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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第5章~黒歴史魔女、参上~
257/283

カオスはきっと、連続に

どうも、東方転妹録最新話更新です!



えー、今回から例のメンバーが再び揃います。

……えぇ、カオス必死ですよ、本当にorz


そして動かすキャラ多すぎんよ、この忙しいときに(自滅)



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー十分後、夢幻館の門。

ーーーーside 幽香



かつて、幾ら本気でなかったとはいえ、私に黒星を刻んだ数少ない相手の一人、フランドール・スカーレット。

振る舞いこそ、さらに可愛く幼くなっているものの、かつての実力は失ってはいない。

そしてその実力は先程遺憾無く発揮され、フランの追っかけの唐傘妖怪がぼろ切れのようになったフランの姉、レミリア・スカーレットを担ぐ結果を生んだ。

ついでに、フランの実力を見て怯えきった一匹の妖怪がその場から去って良いのか分からずにここまで着いてくるという結果を生んだこともここで明らかにしておこう。



「一騒動終えて、その上湖まで一緒に渡った上で今さらだけど貴女、確かこの辺りをうろついていたオレンジとかいう妖怪だったわね? さっきのフランを見てどう感じたかしら?」


「ちょっ、本当に今さらな上に唐突なことを聞かないでよ!? え、えっとフランってあの方のことよね……あ、あー、とても強く、美しい方だと感じましたです、はい」


「……怯えている者は言葉がおかしくなるなんて法則があったかしら? それで、フランへのおべっかは良いから、本音は?」


「目が笑ってないのに笑顔で実の姉にマウントポジションをとってふるぼっこにしてる姿は本気で恐ろしかったです。 ……実の姉で合ってるのよね、あの人?」


「えぇ、合っているわ。 それにしても聞きなれない単語を使うのね。 まうんとぽじしょんだったかしら?」


「幻想郷の外から流れてきた言葉ですよ! 今ひっそりと幻想郷の影で流行になり始めているんです!」


「へぇ……私も勉強してみようかしら?」



確かフランも大陸の方の出身だったと思いながら視線を動かす。

大陸の出身なら知ってるかもしれないし、そうでなくとも前世の知識で知っているのかもしれない。

聞いたところ、今いる世界からしてみれば未来の文化に生きていたらしいし、文化に対しての理解は私よりも遥かに深いだろう。

そんな思いを抱きながら、フランと目があった時、私は疑問符を沢山浮かべることになった。



「……幽香さん、もしかしてこれがドSへの目覚めのきっかけになるのかな…………?」


「ドS? フラン、それはどんな意味の言葉なの?」


「えっ!? あっ、えっと……その…………あぁっ! あそこに誰かいるよ!」


「露骨に話を逸らしてきたということは、あまり良い意味の言葉では無さそうね…………ねぇ、フランの追っかけの唐傘妖怪、貴女はどう思う?」


「わちきは小傘だよ! っていうか別に追っかけじゃないし…………うーん、目覚めって言うぐらいだから、何かの性癖とかかな?」


「そう、性癖、ねぇ…………」



ドSとは、何か特殊な性癖のことなのだろうか?

まうんとぽじしょんという言葉を学ぼうとしたらフランがそう反応したということは、きっとまうんとぽじしょんに何か大きな意味があるに違いない。

そうなるとその言葉を知っていたオレンジもまた、ドSということになるのだろうか……。

そんなことに思考を巡らせつつ、抱いているフランが指差す方向へ足を進める。

足を進める先にいるのは、私にとっては懐かしい、フランにとっては初対面となる相手。

…………その相手の名前を思い出すと、思わず牛乳を飲みたくなってしまうのは何故だろうか?

そんなことを考えている内に、フランの指差す相手、夢幻館の門番が私達に……正確には、私に気づいた。



「あ…………あぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!? エ、エリー!!!! エリィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!」


「ちょっと、御客の前でそんな大声を……あぁ、いっちゃったわね」


「えっと、大丈夫なのかな? それにあの子、くるみちゃんだよね?」


「あらフラン、あの子のことを……って、夢幻館のことを知っていたのにあの子を知らないわけないわね。 それも前世の知識の賜物? フランの言う『箱の玩具』に出ていたの?」


「うん! オレンジも出てたし、あのくるみちゃんって子が同じ吸血鬼なのも知ってるよ! ただ、ちょっと気になることもあるんだけどね……」


「気になること? それはーーー」



門の中へと走っていったくるみを放ったまま、フランの話に疑問符を浮かべるオレンジと、続きを促そうとする私。

しかしこの時、久々に夢幻館に訪れた私は忘れていた。

……くるみが、時々とんでもないことを言い出すことを。



「ーーーエリー聞いてよ!!!! エリーってばぁぁぁぁぁぁ!!!!!! 幽香様が子供を生んでるよぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!」


「ちょっと待てやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!? 誰が!! 誰の!!!! 子供だってぇぇぇぇぇぇ!!!!!? フランは私の唯一の血族で可憐且つ可愛く愛しい最愛で自慢の実の妹だぁぁぁぁ!!!!!!」


「ひゃうぅぅ!!!? レ、レミリアさんが復活したぁ!! ってかわちきが驚かされたぁぁぁ!!!!!!」


「うわぁぁぁぁぁぁ!!!? ま、また槍でつつきまわされるぅぅ!!!!」


「…………っ……!!」


「貴女達!! フランが驚いてしまうから静かにしなさい!!!! えぇい、さっさと中に入るわよ!」



一気に騒々しくなった周囲を一喝し、皆の大声に驚き固まったのか、それともレミリアの愛の叫びに恥ずかしくなったのか、鼻先を押し付ける勢いで顔を私の首もとに収めるフランの首筋を片手で撫でてあやしつつ門の中へと歩みを進める。

