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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第1章 ~生まれ変わったら吸血鬼!?~
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色々豊かなお姫様

どうも、第28話の投稿です!!!!



前回のラストからシリアスモード…………だったはずなんですが……。



とりあえず御先に、豊姫ファンの皆様、本当にすみません!!




何はともあれ、楽しんでいってください!!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー約一時間後

ーーーーside フラン



ーーーガキィィィィィン!!!!




「……くっ!?

腕が痺れてきたか……」



激しい打ち合いの負担が大きくなってきたのか、腕を気にし始めた依姫。



「むしろ、吸血鬼の力で腕を奪えない方が不思議だと思うけどなぁ?」



一体何十、何百回打ち合ったのか分からないけど、それで腕が痺れただけなんて凄いよね!

それにあれから暫くして少し余裕ができたから、弾速が早いスターボウブレイクを撃ってみたけど全部避けられちゃったんだよ!


……いざという時のために、切り札であるフォーオブアカインドはまだ使ってないけどね……。



「ふんっ、伊達に鍛えてはいない。

……それより、貴様も中々良く鍛練をしているじゃないか?

あそこまで見事な居合いを放つとは思わなかったぞ?」



椛と一緒に頑張って修行した居合い切り。

依姫に一太刀を浴びせることはできなかったけど、ここまで長く打ち合ったのはレーヴァテインの強度と居合い切りのおかげなの!


……打ち合いが無理だったら、あまり殺生に使いたくはない能力を使ってたよ。



「エヘヘッ!

私ね? ちゃんと山の皆と修行したんだよ!!!!

それぞれの弱点を無くしていったり、チームに分かれて試合をしたりして来たの!!!!」



勇儀と一緒にこいしの基礎身体能力を鍛えたり、さとりが怒らずに戦えるように何故か私と試合をしたり、ルーミアに能力無しで挑んで惨敗したり…………。

本当に1日1日が印象深かったなぁ……!

そんな楽しい日々をまた皆と一緒に過ごしたいから、絶対に帰らないとね!!!!



……あれっ、依姫が何か固まってる?



「…………妖怪が、集団で修行?

あっ、あり得ないあり得ないあり得ない!!!!!!!?

よよよ妖怪がしゅしゅ修行だなんて……!!!?

あ、明日は姉上が真面目になるのか!!!?」



……へっ?

よ、依姫が急に動揺し始めたよ!?

妖怪が修行するのが、そんなにおかしかったのかな……?

……っていうか依姫の姉って豊姫だよね!?

普通そこは、『明日は雨の代わりに槍が降るのか?』とかのはずでしょ!?

豊姫って、そんなに不真面目なのかなぁ……?



「……ねぇねぇ?

貴女の姉上って、そんなに不真面目な人なの?」



「あぁ、私はどうすれば!?

…………んっ?

姉上は不真面目というわけではないぞ?

ただ、少し天然でおっちょこちょいなだけだ」



「……あぁ、そういうタイプなんだね」



つまり、本人は真面目にやっていてもド派手な失敗をしたりするから、常に周りは要注意って感じかな? まぁ、それはしょうがないよね!!


そうして私が1人で納得していて、依姫が頭を抱えて呻いていると目の前の空間がぶれ始め…………





「……ようやく見つけましたよ、穢れし者め!!!!

依姫は下がって休んでいてください!!!!

この者は私と兵達が始末しまちゅっ!!!?」



『『『豊姫様……』』』



……幾多の兵を引き連れて現れ、いきなり言葉を噛んだ女性……豊姫。

名前の通りに胸とかが色々と豊かで、原作じゃあ威厳が溢れる凄い人だったんだけど……。

周りにいる兵達はまるで、またか、とでも言うように呆れた声を出しちゃってるよ。



「……もしかして、あれが貴女の姉上?」



「…………色々と、すまない」



敵である私に依姫が謝っちゃうぐらい、場の空気を壊してしまった豊姫。

本人は頬を赤くしながら口元を押さえて痛がってるよ……。

……流石に可哀想だよね?


そう思った私は豊姫の側に駆け寄り、背伸びをして頭を撫でてみた。



「大丈夫? もう痛くない?」



「はい、もうあまり痛みません…………って、えっ!?

あ、貴女は何故私の頭を撫でてるのです!!!?」



私の手を払い除けて後退りながら叫ぶ豊姫。

さっきより頬を赤くして興奮してるみたいだし、やっぱり敵に撫でられるのは嫌なのかなぁ……?



「痛そうにしてたから撫でたら治るかなぁ、って思ったの。

『痛いの痛いの飛んでけー!』っていうでしょ?」



「………………っ!!!!!?」



前世が医者だった訳じゃないから、どうすれば確実に痛みが引くか知らないもん。

だから『痛いの痛いの飛んでけー!』ってやったんだけど…………。



「……姉上」



……あっ!

依姫が怒ってるけど、部下の前で敵である私に頭を撫でられたりするのはアウトだったね……。



「……依姫、私は分かっていますよ。

彼女は、穢れです……」



俯いて若干体を震わしながら話す豊姫。

……私、やらかしちゃったかな……?



「……分かっているなら「彼女がどれ程可愛くても、どれ程抱き締めたくても、どれ程愛でたくても、この想いが到底許されるものではないと言うことは分かっています!!!!!!!!」油断は…………って、へっ?」



「……えっ?」


『『『『…………はっ?』』』』



と、豊姫……いきなりどうしちゃったの?

