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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第4章 ~フラン包囲網、拡散~
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倒れる戦士、遂に届いた魔の手

どうも、東方転妹録最新話です!



えー、今回は少し短いですが、発展がありますよ!


遂にほのぼのターンを……!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー数十秒後、紅魔館通路。

ーーーーside 幽々子



争うような音はない……しかしあからさまな戦いの臭いを漂わせる廊下を進みながら、横を歩く永琳さんの手元に視線を向ける。

そこにあるのは、既に荒ぶるレミリアさん達と一戦を交え、敗北したであろう一輪さんの法輪が握られていた。

……レミリアさん達と交戦し、敗北する寸前に法輪を広間まで飛ばす。

それはフランが起きる前に同志達と話し合った作戦の内の一つだ。

そして、これから私達がすることも、それらの作戦の内の一つ。



「……永琳さん、始めましょうか」


「えぇ、『神代の記憶』」


ーー『スワローテイルバタフライ』



宙に舞い、広々とした廊下を埋め尽くす死の蝶。

そしてその間を縫うように霊力弾が敷き詰められ、蝶と共に廊下を完全に塞ぎきる。

そして永琳さんと同時に息を吐き、気を緩めた…………ふりをした。



ーーガパァッ!!


「幽々子! 親友のよしみとして、貴女は私がーーーー」


「ーーーー紫、貴女は私の親友だもの。 その激情が抜けきるまで、私の胸で眠りなさい」


ーーシュッ!


「っ……!? う、ぁ……!」



不意を突くように私の後ろに現れたスキマ。

そこから飛び出してきた紫は、一瞬勝利を確信し、そしてすぐに私の持つ『小さな刀』によって峰打ちをされていた。

振り向き様に的確に首を峰で打ち抜かれた紫は、声にならない声を上げながら私の胸元に崩れ落ちる。

同時に主からの妖力を断たれたスキマはじわりじわりと閉じ始め、私がゆっくりと気絶した紫の体を床に横たわらせた時、スキマは完全に消失した。



「さて、これで私の方はひとまず終わったわね…………永琳さん、そちらはどうかしら?」


「数は多かったけれど、どうにかなりましたわ。 鈴仙だけがいないのが気になりましたが……まぁ、先にやられていたのでしょうね」



紫の体を横たえた私は、ゆっくりと立ち上がりながら永琳さんへと振り返る。

そこに見えたのは、何故か『一部が血のような紅に濡れた法輪』を持つ永琳さんと、その周りに転がる、頭からドクドクと血を流す者達の姿だった。

確か、蓬莱山輝夜、藤原妹紅、てゐという名の者達だったはずだ。



「ず、随分手荒に片付けたのね?」


「……少し、楽しかったわね!」


「ぁ……あら、そ、そう? それは良かったわ……えぇ、本当に……」



私は決して目の前の光景に引いてなどいない。

かなり嬉しそうな声で喜ぶ姿に困惑を感じたり、返事に窮したりなどしていない。

……引いてはいないけれど、これからは付き合い方をそれなりに考えなければならないかしら?

フランや妖夢に悪影響があったら困るもの……そうよね、決して私が怖いんじゃなくて、フランや妖夢のためなのよ……!



「あぁ、久々に姫様達を直接叩きのめすのはまた懐かしい快感ね! 後は、後続を止めるだけーーーー」


「ーーーーどんなに荒ぶる意志を持った意識を止めても、無意識は止められないよ?」


ーー…………ドッ!



私には理解できない言葉を発しながら、物音と共にゆっくりと倒れていく永琳さんの体。

塞がれた廊下から来るはずのない攻撃を受け、床に倒れ込んだ永琳さんの背に、見覚えのある足が置かれる。

それはフランの側によく見かける足で、私がそのことを理解した時にはーーーー



「……紅魔館の秩序を、フランを守るのは、私の役目。 例え死の蝶が道を塞いでも、幻に生きる私は止まらないよ」



ーーーー首に走った衝撃と共に、私の意識は、遥か闇のそこへ沈んでいったのだった。


























ーーーーー同刻、紅魔館エントランス。

ーーーーside フラン



「お弁当に水筒、薬草は持ちましたかー?」


「「はーいっ! 持ちましたー!」」



文お姉さんが住む山へと向かう為、最低限の荷物を持ってエントランスで文お姉さんの言葉を復唱する。

横では文お姉さんと一緒に付き添いをしてくれる美鈴が微笑ましそうに私と妖夢のことを見ていた。

……因みに、白蓮さん達は会議の様子を見るために紅魔館に残るらしい。

さっきみたいに、たまに白熱して会議が決闘に変わりかけるのを防ぐ為だそう。

ちょっと寂しいけど、でも仕方がないことだし、むしろ大切な会議なのだから今は精一杯楽しむことを考えよう。



「あやややや! よーし、二人とも準備は万端なようですし、それでは出発しましょうか!」


「やったー! 文お姉さんのお家に行けるー!」


「どんな武器が置いてあるのでしょうか……兵法書も気になりますね!」


「あ、あれ? 子供って妹様みたいな反応をするんじゃ…………い、いやいや、あれも個性だよね、うん」



そんな会話を交わしながら私と妖夢はそれぞれ文お姉さんと美鈴と手を繋ぐ。

さっきの文お姉さんの台詞を考えれば私と妖夢はお弁当や水筒を持っているはずだけど、実際は私達が朝食を取っている間に荷物をまとめてくれていた美鈴が全てを持っていた。

しかし、流石に全てを持たせるのは忍びない。



「美鈴! 私も幾つか荷物を持つよ! ちょっと重たそうだもん!」


「あっ! わ、私も持ちます! いつも御祖父様に鍛えられてますから、それくらいは簡単です!」


「へっ? 別に大丈夫なんですが、うーん…………まぁ、仕方ないですね! それでは少しだけ持ってくれますか?」


「「はーいっ!!」」



美鈴が持ちやすいように小分けしてくれた荷物を持ち、妖夢と微笑みあう私。

妖夢もまた、どこか満足げな表情を見せながら私に微笑み掛けてくれていた。

そんな私達を確認して、ふと優しい笑顔を見せてくれた文お姉さんにも笑顔を返しながら私は扉の取っ手に手を掛け…………










































……扉を開け放った瞬間、明るいはずの外から流れ込んできた暖かい闇に呑まれたのだった。





ーーーーー

以上、相次ぐ脱落&ほのぼのエンド回でした!



……うん、眠い!

多忙なせいか、眠い!



というわけで全力で眠ります!


それではまた次回にてお会いしましょう!

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