争奪戦の波紋
どうも、東方転妹録最新話です!
最初に連絡の詳細を話しますね。
本日並びに明日は学校が終わった後に英語の先生とマンツーマン演習をすることになりました。
ですから、連絡の通り更新が遅れてしまいますので改めてご承知ください。
それでは楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー翌日、人里の街道。
ーーーーside レミリア
「……はぁっ、守護というものは本当に暇だな……」
「……今日から参加させてもらってますが……これは本当に退屈です……」
「……昨日からフランも怒っちゃってるのだー……。
……何か、面白いことないかなー…………」
「私は完全に巻き込まれた側なのに…………手帳と筆まで取り上げるのはひどいですよ、フランさん……」
ごきげんよう、皆さん。
誇り高き吸血鬼かつ紅魔館の主であり、愛しいフランの姉のレミリア・スカーレットよ。 今はルーミア、さとり、鴉天狗の射命丸文という奴の三人と一緒に守護をしているのだけれど……昨日のことも相まって雰囲気は最悪ね。
……昨日、ちょうど人里にやって来たさとり達も巻き込みフランを求めて争いあった私達。
結局それがフランの逆鱗に触れてしまい、主に争っていた面々は罰を受けることになってしまったわ……。
そして今、既に罰を受けているのだけれど…………。
「……あの、レミリアさん。
やはりこれは外してはいけないのでしょうか…………?」
「……諦めなさいさとり。
フランが罰として私達全員の首につけたのだから、どうしようもない……」
「外したらフランさんに怒られますし、つけ続けないといけないと思いますよ……。
……この『反省中』の札は……」
……フランから私達に課せられた罰の一つ、今日一日『反省中』の札を首にかけて生活をすること。
これによって、私達は朝から恥ずかしい目に遭いながら守護をしているのよ。
……さっきは思わず暇だなんていってしまったけれど、今日一日は誰一人として来てほしくは無いわね。
日傘をさしながら戦うのは良いけれど、こんな札を掛けながら戦うなんて恥ずかしすぎるもの。
「まぁ、ある意味私達より勇儀と萃香が受けた罰の方がひどいと思うのだー。
あんなにお酒が大好きな鬼に、フランは『一週間お酒禁止』って罰を与えたもん……。」
「……こいしと八雲紫さんは、私達が受けている罰に加えて『一日能力使用禁止』でしたね」
こうやって聞いていると、フランはかなりのサドじゃないかと疑ってしまうわね。
……鬼という奴等のことはまだよく分からないからなんとも言えないけれど、フランがこいしと八雲紫にした所業がどれだけ凄まじいかは分かるわ。
こいしと八雲紫の能力なら『反省中』の札を掛けているところを誰かに見られないようにするのは可能……。
それをちゃんと考えていたフランは二人に早々に『一日能力使用禁止』を言い付け、八雲紫が必死になって逃げようとして開いたスキマを片っ端から破壊していったわ。
……しかもその騒動が終わった後、札を掛けた二人に抜かりなく買い出しを頼んでいたのよ。
フランが全員に平等に辱しめを受けさせようとする気持ちは分かるけれど…………我が妹ながら、物凄く容赦がないわね……。
「……何はともあれ、今日が終わるまで辛抱するしかないな。
今回の件は私達が悪いのだし、罰はしっかりと受けておきましょう……」
「「はい……」」
私の言葉に俯きながら返事をするさとりと射命丸。
ルーミアは何か考えているようね……?
「……そういえばフラン、私が闇を纏えば見えなくなるの忘れてたのかなー……?
……後が怖いから、闇を纏うのはやめとこっと…………」
……あんなに仲の良いルーミアの能力を忘れているだなんて…………本当にフランは可愛いわね!
