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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第1章 ~生まれ変わったら吸血鬼!?~
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最初のお仕事……?

どうも、東方転妹録最新話です!!



今回はフラン達が遂に初めてのお仕事をしますよ!


……まぁお仕事と言えるかどうかはわかりませんが。



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーー二日後の午前、門。

ーーーーside こいし



「……ね、ねぇフラン……?

今夜は勉強休憩しよっ?

一昨日も昨日も沢山勉強したしさ!」


「でもああいうのって毎日やらないと身に付かないんだよ?

だから、今日も勉強するからね」


「えぇぇぇぇーー!?

そ、そんなぁ〜…………」



慧音さんから教科書っていう本をもらって二日、フランの鬼畜方針によって私達は一日三時間ずつぐらい勉強したの。

私とルーミアは問題が全然分からないからフランに教えてもらってるんだけど、どうしても途中で寝ちゃうんだよね。

御義姉様は何とか着いていってるみたいだけど、それでもかなりキツいみたい……。……お姉ちゃんがやったら絶対に倒れるだろうなぁ……。


……そうやって脱力しながら現実逃避をしているとフランが腕を組んで何かを考え始めた。



「……うーん。

まぁ一日働いた後に三時間はキツいみたいだし、今夜からは一時間くらいにするよ。

御姉様はもちろん、こいしもルーミアも一時間なら起きていられるもんね!」


「ほっ、ホントッ!?

やったぁぁぁぁぁ!!!!」



思わず飛び上がりながら喜ぶ私。

フランって時々厳しいけど基本的に本当に優しいよね!!

この優しさに甘えてるばっかりじゃダメっていうのは分かってるけど、やっぱりとっても心地良いの……。……いつかこの優しさを持ったフランを……フランの心を手に入れるからね!



「よしっ、じゃあ守護の仕事を早く済ませちゃおうよ!!

今日は御義姉様達と交代したら沢山寝るもん!!」



フランが勉強を始めるのは皆が揃う夜。

だからそれまでに少しでも多く寝て、ここ二日間の睡眠不足を解消するの!



「……早く済ませると言っても、お昼になるまで交代できないんだけどね……?」


「…………あっ……」



……そ、そういえば当番制にしたからお昼にならないと交代できないんだった……!

あぁぁ……わ、私の……私の睡眠時間がぁぁぁぁ!?

……まぁ、フランと一緒にいられるから別に良いや。

早速抱きついちゃおっと!


そうして私が後ろからフランに抱きつこうとした瞬間ーーーーー



「…………ばあっ!!」


「ひゃぁぁぁぁっ!?」



「っ!? どうしたのこいし!?」



ーーーーー突然誰かが門の影から私に目掛けて、声をあげながら飛び出してきた……。










ーーーーside フラン



「やったぁぁぁぁ!!

どっきり大成功ーーー!!」


「ひゃぁぁ……か、傘が……傘が大きいよぉ!?

フ、フランの傘ぁぁぁぁ!!」


「……わ、私の傘?」



いきなり叫びながら飛び出してきた化け傘妖怪ーーー多々良小傘。

小傘に驚いて混乱しているこいしは、何か良く分からないことを口走っている……。

……私の傘って本当に何なんだろう?

御姉様なら日中は傘を使ってるけど……。



「……あ、あのー?

わちきのことが怖かったんじゃないの……?」


「……さぁ、良く分かんないよ…………」


「あぅあぅ……か、傘が……フランの傘がぁぁぁ!」



……今のこいしに構ってたら収拾がつかないね。

とりあえず、私だけでも小傘の話を聞いとこっと……!



「ねぇねぇ、私はフランドール・スカーレットっていうの!

フランって呼んでね!

貴女の御名前は、なぁに?」


「えっ、わ、わちきの名前?

……わちきの名前は、多々良小傘っていうの!

人を驚かせるのが得意なんだよ!

人を驚かせることならわちきに敵う奴なんていないもん!」



マスクメロンが二つ付いた胸を張りながら、自慢気に話す小傘。

……うーん、本当に大きいね。

勿論、藍さんや風見幽香ほどじゃないけど……身長の割にはかなり大きいよ。

何だか、羨ましいなぁ……。


……そんなことを思いながら、小傘への質問を続ける。



「じゃあこれからよろしくね、小傘!

