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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第5章~黒歴史魔女、参上~
279/283

共鳴する夢

どうも、東方転妹録最新話更新です!



えー、先週分を更新できず仕舞いで、本当に申し訳ありません。

実質この更新が先週分の更新となるのですが…………あぁ、更新がずれ込んでしまったorz



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー??後、夢。

ーーーーside フラン



 とても悲しい世界。 熱いのに鉄臭くて、勝利の咆哮の中に滅びの歌が聞こえてくる。 普段ならお腹が空いてしまいそうな血の香りが、今はどうしてか嫌なものに感じた。 突如響き渡る私の名を呼ぶ声。 その声のする方に振り向けば、そこに広がるのは永遠に続く黒い世界。 何故かは分からないけど、その黒い世界に手を伸ばして歩みを進めたくなる。 しかし、どんなに手を伸ばして近付いていこうとしても黒い世界には辿り着けず、悲しみだけが心の中に広がっていく。 どうしようもない悲しい世界が続き私の心が限界を迎えそうになった時、黒い世界から無数の黒い手が伸びてきた。 そして驚き立ち止まる私に、無数の黒い手が届きそうになる。

 次の瞬間、周囲の熱さが更に増したかと思うと、私の背後から飛び出してきた紅蓮の炎が私にまとわり着こうとする無数の黒い手を凪ぎ払っていく。 そのまま無数の黒い手を焼き尽くすと、私の視界は紅蓮の炎だけで埋め尽くされ、私は紅蓮の炎の腕に抱かれていた。 熱く、激しく燃える炎は私の身を焼きながら私の心を覆い尽くす悲しみを焼き払っていく。 そして、紅蓮の炎が私の体を焼き付くした時、私の心は悲しみではなく熱く激しい喜びに満ち溢れていた。





ーーーーー



「………………っ!? あ、あれ? ここは……」



 唐突に覚醒した意識。 鳴ることのない鼓動の代わりに全身を血が駆け巡り、迅速に体を覚醒させていく。 首だけを動かして辺りを見渡せば、そこはどこかのベッドの中で、ベッドの隣には依姫が刀を胸に抱えながら椅子に腰掛け、目を閉じていた。 他の皆の姿は見えない。

 ここは一体どこなのか……私は、確か…………あぁ、そうだ! サリエルを依姫が倒したから、お話を聞こうとして眠っちゃったんだった! その時は夢幻館にいたから……ここも、夢幻館の一室かな?



「んしょっ……と。 えっと、依姫は……寝てる、起きないかな?」



 体を起こし、掛けられていた布団を横に退けながら目を閉じたままの依姫へと近寄り、その顔を下から覗き込む。 一定の間隔で繰り返される吐息。 ベッドから降りて更に依姫に近寄ってみても、まだ起きる気配がない。 依姫の膝に手を着き、もっと顔を近付けてみると、なんだか依姫の頬が赤くなった気がした。

 そしてお互いの吐息がそれぞれの顔に掛かる距離まで来た時、扉の開く音がして、そこから聞き慣れた声が聞こえてくる。



「ん? おっ! フラン、やっと目が覚めたの!?」


「あっ! ヤマメ! おはよう!!」


「あっ、うん、おはーーー」


「ーーーおはようございます、フランさん。 寝起きの加減はいかがですか?」


「よう、ってこらっ!? 私の言葉を遮るなぁぁぁ!!」



 扉のある方向へ振り返れば、そこにはすっかり元気になった様子のヤマメと夢月、そして私を訝しげに無言で見つめるサリエルがいた。 私の側まで近寄ってきた三人は、それぞれ何かを確かめるように私を観察する。



「……うん、特に何か問題があるわけでも無さそうだね」


「となると、あの時点で敵だったサリエルさんの膝で眠ったのは素だったわけですか」


「…………素で、敵の膝で眠る? この子は本当に他の意図があったわけではないの? 本当に何がしたかったの? あっ、私は堕天使のサリエルよ。 挨拶が遅れてごめんなさいね」


