フラン争奪戦in人里上空
どうも、東方転妹録最新話です!
今回は前回の小傘の伏線が大爆発します。
……そして、さりげなーく彼女達が再登場しますよ!
それでは楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーー人里上空。
ーーーーside フラン
「……もうっ、邪魔をしないでください!
『想起、スピア・ザ・グングニル』!!」
「ちっ……貴様の方が邪魔だ!
『スピア・ザ・グングニル』!!」
目の前で飛び交う二本の槍……正面からぶつかり合い、凄まじい衝撃波を生み出している。
……その場から離れようとして後ろを振り向くと…………。
「本当にうざったいのかーー!
早く墜ちろぉぉぉぉ!!
『ナイトバード』ぉぉ!!」
「ふんっ、そんな柔な弾じゃ私は落とせないつってんだろ!?
『地獄の苦輪』っ!!」
……凄まじい弾幕戦が行われていた。
片や刺突型、片や包囲型となっていてあちこちで弾幕同士がぶつかり合っている。
……これでは逃げられないと思い逃げ道を探して上を見てみると、そこでも戦いが行われていた。
「貴女がフランに守護なんて頼むから変な虫がついたんだよ!?
責任とれババァ!!
『無意識の解放』!!」
「……誰が……誰がババァですって…………?
……その口、黙らせてあげるわ!!
『弾幕結界』!!」
拡散型と包囲型の弾幕が絶え間なくぶつかり合いながら、凄まじい音をあげている。
……ならば下だと思って下に向かおうとすると…………。
「にゃははははっ!
皆楽しそうで何よりだね?
私達も楽しもうよ!!
『百万鬼夜行』」
「皆さん全然楽しそうじゃありませんし、私を巻き込むのはやめてくださいよ!?
って、あぁもう……!!
『サルタクロス』!」
……下でも逃げる隙間がないほどの激しい弾幕戦が行われていた。
つまり、これで全方位に逃げ道がないということになる。
「どどどどうしましょうフランさん!?
逃げ道が無くなってしまいました!」
「紫様は理性を失ってしまっているようだ……
流石にあれでは止められないだろうな……」
「……うぅ……な、なんでわちきはこんなとこに来たんだろう?
こ、怖すぎるよ…………」
次々に迫り来る流れ弾を避けながら私に訴えかけてくるモフモ……椛。
今の自分の主を見て頭を抱え、若干放心している藍さん。
そして、恐怖のあまりに必死になって私の手をつかんでくる小傘。
「……どうして…………どうしてこうなったのかな……?」
私、何も変なことはしなかったはずなのに…………。
ーーーーー少し前。
ーーーーside フラン
「……っていうわけで危ないから、人里で派手に人を驚かそうとしたら駄目だからね?」
「うぅ……わ、わかったよ。
わちき、もう人里で悪戯しないよ……」
皆さんこんにちは!
たった今、小傘との『お話』が終わったフランドール・スカーレットだよ!
こいしとの約束のことを心配しながら小傘と貸家についた後、10分ぐらい『お話』をしたの!
まぁ『お話』といっても人を驚かそうとしたら、こわ〜い人に退治されちゃうよって教えただけなんだけどね。
……そういえば貸家に御姉様とルーミアがいなかったけど、何処にいったんだろう?
もしかして買い出しとかかな……?
「うぅ……人里って怖いところだったんだね…………。
…………あれっ?
ねぇフラン、外が何か騒がしくない?」
「えっ、外がどうかしたの?」
小傘が何かを言ったみたいだけど、疲れたはずの小傘におやつを作ろうとしていた私は聞きそびれていた。
そして私の問いかけに答えようとして、小傘が口を開こうとしたそのときーーーーー
『『『……フゥゥゥゥラァァァァァァァァン!!!!!!!!』』』
ーーーーズダダダダダダダッ!!!!
ーースッパァァァァン!!!!
「ひゃぁぁぁぁ!!!?」
「えっ、何、私に何か用なの!!!?」
ーーーーー御姉様、さとり、紫さん、勇儀……門で守護をしているはずのこいしも含め、物凄い形相と勢いで私の知り合いの皆が貸家に雪崩れ込んできた……。
「……里に着いてすぐに聞きましたよフラン!!
