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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第5章~黒歴史魔女、参上~
251/283

式候補、全て狩るなら、害は無し(五七五)

どうも、東方転妹録最新話更新です!



えー、今回はシリアスなのかホラーなのか……?

リアル◯ごっこでは佐藤さんだったりB型だったりと、狙われる対象がありましたが……今回は、式候補です!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー1週間後、とある森の中。

ーーーーside 小傘



「はぁっ……はぁっ……急げ、この森を抜ければ紅魔館の裏に着く。 そうしたらフランと合流して、『狩り』を止めさせるように頼めば良いだけだ。 そうだよな、椛?」


「え、えぇ……フランさんが三日前にマヨヒガから紅魔館に帰っていることは確認済みですし、今日はレミリアさん達が『狩り』を知られない為にフランさんを外に出さないようにしていることも確認しています……!」


「よし……おい、あいつらの一番の狙いは小傘、お前だ。 いいか、絶対気を抜くんじゃないぞ……!」


「う、うん……」



息を荒くし、必死に足を動かしてフランを探し暗く深い森の中をさ迷う。

周囲を警戒してくれている椛さんと、いざという時のために力を温存している妹紅さんの二人も疲れからか、息を乱していた。

……どうしてわちきはこうして逃げつつフランを探すことになったのか。

星さんは既に白蓮さんに捕まり、にとりさんは烏天狗達に狩られ、妖夢は幽々子さんが召還した蝶に揉みくちゃにされていた。

チルノと大ちゃんはこいしに一回休みにされ、ヤマメさんとパルスィさんはレミリアさんとさとりさんに磔にされている光景を目にしている。

お燐さんとお空さんは鬼の二人に捕まり酒まみれにされ、小悪魔さんはぬえにぼっこぼこにされていた。



「……いたぞ、こっちだ! 小傘と椛、妹紅もいる!」


「くっ! 結界で隠れてましたか……二人とも! 追っ手に見つかりました!」


「ちっ……二人とも霊力、じゃなくて妖力を身に纏って全力で走れ! 鈴仙の二の舞になるぞ!」


「う、うん!」



後ろから慧音さんの掛け声が聞こえ、幾つかの足音と複数の風を切る音が響いてきた。

わちきは妹紅さんの言う通りに妖力を身に纏い、強化された身体能力をもってして全力で先の見えない森の中を駆け抜ける。

……逃げながら抵抗しても、鈴仙さんのように投射された諏訪子さんの鉄輪に切り裂かれることになる。

現に先程響いてきた風を切る音に追い付こうとするように、わちきの左脇を一つの鉄輪がすり抜けていった。



「ふふっ……森の中で私から逃げようとしても無駄よ?」


「なっ!? くそ、風見幽香か……二人とも空を飛べ! ここは私が押さえておく!!」


「妹紅さん!? しかしそれでは貴女が……!」


「良いから早く行け! フランに会うより先にあいつらに捕まったら死ぬぞ!! ……大丈夫だ、後で必ず追い付くよ。 私は……不死鳥だからな!」


「くっ……い、生きててね妹紅さん! わちき、フランと一緒にまた会いに来るから!」


「おう!」



風見幽香の能力で操られた草木が私達を捕らえんと枝を、蔦を、蔓を伸ばしに伸ばして絡み付こうとしてくる。

しかし妹紅さんの炎によってそれらは焼き落とされ、わちきと椛は空へと逃れることができた。

そして一人炎を奮い戦う妹紅さんから視線を外し、目的地である紅魔館のある方向へ視線を動かす。

……もう少し、もう少しで紅魔館に着く。

もう紅魔館は見えてきているんだから、後は紅魔館に入ってからフランを探して、『狩り』をしている皆を怒って貰うだけだ。

しかし、そう考えた直後に私の前に現れた最後の障害は、私と椛を絶望に叩き落とすには十分すぎていた。



「……雛、ナズーリン、ムラサは処分した。 残るは、お前達だけなのだー」




















ーーーーー二日前、紅魔館、フランの部屋。



「……えっ? 紫さんと藍さんみたいに、わちきがフランの式ってやつになるの?」


「うん! あっ、でも小傘が良ければで良いし、式になったからと言って紫さん達みたいにしっかりと主従関係を持たなくちゃいけないわけじゃないからね! もっと、なんて言うんだろう…………そうそう! 本当の姉妹みたいになるだけだよ!」


