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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第4章 ~フラン包囲網、拡散~
190/283

気付いたときには、もう遅い。

どうも、東方転妹録最新話更新です!



えー、大変遅くなって申し訳ありません。

諸事情により、最新話を最初から書き直していました。


……まぁつまり、新たなイベントネタが出来たということです!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪

ーーーーー翌日の昼、何処かの森の中。

ーーーーside フラン




辺りに散らばる小さな粒に、空から落ちてくる太陽の光が吸収され、私達の周辺は青く薄暗い色に染まっている。

そんな風景を、私は椛に抱えられながらほんの少しだけ不安に思いながら眺めていた。



「……なぁ、この霧何だか変じゃないか?」


「あぁ、上手く隠しているというか、誤魔化しているから誰の物かは分からないが…………妖力が含まれているな」


「妖力…………フランさん、抜刀しておくので私の左側に掴まっていて下さい」


「う、うん……」



こんにちは、只今椛の首もとに掴まって左腕で抱っこされているフランドール・スカーレットだよ。

今、不思議な霧に包まれながらゆっくりと目的地の方向ーーー西に向かって歩いているんだけど……何だか、霧から伝わってくる雰囲気がとっても怖いの。

いや、霧に紛れてる、誰かの妖力から伝わってくる雰囲気が怖いのかな。

とにかく、吸血鬼だとか強さとか関係なく、皆が警戒する怖さなんだよね。

一体、これは何なんだろう……?



「……気のせいか? いや、一応やっとくか」


「どうした妹紅、何をしてるんだ?」


「いや、少し気になったことがあっただけだ。 今行くよ」



ほんの少し皆から離れて、近くにある一本の木に何かをしたもこたん。

疑問を感じた藍さんが一声掛けると、もこたんは藍さんの疑問を軽く流しながらすぐに合流した。



「それにしても、霧を操っているのは誰でしょうか?」


「ふむ……まぁ、紫様ではあるまい。 あの方は私達が霧の妖力に気付いた時点で姿を現す性分であられるからな」


「ふーん、それじゃあ追っ手になりそうな奴で他に霧を操る知り合いはいないのか?」


「霧……霧なら、やっぱり御姉様と萃香だけど……」



紫さん以外で霧と言って真っ先に浮かぶのは、やっぱり御姉様と萃香だよね。

でも御姉様ならどんな時でも自分の誇りを忘れないから、霧は御姉様を象徴する紅い霧を使うだろうし、萃香なら私達を霧に包むとしてもこんな怖い雰囲気ばかりを出してくるはずがない。

だとすれば、一体他に誰が霧を操るかな……?



「……成る程、その様子だとフランの姉上と萃香って奴は違うんだな? と、なれば……追っ手以外の奴か?」


「正直、追っ手と考えられる人達なら皆霧を操れそうな方ばかりですから、簡単に追っ手以外の相手とも言い切れませんね。 まぁ、追っ手以外の相手でもないとも言い切れませんが……」


「あー……つまり相手が誰か予想はつかないってか……」


「そうだな、しかし1つ言えることがあるぞ?」


「「えっ?」」


「私達を相手取ってここまで惑わさせれるんだ……相手はそれなりの強者だろうな」


「「…………」」



藍さんが放った一言で、一瞬にして椛ともこたんが静かになり、辺りへの警戒を強める。

それに合わせて藍さんも口を閉ざし、元々霧に囲まれてからあまり喋らなくなっていた私のこともあって、私達はただ黙々と真っ直ぐ歩いていた。

……そして、暫くした所で、もこたんが何かに気付いたのか再び皆から離れて、一本の木の所へ歩いていった。



「おい妹紅! あまり離れるな!」


「分かってる! 少し待ってくれ!! …………あぁ、ちくしょう……!」


「どうしたんですか、妹紅さん?」


「もこたん……?」



木の所まで辿り着き、指先で木の一部分を撫でるように触れつつ悔しそうな声をあげるもこたん。

その様子に驚きつつも、私と椛が問いただすように質問を浴びせれば、もこたんは軽く興奮した様子で振り向いてーーーー。



「やられた! この木にさっき私が付けた傷と同じ傷がある!! つまり「つまり、貴女達はもう逃げられないってことね」っ!?」


ーードスッ!!!!


「ぐっ、がぁっ!!!?」


「「もこたん(妹紅さん)!!!?」」


「き、貴様は……!!!!」



振り向いたもこたんの後ろから声をかけ、もこたんがその声に気付いたときはもこたんの体を一本の『傘』が貫く。

その正体にいち早く気付いた藍さんが声をあげた時には、既にもこたんを刺した相手はこっちへ飛び出してきていた。



ーーバキィィィッ!!!!!!


