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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第5章~黒歴史魔女、参上~
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変態は どんな時でも 変態さ byフラン

どうも、東方転妹録最新話更新です!



今回、色々と更新が遅れてしまい本当に申し訳ありません。

お盆や受験勉強等が重なり、時間があまり取れませんでした。

今後しばらくこのような状況が続くかもしれませんが、お付き合いのほど、どうかよろしくお願い致します 。



さて、今回は……まぁ、色々やらかしました!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー十分後、魔界。

ーーーーside フラン



 力が足りない。 力が欲しい。 何者にも負けない力が、真っ正面から全てを破壊できる力が欲しい。 自分が望む全てを叶えるため、際限の無い力が欲しい。

……そう考えたことは、今まであっただろうか? 紅魔館の地下から抜け出した時も、月面戦争に繰り出した時も、今と同じ様にオーエンの名を初めて名乗った時も、今までのどの時も圧倒的な力を望んだことはなかったと思う。 大切な家族を、仲間達を守るために力を望んだ時でさえ、守れる程度の力しか望まなかった。

 しかし、今はこれまで望んで来なかった圧倒的な力を、際限の無い力を、絶対的な力を私は求めてしまっている。 仕方のない状況とはいえ、能力を使うことが許されず、レーヴァテインも使用不能。 吸血鬼である私本来の力だけで戦うと、どうしてこうも上手くいかないのか。

……こんな、望まぬ形の再会を許してしまうなんて。



「…………せ、んせい……?」


「……あら、あらあらあら? これは本当にどうしたことかしら? どうして貴女がここにいるのかしら?」


「アラ、永琳、貴女ノ知人ナノカシラ? 確カ、アノ娘、月面戦争ノ時ニ随分オ世話ニナッタ奴ダッタワネ」


「アヤヤヤヤ! 月面戦争ト言エバ、ヤッパリフランサンデスヨネ!! ……ン? 何デスカフランサン? エッ? 月面戦争ト言ッタラ私トフランサンノ2人? アヤヤ……!! コレハ嬉シイコトヲ言ッテクレマスネ!」



 槍を構えるぬえと鍔迫り合ったまま固まる依姫。 そんな依姫の様子にただならぬ何かを感じたのか、構えたまま依姫の視線の先、永琳とその側にいる紫さん、幻覚を見ているらしい文お姉さんを睨み付ける夢月とヤマメ。 サリエルはどうにか私を救い出そうと諏訪子の隙を見つけようとしており、今現在、場の状況は膠着していた。

……結局ぬえが応援を呼んだ後、私は諏訪子から逃げ出せぬまま何も出来ないでいた。 ぬえは残っていたミシャクジ2匹と共に依姫達を相手取りながら時間稼ぎをし、諏訪子は私を捕まえたままサリエルを挑発。 そのままぬえの花火に気付いた永琳さん達三人が到着するまで、ミシャクジ2匹を犠牲にぬえと諏訪子は時間稼ぎを成功させたのだ。

 結果、今の状況になってしまった。 諏訪子の粘膜に絡め取られつつ、何とか左腕と左足を再生したものの、もがけばもがくほどに諏訪子の拘束は複雑になり、私の動きが封じられていく。 その上蝙蝠になっえしまえば粘膜に絡め取られ捕まってしまう。 霧になっても同様だ。



「ヨシ、コレデ邪魔者ハイナクナッタ。 邪魔ノ入ラナイ今ノ内ニオ前ヲ喰ラッテシマウトシヨウ」


「誰が喰われてやるもんか!! こっちにはまだ私とサリエルがいるもん! そう簡単にやられはしないよ

!!」


「流石、アノ子ノ偽名ト同ジ『オーエン』ト名乗ルダケハアル。 ソノ威勢ノ良サハ褒メテヤロウ。 シカシダ、私達の仲間ハマダコンナモノデハナイゾ」



 そう諏訪子が言い切ると同時に、背後から何か堅い物同士がぶつかり合う音が聞こえた。 その次の瞬間にはサリエルの怒号が辺りに響き渡り、聞き慣れた長い言葉が怒号にまみれて私の耳に届く。 聞き慣れた声は、聞く人が聞けば即座に正座し、懺悔を始める……そんな人の声だった。



「くっ、もう一柱神がいるの!? くぅっ……!」


「……海を越えた先、大陸の更に奥にある幾多の国。 その中の多くの国で崇められる神の使徒ですか。 しかし、どうやら煩悩にまみれてしまった様子…………私は、優しく純粋な欲に溢れるあの娘を救うことが出来ませんでした。 貴女もまた神の使徒であるならば、かつてはあの娘の様に優しい心を持った尊き方であったはず。 あの娘の様にならぬよう、あの娘のような者を守るよう、私は心を尽くしていく心構えでいます。 まずは……貴女を救って差し上げましょう」


「自ら目も耳も封じておきながら、何を……!!」



 諏訪子に抱き着かれたまま振り返れば、見えたのは尺と杖をぶつけ合う映姫さんとサリエルの姿。 不意を突かれたのか、かなりサリエルが圧されてしまっている。 そして映姫さんの方と言えば…………顔に浮かべる表情は満面の笑み。 そこにあるべき両目と耳が存在すれば、本当に慈悲深い笑みだったのだろうけど。



