紅き悪魔の館へ
どうも、愛式未来です!
更新が非常に遅れてしまい申し訳ありません。
リアルが非常に忙しかったため、このような時間になってしまいました。
このようなことは滅多にないと思いますが、またあった時は、寛容な心で受け止めてもらえると幸いです。
さて、遅れましたが楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー1週間後。
ーーーーside フラン
「……さて、一度帰るわよフラン。
流石に長く空け過ぎたわ」
『『『『…………えっ?』』』』
皆さんこんばんは!
只今貸家で皆と夕飯を食べているフランドール・スカーレットだよ!
……えっと、いきなり御姉様が一度帰るとか言い始めちゃったけど…………もしかして、紅魔館かな?
明日と明後日は初めての休暇を貰えるから私は構わないんだけど…………ただ、あまりにも唐突すぎて今ここにいる他のメンバー……ルーミア、こいし、さとり、紫さん、藍さん、慧音さんの全員が固まっちゃったよ。
「……れ、レミリアさん?
帰るって、一体何処にですか?」
「何処に帰るって、決まってるだろうさとり。
紅魔館だよ、紅魔館。
ちょうど八雲紫も遊びに来ているし、上白沢慧音から暇も貰えたんだ。
『実家に里帰り』するにはちょうど良いだろう?」
『『『『さ、里帰りぃぃぃぃぃぃ!!!?』』』』
急に大声で騒ぎ出す皆。
御姉様、そんなに変なこと言ったかな?
私としては御姉様が言うことに納得したし、普通だと思ったんだけど…………。
「えっ、ちょっ、御義姉様とフランは名付きの実家があるの!?」
「名付きだなんて聞いたことないのかー!?」
……な、何で名付きに驚いてるの?
確かに『紅魔館』とか言う感じに名前をつけるのは珍しいかもしれないけど、御寺とかは全部名付きだったりするよね?
だから、そこまで驚くことはないと思うんだけど……。
「……そういえば、レミリアさんの館はかなりの大きさでしたわね。
沢山の従者の方々がいましたし、二人の故郷では相当有名なのでしょう?」
「そ、そうなのか八雲紫!?
……ま、まさかそんな有力者だったとは…………」
恐らく紫さんは月面戦争への勧誘の時に紅魔館に来たことがあるから、今の紅魔館のことを知ってるんだね。
慧音さんは紅魔館が私達の故郷では有名な所だと知ってかなり驚いてるみたい。
……まぁ知り合いが有名人だったり、屋敷を持つほどの富豪だったりしたら、それは驚いて当然だよね。
「……私は、紅魔館には四年しか住んでないけどね…………」
「えっ? そ、それは一体どういうことなのかー?」
「……四年しか住んでないというのは、一体どういうことです?」
私の呟きに疑問の声をあげるルーミアとさとり。
……私は御父様に幽閉されそうになってたんだよね。
今紅魔館に帰っても、また幽閉されそうになるのかな……?
それなら、私は紅魔館には…………。
「……御父様と御母様なら心配要らないわよ、フラン。
あの二匹の羽虫達は私がしっかり駆除しておいたから」
「……それはつまり御両親を紅魔館から追い出した……或いは殺したということなのか、レミリアさん?」
私の表情から、私が不安になっていることを読み取った御姉様…………。
私を安心させようとしたみたいだけど、逆にいっそう不安になっちゃったよ……!
……藍さんが言ったみたいなことしてないよね、御姉様…………。
……でも、現実はやはり厳しかった。
「紅魔館から追い出す?
激昂した私がその程度で許してやるわけないだろう?
……フランを暗く寂しい地下に幽閉しようとしたんだもの…………その行為、万死に値するわ!!」
「……う、嘘…………。
本当に、本当に殺しちゃったの御姉様!?」
私は思わず御姉様に掴みかかり、そのまま押し倒した。
……どうして、どうして御姉様はそんなことをしたの!?
確かに私を幽閉しようとはしたけど、それでも私と御姉様の親なんだよ!?
「……あんな最低な親でも心配するのね、フラン……。
でも、身内に対してそうやって優しいだけでは生き残れないわよ?
