子供は大切な人からの言葉なら嘘でも信じる
どうも、東方転妹録最新話です!
さて、今回は前半コメディ後半シリアス(実はコメディ)でお送りしますよ!
信頼してくれている子供に嘘をついてしまうと、とんでもないことになる、そんな話です!
それでは楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー数十分後、紅魔館広間。
ーーーーside フラン
こいしの絶叫の後、一体何がどうして会議をしていたはずの御姉様達がドロワーズ争奪戦を始め、更に幽香さんが武装(日傘)していたのかを確認して発覚したこと…………それは、会議なんて本当は無くて、文お姉さん率いるおっぱい軍団(ルーミア命名)と御姉様率いるツルペタ軍団(勇儀命名)が争っていたということだった。
先程ぬえが遅れて現れたのも、ドロワーズを取りに行っただけではなく、その争いに参加しなかった人達(諏訪子、チルノ、妖忌さん)と共に負傷者達を医務室へ運んでいっていたらしい。
……まぁ、そのことで全員を怒るつもりは私にはない。
要は皆に反省してもらえるように計らえば良いわけで、私が怒る必要は無いということ。
だから、手っ取り早く皆に反省してもらう為に…………私は、見せしめをすることにした。
ーーカァン!! カァン!!
「それでは! これより第二回紅魔裁判を行います! 被告人の両名は前へ!!」
「……まさか、まさか八雲紫に続いて私自身が被告人になるなんて…………しかも、フランに裁かれるなんて……」
「ちょっと待ってください! 私は首謀者ではありませんよ!? 首謀者はそこにいる鴉天狗の射命丸文ですよ!?」
「あやや……まぁそれは、目が覚めてからフランさんに進言してくれた小町さんに聞いてみてください。 後でですが」
「こぉぉぉぉまちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!?」
「被告人は静かに!!」
槌を鳴らして、被告人でありながら喋るのを止めない御姉様と映姫さんを静かにさせる。
……負傷した人達がいると聞いてからすぐに医務室へ駆け付けた時、丁度目を覚ましていた小町さんから進言があった。
確かに御姉様達が暴走した際に備えて、警戒体制を整えていたのは文お姉さんだけど、争いが怒るきっかけとなったのは御姉様と映姫さんの間にあった確執のようだとのこと。
だから裁かれるべきはその二人だろうと…………お菓子をくれながら満面の笑みで教えてくれたのだ。
そこで私は、この裁判を開くことを決めた…………お菓子に釣られた訳じゃないからね?
「それじゃあ罪状を読み上げるね!
一つ、紅魔館内での大規模な争いを引き起こしたこと!
二つ、私の御姉様への信頼を一瞬にして無下にしたこと!!!!
三つ、未だに私のドロワーズを返してくれていないこと!!!!
以上の三つの内、一つ目が御姉様と映姫さん共通の罪状! 後の二つが御姉様だけの罪状だよ!! 特に、最初以外の二つの罪は一つ目の罪よりもとっても重いんだからね!!」
「ちょっ、フランさん!? 私情が凄まじく入っていますよ!? 裁判とは客観的且つ公平にーーーー」
「ーーーー閻魔。 当主たる御義姉様公認で、紅魔館ではほとんどフランがルール、つまり規則なのかー」
「……つまり、これは裁判という名のフランさんからの説教なんですね…………」
規模が大きかったとはいえ紅魔館の被害についてはいつものことだからそこまで気にすることでもないけど、御姉様が私にした仕打ちの数々はあまりにも酷すぎると思う。
……まぁ、確かに私も唐突に家出したりしてるから、どっちもどっちなんだろうけど……あれ? そう考えると何か御姉様に申し訳無くなってきたような……。
「それじゃあフラン、罰はどうする? フランの姉さん辺りには特にガッツリ罰を与えても良いと思うけど」
「待ちなさい封獣、流石に八雲紫ほどガッツリした罰は嫌よ!? あそこまでは酷くないはずだもの!」
「……そうですね、流石にあれと同じにしてしまったら罪に対する罰としては重すぎるかと」
「紫様……今この場にいなくて良かったのやら悪かったのやら……」
何だか今医務室にいるはずの紫さんが凄く不憫に思えてきたけど、まぁしょうがない……かな?
