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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第5章~黒歴史魔女、参上~
250/283

フランの式候補とお腹の虫

どうも、東方転妹録最新話更新です!



えー、夏休みなのに休みがないとはよくある話ですよね……orz

しかしフランはそんなことなく、のんびりまったりとしてるので御安心くださいね!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー1ヶ月後、マヨヒガ。

ーーーーside フラン



マヨヒガに泊まり込んで紫さんと藍さんから式を学ぶことが決まった次の日から修行が始まり、気づけば早くも1ヶ月が経過していた。

その間に幻と実体の境界や博麗大結界のような大きな結界とまではいかずとも半径30メートル位の規模の結界なら、強度だけ見れば藍さんの物と比較して遜色ない結界を張れるようになったし、式を従える為の修行も積み、紫さん曰く私よりも妖力や魔力がある程度弱い者であるなら式として従えるようになったらしい。

使い魔契約よりも強固な関係を持てるようになる式を扱えるようになったのは嬉しいけど……考えてみれば、明確な主従関係があるのはあまり好きではない。

……まぁ、式を従えても姉妹や兄弟が増えた程度に思っておけばいいよね!



「さぁフラン、昼の時間だよ。 今日は河童がくれた鮎を粗塩だけで焼いた鮎の塩焼きだ。 おろしとかぼすもあるから、好きなように味を調整して食べてみるといい」


「わぁ……! んー、魚の焼けた美味しそうな匂いって良いよね! 藍さんの料理は本当に美味しいから大好き!!」


「ふふ、嬉しいことを言ってくれるな。 それじゃあ私は配膳をしておくから、フランは紫様を呼んできてもらえるか? フランが呼びにいった方が紫様も喜ばれるからな」


「はーい! じゃあすぐに呼んでくるね!」



食卓を飛び出し、なんだかんだで広く長い廊下を駆け抜けて紫さんの部屋へと向かう。

途中で修行を始めた当初は私を心配した紅魔館の皆が押し寄せてきていた客間の横を通り抜け、今はもう静かになったなとなんとなく考えていると、ようやく紫さんの部屋が視界に入ってきた。



「紫さーん! 藍さんが御飯出来たって! 今日はにとり達がくれた鮎の塩焼きだよー!!」


「あら、呼んでくれてありがとうフラン。 もうそんな時間だったのね……フランが来てから時間が早く過ぎるように感じるわ」


「そうなの? んー、でも確かに、修行してる間は私も時間が早く過ぎてる気がするかも!」


「ふふふ、フランは修行になるととんでもなく集中するものね。 あぁ、修行といえばフラン、私、貴女にフランが式として従えることのできる相手の例とか伝えたかしら?」


「えっ? ううん、私よりもある程度妖力や魔力の弱い相手なら従えられるってことしか聞いてないよ?」


「そう、それなら言っておかないとね。 居間の方に歩きながら話しましょうか」


「はーい!」



閉じられていた襖を勢いよく開き、書き物をしていた紫さんの背中に筆が飛び散らない程度に勢いを落としながら飛び付いた私は、そのまま筆を置き立ち上がった紫さんの手を引いて、来た道を戻り居間へと歩みを進める。

空いた方の手で優しく頭を撫でてくれる紫さんに体を擦り付けつつ、私は紫さんの言葉に耳を傾けていた。



「そうね、分かりやすく身近な存在でフランが従えられる相手の例を挙げるなら…………例えば白狼天狗の犬走椛とか、河童の河城にとりなら簡単に従えられるわ」


「それじゃあ椛を式にしたらいつでも尻尾をモフモフ出来るの!?」


「ふふ、まぁ出来なくはないわよ? きっと顔を真っ赤にして崩れ落ちるでしょうけど。 後藍が椛に嫉妬してしまうわね」


「うーん、この1ヶ月で藍さんの尻尾はモフモフし過ぎたから、後5年はモフモフしてもあまり感動しないかも。 正直、飽きちゃった……」


「……藍にその事は言わないであげてね? 本気で泣くわよ、藍」



段々と強くなってくる塩焼きの匂いで口の中に涎が溢れてくるのを感じつつ、若干の飽きが出始めた藍さんの尻尾のモフモフ感を思い出す。

この1ヶ月の内3分の2位は、夜寝る時もお昼寝の時も、修行の合間の休憩の時もほとんどずっと藍さんの尻尾に埋もれていたせいで正直食傷気味なんだよね。

だからここ一週間はモフモフしてないし、むしろ藍さんの飼ってる子猫の方を撫で撫でし続けてるし、寝る時も紫さんの布団に潜り込んでいたりするんだけど……まぁ、紫さんの言う通り、藍さんにはモフモフに飽きたことは言わないでおこう。

子猫の頭を撫でてる方が癒されるなんて言ってしまったら自慢の尻尾を馬鹿にされたと言って殺されるかもしれない、本気で。



「まぁ、後はそうね…………ギリギリ式に出来るであろう例も挙げるなら、妖夢や唐傘妖怪の多々良小傘でしょうね。 妖夢はめきめきと実力を伸ばしてるし、小傘はなんだかんだで元々の妖力が大きいもの。 そうでなければ、あれだけ人を驚かすことが出来ないのに消滅しないなんてありえないわ」


「小傘って凄いんだね……っていうか、式にするなら小傘が一番良いかも! 一緒にいて楽しいし、絶対ドジをするから元々従者の素質はないだろうし、主従関係を気にしなくて良いもん!! それに妖夢は幽々子さんに仕えてる身だし……第一、勝手に私より大きくなってるからやだもん……」


「それは誉めてるのか貶してるのか、どっちなのかしらね……? 後妖夢は許してあげて頂戴、成長するのはしょうがないし、むしろ喜ばしいでしょう?」


「むぅ……じゃあ今度妖夢がおんぶしてくれたら許すかどうか考える」


「ふふふ……おんぶの理由が知りたいところだけど、良いわ。 ちゃんと伝えておくわね」



そうしてさりげなく小傘を式にすることが私の中で決定し、妖夢におんぶしてもらって悪戯させてくれたら許してあげることも決定していると、気が付けばもう私と紫さんは居間にたどり着き、既に紫さんが襖を開いていた。

藍さんに配膳された塩焼きの匂いが味噌汁の匂いと一緒に居間に満ちており、私のお腹が目の前にある御飯を早く食えと言わんばかりに音を鳴らす。

その音にビックリしつつ、ゆっくりと紫さんと藍さんの顔を見上げてみれば、二人とも笑いながらそれぞれの場所に腰を下ろそうとしていた。



「くっくっ、もうフランのお腹は待ちきれないようだな」


「さっ、早くフランも座りなさいな。 そうしないとまたお腹の虫が騒ぐわよ?」


「そ、それは恥ずかしいからやだ! ほら、座ったから早くいただきますしようよ!」


「えぇ、そうね、それじゃあいただきましょう」



私が慌てて座った後、紫さんの合図で三人同時にいただきますと声を出す。

そしてその後、藍さんの美味しい料理で満たされた私のお腹は夜まで騒ぐことはなかったのだった。





ーーーーー

以上、フランの式候補決定回でした!



……小傘がフランに狙われましたが、作者的にも本気です。

そしてフランの中で妖夢の救済があると…………いいな、うん。



それでは又次回にてお会いしましょう!

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