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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第5章~黒歴史魔女、参上~
274/283

良心は誰?

どうも、東方転妹録最新話更新です!



えー、今回は夢月が廃テンションです。

そして依姫がポンコツです。

この四人の中の良心は一体誰なんだろう……?



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー数分後、紅魔館地下、螺旋階段。

ーーーーside フラン



さて、まず私はこの状況に至った経緯を整理しなくてはならないだろう。 数分前、私は夢月の妖力と魔力を破壊し、心臓を抉り取って、締めにヴァンパイアキッスで精も根も奪い去った。 そして夢月が意識を失って数秒後、夢月との戦闘中に一部螺旋階段の上の方へ反射していったカタディオプトリックを処理し終えた依姫とヤマメが到着。 何があったのかを二人に伝えると、とりあえず夢月が起きてから事情聴取をしようということになったんだけど…………。



「フランさん、次は何時戦いますか? 明日でしょうか? それとも半日後? それともそれとも今!?」


「い、いや、それよりもどうしてここにいたのかを……」


「あぁ、でも今は私も全快はしていない身……! そんな状態でフランさんに戦いを挑むなど失礼極まりないですね。 漸く出会えた私を打ち負かせる相手……姉さんのようにじわじわと削り合う退屈な戦いではなく、一瞬にして決着がついた、大逆転劇のような心踊る戦いが出来る最高の好敵手! 本当にごめんなさいフランさん。 回復に専念しますから、回復しきったらすぐに始めましょうね!」


「だ、だからどうしてここにーーー」


「おい、ちょっと待ちなさい。 誰が誰の好敵手ですって? フランの好敵手は私だけだ。 フランとはいずれ決着をつけなければならない間柄……その間にお前が入り込む余地はない!」


「ーーーいるの、って…………うぅぅ! ヤマメー!!」


「はいはい、よしよし……まぁなんと言いますか、その、頑張ってねフラン。 私も出来るだけ手伝うから……」



夢月が目覚めてすぐ、こんな状況になってしまった。 興奮する夢月に私の言葉は届かず、しまいには依姫まで夢月に釣られてしまう。 思わずヤマメに泣き付いたけど、これはしょうがないよね? 撫でてくれる手の柔らかさと温もりに癒され、その柔らかさと温もりを逃がしたくないとヤマメの背中に回した両手に少しだけ力を込め直すと、ヤマメが更に優しく抱き締め返してくれる。 後ろから聞こえてくるバトルジャンキー達の声なんて聞こえない。夢月と依姫が戦闘中毒症を発症していることなんて知らないのだ。



「……んー、これはいけないよね。 ねぇねぇ依姫さんと、夢月さん? そろそろ戦いの話は止めにして、どうして夢月さんとやらがここにいるのか話してくれない? フランが泣いちゃってるから」


「これまでもこれからもフランの好敵手は私……ん? あっ、フラン……! いや、すまなかった……」


「今から私がフランさんの好敵手……って、えっ? あ、あぁ、そういえばそんな話をしていましたね。私がここにいた理由なら……」



どうやら、ヤマメの一声で夢月と依姫は盛り上がっていた熱が冷めたらしい。 何故私が声を掛けた時は駄目でヤマメなら良いのか……そんなことを思いつつ、ヤマメの胸元に埋めていた顔を上げて、後ろに振り返りながら夢月の方を見つめる。 そんな私の視線に気付いた夢月は、一度言葉を切り、そして綺麗過ぎる程綺麗に笑みを作り、再び言葉を紡ぎ始めた。



「……理由なら、突然姉さんにぶっ飛ばされて、偶然開いていたスキマとやらに落とされてしまったからです。 気が付けば地下の大きな空間にいたのですが、さ迷っていたらたまたま見つけた大きな建物の上の方に穴があったので、そこを登ってきたらここに辿り着きました」


「ぶっ飛ばされて? えっと、どうしてまた……?」


「それはですねフランさん、あの糞馬鹿間抜けのド阿呆姉さん曰く、『これだけ質の良い獲物が、こんなにも沢山いるんだもの! この場は日頃の感謝も込めて親愛なる姉に譲りなさい!』とのことです。 ……あぁ、思い出したら腹が立ってきました。 腹いせに螺旋階段(ここ)にいたメイド達に勝負を吹っ掛けましたが、まだ足りませんね。 フランさんとの戦いも最後の最後に心からの喜びと高揚感を感じはしましたが…………あの馬鹿姉さんに、一発ぶちかましてやらないと気が済みません!」


