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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第1章 ~生まれ変わったら吸血鬼!?~
34/283

神になるなら……

どうも、東方転妹録最新話です!



更新が遅くなりすみませんでした。


……ちょっとしたカミングアウトですが、実は僕は受験生なのでこれからもこういった感じに更新が遅くなることが多いと思います。

申し訳ありませんが、御承知ください。



さて、今回はレミリア視点onlyで進んでいきます!!


それでは楽しんでいってください!!

ゆっくりしていってね♪



ーーーーー村長宅。

ーーーーside レミリア


一騒動を終えた後、私達は人里の長の屋敷……いえ、家に来たわ。

今は召使いの案内で、客間で長を待っているの。

……それにしても、一つの里の長というぐらいなのだから、もう少し大きな屋敷をイメージしていたのだけれど…………やっぱり紅魔館より小さいわね。

どうやっても人にはこれが限界なのかしら?


……まぁ、そんな小さな家に住む長の召使いにも覚えられていない八雲紫もどうかとは思うけれど。



「……どうして覚えてもらえていないのかしら……?」


「それは紫様がスキマで『直接』村長のところに訪れるからです!!!!

これに懲りたらスキマを使わずにちゃんと玄関から入ってください!!!!!!」



八雲紫を叱りつける式。

まったく、自分の従者に叱られるだなんて何を考えているのかしら?

主とは従者に誉め称えられることはあっても、呆れられることなどあってはならないわ。

そんなことがあったら、そいつは主失格よ。

……私も美鈴とかに呆れられたりしてないわよね?

うん、きっと大丈夫…………。


……そうやって一抹の不安を感じていると、ようやく里の長がやって来た。



「おぉ、これはこれは、八雲さんではないですか!!!!

今日は式の方まで連れてくるとは……何か大変なことがありましたかな?」



「こんにちは、村長さん。

今日は別に大変なことがあったわけではないですけれど、長らく問題になっていた守護者のことで御話ができましたの。

ですから突然ですが、此方へ失礼することにしましたわ」



村長が来た瞬間にナヨナヨしていた姿から一変し、今はれっきとした主の雰囲気を醸し出している八雲紫。

……まぁ一応はきっちりしているのね。


そんなことを思いながらふとフランの方を向くと、私と視線が合い、はにかみながら首を傾げた可愛らしいフランがいた。……これはフランが誘っているのかしら?

それならば、今ここで襲っても良いわよね?

ちょうどしっかりとした布団もあるようだし……。


……そんな邪なことを考えていると、部屋中に長の驚きの混じった叫び声が響いた。



「……な、なんですとぉぉぉぉぉ!!!!!?

ま、まさか守護をしていただける妖怪の方が現れたのですか!!!?

はっ、もしかしてこちらの方々ですか!!!?」


「えぇ、その通りです。

こちらのフラン達が守護をしてくださる方々ですわ」



そういって此方へ振り向く八雲紫と里の長。

……ちっ、せっかく可愛らしく私を見ていたフランがそっちを向いたじゃないの!!

後で何かしら罰を与えなくては…………。



「こんにちは!!!!

私は吸血鬼のフランドール・スカーレットっていうの!!

フランって呼んでね!!

そして、こっちの紅い槍を持っている人が私の御姉様のレミリア・スカーレット!

それと大きな剣を持っているのがルーミアで、胸の辺りに閉じた瞳があるのが古明地こいしだよ!!」



自分の自己紹介だけではなく、一気に私達の紹介も済ませたフラン。

……そういえば私もルーミアも武器を出したままだったわね。

また八雲紫が何かをしでかしたら、今度こそぶっ刺しておかないと……。


……さて、私自身からも自己紹介をしておきましょうか。



「紹介に預かった、フランの姉であり一番の存在である吸血鬼のレミリア・スカーレットだ。

私もまた一つの館の主故に人里の守護ばかりはできないが、フランがいることだし出来る限りのことはさせてもらうよ」


「フランの相棒で宵闇の妖怪のルーミアなのだー!!

フランがいる限り私も里を守るから安心するのかー!!!!」


「フランの一番のパートナーで目を閉じたさとり妖怪の古明地こいしだよ!!

私とフランがいれば百人力だから安心してね!!!!」



ルーミアもこいしもまた争うつもりかしら?

お互いに張り合うようにアピールしているわね。

……まぁ争うまでもなく、フランにとっての一番は私なのだけれど。



「……因みに今ここにはいませんが、古明地こいしの姉である古明地さとりも順次守護についてくれるようですよ」



「なんと!!!?

それでは総勢5名もの方々に里の守護についてもらえるのですか!!!!!?

……こ、これで我が里はもう妖怪の襲撃に怯えなくて済むぞ!!!!!!」



今まで問題となっていた妖怪の襲撃による被害が解決するかもしれないという期待と、八雲紫の式の発言に興奮を抑えきれない様子の里の長。

まぁ人のような弱い存在からしたら、そこら辺の妖怪に襲撃されるのも死活問題なんでしょうね。

私やフランには考えられないことだけれど……。


……そうやって人の弱さについて考えていると、里の長が私にとって驚くべきことを口にした。



「……そういえばたしか貴女の名前はフランドールさんでしたかな?」


「うん、そうだけど……どうかしたの?」



あら、フランに興味があるみたいね?

