積もり積もって……
どうも、東方転妹録最新話です!
えー、最近色々と出来てなくて本当にごめんなさい。
もうね、体が足りません、或いは時間が足りません。
テスト期間長すぎるよ…………orz
それでは楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー数分後、紅魔館、フランの私室。
ーーーーside ぬえ
足元に倒れ伏すボロボロになった八雲紫を、息を荒く吐きながら洩矢と共に見下ろす。
洩矢は両手に鉄の輪を、私は左手に槍を手にしているが、それらにはきっちりと八雲紫が流した血がこびりついていた。
「ふっふっふっ…………幾らphantasmボスとはいっても、EXボス二人には敵わなかったようだね!! というかこんなうつけ者に負けて堪るか!!」
「そうそ……って、えっ? ふ、ふぁんたずむ? エクストラってのは前にフランが言ってた玩具のやつだよね……? ふぁんたずむってのは何なの?」
「あっ……あー、まぁ、なんというかな。 EXボスまではフランから聞いてるみたいだからそこは省くけど、EXボスより上の位のボスだね。 八雲紫はフランの言うところの『玩具』のphantasmボスだったわけだよ」
「えぇっ!? で、でもフランは八雲紫がエクストラボスだって言ってたけど……」
「んー、まぁEXボスもphantasmボスも似たようなものだしね。 同じものだと思ってて大丈夫だよ」
少し困ったような笑みを見せつつ、片手間に鉄輪の先で八雲紫をつついている洩矢。
くぐもった呻き声を挙げる八雲紫を横目で見つつ、ふぁんたずむボスとエクストラボスはかなり似たものなのだと頭に叩き込んでおいた。
……これで後でフランと話す時のネタが増えた!
前世の話ならフランも興味を示すだろうし、こいしからフランを奪い返すのもあっさりできるはず…………!
「まっ、それはさておき早く幻想郷の話を進めないとね。 『幻と実体の境界』は弱いながらも張られてるみたいだけど、『博霊大結界』はまだみたいだし……いや、『博霊大結界』はまだ良かったんだっけ」
「……つぅ……幻想郷の、話? それならば寝ているわけにはいきませんわね。 確か貴女もフランと同じ転生者だったと聞き及んでいますけれど、幻想郷の結界について何か気になることでも?」
私がフラン奪還作戦を練っていると、洩矢と八雲紫が本題に写り始めていた。
ここから先は私があまり参加出来ない領域。
だからこそ、フラン奪還作戦のことは頭の片隅に追いやって二人の話に耳を傾けることにした…………別に後でフランに色々報告して御褒美もらおうとか考えてないから!
「結界について気になるというか、幻想郷全体のことなんだけどね。 私やフランが知る現時点での幻想郷と比べて、幻想郷はあまりにも形になって無いのさ。 具体的には…………人と妖怪の数が、あまりにも少ない。 人里には退治屋がほとんどいないし、地底には鬼や忌み嫌われた妖怪達が本来ある程度住んでいるはずなのに、今地底にいるのはかつて封印された妖怪や荒神、そして閻魔から管理を頼まれたさとり達だけだ」
「……つまり、貴女とフランの知るものとこの世界の『幻と実体の境界』では、妖怪を呼び込む力が違うということかしら? 退治屋は妖怪が多くいる場所に勝手に集まるものですものね」
「そういうこと。 だから私はこの世界の『幻と実体の境界』は弱い、そう表現しているんだけど……どうかな?」
じんわりと緊張感が広がり始めたのを体全体で感じながら話を聞いている内に、なんとなくフランと洩矢が気にしていた『原作』の幻想郷と幻想郷の違いの意味が分かってきた。
前に洩矢が幻想郷の形や慣習が出来ていないと言っていたのも、今『幻と実体の境界』という結界が弱いと言っているのも、結局は幻想郷の人妖の数が少ないことを気にしていたんだろう。
ただどうして人妖の数が少ないことを気にしているのかまでは分からないけど……。
「さぁ、それは判断しかねますわ。 私は貴女とフランの知る『幻と実体の境界』の効果の強さを知りませんもの。 ただ恐らく、『幻と実体の境界』が弱いというよりも、この世界の妖怪が強すぎるのかもしれませんわね」
「妖怪が、強すぎる? どういうこと?」
「少なくともこの世界の『幻と実体の境界』とは、ある程度弱った妖怪を呼び込むもの。 つまり妖怪達を弱らせる存在が必要となるのですけれど……」
「あぁ、それなら私やフランの知る『幻と実体の境界』も同じ効果のものだよ。それにしても妖怪達を弱らせる、か…………つまり、強力な退治屋がいないってことなんだね。 そうなると、確かに私も風祝となる自分の巫女を生んでいないけど……でも、流石に一人いるかいないかでそこまで変わるものでもないはずだし……」
黙って二人の側で話を聞いていると、今度は私を放っておいたまま八雲紫も洩矢も二人して腕を組み思考の渦に沈んでいく。
強力な退治屋が何故かいない原因を考えているんだろうけど…………ただ、この時私には幾つか心当たりがあった。
「……ねぇ、多分それさ、フランが原因だと思うんだけど?」
「「……えっ?」」
「いや、だからさ? 強力な退治屋がいないのは、フランが原因なんだと思う」
「「…………はい?」」
やっと口を開くことが出来たかと思えば、八雲紫も洩矢も仲良く気の抜けた返事をしてくる。
まぁ二人からすれば唐突に、かつ身近な妖怪が原因だと言われてるんだから驚きもするだろうけど、私の知る限りでもフランはかなりやらかしていたりするのだ。
「まず最初に、これはこいしから聞いた話だけど、フランとこいしは二人だけでどこかの都に攻めいったことがあるらしいんだけどさ? その時にその都を守っていた強い陰陽師だったかをフランが殺したことがあるんだって。 それに特に強かったわけでもないみたいだけど兵士達や下級の退治屋もかなり殺してたみたいだし」
「あら…………」
「そんでもって、前にフランが一人で風見幽香を訪ねて何日か泊まった時に陰陽師とその兵士達に襲撃されたらしいんだけど、その時もフランと幽香が全員殺したんだって。 まぁこの陰陽師は強かったかどうかは微妙だったみたいだけど」
「ほう…………」
「後はまぁ八雲紫も知ってるはずだけど、中央の都にフランと私とこいしとルーミアの四人で訪ねた時におもいっきりフランがやらかしてたしね」
「「…………成る程。 つまりはっきりと分かることは、原因はフランね(かぁ)」」
二人声を揃えてそう言うと、脱力して深く肩を落としていた。
……まぁ、八雲紫も弱った妖怪を呼び込む効果なんて結界に持たせてるってことは、ある程度大人しい妖怪を幻想郷に集めることが目的なんだろうし、洩矢だって洩矢が気になっていることを解決するには妖怪が幻想郷に集まらないといけないわけだけど…………妖怪達が集まらない原因を間接的に作っていたのがフランだと分かれば脱力しちゃうよね。
それに、ほぼ絶対、確実にフランは自分が原因だなんて気付いて無いだろうし…………。
「……とりあえず、妖怪向けの宣伝でもしてみる?」
「「……フランには絶対手伝ってもらいましょう(もらおうか)」」
まぁ、これはしょうがないのかな……?
ーーーーー
以上、原因はフラン回でした!
……うん、まぁ色々としょうがないのだと思いましょう(笑)
だってフランですから(メソラシ)
それでは又次回にてお会いしましょう!




