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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第1章 ~生まれ変わったら吸血鬼!?~
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紅き館の御茶会

どうも、東方転生録最新話です!!



今回は何時もより圧倒的に落ち着いた話となっています。


対した暴走もなく、レミリアが望んでいた日常が垣間見えますよ。




それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー数分後。

ーーーーside フラン



「お、御嬢様ぁぁぁぁぁ!?」


「……フ、フランの愛が熱いわ…………」



目の前で漫才のようなやり取りをする御姉様と美鈴。

御姉様は倒れつつも日傘だけは手放してはいなかった……。

……本当に心配したんだから、ちゃんと反省してよね!



「もう大丈夫でしょ御姉様?

今まで何回もレーヴァテインに燃やされてるんだから」


「確か、三回……ね。

八雲藍を問い詰めた時に一回、人里でさとり達と争ったときに一回、そして今の一回……」


「そんな回数覚えないでくださいよ、御嬢様…………」



…………あれっ?

もしかして御姉様、少し根に持ってるのかな?

むぅ……これから止める時はレーヴァテインを使うの控えよっと……。



「……さて、痛みも引いたことだし中に入りましょうか、フラン。

美鈴も一緒に来なさい。

今日は私が三人分の紅茶を用意するわ」


「ホントッ!? やったぁぁ!!

久しぶりに御姉様の紅茶を飲めるよ!」


「えぇっ!? ちょっ、火傷だけはしないでくださいよ御嬢様!!」



ゆっくりと起き上がり、紅魔館の中に入っていく御姉様。

私は久しぶりの御姉様の紅茶が飲めることに喜びながら、美鈴と一緒に御姉様の背中を追いかけた……。







ーーーーside レミリア



「……ほらっ、まだ熱いから気を付けて飲みなさい?」



久しぶりに注いだ割に良くできた紅茶を机に座るフランと美鈴の前に置く。

……美鈴はどうせ褒めてくると思うけれど、フランはどう評価してくれるのかしら?

さっきの分は取り戻したいのだけれど…………。



「うわぁ…………!!

ありがとね御姉様!

……それじゃあいただきまーす!」


「で、では私もいただきますね!

……あ、熱ぅぅ!?」


「……まったく、緊張し過ぎよ美鈴。

少しは落ち着きなさい」



昔教えた通りの紅茶の飲み方で、香りを楽しんでからゆっくりと飲むフランに対し、普段こういうことをしなかったせいか、緊張のあまり一気飲みしようとして噎せる美鈴。

……まぁ美鈴はもとからこういう性格だし、これからは御茶会を増やして場馴れさせましょう。

そうすれば美鈴のあがり症もなおるはず……。



「……御姉様が注いでくれた紅茶、とっても美味しいよ御姉様!

……もう一杯もらってもいい?」


「本当は淑女として良くないのだけれど…………まぁ今回は多目に見ましょう

……美鈴も、私が注いだ熱い紅茶をおかわりするのかしら?」


「ひ、ひゃい!!

じぇひともいただきまふ!」



私が注いだ紅茶を褒め、様子を伺うように自然な上目使いでおかわりを求めてくるフランと、火傷をしてしまったのか口許を押さえながらおかわりをしようとする美鈴。

……そ、そんなに熱かったかしら?

フランは何ともなかったわよね?

……とにかく、二杯目は少し冷まして持っていくことにしましょうか。


そう思いながら、近くに持ってきていたカートでカップに紅茶のおかわりを注ぐ。

すると、後ろからフランと美鈴の会話が聞こえてきた。



「ねぇ美鈴、口の中大丈夫?

必要なら何か冷たいものを持ってくるよ?」


「い、いへ、こふひふものは気をつかへば…………。

……よしっ、もう大丈夫ですよ妹様!」


「えっ!? も、もう大丈夫なの!?」



ふふっ、どうやらフランは美鈴の気を使った回復力にかなり驚いているようね。

あれには確かに私も最初は驚いたわ。

戦っている最中に吸血鬼である私と同じくらいの速度で回復していくのだもの。



「おほんっ、気を使えばこの程度の火傷などはあっという間に治りますよ。

昔から拳法の修行をするときに多用してましたから!」


「へぇー、美鈴は拳法が出来るんだね!

私はまだレーヴァテインで居合い切りぐらいしかできないや……」



そういえばフランは撤退戦の時、幹部らしき奴を相手に居合い切りを使っていたわね。

……あの時のことを思い出すと、自分のふがいなさに本当に腹が立ってくるわね……。

あの時、私があんな奴に油断していなければ…………フランは月に残らずに済んだのに…………。



「妹様は居合い切りができるんですか!?