……言葉を遮られた依姫も、豊姫の後ろに控えている兵達も、そして私も思わず呆気にとられちゃったよ……。



「あ、姉上……貴女は一体何を「ですが彼女の純粋さは世界でも類を見ないでしょう!!!!

敵であろうと優しさを見せ、何処か不安そうに頭を撫でる姿は正に天使!!!!!!」……言ってるんだバカァァァァァ!!!!!?」



……何か物凄いデジャヴを感じるけど、それ以上に何だか悪寒を感じたよ…………!?



「姉上ぇぇぇ!!!!!!

いい加減に「故に彼女を浄化する必要はありません!!!!!!

天使に穢れはあれど罪はありませんから!!!!!!!!

可愛いは正義!!!!

可愛いはjusticeなのです!!!!!!」…………しろぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」



「…………」


『『『『…………』』』』



……何このカオス?

依姫曰く、豊姫って単なるおっちょこちょいな天然さんじゃなかったの?

あんな恐ろしい輝きを放つ眼をしてるなんて聞いてないよ?……私、逃げないと危ないかな?



「お前達!!!!

早く姉上を止め「だがしかし!!!!

穢れは月に置くことはできません!!!!!!

あぁ、何と無情な話でしょう!!!!!?

ですが彼女は世界のために死んではなりません!!!!!!

だから私は、彼女を地上に送り返すことにします!!!!!!」……………………」



「……あれっ? 私、帰れるの?」



『『『『……鎮静剤並びに麻酔弾用意』』』』



何だかんだで、私が能力を使わなくても帰れるみたい。

……それは嬉しいんだけど、依姫が言葉を失って頭を抱えてる姿が、凄く可哀想だよ…………。


遂に豊姫が能力を操りだした時、今度は依姫に駆け寄り落ち込んでしまったその肩をさする。

……頭はダメみたいだから、肩ならいいよね?



「……色々と騒がせてごめんね?

また会えたら、その時にお詫びをするから」



「…………同胞達の無念を、このような形で晴らせなくなるとは…………」



完全に落ち込んでるや…………。

次に出会うとしたら永夜抄だから、その時には何かお詫びの品を用意しとかないと……。


とうとう豊姫の能力によって転移が始まったのか、ぶれ始める視界。

最後に私は、目の前の依姫に呼び掛ける。




「……また戦おうね、依姫!!」


「……なっ!? わ、私の名前……!?」




……そして、目の前に広がっていたはずの月の景色は、段々とぼやけていった…………。










ーーーーー地上、月面戦争出発点。

ーーーーside 紫




……これは、やらかしてしまったわね。



「その手を離せっ!!!!

私だけでも月へ行くといっているでしょう!!!!!?」


「絶対にダメーー!!!!

フランが待っててって言ったから、ダメなのだー!!!!!!」



……かれこれ一時間以上続く目の前の攻防に、罪悪感を感じるわ……。


もうすぐ夜が明けそうだというのに、月に残った愛しい妹を迎えに行こうとする吸血鬼の姉……。

そして、愛しい人の想いを無駄にしないために吸血鬼の姉を引き留め続ける、宵闇の妖怪とさとり妖怪の姉妹……。

……この光景を見たくないというのに、私の体は動かないのが腹立たしい……!!!!




「紫様……御気持ちは分かりますが今はお休みください。

今の紫様では月まで届くスキマなど、絶対に創れません……」



「……くっ!!!!」



あの撤退戦の時、フランという少女は見事な戦いを見せていたわ。

依姫自身と激しく戦いながらも、依姫が放った姉へと至るであろう弾幕は手に持つ杖のような武器で全て凪ぎ払っていたの。

最後には私の限界を悟り、私が倒れてしまう前に能力で『スキマ』を破壊するという荒業をした……。

つまり、彼女は姉だけでなく私の命までも救った、私の命の恩人なのよ!!!!

……だから、私が今彼女にしてあげられることは、彼女の想いを無駄にしないことよね…………。



「いけませんわ、レミリアさん……。

唯一フランさんを助けに行けるはずなのに、動けない状態の私が言っても説得力はありませんが…………。

……もし、貴女が太陽の光で燃え尽きてしまったりしたら、一番悲しむのはフランさんですよ?」



「っ!!!!!?

…………アァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!」



愛しい妹を助けにいけば、その妹が悲しんでしまうという状況に苛立ちを隠せないレミリア・スカーレット……。

その胸中はどれ程苦しく、荒れてしまっているのかしら…………。



「お姉ちゃん、何か私達に出来ることはないの!!!?」


「……今私達に出来ることは、無事を祈りながらフランの帰りを待つことと、紫さんの看病をしてスキマが開けるように待つことの2つ……。

…………どちらにせよ待つしかないのよ、こいし……」


「万事休す、なのかー…………」



古明地さとりはもう一人の妹を、古明地こいしとルーミアは自分の想い人を救えない状況に絶望しているわ…………。



「……今は、体を癒しましょう。帰ってきた時に私達が動けなければ、出迎えることすらできませんから…………」



最後に藍が話を締め括り、私達に重い沈黙が降りた。










「…………月は、白いのね」










……月を見上げるレミリア・スカーレットが発した呟きは、夜の闇に消えていった…………。










ーーーーー


以上、月面ラスト回でした!!



……月面と地上の空気の違いっぷりが半端じゃありませんでしたね。


今までの傾向上、フランのいる所にまともなシリアス無し、っていう感じです。


次回、フランが地上に帰りつきますが、一体どうなるのでしょうか?




それでは、また次回にお会いしましょう!!

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