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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第5章~黒歴史魔女、参上~
277/283

何だかんだで満身創痍なんです! byフラン

 どうも、東方転妹録最新話更新です!



 えー、長らく間が相手しまい申し訳ありません。

教育実習に行っていたりその後処理に追われたりと、中々忙しい日々を送っていました。

……そして次はもうすぐ院試…………orz


さて、今回はフランらしくいきます!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー数分後、夢幻館通路。

ーーーーside フラン



 外から月明かりが差し込む通路で、高く掲げられた杖から放たれる青と白の閃光。その量は先程までの比ではなく、その性質も違っていた。 さっきまでの性質ならば私や夢月、ヤマメが足手まといにはならずに済んだのかもしれない。 堕天使であるサリエルは、やはり天使であり、それが依姫以外の面々を苦しめていた。



「くっ……浄化の光ですか!!」


「神力で悪魔払いなんて、冗談じゃないよ!」


「ちょっ! ちょっ!! ちょぉぉぉっ!!!? フラン、神力ってこんな使い方出来るの!? 直接私達を浄化しようとするとか……除霊じゃあるまいし!」


「…………!!!!」



 ただひたすらに無言で浄化の光を放つサリエル。 依姫と切り結んでいた時に私達が並大抵の相手ではないと判断したのか、無数に放たれる光はその性質を魔力から神力に変えており、相手を滅ぼす力から浄化する力へ変わっていた。 堕天使は、堕天してはいるものの、天使の時に持っていた神力を完全になくしたりはしない。 力の強かった天使ならば堕天して減る神力の量も微々たるもの。 むしろ魔力を手に入れたことにより純粋な戦闘能力は上がるだろう。 堕天使の強みであり最大の特徴は聖と魔、互いに打ち消しあうはずの二つの力をその身に宿しながらも行使することができることだ。 このため、例えどんなに威力を込めた妖力弾や魔力弾を放っても浄化の光の前に掻き消されてしまう。 浄化の光に対抗できるとすれば同じ神力か、それとも人間が主に持つ霊力のどちらかしかない。 故に、それら神力と霊力を駆使して戦う依姫しかサリエルとはまともに戦えないのだ。



「これは、やはり八百万の神々の力とは別のものだな。 他の地の神か?」


「いや、彼女は神の使いだね。 西の大陸の更に西……主と呼ばれる神の配下のはずの天使だよ」


「フランの言葉に付け足しておくと、向こうの天使は完全に悪魔と敵対関係にある状態です。 そのため浄化の力もこちらの地のものとは比べ物になりませんよ」



 どうやら夢月は大陸の方のことにも理解があるらしく、私の言葉に付け足してくれた。 私と夢月の言葉を聞いた依姫は静かに頷くと、一つ息を吐き、上段に刀を構える。 そのまま依姫は何かの神を呼び、自分に降ろした。 そして次の瞬間、依姫の姿が掻き消える。



「……っ!?」


「韋駄天の力は、耐えきれぬからあまり使いたくはないのだがな……!」



 反射的に杖をかざし、韋駄天を降ろした依姫の一撃を受け止めるサリエル。 しかし、サリエルが一撃を受け止めた時には5回の攻撃がサリエルの身体に命中していた。 韋駄天の力の特徴の一つ、速さ。 その速さを手にした依姫はサリエルを翻弄しながらその身を切り刻んでいく。 そして依姫の体が韋駄天の速さに完全に着いていけなくなった頃、再生すら追い付かず切り傷だらけで血塗れになったサリエルが杖にすがり付きながら膝を着いて地に崩れ落ちていた。



「はぁ……はぁ……い、如何かな? この地の神の力は……」


「っ…………!」


「……で、出番が無くなった…………」


「気にするのそこなんだねヤマメ…………それにしても、本当に凄いや、依姫!」



 刀の切っ先を首に突きつけ、サリエルに不敵に微笑みかける依姫。 対してサリエルは、血を吐きながら一瞬で自らを下した依姫を睨み付け、未だに何も喋らない。 力を再生に回す余裕もないのか、それとも何かが原因で力を使い切ってしまっているのか、サリエルはただ依姫を睨み付けるだけでしばらくしても動こうとはしなかった。 その隙に私と夢月、ヤマメは二人に近寄り、私は依姫を支え、夢月は弱っている依姫に代わってサリエルを見張り、ヤマメが静かに糸でサリエルを縛り上げる。 腰の辺りを掴み支えようとする私に依姫は一言礼を言い、私に軽く体を預けて、瞳を閉じて休み始めた。

