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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第4章 ~フラン包囲網、拡散~
226/283

無意識 + 復活 = ゾンビッ!

どうも、東方転妹録最新話です!


えー、まず始めに更新がもたついて申し訳ありません!

もうね、色々ありすぎましたorz



さて、今回はホラーの続きですよ!


それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー時は戻って、紅魔館一階の通路。

ーーーーside 第三部隊隊長



とても新鮮で、匂いすら爽やかな紅が宙を舞う。

その紅が時を経て床に落ちた時、周囲は一応の静けさを取り戻していた。



「……状況を報告せよ」


「はっ! 敵の殲滅を確認、本部からの増援の報告や気配はなし!」


「尚、負傷者は5名! 内1人が第三部隊所属、残る四人は訓練生です!」


「……確認した。 我々第三部隊並びに訓練生部隊はこのままこの通路を閉鎖する。 負傷者は後方に下がらせ医務担当に治療に当たらせよ」


「了解!」



部隊員からの報告を受けてから、先程まで奮っていた大鎌から血を拭き取り廊下の先を見つめる。

……窓から射し込む光で照らされている廊下には、所属不明のメイド達の亡骸が転がっている。

首を跳ねられた者、胸を切り裂かれた者、一刀両断された者……そのいずれもが、暫くしてから復活し、もしかしたら再び攻めてくるのかもしれない。

しかし妖精を完全に殺すのは自滅行為。

妖精とは自然のそれぞれの要素に準拠する存在、故に対応する自然の要素を破壊してしまえば妖精は死ぬどころか永遠に消滅する訳だが……それは下手をすれば私達の死も意味する。



「……とにかく、正面を固めて敵の侵攻を食い止めなければ」


「正面だけで本当にいいのー?」


「っ!?」



突然耳元から聞こえてきた声に、反射的に両手で持っていた大鎌を奮う。

しかしうねる刃は声の主には届かなかったようで、姿すら認識できない声はケラケラと笑っていた。



「残念だったね! さて、遊び相手になってあげたいとは思うけど私にはやることがあるんだ! だから、貴女達にはこの子達の相手をしてもらうね?」


「……この子達? この子達とは…………」


「た、隊長! 足元!!」


「ん? なっ!?」



姿は見えずとも声がする方へ視線を向けていると、部下の声と共に私の右足に何かが掴まるような感触がした。

突然の感触に驚きながら足元に視線を向け直してみれば…………。



「ふ……ふぶふっ! 私ど、楽しいごと……じましょ?」


「……っ、残念だが断らさせてもらう!」



右足にしがみついていたのは何本か指が欠けた手で、その手の持ち主は顔面が半分潰されて『一回休み』になったはずの敵の妖精だった。

吐血混じりの声で誘惑してくるその妖精は、残った顔で笑いかけてきており、最早形容しがたい光景を生み出している。

その生理的に受け付けづらい光景を振り払うかのように私は大鎌を足元に向けて縦に奮った。



「……心の臓を貫けば、今度こそ『一回休み』に…………!!」


「隊長! まだです!!」



再び警戒を促す部下の声を聞き入れ、すぐさま右足にしがみつく手を振り払う。

そして振り払った勢いのまま2、3歩後ろに後退すると、思わず否定したくなるような光景が視線に映り込んだ。



「さぁ……間違い探しの始まりだよ? 動く子達と動かない子達の違いは何だろうね?」



信じられない光景に固まる私に、先程の姿の見えない者の声が届く。

先程殲滅した一波だけでなくそれまで倒した全ての敵が普通『一回休み』になるはずの怪我を負った体のまま、ゆっくりと、それでいてしっかりと起き上がって私達を笑いながら見つめてくる光景。

