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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第4章 ~フラン包囲網、拡散~
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口説く時には順序を大切に! by諏訪子

どうも、東方転妹録最新話更新です!



……えー、テスト期間に入って発散したくなったのか、今回は桃色成分たっぷりでお送りしています。



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー数分後、森林の奥の泉。

ーーーーside フラン



「さっ、ここが目的地だよ! 全く、途中から違う道に逸れ始めた時はよく知ってる場所で遭難するかと思ったけどね」


「うぅ……そ、それは、その……ごめんなさい!」



森の入り口から駆け出すこと数分。

ジト目で私を見てくる諏訪子に、本当に申し訳ないと思いながら謝罪の言葉を伝える。

森の入り口から泉まではそれほど長い道のりでもなかったけど、細かい道を知らない私が先導して進んでしまったせいで一度森の中で迷いかけてしまった。

まぁ、そこで慌てて私を止めてくれた諏訪子のおかげでちゃんと泉に辿り着けたんだけどね!



「ふふっ、まぁいいよ。 自分以外の転生者を見つけて興奮する気持ちは分かるからね。 さて、ここにお座り?」


「あっ、ありがとう!」


「これぐらい気にするまでもないよ。 君みたいな、フランのような美しく可憐な女性には当然するべきことだしね。 ほら、手をこちらに……」


「えっ!? あ、その…………は、はい……!」



どこからか白い布ーーハンカチみたいな物を出して、泉のほとりの地面に広げてくれた諏訪子。

そのことに諏訪子へお礼を言えば、さらに口説き文句のようなことを口走り、頬が熱くなるのを感じながら言われるがままに差し出した私の手を引いてハンカチの上に座らせてくれた。

……まるで故郷の周辺の国々にいる紳士みたいにしてくれるけど、こっちにそんな文化無かったよね!?

あっ、でも原作の知識を持っている転生者なら、前世の私がいた世界で向こうの国々の文化くらい知ってるかも…………うぅ、どうにしても何だか恥ずかしいよぉ……!!



「あぅ…………その、えっと……き、綺麗な泉だね!」


「そうでしょ? 月明かりに照らされる泉も、周りの佇む木々も、本当に幻想的で素晴らしい場所だよ、此所は……」


「……うん、本当に素敵で綺麗な場所…………」



恥ずかしさを紛らわす為に横を向いて話題を振れば、月明かりに照らされ淡く光る泉に穏やかな視線を向け、情熱的な感情を込めたように言葉を紡ぐ諏訪子。

そんな諏訪子の様子に見惚れて、一瞬で恥ずかしさのような頭を包んでいた色んな気持ちをどこかへ吹き飛ばしてしまった私も、自然と、諏訪子の言葉に追従していた。



「……まぁ、此処もフラン、君の前では霞んでしまう程度の魅力しかないけどね? 月の光は、夜の宝石たるフランにこそ相応しいよ」


「ひゃうっ!? わ、わわわわたしなんかより御姉様の方が絶対似合うよ!!!? だって永遠に紅い幼き月だもんっ!?」


「フラン、確かにそうだけどそれはゲームの中での話だよ。 今、この瞬間、この現世において、『ここにいる私』は『目の前にいるフラン』にこそ月は似合う、そう思ったんだ。 最も、フランを照らすのが満月でないのが悔やまれるけどね?」


「あ、あぅ……ぅぅぅ…………!!!?」



ここここれは口説かれてると思っていいんだよね!?

流石に幾ら御姉様達から色々お世辞の言葉を貰ってて普段は慣れてるからって、初対面で言われると恥ずかしいにも程があるよ!!!!

うぅ、色々と話さないといけないことがあるのに……恥ずかしすぎて言葉が出ないよぉ……!



「ふふっ、紅くなって可愛いなぁ! これで服に妖怪の血が付いてなければ可愛いだけだけど、吸血鬼だけあって、血が付いてると妖艶に見えるね!」


「よよよよ妖艶!? え、えっちぃのはダメだよっ!? っていうかどうして妖怪の血だと分かったの!!!?」


「どうしてって、流石にそこまで妖力が溢れる血を妖怪の血だと思わないなんてあり得ないよ。 きっと、フランを追い掛けてきていた妖怪の血でしょ?」


「えっ、あっ、う、うん!」



こちらを向いて笑いながら、大切なモノを傷付けないようにするかのように私の頬を撫でる諏訪子。

これは確実に私を落としに来ていると頭の中で分かっていても、今までの御姉様達とは違う、紳士的な仕草に思わず心と体が反応してしまう。

どうして私を追い掛けてきていた皆のことを知ってたり、私が追い付いてきた文お姉さんやパルスィ達を能力で引きずり出された闘争本能に従うままに倒してきたのを知っているのかが気になるけれど、沸騰した頭では諏訪子に聞くべき適切な言葉が出てこなかった。