それは凄いことですよ、妹様!

居合い切りを修得できる者は滅多にいないとよく聞きます!」


「えっ、そ、そうなの?

……エヘヘッ、嬉しいなぁ……!」



それだけしかできないと思っていたことを褒められ、照れくさそうな笑い声をあげるフラン。

フランったら本当に可愛らしい笑い声を出すわね。

笑う顔を見れないのが酷く残念だわ……。


……そう思っている間に、注いだ紅茶がほどよく冷めた。


「……楽しいお話し中の所に悪いけれど、おかわりが出来たわよ?

軽く冷ましてあるから、今度は落ち着いて飲みなさい」


「あ、あはは……こ、今度は落ち着いて飲みますよ」


「あっ、ありがとー御姉様!

……ふふっ、やっぱり何度飲んでも御姉様の紅茶は美味しいよ。

茶葉の香りがちゃんと生きてるもん。

色も綺麗な血のように紅いしね!」



苦笑しながらも今度はちゃんとゆっくり飲む美鈴と、姉としても吸血鬼としても嬉しいことを言ってくれるフラン。

……ここまで褒めてもらえると、本当に嬉しいわね。

次に御茶会をする時はちょっと違った茶葉で注いでみようかしら?



「……そういえば話を聞いていたけれど、二人とも武術の技が使えるのね。

私もフランみたいに一つぐらい修得してみようかしら……?」



いくら並の吸血鬼以上のスペックを持っていて近接戦もできるとはいえ、強敵と戦うときに何かしらの名のある技は必要……。

私が使うのはグングニルだから、覚える技術は槍関連ね。

……槍で名のある技って何があったかしら?



「御嬢様の使う武器は槍でしたね。

……槍といえば、何がありましたっけ?」


「私は椛から剣技しか聞いてないから、槍は分かんないや……」


「い、いきなり詰んだわ…………」



ま、まぁ知らないのはしょうがないから人里の守護に戻った時に誰かに聞いてみましょう。

……吸血鬼の誇りは、他者から何かを教えられるのは恥としてるけど、強くなるために学ぶのはよしとしているから何の問題もないわね。


……そういえば、一々八雲紫にスキマを開かせるのも面倒だし紅魔館を人里の近くに移そうかしら?

月面戦争の直前に転移の大型魔法陣もできていたし、ちょうどいい機会よね。



「まぁ槍の話は置いておくとして…………私から一つ提案があるのだけれど、良いかしら?」


「提案ですか……?」


「何の提案なの、御姉様?」



突然話題を切り替えられ、私が提案をしようとしたことにキョトンとなるフランと美鈴。

……美鈴は放っておくとして…………フランはどんな表情でも本当に可愛いわね!

こんなに可愛い妹が私の妹だなんて…………本当、こういう時だけ神に感謝したくなるわ!

……私達は吸血鬼、つまり悪魔だから、この場合は神じゃなくて邪神になるのかしら?

まぁそんなことは置いておきましょう。



「実はね、紅魔館を人里の近くに移そうかと思っているのよ。

月面戦争に行く前に転移用の大型魔法陣もできたから、ちょうどいい機会だもの」


「つまり、人里の近くにお引っ越しするの?

……たしかにそうすれば紅魔館に住みながら守護の仕事も出来るし、とっても便利だね!」


「へっ? ひ、引っ越しですか!?

……それなら、今からメイド達に魔法陣の準備をさせなくてはいけませんね」



どうやら二人とも異論は無いようね。

早速美鈴も準備を進めるみたいだし、後は私が用意される魔法陣の細かい調整をするだけ、か……。

…………それにしても、フランから良いことを聞けたわ!

『紅魔館に住みながら守護の仕事が出来る』と言ったということは、人里の近くに引っ越せばフランは紅魔館に住むということ…………!

守護が休みである明日までに、絶対に引っ越しを完了させるわよ!!



「……それじゃあ二人とも異論は無いようだし、早速準備を始めましょう。

明日までには引っ越しを完了させるわよ!!」


「はーい、私も頑張って手伝うね!」


「って、明日までですか!?

ちょっ、メ、メイド全員集合ぉぉぉぉ!!!!」



……あの日から、私が手に入れられなかったフランが側にいるという日常…………。

今度こそ、絶対に手に入れてみせるわ……!!















ーーーーー

以上、レミリアが望んでいた日常の風景でした!



次回は引っ越し話となります。

……常識人チームが苦労するかもしれませんね。




それではまた次回にお会いしましょう!

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