「そんなことが……うんうん! 分かる、分かるぞ!! 姉というものは本当に我が儘というか、理不尽というか、どうしてああも実の妹に酷い仕打ちが出来るのか!!」


「あー、まぁそれはまた何というか……えっと、依姫は置いといて、とにかくイライラしててもメイド達には手を出さないでね? メイド達は妖精だし復活はするけど私の家族だから、次したら……そうだなぁ、二度と戦ってあげないことにしようかな」


「えっ!? そ、それは困ります! やっと見つけた私の楽しみなのに!! ……わ、分かりました。 ここのメイド達にはもう手を出しません!」



綺麗な綺麗な、恐ろしい笑顔を消したかと思うと物凄い勢いで身を乗り出して来る夢月を翼で押し退ける。 夢月の背後で未だに豊姫への文句を言い続ける依姫の姿に、今も豊姫は私達の状況を把握しているはずなのに大丈夫なのかと思いつつ、ヤマメから離れて夢月へと向き直った。

……そういえば、夢月は地下から螺旋階段(ここ)まで来たんだよね? そしてその時点でメイド達は此処にいた…………となると、夢月が地上にある紅魔館を壊した訳じゃないのかな? んー、でもその前までの戦いで紅魔館の崩壊に夢月が関係してるかもしれないし…………よし、聞いてみよっと!



「OK、それなら……まぁ何時になるかは分からないけど、いつか戦ってあげるよ。 それよりも夢月、この上にある私の家、紅魔館が壊れてたんだけど何か知らないかな? 後、御姉様達や幻月が今どの辺りにいるか予想つかない?」


「紅魔館? 名前からして真っ赤な建物ですか? えー……そうですね、幾つか建物を巻き込んだ覚えはありますけど、確かスキマに落とされる少し前位に赤い建物も巻き込んだ覚えがあります。 それと姉さん達は……うーん、私も姉さんも夢幻世界に誘導しようとしてましたし、今頃は夢幻館から夢幻世界に入るか入らないか位の所にいるのではないのでしょうか」



夢月から話を聞き、ほんの少しだけ唸りつつ頭を捻る。 紅魔館が壊れたのは御姉様達と幻月達の戦いに巻き込まれたからで、戦いは夢幻世界を目指して場所を何度も移していたらしいから紅魔館が壊れたのはほぼ偶然。 何かしら意図があって壊されたとしても幻月による御姉様への挑発行為の一環だろう。 どこか他のところも巻き込まれたようだけど……この際どうでもいい。 紅魔館共々後で考えればいいし、今は御姉様達が無事かどうかを考えなければならない。

……そういえば、どうして紫さんはスキマに落ち込んだ夢月を地底に送ったのだろう? スキマに閉じ込めておいたら、次にスキマを開く時に出てきてしまうのを嫌がったのだろうか…………まぁ、それは後で本人に聞くしかないだろう。 とにかく今は夢幻館に向かうことが先決だ。



「よし、じゃあ夢幻館に向かおうか。 まずは上に出てから方角を確認しないとね」


「ほんっとうに姉上はいつもいつも…………ん? もう次の目的地が決まったの? よし、じゃあ時間もないようだしさっさと向かうとしましょう」


「依姫さんも、自由な人だね……ねぇフラン、この人……えっと、夢月さんはどうするの? 連れてく?」


「えっ、この流れで連れていかないという選択肢があるのですか? 土蜘蛛とやらは、中々に嫌われやすそうな妖怪なのですね」


「だまらっしゃい! これでも私は地底の看板娘なんだよ!? ぽっと出のメイド悪魔よりは遥かに皆に好かれてるさ!」


「……あー、はいはい、長くなりそうだからそこまでね? それじゃあ行こっか。 ヤマメ、まだ回復してないみたいだし夢月を運んでくれる? 依姫は私と一緒に周囲の警戒ね」


「あぁ、分かった。 所でフラン、お前も姉がいたんだったな。 何か思うところはないか? 私も同じ妹という立場だ。 フランの気持ちを分かち合えるはずだからーーー」


「フ、フランならともかく、どうしてこんな無礼な奴を…………! 地底の住民に嫌われてるとか言うのは禁句なのに……!」


「成る程、禁句ということは事実でもあるんですね。 あまり人付き合いはありませんが、私の洞察力も捨てたものではありませんね」


「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!? コイツほんっっっっとうに大っ嫌いだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」



……御姉様、出来るだけ早くそっちに向かうね。

後、幻月と豊姫……貴女達の妹は、どうしてこんなに濃いのさ…………。






ーーーーー

以上、フランの胃がキリキリ回でした!



多分この面子での良心はフランとヤマメでしょうね。

いや、他の二人が濃すぎるのか……?

どちらにせよ、ヤマメはレミリア同様喉が鍛えられるかもしれません(笑)



それでは又次回にてお会いしましょう!

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