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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第5章~黒歴史魔女、参上~
260/283

※フランは本気でこう考えました。

どうも、東方転妹録最新話更新です!



もう完全に隔週更新になっていますが、本当にごめんなさい!

リアルが追い付かないのです……orz


しかしそれでもやっとフランとある姉をメインに書けたから、作者的には今満足していますf(^^;



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー数十分後、紅魔館前。

ーーーーside フラン



星になり、すぐに流れ星に変わって落ちてきた文お姉さんを回収しつつ一旦戻ってきた紅魔館。

そこで手に入れた新しい情報は、私の、私達の中に焦りを生み出した。



「もこたんそれ本当!? 巫女さんが動き始めたって……」


「もこたんはやめ……なくて良いからそんな泣きそうな目をしないでくれ。 そうだ、美鈴が唐突に戻ってきて伝言を残していったのさ。 美鈴自身はそのまま博麗の巫女を落ち着かせに向かっていったけどな」


「博麗の巫女? 何それ美味しいの?」


「姉さん、食い意地を張ったら意地汚く見えるよ?」


「ちょっ、食い意地を張ったわけじゃないし!? 博麗の巫女ってのが何なのか知りたいだけだよ!?」


「えっとね幻月さん、博麗の巫女っていうのは妖怪や神の皆で祭り上げて育て上げた幻想郷の象徴みたいな存在なの。 幻想郷の隔離結界の中心地になる博麗神社にいつもいて、幻想郷内で何か起きれば対処に出るとっても強い巫女さん。 後、勿論人間からも信仰はされてるし、当代の巫女さんは中々人間よりだから尚更人間からは感謝されてるみたいだね」


「へぇー、フランだったっけ? 教えてくれてありがとうね。 ただまぁ……いくら強いと言っても、私よりは強くないでしょ?」


「姉さんより弱いのなら、私にとってはその辺の石ころにもなりませんね」


「OK夢月、ちょっと姉の威厳っていうものを知らしめてあげようか」



博麗の巫女が動く。 それは下手をすれば『狩り』をしている皆が退治される可能性があるということ。

勿論、御姉様達はもう狩りをやめているし、『狩り』に参加している他の皆も実力者揃いだから、退治される可能性が高いわけではない。

でも、博麗の巫女の強さは本人の実力のみに留まらず、その勘の良さと運の良さによって支えられていると言ってもおかしくはないだろう。

どんな戦いでも、向き合う両者の実力を越えて起きる偶然というものは、恐怖以外の何者でもない。

その偶然が勝利を呼ぶのならいいけど…………それでも、望んでいない形での勝利をもたらすこともあるかもしれない。

……しかし、今目の前で一触即発のような、ただ単に弄ばれているだけのような幻月と、その妹である夢月なら、偶然すら抑え込める程の実力を持っているかもしれない。

最凶姉妹と呼ばれた、彼女達なら…………。



「遠慮します。 色んな意味で姉の威厳らしい何かというものは知っているから。 それより、フランさんが困ってるみたいですよ。 話を聞いてあげてください姉さん」


「ぐぅぅ……!? し、しょうがないわね。 えっと、待たせて悪かったわね、それで私よりは強くないんでしょ? その博麗の巫女って奴」


「うーん、どうなんだろう……巫女さん達の勘の良さというか、運の良さみたいなのは馬鹿に出来ないし……というか、幻月さんが実際どれくらい強いのか知らないし…………」


「ふぅん? それはまぁ、確かにそうよね。 貴女は私と戦ったことがあるわけでも、戦っている姿を見たわけでもない。 それに私も博麗の巫女とやらの実力を知らない。 そこから判断しろなんて、私にも貴女にも普通なら無理な話…………でもね、貴女は感じなかった? 私を一目見た時、ぞくぞくってくる感覚を…………」


「えっ…………」



夢幻館で会った時から今まで見せてこなかった、まるで品定めをする猛獣のような鋭い視線を向けてくる幻月に戸惑い、思わず周りの皆を見渡す。

夢月は幻月と同じように私を見つめ、御姉様やさとり、もこたん達は細く笑みを浮かべて幻月と夢月に視線を動かし、小傘は私と同じように戸惑いながら皆を見渡していて、オレンジやエリー、くるみちゃんは静観、幽香さんは…………笑顔なのに笑ってない目で幻月と夢月を見つめていた。