「なんだか、レミリアさんに串刺しにされそうな話だね……」



マヨヒガからフランが紅魔館に帰ってきたと慧音さんから聞いた翌日、フランから直接招待されたこのお茶会の場で、こんな突拍子もない話を聞くことになるとは思わなかった。

驚きながらもレミリアさんに串刺しにされる光景を想像して震え上がるわちきの姿を見て、フランはからからと楽しそうに笑う。



「あはは! 大丈夫だよ小傘、その時は私が守ってあげるから!」


「んー、それなら大丈夫、なのかなぁ? わちきの寝首を掻かれそうな気がするよ……」


「なら寝る時も私が一緒に寝てあげる! そしたら小傘に何か起きそうになってもいつでも守ってあげられるもん!」


「……ぷっ、ふふ……あははっ! そこまで言われたらしょうがないね! 安心できるや!」



正直に不安を表に出すわちきを安心させようと、必死に身を乗り出してわちきを守ると何度も言ってくれるフランの姿に、思わず笑いが込み上げてくる。

そして遂に破顔し、笑いながら承諾に近い言葉を返したわちきに、フランも今度は安堵に満ちた笑みを返してくれた。

しかし、フランの式となるなら紅魔館に住み込むことになるんだろうけど、そうは言ってもわちきもすぐに紅魔館に住み込む訳にはいかない。

今までお世話になった慧音さんや人里の人達にお礼と挨拶をしておかないといけないし、この前お団子を御馳走してくれたおばあちゃんにお礼の品も渡していない。



「よし、じゃあわちきも一旦身の回りの整理してこなくちゃね。 紅魔館に住み込むことになるんでしょ?」


「うん、そうなるね! 手間を掛けてごめんね? 何か手伝えることあるかな?」


「うーん、特にはないよ。 ほとんど挨拶回りだし……あっ、式になるのは身の回りの整理終わってからで良い?」


「良いよ! 私も色々準備しておくね!」



身を乗り出した勢いのまま抱き着いてきたフランを抱き締め返しつつ、これからの予定を頭の中で組んでいく。

その時、何となく浮かんだ疑問を私は戸惑いなく口にし……これが、後に『狩り』の原因になるとは考えてもいなかった。



「あっ、そういえばわちきを式にしようと思ったのはどうして? 何か条件を満たしてたとか?」


「えっとね? 小傘なら一緒にいてとっても楽しいし、所々しっかりしてるし、何より主従関係とか気にせずに一緒に過ごせると思ったからだよ! 技術的に式にするための条件もあるけど……失礼だし言いづらいけど、私より妖力や魔力がある程度弱い相手じゃないと無理なの。 だからルーミア達とかは最初から無理だったんだ」


「へぇー、まぁ端からフランに妖力や魔力の多さで勝てるとは思ってないし、気にしなくて大丈夫だよ! まぁあれだね、ルーミア達はフランの家族にはなれても姉妹にはなれない運命だったんだね!」


「ふふっ、家族にはなれても姉妹にはなれないって、なんだかおかしい矛盾だね!」


ーーー……ビキビキビキッ…………!



特にわちきがフランより弱いこととかは気にしてないけど、逆にフランが気にしてしまっていたから冗談を一つ飛ばしてみる。

それでフランが笑ってくれたからよかったんだけど…………この時、壁から小さく響いた音に気付けていたら、何かが変わっていたのかもしれない。





ーーーーー

以上、リアル◯ごっこ回でした!



……原因、小傘の不用意な質問。

……結果、式候補の狩り(狩り側視点で当てはまった式候補)。


きゃすてぃんぐ(本作の設定とは関係ありません、一部以外)

……フラン、平和。

……小傘、主人公。

……妹紅、フラグ。



それでは又次回にてお会いしましょう!

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