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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第4章 ~フラン包囲網、拡散~
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私の策は323個あります byさとり

どうも、東方転妹録最新話です!


何とか合間を縫って執筆し、予約投稿しましたが……本当にごめんなさい、コメントへの返事はまだまだ掛かりそうです。

大学には朝8:30から夜9:00~10:00位までいる状態なので、中々時間が取れないのが現状です。


そして今は伏線張りに丁度フランpartを書けない所……うん、他のキャラも書いてて楽しいけど、今はフランに癒されたい……!


そんなこんなで、今回はさとり視点でいきますよ!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー同刻、地霊殿、玉座の間。

ーーーーside さとり



まばたきをする前と、した後。 その一瞬で何かが変わり、何かが上書きされる。

私がふと感じたその違和感は、私の目の前にいる者達の中の一人ーーールーミアが答えを示してくれていた。



「……成る程、また逃げられてしまいましたか」


「ん? どうしたのさとりさん? あっ! この嫉妬しか能のない不人気妖怪はまだ私が捕まえてるから逃げてないよ!?」


「だーれが不人気妖怪よ!? 地底の人気者とか言い張ってる痛々しい土蜘蛛もどきに言われたくないわ! 全国の土蜘蛛と虫の妖怪に頭下げてきなさい!」


「……貴女達はかなり仲が良いのですね?」


「「はぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!?」」



スカーレッツの姉妹愛への嫉妬のあまりレミリアに嫉妬をぶつけるかどうかを悩んでいたパルスィと、レミリアを守るためにまだ手所か文句の一つもレミリアに言ってないパルスィに牙を剥くヤマメの二人は、恐らく二人にとっては真剣でも他の者からしてみれば微笑ましいじゃれあいにしか見えない。

……いや、片や淡い緑色の妖力弾を大きく展開し、片や普段隠している沢山の鋭い足を広げて威嚇している光景は、本来じゃれあいと言える領域を遥かに越えているのかもしれませんが…………フランのレーヴァテインに焼かれるこいしとルーミアや、本物と想起のグングニルをぶつけ合ってまで優位を奪い合う私とレミリアの日々の姿を思い返すと、やはりじゃれあい程度にしか見えませんね。



「……まぁ二人のこれからの微笑ましい友情物語は今後も楽しみにしていくとして、またしてもレミリアに逃げられてしまいましたね…………ルーミア、今度はどうして逃げたか分かりますか?」


「んー、前はフランが地味に危険だってことを虫の知らせで感づいて運命操作してたみたいだけど、今度は本気でフランが危険な状態だってことを魔道具で知って運命操作したみたいなのかー」


「「「……フ、フラン(さん)が本気で危険な状態ぃぃぃぃ!!!!!?」」」



はっ!? なにそれ聞いてませんよ!? どういうことですかフランが危険な状態って!!!!

こうしてはいれません、ルーミアに運んでもらってすぐにフランの所に行かなければ……!!



「ルーミア! お願いします、フランの所に連れていってください!!」


「わ、私も! フランさんが危険な状態って聞いて黙っていられないもん!?」


「もちろん私もよ! 妬ましいだとかパルパルだとかしてる場合じゃないわ!! さぁ、早く!」


「えっ、ちょ、ちょっと落ち着くのだー!?」



これが落ち着いていられるならこの世に怒りと焦り、そして使命感など存在しません!

というかどうしてルーミアは平気でいられるんですか!?

フランですよフラン! フランが危険!! フランが危機!!!! フランが窮地なんですよ!!!!!?

フラン程の実力の持ち主が危機的状況になる……そんな相手がいるところに、レミリアはフランを助けにいった…………つまりこれはスカーレッツの命に関わる最大の危機!

それに、それに…………!!!!!!



「……スカーレッツを手籠めにして全てを堪能するのはこの私だと生まれた時から決まっているんです!!!!!!」


「よし、パルスィ、ヤマメ、さとりを取り押さえるのだー!」


「不安の芽は早い内に摘み取るべき……うん、さとりさん、とりあえずフランさんが見たら泣き出しそうなほど怒った表情は止めておこうよ?」


「……これを見るとどんなに慌ててても平常心に戻れるわね。 さとり、フランの為にもまずは貴女を止めるわ、本気で」


「なっ……!?」



これは一体どういうことなのでしょうか?

私は私の中のただ一つの大きな事実を事実として述べただけ……だというのにどうして私は捕らえられそうになっているのでしょう?

私の中の事実は現実とは違う事実? 私が実行することで現実になるから大丈夫です。

というかフランの為に私を止めるとは……私はただフランをレミリア共々助け、ほんの少し心と心、体と体の触れ合いを楽しむつもりなだけですよ?

…………えぇ、認めましょう、下心は多分にあります。

しかし、フランとレミリアのことを助けたいと思うのは本心ですよ?



「だとしても、その下心が脅威であり過ぎるのかー!」


「えっ、えっ? 今何かさとりさん喋った? あれっ?」


「……こう、地味に嫌な予感がするわね」



脅威だなんてとんでもない、ほんの少しの下心です。

ただ助けた後に、フランとレミリアが何かされていないかを確かめるために体の隅々まで丁寧に調べあげるだけですよ?