口説こうとでもしたら抹殺してやろうかしら……?



「……おぉ!!!!

やはり貴女があの噂の『紅と闇の山賊殺し』のフランドールさんでしたか!!!!

貴女のお陰でどれ程私達農民が助かったことか!!!!

心から感謝申し上げますぞ!!!!!!

……となると、噂にあった剣士の黒い少女とはルーミアさんのことですかな!?」



…………はっ?

ふ、フランとルーミアが『紅と黒の山賊殺し』ってどういうことなのかしら?

確かにそう呼ばれる二人組がいるとは聞いたことがあるけれど、フランがそうだとは聞いたことがないわよ!?

しかもフランとルーミアまで驚いてるじゃない!!



「えっ、ちょっ、えぇぇ!?

あ、『紅と黒の山賊殺し』って何なの!!!?

それに何で私の名前が噂になってるの!?」


「もしかして、二人で旅をしていた時につけられたのかー!?

……で、でも私達は山賊以外も殺してるはずだよー?」



本人達も聞いたことがないとなると、人の間だけでの噂なのかしら?

それに山賊以外も殺してるなら恨まれたりしてるでしょうから、里の長も喜んだりすることはないと思うのだけれど……。



「『紅と黒の山賊殺し』とは山賊から襲われていた旅人達が偶然貴女達によって助けられた後に、旅人達がつけた敬称です!!!!!!

貴女達のお陰で命を救われたと言って感謝をするものは我が村においても後を絶ちません!!

フランさんの名も、御二方が話しているときに偶然聞いていた旅人が広めたために、尊き名として敬われていますよ!!!!

それに山賊以外も殺したと仰っておりますが、その者たちは自らの強欲故に身を滅ぼした愚か者とされており、貴女達が悪だとはされておりません!!」



「……ねぇルーミア?

私達って自由に旅をしていただけだよね?」


「……その通りのはずなのかー……。

……どうしてこうなったのだー?」



人の間ではどんな噂になっているのかは大体把握できたけど、これは少しやばそうね…………。

つまりはフランとルーミア、特に名前が広まってしまっているフランは信仰を集めているということ。

本人達は自覚していないとはいえ、こうなってくると…………。


「……八雲紫、この状況をどう思う?」


「……もしかしたら、初の妖怪の神様が誕生するかもしれませんわね……。

妖怪が神の代理になったり、神が堕ちて妖怪になったりしたことは聞いたことも見たこともありますけれど…………このような事態に遭遇したのは初めてですわ」


「えっ!!!?

フ、フランとルーミアって神様になっちゃうの!!!!!?」


「「えぇっ!!!?」」




私と八雲紫の会話に驚いたこいしとフランとルーミア。

……やはり八雲紫も私と同じ見解だったようね。

私も神の力を持っただけの妖怪や堕天した神なら会ったこともあるし、その首を取ったこともあるわ。

……でも、人から直接大量の信仰を集め、更には神そのものになった妖怪は聞いた覚えがない。

だから、まさか実の妹とその友人がそうなるかもしれないだなんて、全く思いもしなかったわよ…………。



「わ、私達が神になっちゃうのかー……?

……なんだか自由じゃなくなりそうで嫌なのだー…………」


「私のような誰かの下につく式ではなく、誰かの上に立つ存在になってしまうと……やはり、自由は無くなると思うべきですね」



それが問題なのよね。

私達妖怪は基本的に自由を好み、拘束を嫌う。

神となってしまえば人々に拘束されて、日々苦痛を味わうことになるのよ。



「……なら神様なんかにならなければいいじゃん!!

どうせフランとルーミアはもう旅をしてないんだもん!

いつか信仰とか無くなるよ!!!!」


「……それもそうですわね。

里の守護をしていても対した信仰など手に入らないでしょうし、時と共に外の噂が消えれば神にならなくて済みますわ」



……たしかにその通りよね。

今までに無い事態に少し興奮してしまっていたけれど、落ち着いて考えてみればただ信仰が減るのを待てば良いだけの話。

この程度で思考が鈍るだなんて……私もまだまだね。


……そう反省しながら、今回の話の中心人物となっていたフランの方を見てみる。

……そういえば、神の話をしてからフランがやけに静かね?



「……フラン?

さっきからやけに静かになったけど、どうかしたのかしら?」



私の声に反応し、他の皆も一斉にフランの方を向く。

そうして皆の視線を一身に集めたフランは、俯いたままポツリと呟いた…………。





「…………破壊神になら……ちょっとだけ、なってみたいなぁ…………」





『『『『…………えぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!?』』』』



……フランは、とんでもないことを呟いていた。









ーーーーー

以上、神フラグ回でした!!



……まぁ、ぽっきりと折られますがね。

最後のフランの呟きは(きっと)出来心です!

本人も心から思っているわけでは(多分)ないでしょう。




それではまた次回にお会いしましょう!

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