「どうして知っているのか、って顔をしてるね? まぁ簡潔に言えば、大地を通してここに一直線に飛んでくるフランの様子を見ていたからさ。 私は本職は祟り神だけど、集中すれば少しは地面も操れるし、半径百里くらいなら様子も分かるしね。 見れる範囲にいるなら、フランの魂がどれほど綺麗かを見ることも出来るよ!」



未だに羞恥に染まる私の表情から難なく疑問を読み取ってくれたのか、私の道中の様子を知る理由を話してくれる諏訪子。

成る程、確かに大地を多少操れる諏訪子なら集中すれば大地を通して遠くの場所の様子を知ることも可能なのだろう。

それに『ゲーム』という言葉を使ったことから原作知識を有しているのはほぼ確実だし、私のように長所を伸ばして短所を減らすくらいの修行はしているに違いない。

……ただ、そろそろ私の頬を愛しげに撫でる手を止めて貰いたいんだけどね!

初対面なはずなのに、なんでこんなに……うぅ、やっぱり恥ずかしいよぉ……!



「さて、それじゃあフランの質問に答えたんだし、私の質問にも答えてもらおうかな? どうしてフランは急に私の所に向かって来たの?」


「えっ!? あっ、その…………い、妹キャラに近いキャラを探して、それで諏訪子に会ってみようかなって思って……そうしたら途中で呪いみたいなのに掛かっちゃったんだけど……」


「……そっか、まぁ呪いのことは後にするとして、フランの周りには古明地こいしがいるでしょ? 妹キャラに近いキャラを探してって、つまりフランは前世から妹キャラが好きなんだろうけど、古明地こいしじゃダメだったの?」


「ダメっていうか、こいしとは家族とか親友とか、そういう感じになったから……妹キャラとは何か違う気がしてしまって……」


「ふぅん、『家族』、ね…………まぁとにかく、妹キャラが周辺にいないことに不満を感じて、妥協点を探して私の所に来たんだね?」


「う、うん……」



……どうしよう、今度は別の意味で恥ずかしくなってきたよ!?

こいしのことは多分、追っ手の中に混じっていたんだと思うから知ってるんだろうけど……わ、私の好みまで一瞬で理解しなくても良いと思う!

それに妥協したって所まで察してくれてるし!

うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?

ど、どんどん頬が熱くなってくるよぉ!!



「ふふっ、そこまで恥ずかしがらなくても大丈夫だよ! 私も前世では似たような趣味だったしね? それにフランの趣味のおかげでこうして出会えたんだ、私にとっては素敵なことだし、何よりとても幸運だったよ!」


「そ、そっか……その、ありがと……」



諏訪子の最後の言葉に、今感じている恥ずかしさに合わせて先程まで感じていた諏訪子の数々の言葉への恥ずかしさが蘇ってくる。

そのせいか、最早私の頬だけでなく全身がトーストを焼けるくらい熱くなってきていた。



「本当に、フランに『家族』とまで呼ばれる古明地こいしが羨ましいね…………ねぇフラン、ちょっとだけ私のお願いを聞いてくれないかな?」


「お願い……? う、うん! さっきもいきなり襲っちゃったし、何でも聞いてあげる!」


「……何でも、ね…………? そっか、ありがとう!それじゃあ早速だけど……」



そこまで言うと、諏訪子は私の頬を撫でていた手を私の頭の後ろに回し、おもいっきり私の体を引き寄せる。

そして互いの体が密着し、顔も息が混ざり合うほど近くまで寄ると、諏訪子は私の目を覗き込みながら静かに、それでいてはっきりと言葉を発してきた。


























































「私を、フランの『家族』にしてくれないかな?」





ーーーーー

以上、諏訪子ガチ口説きtoフラン回でした!



……レミリアー! こいしー! ルーミアー! さとりー! ぬえー! 早くしないとフランが食われるー!


……本当にどうして諏訪子をここまでキザにしてしまったのだろうか?



さて、それではまた次回にてお会いしましょう!

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