……正直に、ハッキリと言おう。 幾らなんでも初めて会った時にルーミアから顎を打ち抜かれていた姿を見て、どうしてぞくぞくなんてするだろうか。

私は別に誰かが痛め付けられてるのを見て興奮するサドなつもりもなければ、逆に痛め付けられている誰かを羨ましがるようなマゾでもない。

嗜好は至って普通な吸血鬼だ。

とはいえ、それ以外にもぞくぞくするような視点が存在するのかもしれないのなら…………まぁ、これがさっきの考えよりも可能性が高いことなのかもしれない。

だったら、私はハッキリと断っておかないと、勘違いされてもお互いのためにならない。

幻月や夢月とは、これから良い仲でありたいと思っているんだから……。



「えっと、幻月、さん?」


「あぁ、忘れてたわね。 呼び方は幻月で良いわ、なんだか変な感じだし。 それで、ぞくぞくしなかった……?」


「あの…………あのね、幻月。 私のこともフランって呼んでくれると嬉しいんだけど、その……」


「何よ、じれったいわね。 それで、早く言いなさいよフラン! 私を一目見てぞくぞくしたって!」



私の肩を掴み、すごい勢いで迫ってくる幻月から身を引きつつ、お互いの体の間に両手を差し込んで隙間を空ける。

私に幻月が掴み掛かった瞬間に一歩踏み出し掛けた御姉様達も、私がまだ無防備なままではないことを確認したのかその場で踏み留まっていた。

そして、そんな皆の姿に勇気付けられた私は幻月を傷付けるかもしれない恐れに打ち勝ち、一言、ハッキリと断った。



「……わ、私! 幻月に一目惚れなんてしてないよ!!」


「…………………………はい?」


「「「「「………………えっ?」」」」」


「……あぁ! そういうことか!! わち……こほんっ、私にもやっと理解できたよ! 流石フラン、勘が鋭い!!」


「……っ! ……っ!! ……くふっ!! ふふふっ…………!!!!」



私の大きくハッキリと叫んだ一言で、小傘と幽香さん以外は何故か幻月同様に呆気に取られていて、小傘はやっと状況が理解できたのか先に感付いていた私のことを褒めてくれて、幽香さんは堪えきれないといった様子で口元とお腹を抑えて笑っていた。

どうして幻月以外の皆が固まって、幽香さんは笑っているのかは分からないけど…………案外、この場にいる中では、本当に小傘が一番まともなのかもしれない。



「ちょ、ちょちょちょっと!!!!!? そうじゃない、そうじゃないわよ!!!!!! 気付かなかったの!? 本能的に、こう命の危機というか虫の知らせみたいなのがびびって来なかった!? 私から滲み出る強者の空気とか、感じなかったの!!!!!!!?」


「だって、初めて見た時にはルーミアに顎を打ち抜かれてたもん。 確かに私は強さに惹かれることもあるけど、流石にあれだと……」


「ぐっ!? た、確かに打ち抜かれはしたけど……ってそうじゃなくて!! そういう惚れたの腫れたのって言うような話じゃないんだってば!」


「またまたぁ~? わち、私は素直になるべきだと思うよ? フランに良いとこ見せた自信があったんでしょ? 残念ながら顎を打ち抜かれた瞬間を見られちゃったわけだけど」


「だぁから違うって言ってんでしょうが、って夢月!? どうして貴女まで笑ってるのよ、っていうか皆笑うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」




腹を抱えて転げ回る皆に向かって叫ぶ幻月の姿を見て、やっぱりここでは返事を保留しておいて、後から断るべきだったかと反省しつつ、せめて謝罪の気持ちを行動に変えておこうと幻月をからかう小傘を止めに入る。

今度から幻月がこのことで皆にからかわれることの無いように、後で皆に手を回しておこうと決めつつ、最早私では止めようもない状況を見て、私は早々にどうにかすることを諦め博麗の巫女をどう宥めるか考え始めた。

そして、私がある程度思考をまとめ、皆が落ち着き幻月が叫び終わるまでに十分以上掛かったのだった……。





ーーーーー

以上、フランと小傘の天然炸裂&幻月崩壊回でした!



いやね? キャラ崩壊させる気はなかったんですよ。

気がついたら崩壊してたんです、偶然なんです(メソラシ)

偶然って、恐ろしいですよね?(メソラシ&トオイメ)



それでは又次回にてお会いしましょう!

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