紅魔館の新たな住人
どうも、東方転妹録最新話です!
今回は、紅魔館にある意味意外な住人が増えますよ!
……パチェのミスの件は近々修正をいれますね。
それでは楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー翌日の朝、人里。
ーーーーside レミリア
「……あっ、フラン達が来たよ!」
「ホントなのだー!
おーい、フラーン!!」
守護の仕事と、他にも色々と話をするために人里に来た私とフラン。
里に入った直後に、私達を見つけたこいしとルーミアがフラン目掛けて駆け出してきた。
……間に入って止めたくなるけれど、これからはフランとほとんど一緒に居られるのだから、これくらいは勘弁してあげましょう…………。
「二日ぶりだね、二人とも!
初めての休暇はどうだったの?」
「「フランがいなかったからつまらなかった!!」」
「……こいしさんは、鬼の方々と沢山遊んでいましたよね?」
「わちきもルーミアに連れ回されたよ…………?」
声を揃えて休暇の感想を言う二人と、後からやって来て二人の感想にツッコミをいれる犬走椛と多々良小傘。
……今日はこの二人も里に来ていたのね。
多々良小傘はともかく、犬走椛はどうして人里に来ているのかしら?
鬼達や鴉天狗の射命丸文は来ていないようだけど…………。
「あっ、椛と小傘だ!
…………あれっ?
ねぇねぇ椛、文お姉さん達は一緒に来てないの?」
「……昨日の朝に、鬼の方々と宴会をして酔い潰れたこいしさんと酒で落とされたさとりさんを運んできたんですよ。
二人とも今日は元気になってますけどね。
……さとりさんは慧音さんと藍さんの二人と話していて今この場にはいませんが、こいしさんは御覧の通りです…………」
…………成る程ね。
つまり酔い潰れた二人を運ぶ仕事を押し付けられ、運んだ後も酔い潰れた二人を放っておけずに看病をしていた、と……。
優しいことは別に構わないけど…………この子、絶対にいつか損をするわね。
……いえ、上司と仲間にこき使われた時点で損はしてる、か…………。
「それは大変だったね、椛…………。
……あっ、そういえば藍さんと慧音さんに話さなきゃいけないことがあるんだけど、三人がいる場所に案内をしてもらっても良いかな?」
「藍さん達のところですか?
まぁ、別に構いませんよ。
どうせ人里にいる間はやることが無さすぎて暇ですし。」
そういいながら了承する椛。
……両手に荷物を持ってるくせに暇だと言いきるだなんて…………普段どれくらい忙しいのかしら?
「……ねぇフラン、大事なお話なら私達は席を外した方がいいのかー?」
「藍さんと慧音さんに話っていったら結構大事なことなんだよね……?」
私が犬走椛の日常を想像している間に、フランに質問をするルーミアとこいし。
……守護の仕事のこともあるから上白沢慧音と八雲藍を指名したけれど、むしろこの話はこいし達に話したいわね。
私がフランと再会するまで、フランはさとりとこいしの家でルーミアと世話になっていたようだし…………。
「確かに大事なことではあるけど…………むしろこいし達に聞いてほしいから、私達と一緒にいてほしいな!」
「「良かったぁ……!!」」
明るく笑いながら、私が思ったことを口にするフラン。
……考えていることが話さずとも伝わるだなんて…………本当に私とフランは運命に祝福されているのね!!
「さぁ、そろそろ行きましょうフラン。
長い話になるかもしれないからね。
……じゃあ案内を頼むよ、椛」
「「「はーい!!」」」
「……よくよく考えたら、私ここでも小間使い扱いされているような…………」
「うん、わちきもそう思うよ…………」
ふふっ、フランだけじゃなくルーミアとこいしも無邪気な返事をするのね。
……何かに気付いた犬走椛と小傘の会話はスルーするとしましょう…………。
ーーーーー寺小屋。
ーーーーーside フラン
「……あっ、さとりーー!!」
椛の案内で寺小屋に来てみると、さとり達が寺小屋の前で話していた。
「……フラン?
もう帰ってきていたの?
……よく見たらレミリアと皆も一緒にいますね。」
「「普通にフラン以外にも気付くだろう…………」」
私の呼び掛けに振り返り、綺麗な笑顔を見せてくれたさとり。
……さとりの後ろで、藍さんと慧音さんのさとりへのツッコミが一言一句違わずに揃ってたよ!?
「まぁさとりのことは置いておくとして…………ちょうど三人でフラン達のことを話していたんだが、久しぶりの実家はどうだったんだ?」
「昨日の昼頃、紫様がフランがどうの紅魔館がどうのと呟いていたから少し、いやかなり気になるんだが…………」
紫さんの呟きから、紅魔館で私と御姉様に何かあったんじゃないかと心配する藍さんと慧音さん。
何も言っていないけど、さとりも二人の隣で心配そうな表情をしている。
……うん、紅魔館の引っ越しと今後のことをカミングアウトするなら今だね!
