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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第1章 ~生まれ変わったら吸血鬼!?~
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三人のお仕事in紅魔館

どうも、復活した愛式未来です!



御愛読していただいている皆さん、とんだお騒がせをしてしまいすみませんでした!

これからは気持ちを新たに頑張っていきますね!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーーその日の晩、紅魔館の門前。

ーーーーside こいし



「「「……お、大きい……!!」」」


「私の……いえ、私達の紅魔館はどうかしら?

とても立派でしょう?

……そういえば、こっちではこういう館は珍しかったわね」


「装飾や構造もこっちじゃ無い物ばかりだもんね!」



フランと御義姉様が生まれたという紅魔館の全貌を見て固まる私達…………。

隣で御義姉様とフランが、固まる私達を見て楽しそうに笑いあっている。

……な、何なの…………この国では有り得ないほどの大きさと、見たことがない装飾がある御屋敷は…………!?

こんな家、大きな都にいる偉い人間でも持ってないよ!?


「……名のある御屋敷とは聞いていましたが、まさかこれほどとは…………」


「大きな円盤が付いてる部分もあるよ!

あれって、何なんだろう…………?」


「あ、あそこには花壇もあるし、しかも見たことの無い花が植えられてるのだー!」



それぞれの驚きを口にする私とお姉ちゃんとルーミア。

……あっ、今円盤の棒が動いたよ!?

でも、何も起きないね。

あの円盤って何に使ってるんだろう……?



「さとり、この館は私とフラン以外の全ての吸血鬼を制した証よ?

それなのに誰かが想像出来るような代物で済ます訳無いでしょう。

それとあの円盤だけど、あれは時計と言って一日の中での今の時間を示す道具よ。

Ⅷを指しているから、今は8時ということね。

……後、あの花はバラというのだけれど、この国にも自生していたはずよ?

探してみたら直ぐに見つかるわ」





私達が驚いたことを一つ一つ説明してくれる御義姉様。

その隣でフランは、驚き続ける私達を見て微笑んでいる。

……あの円盤は時計って言うんだね。

今度、フランにどの文字がそれぞれどの時間を示しているのか聞いてみよっと!



「……ねぇねぇ皆、そろそろ中に入ろうよ?

さとり達に中も見せてあげたいし、御姉様も色々と用意をしないといけないでしょ?」


「……確かにこのまま此処にいても夜が明けてしまうだけね。

フランの言う通り、美鈴とメイド達にさとり達の新しい部屋を用意しないといけないから早く中に入りましょう」



そう言いながら先に門の中に入っていくフランと御姉様。

その二人の後ろ姿を、少しだけ慌てるように私達は追いかけていった…………。









ーーーーー紅魔館、玉座の間。

ーーーーside フラン



「……そういう訳だから、早速メイド達と新規の部屋を三つ用意してちょうだい、美鈴。

それと三つの部屋のうち二部屋はフランの部屋の側に、一部屋は私の部屋の側に用意しなさい」


「はっ、それでは部屋を用意して参りますので三十分ほどお待ちください」



玉座の間で御姉様の帰りを待っていた美鈴はさとり達と自己紹介をした後、御姉様から説明と命令を受けて玉座の間から出ていった。

……美鈴って本当に仕事の時は威厳があるよね。

御茶会で口を火傷して、あうあう言っていたのが嘘みたいだよ。



「……こうして実際の現場を見ると、レミリアが本当に当主だと実感しますね」


「さりげなく玉座の側に立って肩を掴まないでちょうだい。

無理矢理にでも逃げ出すわよ?」


「「「お、御姉様(御義姉様)が逃げる!?」」」



ちょっ、御姉様が逃げるって言ったの初めて聞いたよ!?

普段の御姉様なら絶対にそんなこと言わないのに…………!!



「お、御姉様大丈夫なの!?

まさかそんなことを言うなんて…………。

あっ、もしかして体調が悪いの!?」


「それなら直ぐに人里から医者を連れてくるのだー!」



きっと御姉様は体調が悪くて戦う力が無いから、逃げるなんて言ったんだよね?

誇りが高い御姉様が逃げるなんて言うほど体調が悪いってことは…………緊急事態だよ!



「落ち着きなさいフラン、ルーミア!

