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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第4章 ~フラン包囲網、拡散~
197/283

神の誘惑、家族の到着

どうも、東方転妹録最新話です!


焦ってるので今回はこれで!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーーほんの少し前、ぬえが落ち込んでいる頃、諏訪大社。

ーーーーside フラン



右手を握ると目の前で御柱が破裂する。

それに気を取られることなく続けて左手を握れば、相手取っている二人ーー神奈子と諏訪子の弾幕が全て消し飛んでいった。

先程から幾度と繰り返される弾幕の消失に神奈子と諏訪子は再び驚く…………なんてことはなく、流石はこの辺り一体を統治する神というべきか、ある意味での余裕を見せながら新たな弾幕を撃ち出していた。



「あははははははははっ! ほら、もっと出してよ!?」


ーーキュッ! パァァァァン!!


「あー、せっかく出したのに……」


「落ち込む暇があるなら早く次を撃て! 元はと言えば諏訪子が原因だろうが!!」


ーードドドッ! キュッ、パァァァァン!!


「ぬがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!? また、またなのか!?」


「いやもう、これはじり貧にも程があると思うんだ。 いっそ神奈子が御柱構えて特攻した方がまだ可能性があると思うよ?」


「するわけないだろ!? 私がバラバラにされてしまうじゃないか!?」



面白い位に焦りながら漫才をし始める神奈子と諏訪子。

もちろん焦ったような会話をしながらも、また新たに弾幕を作り出しては撃ってきているし、私が撃っている弾幕を避けたりもしている。

それに徐々にとはいえ、諏訪子は鉄輪を両手に構えながら私の方へ近付いてきていた。



「まぁどんなに強力な能力持ちといえ、近付いて拘束してしまえば後はこっちのもんだしね。 まさか初夜が外になるとは思わなかったけど……まっ、普通じゃないのもまた一興かな!」


「初夜……? まぁいいや、とにかく私は簡単に拘束なんてされないからね! これならどう!?」


ーー『フォーオブアカインド』

ーー『スターボウブレイク』

ーー『カゴメカゴメ』

ーー『恋の迷路』

ーー『カタディオプトリック』


ーードドドドドトドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!!


「「分身っ!?」」



ただただ二人の弾幕を破壊しつつ攻撃するのに飽き、通常弾幕を撃つのをやめて分身を生み出してからそれぞれ弾幕を放たせる。

道を塞ぐように現れたカゴメカゴメに諏訪子は牽制されて近付けなくなり、恋の迷路が神奈子の動きを制限しながら放たれる御柱を大きく削っていく。

そして動きが鈍くなった諏訪子と神奈子にスターボウブレイクが降り注ぎ、カタディオプトリックがスターボウブレイクの穴を塞ぐように広がっていくけど、これは諏訪子も神奈子も制限された動きの中でギリギリ避けたり弾いたりしていた。



「よっ、ほっ! くっ!? うわぁ……グレイズするだけでもかなりキツイや」


「ぐれいず? お前はこんな時に何を訳の分からな、っておっとっと!」


「グレイズ……? グレイズを知ってるの?」



グレイズ……元々原作では当たり判定ギリギリの所で弾幕を回避すること。

今私がしている戦いの中でなら、攻撃にかするギリギリの所で避けることを指すことになると思う。

さっき諏訪子がグレイズって言った時は私のスターボウブレイクをギリギリの所で避けていたから、使い方は原作と同じ…………でも、諏訪子は私みたいな転生者じゃないから知らないはずじゃ…………。



「……転生者じゃない? 本当に……?」



私に掛かってた術を自身の能力と生存本能に任せて解いてから、ずっと頭から離れなかった破壊衝動すら先程まで感じていた怒りと共に一気に吹き飛び、一つの疑問が頭に浮かぶ。

……諏訪子が転生者じゃないなんて、どうして言い切れる?

今まで他に転生者がいるかなんて考えたこともなかったし、諏訪子が、御姉様達が、この世界に生きている誰かが転生者じゃないなんて言い切れる根拠は何一つ知らない。

それに転生者が存在するという点においては私という事例がある以上、この世界で否定されることはまずない。

転生なのかどうかは知らないけど小白達もこの世界にいるのだから、むしろ積極的に転生者の存在は肯定されるべきことだ。

……つまり、転生者が存在する可能性がある程度ある上で諏訪子がグレイズって言葉を知っているってことは…………。



「……おーい! ケロちゃん、こっちだよー!」


「何ー? 私のこと呼んだー?」


「っ……!!」



ケロちゃん、この言葉に諏訪子が反応したことから分かる一つの事実。

それに気付いた私は身をこわばらせて弾幕を撃つことすらやめてしまい、分身達も私が気をおもいっきり散らしたせいで消えてしまった。

……これは、もう確定だよね?

グレイズにケロちゃん、この世界ではまだ知られていない、或いは永遠に知られることのない言葉を知ってるんだもん。

だから、諏訪子は……いや、あの人は……!



ーーガシッ!