「そのこと何だけど…………皆、落ち着いて聞いてね?」
私の言い回しに正面のさとり達だけじゃなく、側にいるこいし達も訝しげな表情をした。
唯一、御姉様だけは薄く微笑みを浮かべている。
「……実はね、昨日紅魔館のお引っ越しをしたの!
人里の近くに紅魔館ごと来たから、今日からは守護の仕事をしながら私も紅魔館に住むことにしたんだよ!!」
『『『『…………えっ? えぇぇぇぇぇ!!!!!!!?』』』』
皆のあまりの絶叫に思わず耳を塞ぐ私。
御姉様も頭を押さえながら鬱陶しげに顔をしかめている……。
……道を歩いていた里の人達まで驚きながら耳を塞いじゃってるよ……。
これ、里中に響いたんだろうなぁ…………。
「フラン、それは一体どういう経緯でそうなったのですか!?」
「もしかして私達とはもう一緒に住まないの!?」
「フランと離ればなれになるのは嫌なのだーー!!」
まるですがるように私に詰め寄ってくるさとりとこいしとルーミア。
他の皆も、口をパクパクさせながら固まっちゃってるよ……。
……ど、どうしよう?
さとり達の剣幕が凄すぎて、どうしたらいいか分からなくなっちゃったよ……!?
「……ほらっ、フランが貴女達の勢いに驚いてるから一旦離れなさい。
これからのことについては私が話すわ。
良いわね、フラン?」
「う、うん…………」
私からさとり達を引き剥がし、私を庇うように抱き寄せる御姉様。
……困ってる時に、こういう助け方はズルいよね。
また御姉様の行動にキュンとしちゃったよ……!
「……私も悪鬼じゃないし、貴女達をフランから引き離そうとは思わないわ。
フラン自身も離れたくないだろうしね。
…………だから、貴女達も紅魔館に住まないかしら?
勿論従者の手前、私にも紅魔館の主としての体面があるから、守護以外にも何かしら簡単な仕事をしてもらうことになるけれど」
「「「全力でやるよ(やります)!!」」」
御姉様の誘いに食らいつくような勢いで答えるさとり達。
……これで一件落着、かな?
正直、さとり達が一緒に住むのは当たり前だと無意識に思っちゃってたけど、普通に考えたら確かに違うよね。
本当に御姉様が優しい御姉様で良かったよ!
今度は紅魔館で皆と一緒に生活できるんだもん!
「……成る程、昨日紫様が呟いていたのはそういうことだったのか」
「私としては人里の守護をしてもらえるなら、外に住んでいてもらっても全然構わないよ。
……少し寂しくなるけどな」
「……これは、鬼の方々に報告しないと…………。
文さんが喜んで記事にしそうだし……」
「わちきは…………何にも変わらないや」
結局、私達五人全員が紅魔館に住むことになったことには、誰も反対しなかった。
……慧音さんは少し寂しそうな笑顔をしてるけど……。
「……それでは一旦話もまとまったことですし、守護の仕事に戻りましょう。
今日の当番は私とレミリアですね……」
「そうね……。
それなら守護の仕事をしている間に、先にさとりの仕事の話をしておきましょうか。」
そう言いながら門に向かっていく御姉様とさとり。
じゃあ、私はどうせだから寺小屋を覗いていってみようかな?
まだ始まってないみたいだしね。
……慧音さんを楽しい笑顔にしてあげたいもん!
「じゃあ、私はここに残って慧音さんの授業を見てみるね!」
「「フランが残るなら私も残る!!」」
「うーん……わちきも暇だし、残ろうかな……?」
「……ふふっ、今日は子供達が喜びそうだな!
どうせなら一緒に授業を受けていくと良い」
どうやら私とこいし、ルーミアに小傘が残るみたいだね!
慧音さんも嬉しそうだよ!!
後は、藍さんと椛はどうするのかな……?
「私は山に戻りますね。
紅魔館のこと等を鬼の方々や文さんに伝えとかないといけませんから」
「私もマヨヒガに戻るとしよう。
紫様の世話をしなくてはな」
そう言うと、宙に浮かび去っていった藍さんと椛。
……あっ、モフモフし忘れちゃった!
うぅ〜…………次に会ったときは絶対にモフモフするよ!!
「……さっ、私達も中に入ろう。
そろそろ子供達が来るからな」
「「「「はーい!!」」」」
ふふっ、前世以来、久しぶりの授業だね!
前は嫌だったけど、今は楽しみだなぁ…………!!
ーーーーー
……そうして、明るく賑やかな声は寺小屋の中に消えていった。
ーーーーー
以上、住人増加回でした!
何だか、段々とこいしとルーミアの息の合う回数が増えてきましたね。
二人は仲睦まじくなってきたようです。
……そうこうしている間にレミリアが着々と株を上げているようですが。
それではまた次回にお会いしましょう!