恐らくはヒントをくれているはずの声を頭に叩き込みながらも、次の瞬間、私は部隊全員に妖力弾による一斉攻撃を指示したのだった。




























ーーーーー数分後、紅魔館の書斎。

ーーーーside レミリア



日はまだ沈まない……ただそれだけのことが、無性に忌々しく感じられた。



「総帥! 一階通路だけではなく、中庭、エントランス、玉座の間の全ての防衛ラインで敵が甦っています!」


「甦った敵の弱点か何かの報告はないのかー!!!?」


「現在、第三部隊隊長より『動く死体と動かない死体の違いが弱点らしい』との報告が来ています! しかし同隊長も弱点の発見には至っていない模様!! 姿の見えない敵の隊長格が防衛ラインを抜けていったとの報告も同隊長より来ています!!」


「各部隊! 弱点が見付かるまで無駄な消耗は抑え、押し返す事に専念するのだー! ……姿の見えない隊長格……こいしが出てきたのかー」


「……いつものようにただ単に復活するわけではなく、まるでグールのように死んだ姿のまま生き返るとはね。 こいしが無意識を操って痛覚を遮断したりしているのかしら?」



グール、死の淵より這い上がり、壊れた体で再び現世に甦った不死者達。

ある意味吸血鬼と並んで不死者として知られている存在であり、何時来るかも分からぬ恐怖を人間に与え続けている存在だ。

しかし吸血鬼からしてみれば基本的に雑用のために使役したりする程度の存在であり、気にする程の存在ではないのだけれど…………その気にする程の存在ではない者に、こうまで攻めいられていることが非常に私の機嫌を損ねていた。



「どうかは分からないけど、こいしが出てきた瞬間にこの事態になってるからこいしが関わっている事は間違いないはずなのだー。 でも確かに痛覚を遮断出来るなら…………痛覚を、遮断……?」


「あら、何か思い付いたのかしら?」


「……御義姉様、さっき例えていたグールって、どうやって倒すのだー?」


「グールの倒し方? 簡単よ、焼き払って灰にしてしまえばいいわ…………あぁそれとも、人間が倒す時の方法を知りたい?」



イライラを積み重ねながらルーミアに『我流のグールの倒し方』を伝えた瞬間、ふとルーミアがグールの弱点を尋ねてきた意味が分かった。

メイドの誰もが私やフラン程炎を扱えることはなく、『我流のグールの倒し方』では現状を打開することはできない。

……しかし、こいしが『脳に働き掛けて』痛覚を遮断しているから相手がグールに近いと仮定すれば、その上で人間がするやり方ならば現状揃っている戦力だけで打開することは可能だ。

何故なら…………グールの頭を、粉々に粉砕してしまえば良いのだから。



「人間はね……グールの頭を粉々に砕くの。 或いは、その全身を。 そうすればグールは簡単に死に絶えるわよ?」


「成る程、ありがとうなのかー! 通信メイド、全部隊に通達するのだー!! 敵をまとめて磨り潰せと!!!!」


「了解しました!」



ルーミアの一声が、通信担当のメイドを通して全ての部隊に伝わる。

これなら運命操作をするまでもない……ルーミアはそんなモノは必要ないほど、突然の事態に臨機応変に対応しながら勝利への駒を進めているのだから。

……しかし、1つだけルーミアはミスを犯している。

現在、司令塔にのみ集中して紅魔館全体の頭にルーミアはなりすぎているのだ。

そうは言ってもルーミアに司令塔を任せている以上ルーミアの我流でやるしかないのだから、多少のミスはしょうがない。

ほんの少し、尻拭いをしてあげることで学んでもらえば、それでいい。



「ん? 御義姉様、外は危険なのかー!」


「大丈夫、ちょっと尋ね人が来ただけだから」


「尋ね人……?」



グングニルを携え、通路に繋がる扉へと向かう。

ルーミアの制止を振り切って扉を開いてみれば、そこにはルーミアにとってかなり予想外な妖怪がいた。



「いらっしゃいこいし、歓迎するわ?」


「うん! ありがとー!」



まさかフランではなく私達のところへ来るとは思えない、予測できない相手…………古明地こいしが、そこにいた。





ーーーーー

以上、こいし降臨回でした!



うん、メイドが目立つ(笑)

そしてこいしが何時にも増して真面目!



……いつもこんなこいしなら……!!



それではまた次回にてお会いしましょう!

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