とにかく! 御姉様への罰を決めないと…………うーん、どうしよう?
「ねぇ御姉様、御姉様は今どんなことされたら嫌なの?」
「も、もしかして罰にしたい内容を聞いてるの、フラン? それは本人に聞くものなのかしら…………と、とにかく、そうねぇ……それは勿論……」
「勿論?」
そこまで話すと、突然御姉様が思案顔になる。
暫しの間、広間に沈黙が広がり誰もが御姉様に注目した。
ただ、何故かさとりだけは始めから御姉様に向かって意味ありげに微笑んでいたし、段々と広間に居た皆も何かに気付いたのか次第に笑みを……というかニヤニヤし始めている。
……皆、どうしたんだろう? 何か御姉様が変なことしたかな?
そう私が考えた時、やっと何か結論が出たのか、御姉様が不敵に笑みを浮かべて口を開いた。
「……フラン、待たせてごめんなさいね? そうね、私の嫌なことと言えばさとりやこいし、ルーミアや封獣との時間や一人の時間が取れなくなることかしら? 勿論フランとも一緒にいたいわよ? でも、私達は姉妹だし何時でも一緒にいれるもの……余程でなければ嫌になるというのもあまり無いわね」
「えっ……?」
……あれ、でも普段はとっても構ってくれるよね?
も、もしかして姉としての義務とか、そんな事務的な感じだったとかかな?
ってことは、もしかしたら御姉様にとっては私といるのは負担だったりして、実は嫌だったとか…………そ、そんなわけ無いよね!
だって御姉様はいつも優しいし、笑ってくれるし、そんなわけが………………うぅっ、それは、それだけはやだよぉ!
「さぁフラン? 私の罰はどうなるのかしら?」
「えっ、あっ……うぅ、そ、それは…………その……」
罰、そう罰……私は今罰を考えなくちゃいけないわけで、なんでかニヤニヤしてる皆を待たせたりしちゃいけないわけで…………それで、御姉様の罰になりそうなことと言えば、私といるのは疲れるみたいだから、つまり私といることが罰になりそうなわけで…………後は、私と御姉様が大好きな紅魔館特製の血の飴玉を暫く禁止することとかぐらいかな?
……うん、一緒にいたいって言ってくれてるけど、きっと御姉様は私といるのは飴玉を禁止されるより辛いんだよね?
悲しいし、寂しいけど…………紫さん位厳しい罰を与えちゃ駄目だし、私も御姉様に迷惑は掛けたくないし……。
「……あ、あの……お、御姉様の罰は、一週間紅魔館特製の飴玉を食べちゃダメってことにするね。 えっと、映姫さんは……小町さんのお願いを何でも一つ聞くことってことにするよ」
「「「「「えっ!?」」」」」
何故だか皆が驚いた声をあげるけど、罰が重すぎたのかな……?
うぅ、また嫌な思いさせちゃったかな……でも、皆の反応が変だからって言っても反対意見は出てこないみたいだし、発言を撤回するわけにはいかないよね……。
……もう、部屋に戻って暫く出てこないようにしよう。
一人で、自分の何がいけなかったのか、どう改善すれば考えよう…………。
「それじゃあ、第二回紅魔裁判はこれで終わりにするね。 私は部屋に戻るから、後は……その、よろしく…………」
「あっ、ちょっ、待って頂戴フラン! フラン!!!?」
寂しい気持ちが押さえられなくて、小走りになる私の背中に御姉様の声が投げ掛けれられる。
しかしそれに応えてしまったらまた御姉様に迷惑を掛けてしまう…………そう考えた私は、何も応えることなく、広間を後にしたのだった……。
ーーーーー
以上、レミリアやらかし回でした!
……うん、フランはね、レミリアからの言葉は全部素直に受け止めちゃうからね!
さーて、次回はどう回収したものやら……(笑)
それでは、また次回にてお会いしましょう!




