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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第4章 ~フラン包囲網、拡散~
209/283

いつも最後は貴女に頼る

どうも、東方転妹録最新話です!



えー、まず更新が遅れてしまい本当に申し訳ありません!

以前友人に僕のアカウントで更新されてしまったカラオケ自己ベスト記録、96.030を越える為にカラオケで頑張っていたら時間が経ってしまっていましたm(__)m

……91から95後半で点数が安定してしまって記録を更新出来ないorz



さて、今回は所変わってさとり視点でいきますよ!

でも最後はやはりあの子……(笑)



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー同刻、諏訪大社奥、丘。

ーーーーside さとり



フランが地底からの来客達を厳しくあしらってから幾分経つけれど、そろそろ丑三つ時になっただろうか?

フランに呼び出されて着いていったレミリアも八雲紫も八雲藍も、そして封獣の心を見た時に磔にされていたこいしも此処にはまだ帰ってきていない。

月明かりに照らされながら、丘を囲む木々がざわめき、草花も風に踊らされている。

そんな妖怪の独壇場とも言える場に、奇妙にも妖怪の嘆く声が響いていた。



「ヒグッ……どうして、なんだ……何故、聖を助けて…………グスッ…………」


「……ナズ、きっとフランにも何か考えがあるはずです。 あの子は優しく純粋でありながらも、時として自分が正しいと思ったことを貫き通す厳しさも持ち合わせていますから…………それに、きっとフランは私達の命を大切にしてくれているのです。 だから、どうか泣かないでください……」


「ご、しゅじ……ん…………グスッ……私は、どうすれば……!」



どうやら、心を読む限りフランと親しい寅丸星もフランの考えが分からないらしい。

まぁ、元来天然といえる性格をしているのだから、分からないとしてもおかしくはない。

それにフランの行動の意図を理解していなくてもフランの本質をしっかりと理解しているようだし、そろそろ助け船を出しても良い頃合いだろう。

……ただ、今からすることが助け船となるかは分からないけれど。



「ん? さとり、どうしたんだ?」


「……いえ、そろそろあの泣き鼠をあやしても良い頃合いかと思いまして」


「何だかとても厄い気がしますね……よし、回っておきましょう!」


「雛……唐突に元気になりすぎじゃあ……?」



静かに泣き鼠に向けて歩を進めたつもりが、勇儀に気付かれ厄神には厄払いをされ始め、挙げ句に厄神にツッコむ河童を見る羽目になった。

……まぁ勇儀はともかく厄神と河童は放っておいても良いだろう。

勇儀や厄神、河童に限らず、皆先程から沈黙が降り続けているせいで飽き飽きしていたのだろうから。



「さとりがあやすのか……間違って止めを刺してやるなよ?」


「にゃははっ! さとりだしきっと大丈夫だよ! ねっ、さとり?」


「……勿論、大丈夫です。 それと勇儀、後で虐めてあげますから覚悟していなさい」


「………………なぁ萃香、私やらかした?」


「勇儀、骨は拾って酒にしてあげるから安心して逝ってきなよ」



膝をつき面白いほどに項垂れる勇儀を尻目に、今度こそ泣き鼠の方へ歩みを進める。

するとそれまで悲痛な表情で黙し、心の中を戸惑いと疑問、そして悲しみで埋め尽くしていた尼僧と船幽霊が私に気付き、心と視線の両方で静かな疑問を浮かべながら泣き鼠への道を開いてくれた。

後は肝心の泣き鼠とその主の寅に気づいてもらえれば話を進めやすいのだけれど……どうにも、気付きそうにはなかった。



「……ウグッ…………ヒクッ…………」


「……ナズ…………」


「……そこの泣き虫鼠さん? いい加減泣き止んで自分がどれだけ愚かか考え直してみては如何ですか?」


『『『『『っ……!!』』』』』


「えっ……?」



レミリアの当主としての姿を思い浮かべながら発した私の挑発と同時に、泣き鼠やその主の寅だけでなく、その場の皆が訝しむ視線を一気に向けてきた。

同時に風が止み、木々のざわめきが消え草花の躍りが終わる。

そんな一瞬にして緊張に包まれた場の中で、唯一泣き鼠だけが涙を流しながら呆然と私を見ていた。



「……分かりませんか? それならもっとハッキリと伝えましょう…………我慢の一つも出来やしない愚かな泣き鼠。 そろそろ自分の足りない頭を使って自分が何をすればいいか考えてみては如何ですか?」


