表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第1章 ~生まれ変わったら吸血鬼!?~
32/283

紫の夢と、皆の気持ち

どうも、東方転妹録最新話です!!



今回は紫の夢に対する皆の反応がメインの話になっています。


それぞれどのような思いを抱くのでしょうか?




それでは楽しんでいってください!!

ゆっくりしていってね♪



ーーーーー三時間後。

ーーーーside フラン




「……御姉様もルーミアもこいしもさとりも……皆、皆大っ嫌い!!!!!!!!!!」



「「「「ご、ごめんなさいフラン!!!!!!」」」」



「……私は、私は何のために……」


「……許してあげなさい藍。

あれは、しょうがないわ…………」



レーヴァテインで藍さんごと皆を吹き飛ばして凡そ三時間。

もうすぐ夜が開けそうだったから御姉様のために光が入らない洞穴を探して、今はそこで説教中だよ!

……私が怒ってるだけなんだけどね。



「……御姉様は添い寝をすること、ルーミアはキスをすること、こいしは抱きつくこと、さとりは頭を撫でること……。

……全員一週間は禁止だよ!!!!!!」



「ちょっ、なっ!?

ま、待ちなさいフラン!?」


「そ、それは勘弁してほしいのかー!?」


「お願いフラン!!

私の生き甲斐を奪わないで!?」


「……そんな、フランの絹のような髪を撫でられないなんて……」



皆それぞれ色々言ってるけど、全部自業自得だよね!!


特にこいしとルーミアは二回目だもん!!

お灸はしっかり据えるよ!!……そこで説教が一区切りついたのを見計らって紫さんが話しかけてきた。



「……そろそろ説教は終わったかしら?

もう良いなら、早速さっき話した人里に向かいたいのだけれど……」



少しでも早く人里に向かいたい様子の紫さん。

早く人と妖怪の力の均衡を取りたいんだね。

確かに早くしないと、あまりにも力に差がつきすぎたら人が里を去っちゃうもん。

そうなったら本末転倒だよ……!



「……さっき話した人里って何のことです?

私達は山に帰るつもりだったのですが……?」


「私も気になるな。

一度フランを紅魔館に連れて帰りたいのだけれど?」



紫さんが言ったことに反応したさとりと御姉様。

……そういえば皆にはまだ話してなかったや。

私は人と妖怪の共存に賛同したけど、皆は賛同してくれるかなぁ……?



「実は、先程スキマにフランを招待した時に、急いである人里を妖怪達から守ってほしいと依頼をしましたわ。

フランが了承してくれたので早速向かおうと思ったのですけれど……」



「……フランが了承したとしても解せないわね?

何故妖怪が人里を守らないといけないのかしら?」


「フランは人を守る役目を持った妖怪じゃないのだー。

そういうのは座敷わらしとか神様に頼むべきじゃないのかー?」



うん、やっぱり皆は一般の妖怪が抱く疑問を抱いたね。

それにしても、ルーミアって中々渋い選択をするんだね!

座敷わらしをチョイスするなんて思わなかったよ!?


……さて、紫さんが話す夢に皆はどんな反応をするんだろう……?



「……それはフランが適役だからですわ。

私は人と妖怪を望んでいます。

このまま時が過ぎていけば人の力は必ず私達のそれを越えますわ。

……そうすれば、私達は必ず滅ぼされてしまう。

ですから、そうなる前に一部の人と妖怪を集めて結界を張り、人と妖怪が共存していける理想郷を作りたいのです。

……ですがその足掛けとなる人里に住まう人々の力が弱く、ある程度の力を持った妖怪には全く敵わないのですわ。

だから、凄まじい実力と妖怪では類を見ない優しさを兼ね備えたフランにその人里の守護を頼みましたの」



自らの考えと夢、そしてそれに対する熱意を真剣に話した紫さん。

……それに一番早く返事をしたのは、こいしだった。








ーーーーside こいし



「……人と妖怪の、共存……?

……そんなの、そんなの出来るわけないじゃん!!!!

