『友』と書いて『敵』と読む
どうも、東方転妹録最新話の投稿です!
今回は遂にライバル2人が対面します!
まぁフランがいますから表面上は仲良くしてますよ?
それでは楽しんでいってください!
ゆっくりしていってね♪
ーーーーー1ヶ月後。
ーーーーside フラン
さて、私はこの虚しさをどこにぶつければいいんだろう?
「えっ!? フ、フランー!!!? だ、大丈夫なのかー!!!!!?」
「っ、痛ぅぅぅぅぅ…………って、え、あっ、フ、フランなの!? ごめんね!!!? すぐ退くから!!!!!!」
「あ、あれ……? にゃ、にゃはは…………い、いやぁ、フランがいる場所に飛んでっちゃうとは、その、思ってなかったんだ…………ご、ごめんなさい!!!!!!!!!!」
別に怪我はしてないよ?
でもまぁ、とりあえず、萃香にお仕置きだね…………。
ーーーー10分前。
「…………よし……遂に、山の麓にとうちゃ〜く!!」
「……ここにフランの親友が、私の敵がいるのかー…………!」
どうも皆さんおはようございます!
お酒を用意してから、こいし達がいる山に戻ってきたフランドール・スカーレットだよ!!
八雲紫と別れた後に山を降りてから色んな人里を訪ねて、沢山のお酒をもらってきたの!
でも、何だか怯えるように渡してきて可哀想だったから、お礼と友好の証しに山菜を沢山採って渡したんだ!
人里の人達、凄く喜んでたよ!!
「フランー? 私、その車押すの手伝わなくていいのかー?」
「ルーミアは米俵を持ってくれてるんだから、気にしなくて大丈夫だよ。 心配してくれてありがとね!」
そして今は私が台車で全部で19本のお酒を運んで、ルーミアが最後に立ち寄った人里でもらった米俵を1つ抱えて運んでるの!
「……あっ、そういえばフランの親友って、どの辺りにいるのかー?」
な、なんか急にルーミアの目からハイライトが消えたよ?
……ってルーミアが闇を出してる訳じゃないはずなのに、闇のオーラがルーミアの周りに漂い始めちゃってる!!!?
「こ、この山の中腹だよ? そこにさとりとこいしの家があるの!」
「そっか、中腹なのかー……狩りの時間は近いのだー…………!」
「何狩る気!?」
陰が落ちた目で山の中腹を見据えながら物騒なことをいっちゃってるよ!!!?
「気にしないでいいのだー! フラン、早く行こっ?」
「う、うん……?」
ま、まぁとりあえず先にすすーーーーー
「…………ぁぁぁぁぁぁああ!!!!!!!?」
「えっ……って、こ、こい……!?」
ーーズドォォォン!!!!!!
ーーードガシャ!! パリンパリン!!ーーービシャァ!!!!
……突如空から落ちてきて、私の上で悶えているこいし。
ふと山の方に視線をやると慌てたように萃香が走ってきているのが見える。
ルーミアは、まだ理解が追い付いていないのか唖然としていた。
そして、お土産のお酒は…………あぁ、この虚しさをどこにぶつければいいんだろう?
ーーーーー数時間後。
ーーーーside こいし
フランと一旦お別れをして、修行を始めてから10年。
勇儀曰く、私は相当強くなったらしいけど、今でも今日みたいに勇儀や萃香には負けてしまう…………そして、今後生きていく中で今日程負けてしまったことを悔やむ日は来ないと思う。
「フラン……ごめんなさい…………」
「気にしなくて良いんだよ? こいしが悪い訳じゃないし、もう責任は萃香に取らせたからね!」
「…………ぉ…………ぉぉ…………!」
「むぅ〜……」
申し訳なくて謝り続ける私とそんな私を抱き締めて慰めてくれているフラン。
少し離れた所では萃香がピクリとも動かずに血溜まりに倒れており、地面に『フラン』と血の伝言を残している。
そしてフランと一緒にいた金髪の黒い服の子は私とフランを…………ううん、私をにらんで唸っている。
どうして私が睨まれてるんだろう?
少なくともフランに抱き締められるまでは睨まれてなかったのに…………んっ?
『フランに抱き締められるまで』は睨まれてなかった?
もしかして、あの子…………
「……ありがとうフラン、もう大丈夫だよ!」
「ほんと? 良かったぁ…………あっ、ねぇねぇこいし、私、紹介したい子がいるんだ! ほらっ、萃香も起きてよ? もう動けるでしょ?」
「……にゃはは! あっさりばれちゃうとはねぇ?」
……あれだけフランにやられてたのにもう動けるなんて、やっぱり萃香って凄いね!
それに、動けるのを見抜いたフランも本当に凄いなぁ……!!
「それじゃあ改めて紹介するね! 約10年間一緒に旅をした、私の親友のルーミアだよ!!」
「……宵闇の妖怪でフランの『相棒』のルーミアなのだー、よろしく頼むのかー!」
へぇ…………相棒なんだ……?
「ルーミアって言うんだね? 私はフランの『パートナー』で、さとり妖怪の古明地こいしだよ、よろしくね!」
……ふふふっ、私は『最愛』のパートナーだもん!
単なる相棒とは違うもんね!
「な、なんか雰囲気が恐ろしい気がするんだけど……?
……と、とにかく……鬼の四天王が1人、伊吹萃香だよ、よろしく頼むね!」
……うん、萃香は空気を読むのも上手なんだね。
ちゃんと気付いてるよ!