「っ……!?」


「っ!!!? さとりさん! 幾らなんでもその言い方は……!!」


「……寅丸星、貴女は黙っていてください。 フランがギリギリの所だと判断した妥協案を受け入れずに、ただただ泣きわめくだけの鼠には少し位厳しくしなければなりません」



先程寅丸星が泣き鼠に伝えたように、フランは泣き鼠達の命を案じたのだ。

彼女らの大切な人ーーー聖白蓮とやらが復活したとして、恐らくフランが話していた通り再び人から襲撃されるだろう。

そうすれば、今度は封印だけで済む保証はない。

そしてそのことはこの鼠もよく理解している…………だというのに、そうしたフランの決断までの優しさから来る葛藤と、心を鬼にしたフランの勇気を無視して自分の情けない感情をさらけ出されるのは……少々、癪に触る。



「……愚かな鼠、貴女はフランの意図を理解していながら、どうしてそこまでフランの思いを無下にできるのですか? 別にフランの妥協案を受け入れなかったことを責めるつもりはありませんが、しかしその後の貴女の態度があまりにも酷すぎる。 それではまるで、フランが完全に悪役に見えてしまいますよ?」


「し、しかし……私は、私はどうすればいい…………せっかく聖をすぐに助け出せるかもしれないのに、助けられない…………悲しくて悲しくて、仕方ないんだ……!」


「……愚かな鼠、本当にどうすればいいのか分かりませんか? フランの勇気と覚悟に、気付きませんでしたか?」



確かに分かりにくかったし、あまりにも自然にこの場に『その者』を残していった為に感情的になった者が気付くのは厳しいだろうけれど、フランは言葉の中に大きな答えを残していった。

私にはフランの心を読めはしないが、その答えがフランの勇気と覚悟を示していたことだけは分かる。

……だからこそ、いい加減泣き鼠にはフランの勇気と覚悟の『意味』を気づいてもらいたい。



「フランさんの、勇気と覚悟……? そ、それは普段の優しさを殺してでも、私……いや、私達を切り捨てることへの勇気と覚悟だろう? それに、フランさんに切り捨てられたのに、一体何をしろと……」


「……愚かな鼠、確かにそれもまたフランにとって大きな勇気と覚悟だったことでしょう。 しかし、よくフランの言葉を思い出しなさい。 聖白蓮とやらの封印を解くには、『誰が必要』ですか?」


「誰が、 必要……? 確か、フランさんが連れていったのはレミリアさんと、それに八雲と呼ばれる御二方……」


「……重要なのは誰を連れていったかではありません。 封印を解くのに『誰が必要か』どうかです」


『『『『『…………』』』』』



私の最後の一言に、私と泣き鼠と『答え』以外の皆の視線が『答え』に集中する。

そんな皆の視線の動きに気付いたのか、泣き鼠もゆっくりと『答え』に向かって視線をずらした。



「……フランの言葉の中にあったもう『一人』の答え。 そこまで分かれば、後はもうするべきか言わなくても大丈夫ですね?」


「……あぁ……もう、大丈夫だ。 さとりさん、すまない、そしてありがとう。 恥ずかしくて死にそうなほどの醜態を晒してしまったが、今一度頑張ってみるよ」


「……ふふっ、これでやっとフランも報われますね。 貴女も、そう思いませんか?」



希望の光が泣き鼠の瞳に戻り、溢れだし続けていた涙は止まった。

その瞳には『答え』がハッキリと映っており、同時にフランのもう一つの勇気と覚悟を理解したことを私の第三の目が見抜く。

そうしてやっとフランの気持ちが報われたのだと理解し安心できた私は、『答え』に向かって言葉を投げかける。

それを受けた『答え』は、不敵に笑いながらその紅い瞳をぎらつかせていた。






































































「……まっ、フランのために頑張るのかー!」





ーーーーー

以上、こっそり張ってた伏線回収回でした!



……フランは、やっぱり甘いというか優しいというか(笑)

そしてさとりの察しの良さは本当にありがたい……さらに、あの子の存在はいつでもありがたい(笑)



レミリアやこいし達はまた後で……!



それではまた次回にてお会いしましょう!

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