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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第1章 ~生まれ変わったら吸血鬼!?~
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慧音さんの贈り物

どうも、東方転妹録最新話です!!



今回は題名の通り、慧音から贈り物が届きます。


さて、どんな贈り物なのでしょうか?




それでは楽しんでいってください!!

ゆっくりしていってね♪



ーーーーー6日後、里の門。

ーーーーside フラン



「あ〜う〜あ〜…………ねぇフラン、私とっても退屈だよぉ……」


「確かにこれは退屈だよね、こいし……」



どうも皆さんこんにちは!

只今こいしと二人で門の見張りをしてるフランドール・スカーレットだよ!!


こいし達と紫さんの(間抜けな)ガチバトルの後、ジャンケンで当番を決めてから早速里の守護を始めたの!!

それで私はこいしと一緒のペアになったんだけど……ジャンケンに負けた時の御姉様とルーミアの落ち込み方は凄かったなぁ……。

御姉様は『私の幸せな運命が見えない!!』とか言って絶叫してたし、ルーミアは『光が……光が見えないよ、フラン……』って言いながら膝をついてたもん。


……そんなこんながありながらも遂に始まった守護の仕事なんだけど、凄く退屈なの。

里の人達からの話だと2日に一度は妖怪が襲撃してきてるらしいけど…………この6日間、一度も襲撃がないんだよね…………。



……そう考えていると、いつの間にか来ていた慧音さんが呼び掛けてきた。



「こんにちは二人とも。

調子は……あまり良くなさそうだな」


「こんにちは慧音さん。

本当に暇すぎて退屈だよ……」


「やることって言ったら、フランに抱き着くぐらいしかやることないよ……!」


「「それは色々違うと思う」」



私と慧音さんにそう突っ込まれながらもしがみついてくるこいし。


……こいしはこんな時でも私に甘えてくる。

それは出会った時から変わらないし、むしろ甘え方がパワーアップしてるんだよね。

最近はキスを求めてくるようになったもん。

……もしかして、ルーミアに影響されちゃったのかなぁ?



「まぁ仲が良いなら、それで構わないが……。

……おっと、これを忘れるところだった!

ほら、受け取ってくれ」



「「……えっ?」」



慧音さんから差し出された物、それは四冊の本だった。

……どれも同じ本みたいだし、その上表紙に教科書って書いてあるけど……もしかして私達に勉強しろってことかな?

そう思いながらパラパラと中を流し読みしてみる……。



「……ねぇフラン、これって何の本か分かる?」


「これは教科書みたいだよ。

内容は……数学、だね」



足し算、引き算、かけ算、わり算……他にも何故か連立方程式から二次関数まであるよ!?

しかも、問題の難しさは恐らく高校の数Ⅱ・Bレベル……!!

……使ってる記号とかは違うけど、慧音さん、これを寺小屋で教えてるの!!!?



「け、慧音さん!!!!

この問題って寺小屋で教えてる内容なの!?」


「いや全く?

一概にそうだとは言えないが、妖怪の方が知恵が良く働くだろう?

それに普段の言動や振る舞いから見ても、特にフランとレミリアは教養がありそうだったから難しい問題にしてみたんだ」



「……フラ〜ン、私にはこの問題難しすぎて解けないよぉ……」



どこか的を得ているようで外している慧音さんの説明。

……この教科書が寺小屋で使われてなくて良かったよ。

どう見ても幼稚園から小学校くらいの子供達がこれをスラスラ解いてたら、ものっすごくショックだもん。


こいしは早速解いてみようとしてみたみたいだけど……即座にノックアウトされたみたいだね。


……まぁ流石に微分積分は無いから、この程度なら解けるかな?

前世は理系だったもん!!



「ありがとう慧音さん!!

流石にこいし達が自力でこれを解けるとは思わないから、帰ったら私が教えてあげるね!!!!」


「「えっ!?」」



……あれっ?

何で二人とも驚いてるんだろう?

私、何か変なこと言ったかな?



「フ、フラン……これを解けるの!?」


「フランはこれを教えることが出来るのか!?

わ、私が採点して一緒に指導しようと考えていたのだが……」



こいしは私がこれを解けることへの驚き、慧音さんは私がこれを解けるだけじゃなく教えられることへの驚きをそれぞれ感じたみたい。

……確かに生まれ変わってから今まで、勉強は言語以外してなかったよ……。

まぁ一人旅をしてたときに学んだってことにしてれば大丈夫だよね!!



「一人旅をしてたときに勉強したの!!

この国に来るまでに色んな言葉を覚えたもん!!!!」


「そうだったのか……。

いや、その勤勉さは素晴らしいな!

是非とも子供達に、その姿勢を教えてやってもらいたいよ」


「……でも、フランをパッと見たら生徒にしか見えないよね?」



うーん……子供達に教えるのは良いんだけど、こいしの言う通りで私だと同じ生徒だって思われちゃうよね。

……やっぱり、今はこいし達だけに勉強を教えておこっと!



「先にこいし達に勉強を教えなくちゃいけないから、ちょっと無理かも……。

でも寺小屋に遊びに行く時があったら、その時に話してあげるね!!!!」


「はははっ!!!!

それはありがたいな!

