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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第4章 ~フラン包囲網、拡散~
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舞台裏の茶番劇

どうも、東方転妹録最新話です!



えー、貯まる一方のコメントへの返事ですが、申し訳ありませんがもうしばらくお待ちください。

理由は例の通り、勉学が佳境を迎えているためです。

いずれまとめて返事をさせていただきますので、御了承下さい。



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー数十分前、紅魔館、フランの私室。

ーーーーside ぬえ



あまりにも突然のこいしの暴走をただ眺めている間に、こいしは八雲紫にスキマを開かせてフランを連れていってしまった。

……いや、正確には一度は私も止めようとしたけど、触らぬ神には祟り無しという言葉が素晴らしく似合うほど恐ろしい笑顔を向けられて手出しが出来なかったのだ。

一度は己だけで人間達の都を恐怖の渦に陥れたはずの私でも、あれはダメだった…………フランに情けない所を見られてしまったとか、どうにかこいしを止めなきゃフランが連れていかれてしまうだとか、そういったことを思い浮かべるよりも先に、もし手を出せば私は死んでしまうと本能で察してしまうほどに。



「……えっと、フランとこいしはどこに送られたのかな?」


「そ、そういえばそうだよね! それで、二人はどこに行ったの八雲紫?」



洩矢が真っ先に恐怖から立ち直り、こちらに背を向けてスキマを閉じていた八雲紫に声を掛ける。

おかげで私も何とか声を絞り出すことができ、さっきまで身体にまとわりついていた重圧感がやっと消え去った。

そんな私達に八雲紫は振り返り……一策を講じてそれが成功した時の軍師のような実に憎たらしい表情をこちらに向ける。



「……ふふふ、それはね? 少しばかり興奮している鼠の所ですわ!」


「少しばかり興奮している……」


「……鼠?」


「えぇ! その鼠によってこいしはフランだけを連れ去る策を破られ、フランを庇うためにその純潔を散らすことになるでしょう! 私をここまで虚仮にしてくれたんですもの、ただでは済みませんわ!!」



どうやら、一策を講じるという例えは見事に的中していたようだ。

してやったりという表情を見事に顔面に貼り付け、今にも高笑いをしそうな程に嬉しそうにしている。

いつの間にか隣に来ていた洩矢は喜んでいる八雲紫にとても呆れた様子だったけど、きっと私も端から見れば同じ様子だっただろう。

それに、いつもこういう時程…………。



「あー、思うんだけどさ? こういう時って大体フランが周りの思惑なんてぶち破るような天然かまして襲われたりすることが多い気がするんだけど……?」


「それに幾らなんでもどこぞの馬の骨にはフランを触らせたくはないだろうし、さっきの発情した鼠とは、恐らく白蓮の所のナズーリンのことだろう? 以前の白蓮解放の時のイザコザもあったわけだし、フランが変に気を使って無警戒になってるかもしれないよ?」


「だよね、それに無警戒なフランほど簡単に相手の間合いに入るのは他にいないよ。 それこそ、こいしが庇えない位の間合いにだって簡単に……」


「それにこの間フラン達に聞いた話だと、これまでも変な計画を立てては見事な落ちまで付けて失敗しまくっているって言うじゃないか」


「だからさ、八雲紫…………」


「それでも本当に…………」


「「……大丈夫?」」



唐突ではあったけど、見事に私と洩矢は息を合わせて八雲紫に疑問をぶつける。

洩矢もフランに手を出したことがあると同時にフランを狙う敵ではあるけど、しかし同時にフランのことに関しては非常に協力しやすい相手だ。

自由奔放なこいしと我道直進なルーミア、最も貪欲に姉妹丼を狙うさとりに、さとりに狙われつつも実の妹に本気で手を出そうとするフランの姉さんことレミリア。

それ以外にも沢山フランを狙う奴はいるけど、そのほとんどが常識なんて溝に投げ捨ててついでに燃やして処分してるような奴等ばかり…………しかしその中に置いても、なんだかんだ常識的な考えを持つのが洩矢だ。

神様だのなんだのとやっているだけあって、ちゃんと常識は弁えているらしい…………自分の巫女を妖怪に生ませようとしたりしてるけど。



「……私とフランはどれだけ信用がないのよ…………ま、まぁ今回は大丈夫ですわ。 私とて日々精進を重ねている身、そう何度も同じ失敗は繰り返しません。 それにあの場には興奮しているナズーリン以外にも小傘がいますから、フランに何かあれば小傘も動いてくれるはずですわ」


「フランはともかく、アンタは悪い意味で信用があると思うよ…………それと、そこまで言うんだったら今からスキマ開いてフラン達の様子を見てみなよ。小傘がいるんだったら尚更、フラン共々やらかしてるから」


「まぁやらかしているかどうかは置いておくにしても、あの様子のこいしと二人きりというのも怖いしね。 フランの安否を確かめてからじゃないと不安で話もできないよ」


「……そうですわね、では様子を見てみましょうか。 何も心配はいらないと思いますけれど」



凄まじい程のどや顔を見せつけつつ、八雲紫が扇を持つ右手を動かして宙を縦に撫で切る。

するとそこにスキマの線が現れ、ゆっくりと開かれていくそれを私と洩矢は身を乗り出して眺めた。



「ーーーーえっ!? ちょっ! 今はってどういうこと!? ど、どうしていきなりそんな……!!」


「さっきは遮られてしまったがな! 私は今『発情期』なんだ!! そんな時に接吻などされては我慢がならない! 私はネズミ上がりの妖怪、だから体の色々な周期もネズミのままなんだ!! すまないが諦めてくれ!!!!」


「は、『発情期』!!!? そ、そんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーー」


「ーーーー待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!! 私のフランを返せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」


「ちょ、ちょっとぉ!!!? あちきを置いていかないでぇぇぇぇぇーーーー」



確か、フランから教えてもらったことにドップラー効果っていうのがあったけど、これがそうなのだろうか。

恐らくナズーリンを座標の中心として開かれたであろうスキマはどこかの上空を写し出し、フランを抱きしめ連れ去っていくナズーリンの姿と、それを追うこいしと小傘の姿を順に写していった。

……この時私の頭によぎったのは三つの考え。

一つ、このままスキマから飛び出してフラン達を追う。

二つ、恐らくナズーリンが連れ去っていったのは白蓮達の所だからまぁ大丈夫だろうと信じてゆっくり八雲紫を絞める。

三つ、問答無用で八雲紫を全力で締め上げてからフランを追う。

……一瞬の間にかなり迷ったけど、少なくとも私と洩矢の最終的な考えは一つの共通点を持っていたのは間違いなかった。



「「……歯ぁ食いしばれうつけスキマ妖怪がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」」


「ちょっ! 待って!? 話せばわかる!! 話せばわかるからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!?」





ーーーーー

以上、ぬえと諏訪子の制裁&(いつもの)紫のオトボケ回でした!



……重ね重ね、紫ファンの皆様、本当に申し訳ありません。

家の紫はこのようにドジっ子なのです。


ドジっ子+天然=周りの苦労 となるくらいです。



そ、それでは又次回にてお会いしましょう!

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