一体どういうことなのか、早く説明しなさい!」
「フラン、貴女は何故いきなり他の妖怪を里に引き入れたのかしら?
貴女に頼んだのは里の守護よ?
他の女の子をたらし込むためではないわ」
「いいこと、フラン?
貴女の姉は私、私の妹は貴女。
つまり、貴女は私のモノなのよ?
……なのにどうして出会ってすぐの奴に気を許してるのかしら?」
「里の人達から聞いたよフラン!
私に守護の仕事を任せた後、そのままその子とイチャイチャしてたんでしょ!?
そんなのひどいよ!!」
……他にも、それぞれ思い思いのことを言ってきてる。
ただ、どの発言の中にも共通していること……それは私が『誰か』と懇意の仲になっているということだね。
そしてこいしの発言から推測するに……その『誰か』は小傘のことみたい。
……私、小傘とイチャイチャなんてしてないよね?
「み、皆何を言ってるの?
私は小傘とイチャイチャなんてしてないよ?」
「わ、わちきは何もしてないよ!
本当に本当だもん!
……うぅ、あの人達怖いよ、フラン」
皆の誤解を解こうと声をあげる私と小傘。
……でも、やっぱり小傘には皆の威圧感が怖かったみたい。
すぐに私の後ろにしがみつきながら隠れちゃったよ……。
……この時の私は、この小傘の行動が悪夢を呼び起こすとはーーーーー
ーーーー『……ブチィッ!!』
ーーーーー全く思いもしなかった……。
ーーーーー現在。
……そんなこんなで何故かキレた皆は、私の所有権について、小傘の件だけでなく皆で争うようになり始めちゃったんだよね。
それの悪化が続いた結果、今のように空中で戦うことになっちゃってるの。
そして私は今、四方から迫ってくる流れ弾を撃ち落としたり、妖力を纏った手で弾いたりしてるんだけど…………それでも大量の流れ弾が椛と藍さん、小傘の元に迫っていっちゃう……。
「う、うわぁぁ!?
た、弾が……弾が多すぎる!」
「いやぁぁぁぁぁ!
か、傘が壊れちゃうよぉ!?」
「くっ、そこの白狼天狗と唐傘妖怪!!
結界を張ったから早くこっちに来るんだ!」
藍さんの機転により、なんとか難を逃れた椛と小傘。
二人とも強固な結界の中に逃げ込んだ後、荒れた息をゆっくりと整えている。
……後に博麗大結界を管理する藍さんの結界は、流石と声をあげて言いたくなるほど凄いよ……。
流れ弾といっても辺り一面を埋め尽くすほどの量はあるのに、全然崩壊するような様子は見られないもん。
「……これなら流れ弾を減らさなくても、暫くは持つよね?」
藍さんの結界を見てそう考えた私は、迫り来る弾幕を撃ち落とす作業をやめる。
そして次に、争う皆を止める作業に入った。
「……『フォーオブアカインド』」
弾を避けつつ四人に増える私。
四人の私は、それぞれ争い続ける四組の所に散らばっていく。
「「「「『レーヴァテイン』」」」」
四方に散らばった四人の私は、それぞれがレーヴァテインを喚ぶ。
御姉様とさとりが争う場所に来た本体の私は本物を、その他の場所に行った分身の私は同じようにレーヴァテインの分身を喚び出した。
そして四人の私達はレーヴァテインから大きな炎柱を生み出し…………。
「「「「……いい加減にしてぇぇぇ!!!!」」」」
『『『『キャァァァァァ!!!!!?』』』』
…………争い続ける皆に、頭から思いっきり振り下ろした……。
ーーーーー
以上、フラン争奪戦in人里上空でした!
……まぁあれですね、噂が広まるのは早いってことです。
特に皆女の子ですから、そういうのは本当に早いですよね。
……さて、どう収拾つけようかな?
それではまた次回にお会いしましょう!!