人間なんて他人がどんなことを思うかなんて気にすることなく、自分のことだけを押し付けるような奴等だよ!!!!!?

それにフランに人里の守護をさせる!?

そんなの許せるわけないよ!!!!!!

もし人里の人達がフランを傷つけたらどうしてくれるの!!!!!?」


「……っ!?」



紫さんがこっちを見て固まってるけど知ったことじゃないよ!!

人間って奴等は私達が何も悪いことはしてないのに妖怪だからとか、心を読まれるのが気持ち悪いとかそういう理由で、人の温もりを求めただけの私とお姉ちゃんを迫害し、挙げ句には暴力を振るってくるような奴等だよ!?



「……私も反対ですね。

人という種族に拘りはありませんが、フランが傷つくかもしれないようなことはさせたくありません。

……彼等は体だけでなく心も傷つけてきますから」



お姉ちゃんも大体は私と同じ意見みたい。

私みたいに人間を嫌うんじゃなくて、最早関心すらないんだね。

……それが一番、楽なのかもしれないよ。



「……気にくわないな?

私達が人間ごときに負けるなどと抜かすことも、フランが傷つくようなことをさせようとするのも本当に気にくわない!!!!!!

例え人間どもが何百何千とかかってこようが私達が負けることなどない!!!!

そして何よりフランの姉として、フランを傷つけてしまうかもしれないことなど絶対にさせるものか!!!!!!」



御義姉様もフランが傷つくかもしれないことが一番嫌みたいだよ。

フランから聞いた通り、吸血鬼としての誇りもあるから人の方が強くなるっていうのも嫌なんだね。

……私は、人の方が強くなるって言われても信じられる気がする。

人は一人だと弱いけどズル賢いし、直ぐに群れをなす。

知恵と数の暴力っていうのは恐ろしいよね……。



「…………そうですか。

たしかに、人というのは狡猾で残酷な種ですわ。

それによって私達妖怪と人との溝が深まったのは事実です……。

そして、その溝によりフランが傷つくかもしれないことも重重承知しています。

……ですが、私は諦めませんわ!

人と妖怪が共に住まうことのできる理想郷を必ず作り出して見せます!!!!

フランとも約束をしましたから!!!!」



……諦める気は無いみたいだね。

とっても長い間考えたような感じだし、フランとの約束っていうのもやる気の源になっているみたい。

気持ちや考えだけじゃどうしようもないのにね。

……そういえばさっき話してなかったけど、ルーミアはどう思ってるのかな?


……私がそう疑問に思ったのと同時に、フランが同じ疑問をルーミアに投げ掛けた。



「……ねぇ、ルーミアはどう思ってるの?

やっぱり、皆と一緒で反対……?」



フランが少し落ち込んだ様子でルーミアに訪ねてる。

……紫さんと約束をしたフランには悪いけど、これだけは譲れないよ。

人間なんて最悪な奴ばっかだし、何よりフランが傷つけられるかもしれないんだもん。

きっと、ルーミアも私達と同じ意見のはず。


……そう考えていた私にとって、ルーミアが返した返事は予想外だった。



「……私は反対しないのかー。

フランがしたいなら私はそれで良いと思うし、私自身もフランについていくだけなのだー。

それにフランが傷つけられるっていうなら私がフランを守り抜くだけだし、私はフランの前に立ちはだかる障害を消し飛ばすだけなのだー……!!

……それが私がフランと出会って、フランのお嫁さんになるって決めた時に決意をしたことなのかー」


「ル、ルーミア……!!!!!!」



ただ一人紫さんの夢に反対することなく、フランの意思を尊重することにしたルーミア。

それを聞いたフランはルーミアの方を向いて感激の声を出している。


……どうしてルーミアはそんなことを簡単に言えるんだろう?

フランが傷つくことが怖くないの!?



「……ルーミア!!!!

どうしてルーミアはそんなことを簡単に言えるのよ!?フランが傷ついちゃうかもしれないんだよ!?