私は体調なんて悪くないわ。

……だから額に手を当てて熱を測るのもやめなさい、こいし」


「「「えっ…………?」」」



御姉様、体調は悪くないの……?

だったら何で、さとりから逃げるだなんて言ったんだろう?

誇り高い御姉様なら逃げることを極度に嫌うはずなのに…………。



「私は戦いの中の意味で逃げると言った訳じゃないわ。

さとりから精神的な意味で逃げると言ったのよ?」



それって、一体どういう事なんだろう?

精神的に逃げるって…………もしかして、さとりからトラウマを見せられたのかな?



「ねぇお姉ちゃん、もしかして御義姉様にトラウマを見せたりしたの……?」



私が頭に浮かべた疑問と全く同じ質問をするこいし。

……さとりは幻術を得意とするはずの藍さんにさえ幻術をかけた経験もあるもん。

それほどの幻術なら御姉様が恐れてもおかしくはない…………かな?



「……いいえ、トラウマは見せていませんよ?

簡単且つ簡潔に言えば、レミリアに『スカーレット姉妹を手に入れてみせる』と言っただけです」


「…………えっ?」


「「…………」」


「はぁっ…………」



さとりの返事に思わず疑問の声をあげてしまった私。

私の隣ではこいしとルーミアが言葉を失ってしまっていて、さとりに肩を掴まれている御姉様はおもいっきりため息を吐いている…………。

……えっと、『スカーレット姉妹を手に入れてみせる』ってどういうこと…………?



「……ふふっ、そんなにため息を吐かなくてもいいじゃないですかレミリア。

私は、ただ好きで好きで堪らないスカーレット姉妹を手に入れてみせると言っただけですよ?」


「貴女のその発言が、私にため息を吐かせていることぐらい自覚しなさい!!」



御姉様を獲物を見るような、それでいて御姉様が愛しいという気持ちが伝わってくるような視線で見つめているさとり。

御姉様も最初は文句を言っていたけど、結局は諦めてしまった……。

……これってつまり、さとりは御姉様を『恋愛的な意味』で愛していて、私はこいしと同じような『姉妹的な意味』で好きっていうことだよね?


…………何だか、とっても楽しそうな予感…………!!



「ありがとね、さとり!

好きって言ってもらえて、私、とっても嬉しいよ!

……でも、御姉様はあまのじゃくな所があるから、文句なんて気にせずに好きって言ってあげてね!!」


「ちょっ、フラン!!!?」


「……分かりましたよ、フラン。

これから頑張ってレミリアを落としてみせますね。

……でも、私がフランも好きだということを忘れないでくださいよ?」



私が心からの笑顔で言ったことに対し、御姉様は顔を赤くしながら慌てて、さとりは強い決意を示していた。



「……ねぇルーミア、これってかなり凄い風景だよね?」


「うん…………。

とりあえず、御義姉様に合掌しておくのかー」


「うぅ…………どうすればいいの……?

ドSと天然に板挟みされた時の対処法なんて知らないわ…………!」



……こいしとルーミアが御姉様に合掌してるけど、どうしたんだろう……?

もしかして、恋愛真っ最中の御姉様を拝むことで自分達もあやかろうって考えてるのかな?



「……とりあえず、先にしておくべき話をしておくわ。

さとりとこいしとルーミアの紅魔館での役割と部屋割りの件よ」


「「「「……!」」」」



無理矢理だけど、とても大切な話を切り出した御姉様。

……さとり達にどんな役割を与えるんだろう?

人里では簡単な仕事って言ってたけど…………。



「先ずは貴女達の役割から話すわね。

ルーミア、悔しいけれど貴女は私達の中でも屈指の実力を持っている……。

……だから貴女には紅魔館の防衛として、美鈴の門番の仕事の手伝いを頼ませてもらうわ。」


「つまり守護とあまり変わらない仕事なのかー……。

……でも、フランと御義姉様の家を守るためなら守護以上に頑張るのだー!」



ルーミアは門番補佐を頼まれたみたいだね。

確かに門番が一人だけだと、美鈴にかかる負担が大きくなっちゃうもん。



「次にこいし、貴女にはフラン付きの侍女をしてもらうわ。

こいしなら他の者には理解できない、妹同士でしか分からないようなことも理解できるでしょう?」


「……やったぁぁぁぁ!!

