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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第1章 ~生まれ変わったら吸血鬼!?~
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廃れた寺の虎

どうも、最新話更新です!



今回は前回前々回と長い文だったためか短めになっています。



でもフランとレミリア達の温度差は健在ですよ!



それでは楽しんでいってください!!

ゆっくりしていってね♪



ーーーーー地上、寺の前。ーーーーside フラン



「……確かに地上だけど、ここは何処だろう?」



皆さんこんばんは!!

豊姫に月から地上へ送ってもらったフランドール・スカーレットだよ!


今私がいる所は、何処かのお寺の前みたい……。

夜の闇の中でも分かるくらい門も塀もぼろぼろで、瓦には苔まで生えちゃってるよ。

……結構、廃れてるね。



「……誰もいないよね?

寄り道してる暇はないし、早く皆の所へ戻らなきゃ!」



中に誰かがいないかどうかを門の隙間から見渡した後、一旦現地点を確認するために寺に背を向け、そのまま飛び上がろうとすると…………。




「そ、そこに誰かいらっしゃるのですか!?」


「ひゃうっ!?」



急に誰かが大声で話しかけてきた……。

……うぅっ、おもいっきりビクゥッ、ってなっちゃったよ……!?


変な声を出してしまったことが恥ずかしくて、赤面しながら声がした方を向く。

するとそこにいたのはーーーーー




「も、もしかして参拝に来てくれたのですか!?

こんな夜遅くに来てくれるだなんて……!!

さぁ、中にお入りください!!!!

何もありませんが、せめて暖かいお茶くらいは出せますから!!!!」


「えっ!? あっ、ちょっ…………!!!?」




ーーーーー私の手を掴んで人拐いのようなことをする、寅丸星その人だった……。









ーーーーーin寺



「……さぁどうぞ、粗茶ですがゆっくりと飲んで暖まってください」



「あ、ありがとうございます……」



目の前に出されたお茶を飲みながら寺の中を見渡す……。

……何て言うか、所々がぼろぼろになってるね。

やっぱり白蓮は襲撃された後だったみたい。

見えやすい所は修理してるみたいだけど、襖の隅の方に傷があるし柱もちょこっとだけ欠けたりしてるもん。



「久しぶりに参拝しに来てくれる方がいて、本当に嬉しいです!

聖が封印されてからというもの人は此処を妖怪寺と呼び避けるようになり、聖を慕っていた妖怪の皆も封印されてしまって…………」



目の前で急に愚痴を言い始めた星。

……誰かに愚痴をぶちまけたい気持ちは分かるんだけど、今は皆と合流したいなぁ。

どうやったら早くこの状況を切り抜けられるかな……?



「……あのー?

今仲間を探しているんだけど、近くに大きな湖がある場所を知らないかな?」



紫さんなら参加者の集合場所に皆を連れて戻ったはず。

だから今いる場所が分からなくても、その近くにあった大きな湖を探せば合流できるの!



「ですが私は1人でも…………えっ?

この近くにある大きな湖ですか?

……確か、此処から東北東に進めばそれなりに大きな湖があったはずです」


「ホントッ!?

教えてくれてありがとね……えーっと?」



呼ぶための名前が分からずに、思わず言い淀む。


……本当は知ってるんだけど本人から名前をまだ聞いてないから、ここで名前を呼んじゃったら怪しまれちゃうよね。



「あっ、申し遅れました!

私の名前は寅丸星と申します」


「私はフラン! フランドール・スカーレットだよ!!

よろしくね、星!!!!」



よしっ、互いに自己紹介もできたし後はこのままの流れで出発するだけだね!!

……まぁ、一応手だけはあわせて行っとこっと!




ーーーーー約10分後。



「……じゃあまたね!

今度は皆で参拝に来るよ!!」


「はい! 今度来られた時は、お饅頭を用意しておきますね!!」



そうして私は星と別れ、教えてもらった東北東に向けて出発した。

まだ湖は見えないけど、ようやく合流できるんだよね!?

あれから2時間も経ってないけど、皆といない時間がスッゴく長く感じたなぁ……。

初めて旅をして山に着いたときから、ずっと誰かと一緒にいたせいで違和感が半端じゃ無かったもん。

……やっぱり自分の大切な人達と一緒にいるのが一番だね!

前世じゃ一人っ子で親も共働きだったから家に1人でいることが多かったし、学校でもクラス公認のオタクだったから恋人もできなかったから、大切な人達と一緒にいる時間が如何に大切なのかって身に染みて感じるの!!



「……もうすぐ会えるからね、皆…………!!!!」



湖まで全速力で……Let's go!!!!










ーーーーー集合場所(湖周辺)。


ーーーーside レミリア




「……フラン……」



力を回復するために八雲紫が眠りについて、凡そ10分程経過した。

力がある程度戻ったら八雲紫の式が起こすと言っていたけれど、先程までの様子だと式が起こしても1日は起きないと思うわ。

名のある大妖怪のはずなのに全く立ち上がれないほど衰弱していたもの。

フランを救出するための唯一の力を持ってはいるけれど、今の八雲紫に期待はできない……。



「……レミリアさん、こちらへ来てください。

夜はまだ長く、今より冷え込みます。

毛布もありませんから、皆で集まって暖をとりませんか……?」


「……分かった」



さとり達は寒そうにしているが私自身は今より寒かろうと全然平気だし、周りが良く見える位置でフランを待ちたいのだけれど……流石に疲労しきっているフランの友人たちを疎かにできるほど我儘ではないわ。

私自身も疲れを感じているし、今は休むべきよね。



「御義姉様……そんなに心配しなくても、きっと大丈夫だよ?

フランは、とっても強いから……」


「そーなのだー……。

……フランなら、きっと大丈夫なのだー」



余程私の顔色が悪かったのか、心配そうな表情で励ましてくれるこいしとルーミア。

……今は、フランを信じるしかないのよね。



「ありがとう、2人とも。

心配をかけてすまなかった。

……さぁ、もう休みましょう」



「「うん…………」」



返事をした2人の肩に手をやり、2人が安心するように優しくさすってあげる。

……昔は、ぐずるフランにしてあげてたのよね。

今のように優しくさすってあげて、そしてこすらないようにフランの瞳から流れ落ちる涙を指で拭ったわ……。



「…………フラン……」



……昔のように、また優しく抱き締めて子守唄を歌ってあげるから、だから…………



「……無事でいて、フラン……」










ーーーーー

以上、フランと星の出会い回でした!!



今回、あっさりとした登場の星でしたがレミリア達が落ち着いたら、また登場する予定です。



さて、フランとレミリア達の温度差はどうなるのでしょうか?



それでは次回にまたお会いしましょう!!

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