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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第5章~黒歴史魔女、参上~
272/283

凶悪な姉妹、その妹

どうも、東方転妹録最新話更新です!



……えー、色々遅くなってすみません。

作者のリアルがリアルなだけに……院試も近いため、暫くこの調子が続くかと思います。

どうかお付き合いいただけると幸いです。


さて、今回はシリアスでもないけども真面目です!

後少しグロい描写がありますので、御注意ください!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー数分後、人里上空。

ーーーーside フラン



遠くに見える景色は異様な霧に覆われているものの、その姿は懐かしく、私の胸中に此処での思い出を巡らせる。 紫さん越しに、一戦交えるまで簡単な上に一方的な面識しか無かった当代の博霊の巫女曰く、最近は木っ端妖怪が暴れまわっているらしいけど、そんな様子には見えない立派な光景が足元に広がっていた。



「ふむ、ここが幻想郷にある人里か……文明レベルを考えると、中々立派な里じゃないか。 結界もしっかり張っているようね」


「うん! ここは私にとっても沢山の思い出がある里なの! ただまぁ……かなり長い間来てなかったから、色々様子は変わっているみたいだけど」


「ほわぁー……! ここが地上の人里かぁ。 明らかにレミリアさんとルーミアのモノっぽい霧を弾く結界を張ってるなんて、地上の人里って凄いんだねぇ」


「んー、依姫とヤマメは会ったことないと思うけど、この結界はね? 京の都を護っている聖獣達が緊急時用にって用意してくれてたの。 京の都を滅多矢鱈に離れるわけにはいかないから、その代わりにってね。 きっと里の誰かが発動させたんだと思うよ」


「ん? となると、フランは聖獣にも顔が広いのか? 本当に一度、フランの人脈を把握してみたいものね」



そんな会話をしつつ、結界を破って人里に入るわけにもいかない私達は、人里を迂回して紅魔館へと進む。 ただ、次の目的自体は明確には決まっているわけではない。 今までの記憶を頼りに、とりあえず紅魔館に戻って誰かいないか、何かしらの情報がないかを確認しようと、人里を越え、霧を祓いながら紅魔館を目指して進む。

……ひたすらヤマメを警戒する依姫を宥め、依姫に怯えるヤマメを背に庇いながら…………。













ーーーーー十数分後、紅魔館上空。



どうやらヤマメから聞いていた幻想郷での戦いは、私の予想を遥かに超えて激しいものとなっていたようだ。 これはのんびりとしている暇はない。 御姉様達の戦いの前には盾にしかならないとしても、すぐに生き残っているメイド達を率いて御姉様達を探しに行かねばならない。

……そう判断する程に、空に浮かぶ私の眼下の光景は酷い有り様だった。



「……ほぅ、何か大きな建物があったようだが…………こうなってしまっては瓦礫の山でしかないな」


「そんな……!? 私が皆といた時は紅魔館から離れた場所にいたはずなのに……!」


「幻想郷全体が戦場、ね…………依姫! ヤマメ! 瓦礫を退かすのを手伝ってもらっていいかな? この様子だと瓦礫に埋もれたメイド達は全員一回休みになっただろうけど、地下にいたメイド達ならまだ戦力になるかもしれないから!」


「分かりました! 確か地下に繋がっていたのはあの辺りでしたよね!」


「一回休み……? あぁ、そういえば妖精達は死んでも時間を置いてまた復活するんだったわね。 よし、それじゃあ私も手伝うとしよう」



御姉様達と幻月夢月姉妹の戦いの場となってしまったであろう、原型を留めていない紅魔館。 その瓦礫を、ヤマメが吐き出した土蜘蛛の糸がまとめて絡めとっては何度も何度も大きな塊を形作り、その塊達を私と依姫が脇へと退けて地下への道を掘り出していく。 それを繰り返すこと数分、私達幻想の存在によってあっという間に掘り出された地下への道からは、誰かの気配が漂ってきていた。



「っ! 見えたぞフラン! 地下への階段だ!」


「よし……! すぅ……誰かー!! 誰かいないー!!!? 私だよ、フランだよー!!!!」


「…………っ……!? ……ま!? い……ま!! 妹……すか!?」



地下への道、地下へと繋がる螺旋状の階段を見つけた私はすぐに宙で身を踊らせ、階段に降り立ち暗い闇へと呼び掛ける。 するとすぐに感じていた気配の主達が動きだし、下から階段を駆け上がり始めたようだった。 しかし誰かが階段を上ってくるまで動かずに時間を浪費する訳にはいかない。 一刻も早く事態を鎮静化しなければ、御姉様達も無事ではなくなってしまうかもしれない……そんな気持ちが私の体を突き動かし、吸血鬼の目が闇に馴染む間もなく、私は依姫とヤマメを置いて声のする方へと真っ逆さまに飛び出していた。



「誰かいるんだね!? どこ!? 私も今そっちに行くから!」


「い……様! だ……!! こちらに来て…………!!」


「そっち!? ……いた! そこだね!!」



私や御姉様、くるみを吸血鬼たらしめる一つ、吸血鬼の瞳。 闇をも超えて遥か遠くを見通すことの出来る瞳は、何故か体を縛られ、階段の途中に一人放置されたメイドを視界に納める。 そのメイドは私の専属メイド隊A班からE班の内、B班の班長を務めていた妖精メイドのようだった。 紅魔館を破壊されていたこと、御姉様達が本当に危ないかもしれないこと、刻々と過ぎていく時間……それら全てが私の気持ちを逸らせ、どうしてメイドが一人でそこに放置されているかなどといった疑問を浮かべる余裕すら奪う。 しかし、メイドの一声が余裕のない私を、とりあえずその場に、メイドから数メートル離れた所に留めてくれた。



「駄目です妹様! こちらに来てはなりません! 私は罠です!!」


「えっ!? なっ……ど、どういうこと!?」


「早く! 早く私から離れてくださ、いっ!!!?」


「っ……!!」



必死に叫ぶメイドの腹を裂くように飛び出してきた一つの影。 その影はメイドを真っ二つに引き裂きながら私へと迫り、鋭い拳の一撃を叩き込んでくる。 私はその拳を左手で払い退け、収束させた妖力弾、妖力レーザーを影へと撃ち込みながら一旦距離を置く。妖力レーザーが当たった手応えはあった、けど効いた手応えは無かった。 そして私の感想が正しいと言うかの如く、何事も無かったかのように私と宙に浮いて向かい合う影。 その影の主は…………。



「……成る程、だから姉さんに傷を負わせられるわけですね。 その反射神経、妖力の収束速度、的確な狙い、本当に素晴らしいです。 貴女が生きていてくれて良かった…………一度、戦ってみたかったものですから!!」


「貴女は、夢月……!!!!」



私を倒した幻月の妹、夢月その人だった……。






ーーーーー

以上、フランと夢月の会敵回でした!



うん、メイドさんごめんなさい。

妖精だから一回休みっていうのは作者としてはありがたい……そしてあんな扱いしやすくて、思わずしてしまうんです!

まぁいくら紅魔館の妖精メイド(ルーミア・さとり指導済み)とはいっても、夢月相手ではああなります。



それでは又次回にてお会いしましょう!

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