ーーーーside 勇儀
「……フランの鬼ぃ〜……悪魔ぁ〜…………」
「私は吸血鬼だから鬼でもあるし、悪魔でもあるもん。
……萃香がどれだけ恨み言を言っても、昨日の罰はきっちり受けてもらうからね!」
頬を膨らませながら可愛らしく萃香を睨むフラン。
……その姿は好戦的な種の妖怪とは思えない程可愛いんだけど、やることはえげつないんだよねぇ……。
萃香は恨み言を言えてるけど、私は恨み言を言う気力すらないよ。
まぁ元々フランに恨み言を言ったりすることはないんだが……。
「……まぁ罰のことは兎も角、戦争の方は大丈夫だったのかい、フラン?
さとりからは左翼を全滅させたことと撤退戦のことは聞いたんだけど、撤退戦の後のことは聞いてないんだ」
「……はっ!?
さ、左翼を全滅させたぁぁ!?」
私がフランに訪ねた途端、急に大声で叫ぶ九尾の狐。
何をそんなに驚いているのかねぇ?
フラン達ならそれぐらい出来るに決まってるだろう!
……そう私が思っている間に、狐はフランに詰め寄っていた。
「ちょっ、フランさん!
先程勇儀さんが仰っていたことは本当ですか!?
っていうか私も紫様もそんな話聞いてませんよ!?」
「わわわわわっ!?
お、落ち着いてよ藍さん!
今からまとめて話すからぁ!!」
フランの肩を掴み問い質そうとする狐と、必死に狐を宥めようとするフラン。
……まったく、話の腰を折るのはやめてくれないかねぇ?
「ほらっ、さっさと落ち着きな狐。
何時まで経ってもフランが話せないだろうが」
そう言いながら狐をフランから引き剥がす。
……この狐、中々力があるじゃないか?
名前は確か、八雲藍だったねぇ。
今度勝負してみるとしよう……!
「だ、大丈夫ですか?
……ほらっ、これで少しは楽になりませんか、フラン?」
「ケホッ、ケホッ……。
……あ、ありがとう椛。
とっても楽になったよ」
八雲藍に揺さぶられたせいで咳き込むフラン。
私が狐を引き剥がして直ぐに椛が背中を撫でたお陰で大分楽になったようだが、本当に大丈夫かねぇ……?
「あっ……す、すまないフランさん!!
わ、我を忘れてしまうだなんて…………私は、私は何てことを!?」
「も、もう大丈夫だよ藍さん。
藍さんはちゃんと謝ってくれたから、それでいいからね?」
「狐さんみたいにしたら驚くんだね…………わちきもやってみよっと……!」
「絶対にダメです!」
我に帰った後、慌ててフランに謝る八雲藍。
……それに対し大きな器を見せるフランは本当に凄い奴なのだと、素直に思えるよ……。
因みに八雲藍の真似をしようとした唐傘妖怪は、椛から即座に止められていた。
「……それじゃあ、えっと、月面戦争の話で良かったよね?」
「ん? あぁ、そうだよ。」
ようやく本来の話に戻れそうだね。
まったく、何であんなに話が逸れたかねぇ…………?
まぁ今はフランの話に集中するとしようか……。
「じゃあ、藍さんに話してなかったから最初から全部話すね?
私達は月面に着いた後、予定していた左翼に向かったの。
それでーーーーー」
……さぁて、フランからはどんな武勇伝が聞けるのかね……?
ーーーーーおまけ。
ーーーーside 慧音
家の食料が少なくなってきたから商店に買いに来たら、奇妙な二人に出会ってしまった…………。
「……えっと、何でそんな札をつけて来ているんだ……?」
「「……フランからの罰だよ(ですわ)……」」
「そ、そうか…………」
罰とはきっと昨日の件なのだろう。
人里には一切被害は無かったが、相当派手にやっていたからな。
……それにしても……なんというか、哀れなものだ…………。
……私より先に商店から去っていく八雲紫と古明地こいしの後ろ姿は、とても寂しかった…………。
ーーーーー
以上、争奪戦後日談でした!
……フランが中々えげつないことをしましたね。
まぁ、皆への罰なのでしょうがありませんけど。
さて、それでは次回にまたお会いしましょう!