「えっ? あっ…………」


「ほら、呼ばれた通りに来てあげたよ? さっ、聞きたいことや言いたいことがあるなら早く言いなよ。 無いなら私の用事を済ませるからさ!」


「おい、大丈夫なのか諏訪子? ってかけろちゃんってなんだ?」


「あー、うん、大丈夫だから気にしないで。 とりあえずこれから来るかもしれない人達の相手をよろしく頼むよ。 私はこの子を泉に連れていって記念すべき一夜を過ごしてくるからさ!」


「はぁっ…………まぁ、止めても聞かないってことは重々承知しちゃいるが、程ほどにな? 私は付近の警戒をしとくから、早くしてきてくれ」


「はーいっ! あっ、ミシャクジの皆を貸しとくから頑張って警戒してねー!」



身をこわばらせて固まる私に、正面から抱き着きつつ神奈子と打ち合わせをする諏訪子の姿をした誰か。

……いや、それを言うなら私だってフランの姿をした誰かってことになるし、第一この世界での諏訪子は彼女だ。

だから、彼女のことは素直に諏訪子と呼ぶのが正しいはずだ。



「んー……もしかして『私も転生者』ってことに驚いたかな? まぁ初めて同じ境遇の相手に会ったんだろうし、驚くのも無理はないよね」


「あ、貴女も……転生、者……」


「そうだよ、因みに元男、って私の前世はどうでもいいか。 それにもう何百何千と生きてきたから男としての感覚はもう無いし。 ……あっ、神奈子には私が転生者ってのは内緒にしててね?」


「う、うん…………」



私がたどたどしくも返事をすれば、にっこりと穏やかに微笑む諏訪子。

その優しげな雰囲気を纏う表情に、私の頭はゆっくりと冷え、心は落ち着いていく。

そして頃合いを見計らっていたのか、私が完全に落ち着いた頃に諏訪子は私の背中に右手を回しながら私に密着するように横に並び、社があった場所の奥、森林の中に向けて進み始めた。



「えっと、どこに行くの? それにまだ聞きたいことが……」


「あぁ、ゆっくりと『過ごせる』場所だよ。 八雲紫みたいに問答無用でどこにでも来るような相手に対しても対策してある、私と貴女、二人の転生者の初の邂逅と楽しい一夜、そして話をするために相応しい、ね?」


「あぅ……じゃあ、さっきから初夜とか言ってたのは……?」


「あぁ、もしかして『あっち』の方で捉えたのかな? ……大丈夫だよ、嫌なことはしないからさ!」



そう言うと私の背中に回していた右手を私の右肩へと持ち上げ肩を組み、端から見れば仲の良い友人同士のような状態になる。

そして暗い闇に包まれた森林の入り口に辿り着くと、諏訪子は左手を手近な木に伸ばして神力を放ち始めた。



「えっと、諏訪子、さん? 何をしてるの?」


「あぁ、諏訪子で良いよ? これから話したりして『親しく』なるのに、さんは付けなくて良いさ。 それと、これは大きな結界を張ってるだけだよ。 どうやら頭に血の上った人達が来そうだし、そいつらを神奈子が抑えてくれるとはいえ用心するに越したことはないからね…………口説いてる時に、邪魔、されたくないし……」


「えっ?」


「いや、何でもないよ。 ようは外の騒音が聞こえないようにする結界ってこと」



諏訪子が何かを呟いたような気がしたけど、諏訪子が張った結界に意識が向いていたせいで私は呟きを聞き逃してしまった。

何かを言っていたのは分かったけど……もしかして早口に術式でも唱えてたのかなぁ?

まぁとにかく、着いていって諏訪子と話さないことにはどうしようもないし、気にすることもないかな?



「さっ、結界も張ったことだしさっさと奥に行っちゃおうか。 姿までは隠せないから、見えちゃうしね」


「うん……私も聞きたいことが沢山あるし、早く行こっ!」


「えっ、あっ、ちょっと待って!? 奥にある泉が目的地だから迷わないでよ!?」



とにかく諏訪子ととことん話すと決めた私は、肩に回された諏訪子の右手から抜け出してからその右手を握って森林の奥へ駆け出す。

それに驚き慌てたのか、諏訪子が声をあらげながら私に引っ張られるように駆け出してくれていた。

そして私達の姿は森林を包む夜の闇に紛れ、周りから見えなくなっていったのであった……。




























ーーーーside 神奈子



「……で、諏訪子が結界を張った瞬間にこれかい?」



ほんの少しげんなりとした私の目の前に佇む者達ーーーーあのフランという少女の妖怪の取り巻きが殺気を出しながら私を睨み付ける。



「……スキマを越えてくるまでに、フランと小さい方の一柱がいなくなってますね」


「あー、フランとやらともう一人は野暮用で外してるぞ? 用があるなら私が受け持とう」


ーーバサァッ!


「あら、それじゃあフラン達の所へ案内してもらえるかしら?」



大きな羽音と共に空から新たな取り巻きが現れる。

蝙蝠のような翼を持つ者、闇を具現化したような翼を持つ者、何故かボロボロになっている鴉天狗。

目を凝らしてみれば、少し遠いが更に後ろの方にこちらへ向かっている者達が見えた。

……これは幾らなんでも酷すぎないか?

こいつらから出てる殺気と妖力やら霊力やらが半端ではないのだが……えぇい、後で諏訪子に本気で御柱をぶつけてやる!



「……長旅御苦労様です、レミリア。 それと、素直には教えてくれなさそうですよ?」


「ありがとうさとり、先を行く射命丸を追っていたから少し疲れたわ。 まぁ、そこの一柱を懲らしめるには十分余力があるけれど、ね……?」



挑発的に視線を寄越しながら武器を手にしだす取り巻き達。

それに対しこちらも御柱を展開して武装する。

……あぁ、いかん。

これは荒事になるな……全く、このままじゃ社が完全に壊れるだろうなぁ……。



「……さて、まずは誰から来るのかな?」



ーーそれが社が消し飛ぶ戦いの始まりの合図となった。




ーーーーー





以上、なんだかバトル祭りフラグ回でした!



神奈子は生き残れるのか?



それではまた次回にてお会いしましょう!


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