「ふふふ! これで3人とも友達だね!! 後は、さとりと勇儀、それと文お姉さんにモフモフ椛にも紹介しなくちゃ!!」
そういってフランが山の中腹に振り向こうとして…………
「私ならここにいますよ、フランさん!」
「ひゃあぁぁぁぁぁん!!!!!?」
……いつの間にか、フランの背後に射命丸が隠れていたみたい。
フラン、ビックリしすぎて可愛い声を出してるよ!
「あ、あぅ……も、もう!!!! 驚かさないでよ文お姉さん!!!!!!」
「いやぁ、久しぶりだったのでフランさんに悪戯したくなったんですよ! あっ、ルーミアさんですね? 私は清く正しい新聞記者の射命丸文です! よろしくお願いしますね!」
「へっ? あ、よろしくなのかー?」
どうやらルーミアって子もビックリして固まってたみたい。
まぁ2人は射命丸の悪戯を受けたのは始めてだから仕方がないよね?
私もフランが山にきて、射命丸さんと仲良くなってから慣れるのに半年かかったし……。
「おっ、射命丸! 良い所に来たねぇ!! 頼みがあるんだが、1つ頼んでも良いかい?」
「……へっ? す、萃香さんの頼みですか!!!? わ、私のできる範囲ならやらせていただきます!!!!!! ど、どうぞ何なりと申し付けてください!!!!!!!!」
うわぁ…………敬語だし、思いっきり背筋を伸ばして敬礼までするなんて……いつも思うけど、そこまで鬼って怖いかな?
私は修行してるときに強いとは思うけど、怖いとは思わないけどなぁ……?
「にゃはは! そこまで怯えなくて良いじゃないか? 私はただ、さとりの家まで勇儀を連れて行ってほしいだけさ。 勇儀にはフランが帰ってきたことを連絡しとかないと煩いだろうし、ゆっくりと話すならさとりの家が一番だからね! 後、椛も呼んでほしいんだ、フランが椛の尻尾を好いてるみたいだし!」
たしかに私の家ならゆっくり話せるね!
ルーミアも何故か米俵を抱えたままだから、早く下ろしたいだろうし!
……そうだ、私もフランと一緒にモフモフしよっと!
「わ、分かりましたぁ!!!!!! それでは行って参ります!!!!!!!!!!!!!!」
そういって文お姉さんは空に飛び上がってから、あっという間に見えなくなっちゃった。
「色々と気遣いをしてくれてありがとね萃香! 後で文お姉さんにもお礼を言わなくちゃ!」
「気にしなくて良いさ、それにルーミアも米俵を持ち続けるのはしんどいだろうしね?」
「私は大丈夫なのかー! でもありがとうなのだー!!」
たしかにルーミア、さっきから米俵を抱えてるもんね。
あれもお土産なのかな…………?
「……よし、それじゃあ私達も早く行こうよ? 皆がいる所で話したいことがあるんだ!」
「「「はーい!!」」」
というわけで、私の家に向かうことになったんだけど、皆がいる所でフランが話したいことってなんだろう?
皆に関わる話なのかな…………?
ーーーーー古明地姉妹宅。
ーーーーside フラン
皆でワイワイ騒ぎながら飛ぶこと数分。
とっても懐かしい、さとりとこいしの家に到着したよ!
でも、文お姉さん達はまだみたいだね。
「お姉ちゃーーん!!!!!!!! ただいまーーー!!!!!!!!!!」
こいしが大きな声で家に向かって呼び掛けると、扉が開いて家からさとりが顔を出した。
「……あら、お帰りなさいこいし。 もう戻っ…………ってフラン!!!? 貴女帰ってきてたの!!!!!!!?」
「うん! 色々と話したいことがあったから、さっき戻ってきたの!」
まぁ主に月面戦争の事だけど。
月面戦争に参加するかどうか、そしてもし参加するならどうやって連携をとるかを話し合わないといけないもん。
「そうだったのね……とりあえず立ち話もなんだから、皆家の中に入って?…………あら、フラン、そちらの金髪の方は……?」
あっ、先にルーミアを紹介しとくの忘れてたよ。
……ふふっ、キョトンとして首をかしげてるさとり、可愛いなぁ!
「さとりにも紹介するね! この子は一緒に旅をしてきた私の親友のルーミアだよ!!」
「初めまして、宵闇の妖怪でフランの『相棒』のルーミアなのだー! よろしくー!!」
「なるほど、ルーミアさんですか。 私はさとり妖怪で、こいしの姉の古明地さとりと言います。 こちらこそ、よろしくお願いしますね!」
よしっ、これでさとりとルーミアも友達だね!
後は勇儀と椛だけだよ!
……早く椛の尻尾、モフモフしたいなぁ!!
「……さて、今度こそ中に入りましょうか、すぐに温かいお茶を用意しますね。 あっ、米俵も中に置きましょうか」
「「「やったー!!!!!!」」」
さとりのお茶美味しいんだよね!
……まぁルーミアはようやく米俵を置けるのが嬉しいんだと思うけど!
「お酒はないのかな…………?」
……お土産のお酒を全滅させたんだから、残念ながら萃香もお茶だよ?
自業自得だね!
ーーーーー
以上対面回でした!
……文が出落ち且つ萃香がネタになっちゃいました(笑)
でも家の子達はやるときはやりますよ?
それでは次回にまたお会いしましょう!