「フフ…………サァモガケ、暴レテ暴レテ、モット抵抗シナガラ己ノ無力ニ絶望スルガイイ。 絶望ニ染マッタ贄コソ、我ガ食スルニ相応シイ」


「いやだから、そんな簡単に絶望なんてしないってば! 依姫と永琳さんをどうにかしないといけないんだから、絶望してる暇なんてないよ!! 夢月、ヤマメ、サリエルさんはどうにか頑張ってて!!」


「……貴様、ソレデ良イノカ…………?」



 私の発言を機に3方向から怨み言が飛んできているけど、それを無視して呆れる諏訪子の腕の中で暴れる。 諏訪子の分泌する粘膜のせいで蝙蝠にも霧にもなれないどころか、諏訪子に掴み掛かっても手が滑るし膝で蹴ろうとしても粘膜が威力を半減させるし、能力もレーヴァテインも、ついでに名付きの技も使用出来ない現状では攻撃するには打つ手が無い。 服にも粘膜が染み込んできて気持ち悪いし、自由に動かせるのも手の先と足、そして頭だけ。

……しいて現状で出来ることといえば、諏訪子の顔に無理矢理頭を擦り付けて、口を覆うスカーフをずらしたりフードを脱いだりするくらいだろう。 しかしそんなことをしたところで何の意味も…………何の意味も、ない? いや、もしかしたらやる意味はあるかも?



「……サ、サァソロソロ絶望シタカ? 何ダカ懐カシイ感ジガシナイデモナイガ…………フムッ!?」


「んしょ、んしょ……! よし、ずれた!」



 まずはフード。 突然頭を顔に擦り付けられたせいか、ものっすごい変な物を見る目でこっちを見ている諏訪子。 そんな諏訪子を放ったまま、フードを脱ぐ時に軽く乱れた髪を頭を振って簡単に整える。 フードに守られてさらりとしたまま揺れる髪が、諏訪子の髪や体、私の着ている服等に当たり、あっという間に粘膜で濡れていく。 しかしそんなことにはお構い無く、私はもう一度諏訪子の顔に自分の顔を擦り付け始める。 どうせあのままでも服の中にまで粘膜が染み込んできていただろうし、髪が濡れようが知ったことではない。



「ンッ、ナ、ナンダ……コノ懐カシイ香リハ…………ッテ、今色々考エテイルンダカラ顔ヲ擦リ付ケルナ! アッ、チョッ、ムグゥッ!!!?」


「よいしょっ…………っと!」



 気付けば見つめあっていたはずの永琳さんと依姫や、戦っていたはずの映姫さんとサリエルさん、夢月やぬえ達が私と諏訪子の様子を見つめていた。 一部は私の髪に注目しているような感じがしたけど、そんなことは気にせずに顔を諏訪子に擦り付けてスカーフを首元までずらす。 これで私の顔を隠すのは目元の仮面だけになり、次に何かを喋ればさっきまでの術式で作った偽物の声ではなく、私本来の、フランとしての声が辺りに響くだろう。 そして、(フラン)の声が辺りに響けば…………何の気兼ねも無しに能力や名付きの技も使える状況になる!



「さーーー」


「ーーー喋るな馬鹿者ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」


「おぐぅっ!!!?」


「ガッ!? フモゥッ!!!!!?」



 後ろから後頭部を堅い物でどつかれ、声を出そうと息を吸うために開けた口が諏訪子の口に重なる。諏訪子の顔に先に仮面がぶつかり、その後私の口と諏訪子の口が重なったわけだけど、息を吸おうとした瞬間に口が重なったものだから、諏訪子の口を吸い上げる形になってしまい、諏訪子は仮面がぶつかった衝撃をもろに顔面で受け止めることになってしまっていた。

 そして、私の後頭部をどついた張本人であるサリエルさんは、どこか満足気な顔でやりきった様に息を吐いている。 色々と言いたいことはあるけど、とりあえず置いておこう。

……何故なら、口を重ねた途端に諏訪子の様子がおかしくなったからだ。



「ふぅ……危ない危ない、何とか間に合ったわね」


「んむっ? むぅぅ!?」


「ジュルッ!! ジュルルルルッ!!!!」



 呑気に呟くサリエルさんを尻目に、諏訪子は私の口から舌ごと唾液という唾液をすべて吸い上げようとする。 どうにも苦しくなって、頭を振って何とか口を離した瞬間、私は喜ぶべきか悲しむべきか分からない複雑な心境に立たされることになった。



「……コノ味、フランノ唾液ノ味ダァァァァァァァァァァァァ!!!!!?」






ーーーーー




以上、変態再臨回でした!



……いやね? シリアスというか、くらーい雰囲気に限界が来ましてね?

ギャグに戻したくなったのですよ、そうしたら諏訪子が暴走したのですよ!

……つまり僕は悪くなi(ピチューン



それでは又次回にてお会いしましょう!

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