「あっ、えっと……吸血鬼のフランドール・スカーレットです。 フランって呼んでくれると嬉しいかな……?」



 どうやら私がサリエルの膝で眠ってしまったのは体調が優れなかったのではないかと考えてくれていたようだ。 勿論体調なんて微塵も関係無く、ただサリエルが口を開くのを待ちくたびれて眠くなってしまっただけなんだけど…………それをここで話してしまったら、サリエルさんから説教されそうな気がする。 それ考える程に、サリエルさんが私を観察する目は真剣だった。

 ……これは別の話題に逸らした方が良いよね。 下手に本当の理由を話すと、何だかサリエルさんにお説教されそうな気がするもん。



「あっ、んっと……ね、ねぇねぇ夢月! ここは夢幻館の部屋なのかな?」


「えぇ、ここは夢幻館の一室。 幽香さんが使っていた部屋ですよ。 幽香さんがいるなら最高のもてなしをフランにしたがるでしょうから、一番豪華な幽香さんの部屋に寝かせました」


「そっかぁ、運んでくれてありがとう! おかげでしっかり眠れたよ!!」


「しっかり眠れたって、貴女、始めは私の膝で眠ったのを覚えているの? 確かに私は負けたし満身創痍ではあったけれど、敵の膝で眠った上にその後もしっかり眠るなんて、どんな神経してるのか知りたいわ」


「あぅ……そ、その! だってサリエルさんの膝も幽香さんのベッドも、どっちも気持ちよかったんだもん! それよりもさ、御姉様達がどこにいるか分かったかな? せめて手掛かりだけでも分かれば……」



 私の言葉に三人とも余計に呆れつつも、御姉様達の話題に触れるとヤマメと夢月がせっつくようにサリエルを見る。 その視線を受け止めたサリエルは、肩をすくめながらも私へと改めて向き直り、口を開いた。



「まぁ、貴女への協力をそこの剣士とこの二人に取り付けられたから構わないけれど…………貴女が探している仲間って、あの夢幻世界とかいうところで戦っていた連中のことよね? あの連中なら、どうやったのかは知らないけれど魔界と夢幻世界とやらを繋げてまで戦っていたから、そのまま魔界に案内したわ。 魔界には血気盛んな者達も多いし、あの連中と乱闘してくれたら暫くは魔界も静かになるんじゃないかと思ってね」


「えっ? じ、じゃあ御姉様達は今魔界にいるの?」


「そうよ。 ただ、送る時も全員暴れまくっていたから魔界のどこにいるかまでは分からないわ。 ある程度静かにしていないと上手く魔界に送れないっていうのに、人の話も聞かずに暴れ続けていたもの」



 つまり、こういうことか。 御姉様達が幻月と戦っている間に、多分紫さんか白蓮辺りが魔界と夢幻世界を繋ぎ、魔界の中に溢れる魔力や妖力を駆使するなりして戦場を拡大したのだろう。 しかし恐らく主戦場は夢幻世界のままだったから、見ているだけでしびれを切らしかけた魔界の住民達が暴れだす前に、御姉様達を魔界へとサリエルが誘った。その後に私達がサリエルと出会い、御姉様達と争って警戒心MAXのまま私達と戦闘。 今に至るというわけか。

 しかし、そうと分かれば話は早い。 今すぐサリエルに頼んで魔界への入り口を開いてもらい、御姉様達を止めにいけばいい。 その後でレーヴァテインを鍛え直して貰う相手を御姉様達の中から探せばいいのだ。



「そうなんだ……うん、よし! ねぇねぇサリエルさん!! 魔界への入り口を開いてもらってもいいかな? 御姉様達を止めに行きたいの!!」












…………この時、御姉様達を、ルーミアを止めることがどんなに難しいか、私は理解していなかった。




ーーーーー

以上、魔界へgo(?)回でした!



……色々とアレというか、山も落ちもありませんでしたが…………あぁ、そろそろ変態を書きたい!



それではまた次回にてお会いしましょう!

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