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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第4章 ~フラン包囲網、拡散~
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狂う魔法、狂うフラン

どうも、東方転妹録最新話更新です!



今回は魔法祭りだワッショイワッショイ状態ですよ!

といっても、シリアスなのは変わりませんが(笑)




それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー同刻、どこかの森の中。

ーーーーside チルノ



「離して……離して……!!!!」


「フ、フラン……?」



目の前で、何かに怯えるように天狗の腕の中で身を捩るフラン。

そんなフランの様子に私も天狗も戸惑ってしまい、一体どうしてしまったのかとフランへ手を伸ばそうとしてみれば……。



ーー『ラーヴァクロムレク』

ーードガガガガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!!!!!


「「キャアァァァァァァ!!!!!?」」


「っ、フラン!?」



フランを中心に周囲へ撃ち出される炎を纏った岩石。

それは見事にフランを抱き締めていた天狗を吹き飛ばし、同時に私にも命中する。

しかしそれを私の頭が認識した時には、フランは後ろで声をあげたスキマ妖怪の所へ飛び出していた。



「藍さんから、藍さんから離れてぇ!!!!」


ーー『フォレストブレイズ』

ーーババババババババッ!!!!


「火!? いや、火の雨……くっ!!」


「幽々子!! スキマに飛び込んで!!!!」


「え、えぇ!」



一瞬の間をおき、後ろへ振り返ってみればそこは火の海地獄だった。

アタイが溶けてしまいそうなほどとてつもない熱波を放って、アタイが展開した霧すら改めて蒸発させながら、森という炎の素を巻き込みつつスキマ妖怪達に降り注ぐ火の雨。

その炎を押さえ込もうと急いで氷を放つけれど、放った氷は炎に到達するどころか放った瞬間に溶けていく。

そしてフランは、慌てる私達を尻目に狐の所まで飛んでいた。



「藍さん! 藍さん……!! ら、んさ……!」


「フラン!? 大丈夫だ、私は無事にここにいる! とにかく落ち着いて、あの炎を消すんだ。 このままでは森が焼かれてしまう」


「ら、ん……あ、あぁぁ……!!!!」


「フラン? どうした?」


「あ、ぁぁ…………だ、誰……」


「フラン……?」



おかしい、幾ら普段バカとか言われたりするアタイでもこれは分かる。

今のフランは、どこかおかしい……それもかなり危ない気がする。

フランは、フランがあんなに怖がることなんて滅多にないもん。

……そう思いつつフランと狐の様子を見ていると、次の瞬間に、フランはまた動き始めた。



「フラン、どうしたんだ!? しっかりしなさい!」


「誰……誰なの……いや、来ないでぇっ!!!!」


ーー『トリリトンシェイク』

ーードドドドドドドドドッ!!!!!!!!


「ぬっ、ぉぉぉっ!!!?」


「藍!? くっ、風見幽香! 藍を連れてスキマに入って!!」


「ちっ、こうも炎を放れたら、しょうがないわね……!」



目の前で起きる光景を、氷を放った姿勢のままひたすら唖然と眺めるアタイ。

フランが怯えている、大切な友達のフランが、だ。

だからアタイは大切な友達のフランを守るために怖がらせる奴を追い払わなければいけない……でも、今フランが怖がった相手は狐だ、フランがいつもなら嬉しそうに近付いていく者達の一人の、狐だ。