この仕事は大当たりだよ!

これからよろしくね、フラン!」


「……神は滅びたのかー…………」



私付きになれたことを心底喜んでいる様子のこいし。

……私も嬉しいんだけど、何故か灰のようになってしまったルーミアが気になって素直に喜べないよ……。……後で飴か何かをあげておこっと。



「……最後はさとりね。

貴女には当主補佐として常に私の側にいてもらうわ。

……まっ、普通に言うなら秘書のことね」


「……それは、早くも私を受け入れてもらったと思っても良いのですね?

とても嬉しいです、レミリア!!

レミリアの側で精一杯頑張りますね!」


「ちっがぁぁぁぁぁぁぁぁう!!!!!!!!

何時! 何処で! 誰がそんなことを言ったぁぁぁ!?」


「今、ここで、レミリアが言いましたよ?」



……うわぁ、さとりって案外相当なごり押しタイプだったんだね。

さとりの押しによって、何時も冷静沈着且つ不敵な笑みを浮かべている御姉様が威厳も何もかもを忘れてしまっているように叫んじゃったよ…………。

……まぁ、私に嬉しそうに抱きついているこいしや灰のようになっていたはずのルーミアまでもが、目を見開いて驚くレベルだから御姉様が叫ぶのはしょうがないとは思うけどね。



「……ふふっ、レミリアの本心は分かっていますから安心してください」


「安心できるかぁぁぁ!?

……それなら、貴女が思う私の本心を言ってみなさい!」



御姉様の本心は分かっていると言いながら笑うさとりと、それを疑っている御姉様。

……さとり、能力を使って御姉様の思考を読んだのかな?

それなら本当に分かってるんだろうけど、御姉様の本心って一体何なんだろう……?




「…………遥か未来の話。

暗い暗い地底の館、そこに私は当主として住んでいる。

愛しい妹であるこいしと数々のペットと共に……。

……その『運命』をレミリアは見たからこそ、今私を当主補佐とし、当主として必要な経験を積ませようと思っているのでしょう?」


「……また能力を使ったわね?

まったく、本当にしょうがないわ」



…………成る程。

つまり御姉様は運命で『地霊殿』を見たから、さとりにあらかじめ『当主とはなんたるか』を伝えようと思って、紅魔館の当主補佐にしたんだね。

確かに当主のことを学ぶなら当主の側で働くのが一番だもん。

あらかじめ当主としての心得が分かっていれば、実際に当主になった時にあまり苦労はしない。

……本当に、御姉様って優しいね。



「……ねぇねぇ、そうなるとさっき言ってた部屋割りって私の部屋の側の二部屋にこいしとルーミア、御姉様の部屋の側の一部屋にさとりってことで良いの?」

「その通りよ、フラン。

単純だけどそれが最も効率が良いもの。

……さて、そろそろ夕食の時間ね。

広間に向かいましょうか」


「……私のみならず、フランにまで考えを見透かされたことが恥ずかしいのですね。

本当にレミリアとフランは可愛いです……!」


「……もう、諦めたわ……」



そろそろ夕食の時間だと言って早足に玉座から去ろうとした御姉様に、止めの一言を発したさとり。

結局、哀愁を漂わせながら御姉様は玉座の間から去っていき、さとりも御姉様に着いて先に行ってしまった…………。

……さてと、私達も早く着いて行かなきゃ!



「それじゃあ、御姉様がやけぐいをして夕食を食べ尽くしてしまう前に私達も広間に行こっか!」


「うん、行こう行こう!!

……それにしても、お姉ちゃんってフランに迫るよりも御義姉様に迫る方が勢いあるよね」


「きっと、能力が通じる相手にはドSになってるのかー……」



背後で御姉様とさとりに関するガールズトークをするこいしとルーミア。

……それはやっぱり私に対する好きと、御姉様に対する好きが違うだけだと思うけどなぁ……?



そうして私達も玉座の間から出ていき、急ぎ足で広間へと向かっていった…………。


以上、ドSと天然の襲来回でした!




今回もレミリアが叫ぶことになりましたね。

レミリアもフランの天然とさとりのドSが相乗すると、これほどの威力があるとは思っていなかったことでしょう。


これからレミリアはどうなるのでしょうか?




それでは、また次回にお会いしましょう!

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