……とりあえず、色々サリエルに聞いてみなきゃいかないよね。 依姫の休む時間も必要だし。



「さて、それじゃあ質問だよ? 最初に、貴女はサリエルだよね?」


「………………」


「……まぁ、答える気はないってことでいいかな? じゃあ次、貴女はどうして夢幻世界にいたの?」


「………………」


「……うん、これは無理かな。 夢月、どうしよう?」


「さとりさんでしたっけ。 彼女がいれば楽なんでしょうが……とりあえず、一発殴りますか」


「ご、拷問は無しの方向で! 鳴くまで待とうホトトギスにしよっ! ねっ!?」


「つまり話してくれるのを待つってことね。 フランたら焦りすぎだよ、うん」



 唐突な夢月の発言に驚きつつも、杖を奪いサリエルを後ろ手に縛り終えたヤマメに依姫を預け、ひざまずいたサリエルの前に座る。 急ぎであるとはいえ、向こうが話す気がないなら、話す気になるまで待つしかない。 サリエルが魔界ではなく夢幻世界にいたということは、今幻想郷で起こっている異変が魔界にまで影響しているかもしれないからだ。 紫さんもいなければ藍さんもいない。 それに地球を見張るという形で月に待機している豊姫に魔界に運んでくれとは言えないから、魔界に行く手段はそうない。 だからサリエルに話を聞き、魔界で何か起こっているのか確認しなきゃいけないんだけど……。



「………………」


「むー…………」


「………………」


「んー…………」


「………………」


「うー…………」


「……何だろう。 こんな時なのに、我が儘を許してくれない親に唸る子供のように見えてきた」


「それは土蜘蛛に同意します。 ……って、そうなると最後には赤ん坊……こほんっ、フランが折れることになるのでは?」


「おい夢月よ、誤魔化してもフランには聞こえているみたいだぞ。 ほら、夢月を睨み付けている」



 いけないいけない、煩い外野を睨み付けても余計に煩くなるだけだから無視しとかないと!

……そう考えつつ再びサリエルと見つめ合う私。 暫くはサリエルも負けじと私を睨み付けていたが、何故か途中からサリエルの視線が疑問の視線に代わり、その後無表情になったかと思うと段々呆れた表情になってきた。 そろそろ膝を付き合わせてから30分が経過するという頃には、サリエルの視線は訳のわからないものを見るのと呆れの半々の視線を私に向けてきており、対して私は徐々に眠気に襲われ始めていた。



「んぅ…………みゅぅ…………はっ!? 寝てない寝てない……!」


「……なぁ、フラン、船漕いでいるぞ?」


「目も擦っちゃってるね……うん、あれは確実に眠くなってる」


「………………はぁ……」


「あの堕天使の方も呆れてしまっているようですが……えっと、フランさん、大丈夫でしょうか?」



 レーヴァテインが壊れたショックと幻想郷の異変への驚き、そして難航している異変解決と御姉様達の探索に、夢月との戦いの後のサリエルとの戦い。その直後にこんなじっとするだけの時間があると、眠くなるのは当然……だよね?

 結局それから一分位した時には私の意識は夢の世界へと旅立ち、前に倒れ込んだ私の体は目の前にいるサリエルの膝枕で休めることとなっていたのだった……。
























「…………この子は、何がしたいの?」



 ……やっとサリエルが喋ったことも知らずに。



ーーーーー

以上、サリエル初台詞回でした!



 ……サリエル戦の今までの苦労はなんだったのかって? 煮え切らない依姫が煮え切るのを待つための苦労でした!

そしてフランはいつも通りマイペース……遂にサリエルに台詞を与える程のマイペースっぷりでした!

……沢山考えて沢山動いたら眠くなるよね、うん!



それでは又次回にてお会いしましょう!

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