その時が来たらお願いさせてもらうよ!」



そう言ってお互いに笑いあう私と慧音さん。

私にしがみついているこいしも、私達を見て微笑んでいた。

……さて、今夜から頑張らないとね!



「……よしっ、教科書も渡せたことだし私はそろそろ寺小屋に戻ることにしよう。

それじゃあ二人とも、守護の仕事頑張ってくれ!!」


「「はーい!!!!」」



私達に背を向けて去っていく慧音さん。

その後ろ姿から、教師としての貫禄みたいなものが感じられた……。

私も今夜から勉強を教えるんだから、どうせなら慧音さんみたいになりたいなぁ……!

……気合いを入れて頑張らなくちゃ!!!!



「……さてと、こいし、守護の続きしよっか。

守護が終わったら貸家で勉強だよ!!!!」


「……あれっ?

そういえば私、勉強苦手だったよね?

…………嫌な予感しかしない……!」



ふふふっ!

本当に今夜が楽しみだよ!!

早く守護終わらないかなぁ……!!














ーーーーーその日の晩、フラン達の貸家。

ーーーーside レミリア



紅魔館より遥かに劣る家にフラン達と住み着いて、もうすぐ一週間。

美鈴達にはどれくらい空けるか分からないと伝えてあるけれど、そろそろ戻らないといけないわね……。


……それにしてもこの問題は一体何なの?

私もかなり勉学は学んだはずなのだけれど、全く分からないわ……。




「……御姉様、そこ間違えてるよ?

あっ、ルーミア寝たらダメ!!!!

こいし、ルーミアを起こしてあげて!!」



フランとこいしが上白沢慧音という奴にもらったという教材。

その中からフランが問題を選び、私達が解いてからフランが採点をするといったことをやっているのだけれど…………もうかれこれ三時間ぐらいしているのよ……。

夕食を取り、川から汲んできた水で水浴びをしてから始めたから……もう深夜になってるんじゃないかしら?


だから、ただでさえ問題がほとんど分からず限界が訪れたルーミアは眠りかけ、こいしもフランに言われてルーミアを揺すり起こしているけどその手には力が入っていない。

……そして今、私も相当な睡魔に襲われているわ。



「……フラン、そろそろ終わりにしましょう?

かれこれ三時間はやっているし、流石にもう疲れたわ……。

それにルーミアはもう無理みたいよ?」


「…………るみゃるみゃ……」



もうルーミアは完全に落ちたわね。

流石にあんなに難しい問題を三時間もやらされ続けたらこうもなる、か……。

……それにしてもフランは何時からこんな問題を解けるようになったのかしら?

紅魔館にいた頃、勉学はまだしていなかったはず……。



「うーん……しょうがないね。

御姉様の言う通りルーミアも寝ちゃったし、もう終わりにしよっか。

布団を敷いてくるからちょっと待っててね!」



そういって寝室に入っていくフラン。

教材とかは私達……いえ、私が片付けておきましょうか。

ルーミアに続いてこいしも落ちたようだしね。



「……スゥ…………スゥ…………」


「……るみゃ…………もう食べきれないのかー…………」



……ふふっ、こうして見るとこの子達も中々可愛いわね。

小さい頃のフランを思い出すわ……。


……そうして二人の寝顔を眺めていると、フランが寝室から出てきた。



「……あっ、こいしも寝ちゃった?

うーん……悪いけど御姉様はルーミアを運んでもらっていいかな?

私がこいしを運ぶから」


「えぇ、分かったわ。

……起こさないようにゆっくりと運んであげてね」


「うん……!」



机にもたれかかって寝ているルーミアを、仰向けにしながらゆっくりと抱き抱える。

フランと同じ金髪で気持ち良さそうに眠る姿に、懐かしいものを感じた……。

……そういえばルーミアは姉妹がいるとは言ってなかったはず。

フランのお嫁さんとかは許せないけど、私が義姉になるだけならいいかもね……。


そんなことを思いながらルーミアを布団に寝かせ、離れようとすると…………。


ーーーーギュッ……ーーーー


「えっ…………?」



……ルーミアが、私の服の袖を握りしめていた。


さて、これはどうしたものかしら?

流石に無理矢理引き剥がすのは可哀想よね…………。

……しょうがない、一緒に寝ましょうか。



「……あれっ?

御姉様、ルーミアと一緒の布団で寝るの?」


「えぇ、ルーミアが袖を掴んで離してくれないからね……」



そうフランに返事をすると、フランが私とルーミアの隣の布団にこいしを運んできた。

……あら?

フランもこいしと一緒に寝るのかしら……?



「……ふふっ!

これで皆一緒だね……!」


そう言いながらこちらを見て小さく笑うフラン。

……本当、可愛くて自慢の妹ね。



「……そうね、皆で一緒に寝ましょう。

……それじゃあおやすみなさい、フラン……」


「うん、おやすみなさい御姉様……」












ーーーーー



三日月が夜を照らす中、里の貸家に遅くまでついていた火明かりが消え、辺りが静寂に包まれていった…………。






ーーーーー

以上、贈り物回でした!!




今回のどうでもいいカミングアウトは、フランは元理系ということでした。


……さりげなくレミリアとルーミアの距離が縮まりましたね!


今後、この絆はどういかされるのでしょうか?



それではまた次回にお会いしましょう!!

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