……そういえば小傘は人里に何しに来たの?」


「わちきは人を驚かしに来たの!!

他の妖怪達に聞いたら、何だか強い妖怪が人里に来て近寄れなくなったっていってたから、今なら人を驚かし放題だって思って来たんだよ」



成る程、つまり小傘はある意味では人里を襲撃してきた訳だね。

それなら始めての相手が小傘っていうのもあれだけど、ここで現行犯逮捕だよ……!

……そういえば、人里に来た強い妖怪って私達のことかなぁ?

まだこっちに来て一度も戦ってないはずだけど…………あっ、紫さんと御姉様達のやつかな……?



「……まぁ何はともあれここで現行犯逮捕だよ、小傘。

私達が借りてる家まで連れてくからね?」


「………へっ?」


「傘がぁぁぁ…………って、えっ?」



私のいきなりの宣言に唖然となる二人。

二人が唖然としている、その間に小傘が逃げないように手を掴んでおく。

……私だって本当は釈然としないけど、これもお仕事だから仕方ないよね?

話してみて改めて分かったけど、小傘のような妖怪は確かに人を傷つけるタイプじゃない……。

でも、小傘の驚かすっていう行為によってびっくりして怪我をする人が出たら困るもん。

だから、退治はしないけど一旦私達の貸家で『お話』することにしたの!



「じゃあ、私は小傘を一旦連れて帰るから守護の続きをお願いするね、こいし!!」


「あっ、ま、待ってフラン!?

私も一緒に行くよ!」



そういって私に着いてこようとするこいし。

……守護の仕事もあるし、どっちかが残らないといけないんだけど……どうしようかな……?

『お話』は出来れば御姉様達以外の人達には聞こえないところでやりたいし……やっぱり此所はこいしに残ってもらうしかないよね。



「うーん……それじゃあこいし。

後でこいしの頼み事を何でも1つだけ聞くから、今は守護の続きをお願いしてもいいかな?」



これなら多分引き受けてくれるよね?

今までの事を考えると、ちょっと後が怖いけど…………。

……そう思っていると、こいしの目が妖しく輝き始めた。



「な、何でも……!?

本当に何でも良いんだね!?

……ふふふ、どんなことを頼もっかなぁ〜……!」



瞳を輝かせ、手をワキワキさせながら何を頼むか考え始めたこいし。

その姿からは、かなり不穏な感じがしていた……。

……これ、完璧に選択間違えたよね、私…………。



「……ねぇ、捕まってるわちきが言うのもあれだけど……本当に今の良かったの……?」


「……とっても、悪かったと思う……」



捕まっている小傘が私を心配するぐらいヤバい、今のこいしの雰囲気。

……私、こいしに襲われたりしないよね?

もしものときは、御姉様の所に逃げよっと……。


……そう思いながら、私は小傘を連れて歩き始めた。



「それじゃあ私は小傘を連れて行くから守護の続きよろしくね、こいし!」


「はーい!! 頑張ってきてねー!

『約束』、楽しみにしてるからー!!」



後ろでこいしが叫んだ中に聞こえた『約束』という単語に、思わず震えてしまった私。

……うぅぅ、後で何頼まれるんだろう……?

変なのじゃないといいなぁ…………。



「……えっと、わちきはフランのこと、応援してるからね?」


「ありがとね、小傘……」


不安になっていた私を見て、頭を撫でてくれた小傘。

その心地良さに身を委ねつつ、今だけは楽になりたいと思いながら手を握っている小傘にもたれかかる。


……せめて、キス程度で済みますよーに……。










ーーーーー



ある日の朝、人々は人里の中でフランと見知らぬ少女が親しげに歩く姿を目撃した。

そして、この時は誰も思いもしていなかった。

……これが、後に人里に大波乱を呼ぶと…………。





ーーーーー

以上、小傘登場回でした!



……なんていうか、あれですね。

こいしがとても痛々しくなってしまいました……。



小傘がフランをフォローしたとはいえ、フランは後が大変でしょうね。





それではまた次回にお会いしましょう!!

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