


「……ま、まさか……引き分けるとは、思わなかったのかー……!」



最後の最後に全員の渾身の一撃をぶつけあって力尽きた御姉様達。


『スターオブダビデ』

『想起、弾幕結界』

『弾幕のロールシャッハ』

『ディマーケイション』

……この四つの技が衝突した時の衝撃は、通路などは丈夫に作っている筈の紅魔館が揺れて、壁に大量の罅が出来るほど凄いものだった……。


……さて、そろそろ行っても大丈夫だよね!



「……弾幕勝負、お疲れ様!

皆、それぞれ満足できたの?」


「「「「いやまったく」」」」



私が満足できたかどうかを聞くと声を揃えて否定する御姉様達。

勢いよく喋ったせいか、皆一斉に咳き込んでしまった……。

……ボロボロで喋るのも辛いはずなのに、勢いよく否定するくらい勝ちにこだわってたんだね。

本当、御姉様達って凄いなぁ……!



「そ、そっか…………。

……まぁ、とりあえずメイド用に作った医務室に行こうよ。

動くのも辛いだろうから、私が運んであげる!」


「え、えぇ……是非ともそうしたいわ……」


「……さ、流石に動けないもんね……」



最早自分達では全く動けない御姉様を『フォーオブアカインド』で一人ずつ背負い、揺らさないようにゆっくりと飛んで運ぶ私。

本体は御姉様を、分身はさとり達を抱えていた。


……御姉様が真っ先に私への想いを伝えてくれたし一人で戦ったのも御姉様だったから、これくらいの贔屓は構わないよね!

それにしても……相手は並々ならぬ強さを持った三人、挙げ句には一人でも御姉様以上の強さを持つはずのルーミアがいたのに引き分けるだなんて…………。

……つまり、あの戦いでは御姉様はルーミアを越えていたってことだよね?

本当に、御姉様って凄いなぁ……!!



「……ねぇ、フラン……」


「……? なぁに、御姉様?」


「……フランは、私と一緒にいて、幸せ……?」



急に私を呼び、最早愚問としか思えないような質問をしてきた御姉様。

……ふふっ、御姉様ってこういう所が可愛いよね!



「……当たり前じゃん!

私は御姉様と一緒にいれて、本当に幸せだよ!!

それに、私は皆からこんなに想ってもらってるんだもん!

この世界で一番の幸せ者だよ!!!!」


「そう……それなら、良かったわ……。

本当に、本当に良かったわ……!!

……ふふっ、ふふふふっ、あははははははっ!!!!」


「ふふふっ……本当にフランは純粋ですね。

聞いてるこっちが照れてしまいそうですよ……!!」


「私もフランと、皆と一緒で幸せだよ!!

だから私達、みーんな幸せ者だね!!!!」


「その通りなのかー!!

私達は世界で一番幸せな五人組なのだー!!!!」



私が返した返事に体が痛むことすら忘れて、大きな声で幸せそうに笑い出す御姉様。

同じように私の返事を聞いたさとりは、私を優しい目で見つめて穏やかに微笑んでいる。

そしてこいしは閉じた第三の瞳など関係無しに心の底から喜び、ルーミアは両手を広げて体を使いながら嬉しい気持ちを表現していた……。



「……さぁて、と。

皆、体の痛みは大丈夫?

そろそろ医務室に着くよ!」


「「「「あっ……!」」」」



私が体が痛まないか聞いてみると、ようやく痛みを思い出したのか悶え始める御姉様達。

……本当、心配かけるんだから……!



「……ふふっ……ふふふふっ……!!!!」



本当におかしいけど、どこか幸せな気分になれる皆の姿に、私の口から思わず漏れた笑い声。


……もし、転生者であり吸血鬼という悪魔でもある私に、何か一つ望みを叶えることが許されるなら…………永遠に、この笑い声が出せるといいなぁ……!












ーーーーー

以上、一区切り回でした!



……ま、まぁ最終話ではありませんから御安心下さい。

……何を安心しろって言ってるんでしょうね、僕。


ネタバレ(?)になるかも分かりませんが、とりあえず本作品は原作の異変を総なめするまでは終わらない予定です。



この調子だと一日一話更新でも、後何年かかるか分かりませんけどね。



さて、次回は(主に)フランが色々と後片付けをすることになります!



それではまた次回にてお会いしましょう!!

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