ルーミアはフランが傷つくかもしれないことが嫌じゃないの!!!?」



ルーミアが考えていることが理解できなくて、怒りと混乱がごっちゃになった私。

そんな私にルーミアはゆっくりと向き直り……。



「私だってフランが傷つくのは嫌なのかー。

……でも、こいしや皆が言ってるのは結局『〜かもしれない』ってことだけなのだー。

それってフランが傷つかないかもしれないってことでもあるし……何よりも私は、フランがしたいと思ったことをできずに後悔をしてしまうことが嫌なのだー。

だから私はフランにしたいことをさせて、それに伴う危険を排除するだけなのだー」



「「「………なっ!?」」」



フランが後悔をしてしまうのが嫌……?

……たしかに、フランが後悔をするってことはフランが傷つくってことと同じだし、それならしたいようにさせた方がいいのかもしれない。

でも、ルーミアが言うように危険を排除するっていうのも全部をできるか分からないし、何より排除できなかったことで傷つく姿を見るのは嫌だよ…………。


……そうやって私とお姉ちゃんと御義姉様が俯いていると、フランが口を開いた。



「……こいしも、さとりも、御姉様も、皆私のことを心配してくれてありがとね!

私が傷つくのが嫌だって言ってもらえたこと、とっても嬉しいよ!!!!!!

……でも、私はルーミアが言ったように後悔だけはしたくないの。

皆の不安を聞いた今でも、紫さんの夢を叶えてあげたいって思ってるし、人と妖怪が共存していける理想郷を作りたいって思いがあるんだ!

……だから、皆の気持ちを汲めないのは悲しいけど……それでも私は人里に行くよ!」



私達を真剣に見つめつつ申し訳なさそうにしながらも、その瞳には熱意が現れていた。

フランは、何がなんでも行く気なんだね。

……何だか、馬鹿馬鹿しくなってきちゃったよ。


……次に言葉を発したのは御義姉様だった。




「……フラン、貴女は自分の意思で行くというのね……?」


「……うんっ!!」


「…………はぁっ。

……分かったわよ、そこまで言うなら私は止めないわ。

その代わり、私もついていくわよ?

ルーミアだけに任せてはいられないわ!」



……御義姉様はついていくことにしたんだね。

次はお姉ちゃんが話すみたい。



「……私は一旦山に戻ります。

勇儀さん達に報告をしないと行けませんから。

……報告が終わったら私も行きますから、後で場所を教えておいてくださいね?」



「……あ、ありがとうございますわ!!!!

後で藍に地図を用意させておきますわね!!」



お姉ちゃんも結局はついていくんだ……。

……後は、私だけだね。



「……こいしは、どうするの?

これは私の我が儘だから、無理についてきてとは言えないけど……」



不安げに私を見つめてくるフラン。

微妙に上目遣いになってるのは気づいてないんだろうなぁ。

全く、本当に無防備なんだから……!

……こんなに無防備なんだから、私がついていないと危ないよね?



「……私も行く!!!!

でも、絶対に勘違いしないでね!!!?

私は人と妖怪の共存なんて信じてないから!!!!

フランが心配だからついていくだけなんだからね!?」


「…………!!!!

あ、ありがとうこいし!!!!

私、こいしのこと大好きだよ!!!!!!」



そういって私に向かって飛び込み、満面の笑みで抱きついてきたフラン。

……わっ、わっ、わっ!?

フ、フランがすっごく可愛い表情で飛び込んできたよ!?



「私も大好きだよフラン!!!!

絶対に結婚しようね!!!!」


「「「こらぁぁぁぁ!!!!!!!?」」」



あまりの可愛さに思わずフランへ告白した私と、それを見て怒ったお姉ちゃん達。


……今回は私の勝ちだね!











ーーーーー



朝を迎えた森の中、ある洞穴からどこか楽しげな怒鳴り声が響いていた…………。

以上、最新話でした!!




今回は、特にこいしとルーミアが目立ちましたね。


当初の意見はそれぞれ正反対に近いものでした。



……まぁ結局はフランに釣られたこいしでしたが。



さて次回から一時さとりが離脱しますが、新たなキャラが現れますよ!!





それではまた次回にお会いしましょう!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