そして、馬鹿くるみのせいで胸元のリボンを紅く光らせつつ復活してしまったレミリアが私の横に浮かびながらフランの頭を被っている帽子の上から頭を撫でると、フランは頭を撫でられやすい位置に動かしながら私の首筋から鼻先を動かさないという器用な動きをしているのを見る限り、先程の考えは後者であったことは容易に推測できる。

……なんだか、とてつもなく悔しいのにフランの実の姉というだけで納得してしまっている自分に苛立ってしまった。

というか、レミリアは『狩り』のせいでフランに怒られていたのではなかったのか。

『狩り』すらも細事とでも言うかのように、あんなに怒っていたフランはレミリアの愛を受け入れている…………姉妹愛とは、昔から変わらず訳のわからないものだ。

あの姉妹のように、この吸血鬼姉妹にもそんな訳のわからない絆というものがあるのだろう。



「ほ、本当に幽香様の娘なの!? ま、待っててくるみ! 幽香様の御迎えに加えて御嬢様を迎え入れるのにこんなに取り乱していてはいけないわ! 少し息を整える時間をーーー」


「ーーーそんな必要はないわよ? 貴女達の驚きも分からないでもないし、ちゃんと迎えようとする気持ちがあるならそれで良いわ。 ねっ、フラン?」


「うん! 気持ちだけでも嬉しいもん! それにちゃんと礼儀正しくしようとしてるだけでも偉いと思うよ?」


「あっ、ゆ、幽香様……!」


「……有り難き幸せにございます。 幽香様、御嬢様…………!」


「フ、フラン……いや、フランさんってこの屋敷の御嬢様だったの!? それならあんなに凄いのも納得かも……」


「ちょっと待ちなさい!? まずはフラン、貴女が風見幽香の娘ではなく私の唯一の血縁であり妹であることを説明しないと!!!? それとそこのくるみとかいう吸血鬼! 貴女も私と同じ吸血鬼ならばもっと考えてからモノを言いなさい!! 誰もフランが風見幽香の娘って言ってないでしょ!? そしてそこの鎌持った従者も少しは確認しなさいよ!!!? 主の家族関係くらい裏を取りなさい! そしてオレンジとかいう蜜柑みたいな名前の奴! フランと風見幽香の強さを考えれば納得してしまう気持ちは分かるけど違うわよ!! それに貴女さっき私の叫びを聞いていたでしょうが!! っていうかどうして私はツッコミをこんなにしているのよ!? 鬼畜さとりも馬鹿ルーミアも変態こいしもムッツリぬえもその他諸々もいないのに!!!!!!」


「あっ! わちきフランから聞いたから知ってるよ! 最後のそれ、フラグって言うんだよね!?」



最早、この場は言葉で収拾できる場ではなくなった。

素直なフラン、特に取り合わない私、おっちょこちょいなくるみ、天然なエリー、勘違い中のオレンジ、ツッコミが冴え渡るレミリア、色々取り合ってられないフランの追っかけの唐傘妖怪…………今この場を誰かが収めるには、フランと私以外を力で黙らせる他無いだろう。

そして、フランは場の混沌っぷりに気付いていないし、力で黙らせるなら私以外に適任はいない。

……しかし、私は力を用いたりはしなかった。

何故ならば、比較的冷静なフランと私だけが気付けたが、新たな混沌の材料が背後に現れたからだ。

これから更に混沌に陥るであろう場など、私やフランにも手をつけられたものではない。

せめて、見ていて楽しくなるようにするだけだ。


「ねぇフラン? アレは外してあげるの?」


「うん、ちゃんと反省したみたいだし、外してあげるね! せーの、キュッとしてドカーン!!」



その瞬間、私に抱かれたまま私の後ろに目をやるフランが手を動かした感触が伝わってくると同時に、大きな破裂音が辺りに響き渡る。

その音にレミリア達も気付いて音のした方へ振り向き…………。



「……フラグを回収してくれてありがとうございますレミリア。 おかげでこの場に登場しやすくなりましたよ!」


「あっ、第三の目を閉じてても今はお姉ちゃんの本音が分かるよ! おかげでお姉ちゃんは御義姉様を、私はフランを襲いやすくなりましたって!!」


「いやフランは襲わせないから!? 私の名に掛けてヤラセはしないし、何よりさとり! フラグ云々関係無しにレミリアから緊急召集の通知が来たから反応追ってきただけでしょうが!!」


「ぬえも立派なツッコミに育ったのだー…………まっ、そんなことはさておき、フランからの御許しも出たから、場の収拾も兼ねて人のことを馬鹿っていう大馬鹿御義姉様にお仕置きなのかー!」



直後、主にレミリアを中心に阿鼻叫喚の図になったことをここに伝えておこう。

そして、私とフランは非常に平和だったことも……。





ーーーーー

以上、カオスの序破急&フランさりげなくS回でした!



もうレミリアの連続ツッコミも板に付いてきましたね!

そしてぬえもこっそり連続ツッコミを習得し始めてますね!

最後になんだかんだで皆を許してしまうフランは可愛いですよね!

……理不尽の犠牲になった方々?

ほら、あまり回りを気にしない妖怪の暴走に巻き込まれたんだからしょうがないです、うん。

況してや最大勢力の暴走とか、もう、ね……?


それではまた次回にてお会いしましょう!

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