その狐も、何も怖がらせるようなことはしていないのに…………フランは、怯えるように弾幕を放って誰もいない方向に飛び出していく。



「逃げなきゃ……行かなきゃ……!!!!」


「フランさん! 待ってください!!」



次に飛び出したのは、怖いお姉さんの植物に捕まっていたはずの天狗その二だった。

怖いお姉さんが炎を避けるためにスキマ妖怪の空間に逃げたからか、それとも炎で植物が焼かれたからか、植物から抜け出すことが出来たのだと思う。

そんな天狗その二は、あっという間に地を駆けて錯乱したフランに追い付いたけどーーーー。



「ひぅっ!? い、いやぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」


ーー『そして誰もいなくなるか?』



ーーーーそれが、アタイが弾幕によって意識を失う前に最後に聞いた、フランの怯えきった叫び声だった。



































ーーーーー1時間後。

ーーーーside レミリア



「……そう、それで足止めは失敗したのね」


「えぇ、油断してしまいましたわ……ごめんなさい」


「良いのよ。 何はともあれ、これでフランの同行者はいなくなったのだし、それにこの面々で抑えきれないなら油断も何も関係ないわ」



森の焼け跡がまだ熱を放ち、フランに接触した面々の服の所々が破けているから、激しい戦闘になったのは間違いない。

中には追跡もままならない状態の者もいるから、八雲紫がフランの追跡の断念をしたのも納得できるものだ。

それを確認しながら、私は申し訳なさそうに謝る八雲紫を見つつ頭の中で状況を再確認する。

……ある準備を終え、フランを捕捉したという八雲紫達の報告があった場所に転移魔法陣で急行したのは良いものの、肝心のフランは逃げてしまっていた。

勿論私から無理を頼み、フランのことだからと快諾してくれた八雲紫達を責めるつもりは毛頭ない。

しかし一つ、報告の中でフランの様子がおかしくなっていたということが、私の頭の中で引っ掛かっていた。



「ねぇ八雲紫、フランはどのようにおかしくなっていたのかしら?」


「そうね……まるで私達が誰なのか、全く分からなくなっていたようでしたわ。 それに途中までは藍のことを認識出来ていたようだったけれども、最後には藍が分からなくなっていたようですし…………それと、見慣れないものもあったけれど技はいつも通り使えていましたし、やたらと私達を見て怯えていましたわね」


「貴女達が誰か、分からなくなっていた……?」



それは記憶喪失のような類いなのだろうか?

いや、しかしそれなら技だけはしっかりと使えるというのもおかしい。

見慣れない技というのも、恐らくは最近覚えたと言っていた魔法の類いだろうし……少なくとも、病気等の類いではないだろう。



「そうなると、病気みたいなものではないわね……そうなると、呪い?」


「それならば、まずあの場にいた私達の誰かに気付かれますわ。 勿論、よっぽど強大な力を持ち、それを繊細に操ることの出来る者の仕業なら気付けないかもしれませんけれども……」


「まさか、そんな相手に目をつけられるようなことをフランがするわけ……」



そこまで言って、ハッと私は目の前の八雲紫と視線を合わせる。

そこには何かに気付いたような八雲紫の顔と、その瞳に映る、同じく何かに気付いたような顔をする私が映っていた。

……私達が追っているのは誰だ?

そう、フランだ、いつもふらりと何処かに行き誰かと出会ってはその純粋な心とあどけない仕草、そして素晴らしい器量の良さで魅了してくるフランだ。

他のものを全て捨ててでも欲しいと思わせてくる、私の最愛で自慢の妹のフランだ。

しかも強い、今回だって報告のままならば能力無しで八雲紫、西行寺幽々子、風見幽香、射命丸文、チルノを相手どって一人で勝つ位強いフランだ。

認めたくはないけれど、私達よりも強い奴に気に入られない保証が、どこにある?



「……八雲紫、頼んでもいいかしら?」


「……えぇ、予想はつきますけれど、どうぞ」


「この国、日の本の国で貴女以上の力を持つ者を教えて頂戴。 特に、フランを欲しがりそうな理由や悩みを持つ者を……」


「分かりましたわ。 私の知る限りで、該当しそうな方を挙げてみましょう。 まずはーーーー」



そう言って、八雲紫は条件に当てはまりそうなこの国の実力者の名と理由をあげ始める。

中には私も聞き及んでいた者もいるけれど、ほとんどが聞いたことのない者だった。

そして遂に、私達にとっては最もあってほしくない、同時にフランを求めるには一番当てはまりそうな理由を持った者の名前を八雲紫があげる。



「ーーーー、最後に、元洩矢の王国の国王であり主神であった、洩矢諏訪子がいますわ」


「ふむ、そいつはどんな理由であげたのかしら?」


「それは…………」






























































































































「……それは、彼女が妖怪や人を問わず、自分の巫女を生ませるに相応しい最高の伴侶を欲しているからですわ」





ーーーーー

以上、フランの異変MAX回でした!



さて、フランが何気に危険な精神状態になりましたね!

次は誰の視点で行くかな……?


……んっ? 黒幕? いやー、誰なんでしょうねぇ?(笑)

ちょっと分からないので、僕はトライク探しに戻りますね(逃)!



それではまた次回にてお会いしましょう!

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