「あら、この一撃を防ぐのね? 流石九尾の狐だわ」


「くっ、重い!? 椛、フランを連れて上に逃げろ!!!!」


「は、はいっ!!」


「ふふっ、そう易々と逃がすと思っているのかしら?」


ーーズズッ、ズボォッ!!


「なっ!? うわぁぁぁっ!!!?」



ふわりとチェック柄のスカートを靡かせ、藍さんに鋭く拳をぶつける緑髪の女性。

その女性の拳を受け止めた藍さんが私を抱き抱える椛に向かって叫んだ時、女性の嘲るような笑い声と共に椛の足元の地面が蠢く。

一瞬の後、まるで噴火するかの如く地面から飛び出してきた植物の蔓によって、椛は足を絡めとられてしまった。



「くぅっ……フランさん、上へ飛んでください!」


「う、うん!」


「あやややっ! 成る程、フランさんは飛び付いてくるくらい私が好きなんですね!!」


「「っ!!!?」」



植物の蔓に引き摺られてしまう前にと言わんばかりに、私を上に投げ出す椛。

その意思に応えるように私は翼を広げて飛び立とうとした所で、背中から黒い翼を広げる女性の胸元に飛び込んでしまった。

その瞬間、黒い翼の女性は、優しく、それでいて力強く私を抱きしめ、嬉しそうな声をあげながら頬を寄せてくる。



「くっ!! 上にもいたのか!!!!」


「あら、誰が私だけと言ったかしら? まぁ、彼女と私の二人だけとも言っていないけれどね」


「何っ!!!?」



下から響いてくる、藍さんと緑髪の女性の話し声。

黒い翼の女性を押し退けようともがきながら、その話の内容を私が理解したときには、緑髪の女性と対峙する藍さんの背後に桃色の髪を持つ女性が立っていた。



ーースゥッ…………。


「さっ、そこまでよ藍? それとも、この蝶に触ってみたい?」


「うぅっ……まさか、貴女まで出てくるとは……!」


「ふふっ、紫からの頼みだもの! それに、フランの家出だなんて聞いたら心配でいてもたってもいられなかったのよ」


「だからといって二人がかりなんて、私は嫌だったのだけれど。 まぁフランが関わってるからしょうがないわ……ねぇ、紫ババァ?」


「ふふふふふふふふふふふふふふっ!!!! 黙って聞いていれば誰が、紫ババァですって?」


「貴女よ貴女。 確保もそこまで手伝わず、霧すら氷精に任せて自分は高みの見物だなんて、正しく年を取って動けなくなったババァそのものだわ」


「あら、動けなくなんてなっていませんわよ? 私は私の出来る範囲での役割を果たしただけですわ。 藍に気付かれないように、ね……?」



突如空中に口を開いた穴から、紫色の服に身を包んだ女性が出てきて、緑髪の女性と軽い言い争いを始める。

その間に、同じく空中に口を開いた穴から飛び出してきた青い髪の女の子が私の所へ飛んできて、にぱっと笑顔を向けてきた。



「へっへーん! 今回はあたいの勝ちだよフラン! あたいが見つけたんだから、次はフランが鬼だからね!!」


「あやや? これはかくれんぼじゃないですよ。 って、フランさん……お願いだから腕の中で暴れないで下さい、くすぐったいですから!」



ほんの一瞬、もこたんが新たな異変に気付いた、本当に一瞬のことだった。

その一瞬の間にもこたんは殺られ、藍さんは無力化され、椛は植物に拘束されてしまった。

そして私も、黒い翼の女性の腕の中に捕らえられてしまっている……。

……まさか、霧に紛れていた妖力が複数の相手の者だとは思いもよらなかった。

確かに、複数の相手の妖力がごちゃごちゃに混ざった状態で霧という媒体を通されてしまっては、誰の妖力なのか判定するのは厳しい。

だからといっても、複数の相手の妖力がいると気付けていれば対処できないことはない。

だからこそ、それに気づけなかったことが、今はとても悔しかった。

……でも、もう1つだけ気づけない、いや、『分からない』ことがある。



「は、離してよぉっ……!!!!」


「ちょっ、フランさん? 落ち着いてください、私です、清く正しい新聞記者の「離して! 離してってば!!」っ……フ、フランさん!!」


「フラン? どうしたの? あたい達が来たからにはもう大丈夫だよ!」


「何なの……何なの…………!!!!」




























































……彼女達の名前は、何だったっけ。





ーーーーー

以上、フランに大異変回でした!



……さーて、フランの目的を達成する前にでっかいイベントが来ましたよ!


さてさてさてさてさて、地味にシリアスホラーな流れや伏線ばらまきまくりでこれ収拾つくのか状態になってきたわけですが…………のんびり、こなしていくとしましょう(笑)



それではまた次回にてお会いしましょう!

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