「その隅々まで丁寧に調べあげるだけというのがさとりは怪しいのだー! いい加減観念するのかー!!」


「ん? あ、あれ? さとりさん、喋ってる……? いや、喋ってないよね……えっと、どうしてルーミアさんはさとりさんに向けて独り言を……」


「……あぁ、そういうこと。 さとりはルーミアの心を読み、ルーミアはさとりの心の闇からさとりの心を読んでいるのね…………でもそれって私とヤマメは介入できない、つまりさとりとルーミアの二人っきりの世界ってことよね……? …………あぁもう妬ましいったらありゃしないわこんパルしょぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!」


「ひぅっ!? こ、今度はパルスィがおかしくなったぁ!?」



私とルーミアが心の読み合い(ルーミアの方は律儀に言葉で返事をしていますが)をし始めると、間にいたヤマメとパルスィが混乱し始める。

……パルスィの方は混乱というよりも、私とルーミアが心を読みあっていることに気づいて嫉妬を爆発させている状態みたいですが。

そんな二人のことはさておいて、今のやり取りの間に少し頭が冷え、冷静になっていた私にはルーミアに一つ確認すべきことがあった。



「……まぁ、そろそろ二人をからかうのはやめて、一つ確認しますよルーミア? 貴女がそこまで落ち着いているということは、フランが本気で危険な状態といっても、恐らくはフランの命や心に別状はないと捉えても良いのですね?」


「なーんだ、もう終わりなのかー…………うん、それで大丈夫なのだー。 フランはただこいしに本気で貞操を奪われそうになっただけで、フランがちゃんと御義姉様に助けを求めたからもう大丈夫なのかー」


「……例の魔道具ですね。 一体どんな魔道具を使ったのか気になりますが、まぁそれは後にするとして、今はこいしへの罰を考えておきましょう。 それにしてもルーミア? 今更ではありますが、レミリアの運命操作すら受け付けないというのは本当に凄いですね」


「全ては闇の中、全部ぜーんぶ能力を使って闇で呑み込んでしまえばどれも同じことなのかー。 まぁ能力が効かないフランの場合、私の妖力を破壊されたらそれまでなのだー」



ほんの少しだけ真面目な話に戻ると、先程まで混乱していた二人も静かになり、耳を傾けてくれていた。

そしてフランが安全だということに安堵した私の興味の対象は、目の前のルーミアの強さに変わっていく。

全てを闇に呑み込む…………本来、闇に消し去るという表現や闇に消える、闇に呑み込まれるといった表現は、何かの原因を分からなくする、或いは事実かどうか分からないまま時だけが流れてしまった時等に使われる表現だ。

ルーミアが闇に呑み込んでしまえばいいというのも、恐らくは言葉や捉え方としてだけではなく、使用された術や能力の効果が何なのか分からなくすることを指すのだろう。

誰かの認識だけではなく、術式に組み込まれたはずの効果が術式上で分からなくなれば効果は生まれない、それは能力についてもまた然り。

ある意味で、ルーミアは封獣のそれと同じようなことを、封獣以上の精度で行っている。

もちろん闇に呑み込む以外にもルーミアは闇を扱っているが、闇を呑み込むというだけでもその凄まじさが分かるだろう。



「……まぁ、この話はここまでで良いでしょう。 ルーミアにもフランという『天敵』がいる、それだけ分かれば十分です」


「『天敵』でありながら私の『お嫁さん』なのだー!」


「そのお嫁さんから常識ないって思われてることを忘れないようにね? 本当に妬ましいったらありゃしない…………パルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパルパル……!」


「ちょっ!? それはどういうことなのだー!!!? 私は常識あるのかー!」


「多分、洩矢さんにフランさんがルーミアさん並に常識ないって言われた時に、フランさんとルーミアさんの二人共が常識があるんだよって怒ったんじゃなくて、フランさんがルーミアさんよりも常識あるって怒ってた時のことじゃないかなぁ?」


「…………今度、フランにどっちが常識をちゃんと知っているか勝負してもらうのだー。 そして私が勝ったら正式に私のお嫁さんに……!!」


「……まぁ、それはレミリアを筆頭に私達がさせませんがね」



レミリアはもちろんのこと、フランも誰かに奪われる訳にはいきません。

いずれ、二人とも私が頂くのは他の誰にも譲れない私の悲願でもあります。

……これは、そろそろ本気で策を練らなければなりませんね。



「……私の策は、323個ありますよ…………」



そう呟いた私の手元では、一つの本ーーー『スカーレッツ解析情報:著 古明地さとり』が静かにその時を待っていた…………。





ーーーーー

以上、さとり始動?回でした!



うん、全力で逃げろスカーレッツ(笑)

そして何気にこいしも全力で逃げて(笑)



……まぁ、逃げることなくフランはさとりに甘えるんでしょうけどね。



それではまた次回にてお会いしましょう!

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