確かに今フランの周りにいる人達はとても、とても優しく強い人ばかり。
だから私も心配はしていないし、殺したりもしていないわ。
……でもね、御父様と御母様は……あいつらは違ったの。
貴女を幽閉し、そこで一生を過ごさせようとしていたのだもの……」
そう言いながら上に乗っかっている私を抱き締める御姉様。
その小さな腕は私を優しく、暖かく抱き締めてくれるけど……まるで失いたくないというかのように、力が込められていた。
「……でも、私だけじゃなくて御姉様の御父様と御母様だったんだよ?
御姉様は辛くなかったの……?」
私も御姉様がしていたことにショックを受けたけど……御姉様が直接御父様達を殺めたなら、御姉様だってきっとショックだったはず……。
そう思って投げ掛けた言葉に対し返ってきたのは、あまりにも予想外で、それでいて思わず嬉しいと思ってしまう返事だった……。
「……何を言っているの?
フランが側にいることが私の唯一無二の幸せだというのに、あんな羽虫達を殺めたことが辛い訳ないじゃない」
「えっ…………!?」
御姉様の言葉に惚けてしまった私。
……私はきっと、頭では御姉様が御父様達を殺めたことを何とも思ってないことに驚愕しているはず…………はずなのに、御姉様が私がいることを唯一無二の幸せだと言ってくれたこと、そして先ほどよりも更に強く抱き締めてくれたことに嬉しいって思っちゃってる……。
「……さて、八雲紫。
フランも落ち着いたことだし、早速紅魔館へスキマを開いてもらえるか?」
「……えぇ、分かったわ」
御姉様の要望に答え、スキマを開いた紫さん。
それを見たさとり、こいし、ルーミアがいそいそと準備を始めたんだけど……。
「……あっ、貴女達は今回控えてくれない?
久しぶりにフランが帰るのだから、家族だけで過ごしたいんだ」
「「「えっ!?」」」
準備をするさとり達を止め、私と二人だけで帰ると言い出す御姉様。
……実を言うと、私も御姉様とだけがいいの。
御姉様の言う通り、私が紅魔館に帰るのは久しぶりだし、二人きりとはいえ家族水入らずの時間を過ごしたいもん。
まぁ従者が何人かいるだろうけどね。
「……私も、今回は御姉様と二人きりが良いな。
家族水入らずの時間も過ごしたいから…………。
……また今度絶対に皆を招待するから、ダメかな……?」
「うっ…………!?
……ま、まぁフランがそういうなら仕方ないよね……。
私も月面戦争が終わってからまだ一度も山に戻ってないし、休みの間にちょっとだけ戻るよ」
「……私もこいしに着いていきます。
こいしだけでは色々と不安ですから……」
すぐに私のお願いを聞き入れてくれたこいしとさとり。
三日前に勇儀達が山に戻ったばかりで何となく変な感じがするけど、まぁ良いよね。
「う〜ん、私はどうしようかなー……?
やることが無いのかー……」
「それならば私の寺小屋を見に来てはどうだ?
色んな子達がいるし、飽きはしないはずだぞ?」
「おぉー! それは助かるのかー!
里の近くの森にいる小傘をとっ捕まえてから遊びに行くのだー!!」
慧音さんのおかげで退屈はしないで済みそうなルーミア。
……小傘のことに関しては、小傘本人に諦めてもらうしかないよね……。
……そうやってそれぞれが休暇をどう過ごすか決めた時、御姉様が私の手を引いた。
「……それじゃあ、また二日後に会いましょう」
「じゃあ皆、行ってくるね!」
「「「「「「いってらっしゃい!!」」」」」」
さぁて、久しぶりの紅魔館だね!
……私の第二の人生の始まりの場所であり、私の旅のスタート地点でもある場所、紅魔館。
御父様と御母様はいないけど、それでも帰るのは楽しみだなぁ……!
……そう思いながら御姉様の手を握り、二人でスキマを潜っていった…………。
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以上、帰郷回前編でした!
少しシリアスになっていますが、ちょっとシリアスが続くかもしれません。
まぁ紅魔館のことが片付いたらまた日常編に戻りますよ!
それではまた次回にお会いしましょう!!




