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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第4章 ~フラン包囲網、拡散~
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第1の刺客! フラン&正統派主人公VSもふもふ同盟!

どうも、東方転妹録最新話更新です!



……さて、書いていてまたまた思った、妹紅、お前はどこの正統派主人公だ。

しかも今回の敵役…………真面目だからなぁ(笑)



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー数時間後、どこかの上空。

ーーーーside 妹紅



冬を迎え、日が沈むのが早くなり肌寒く感じる今日この頃。

しかし今は、背中から伸びる炎の翼に照らされる背中と、ふわりと柔らかく気持ち良いモノに触れている左手がとても暖かい。

何故なら、私の左手は先程出会ったばかりの幼い妖怪ーーーフランの右手に握られているからだ。



「それにしても、結局飛ぶことになるなら最初っから飛べばよかったなぁ」


「あははっ、そうだね! でも私はもこたんに抱っこされてるのも楽しかったよ!」


「ったく、抱っこしてる側はしんどいんだけどな……」



私がそう言うと、愚痴る私を面白がるように再び笑い出すフラン。

全く、どこまでも明るい奴だと思いながら、前を向いて飛び続ける。

……正直に言えば、フランがあまりにも軽かったから抱っこしている間もしんどくはなかった。

が、その有り余る元気にこっちが振り回されたことで実際の所、疲れてはいる。

まぁそれを言えば落ち込んでしまうかもしれないから、言うつもりはないが……。



「しかし、よくそんなに元気でいられるな? 普通追われてる身なら周りを警戒しまくって静かになりそうなもんだが……」


「ちゃんと警戒はしてるよ? でももこたんもいるから、そこまで心配しなくても大丈夫かなーって思ってるの!」


「互いの実力をそこまで知ってるわけじゃないだろうに……まぁ、その性格ならしょうがないか」



只でさえお気楽能天気で花畑な性格をしていそうなフランのことだ、気にしすぎたらこっちがもたないと判断して私は考えるのをやめた。

それにしても、私を用心棒にしてフランはどこに行くつもりなのだろうか?

飛行時に発生した風だけで迷いの竹林を包む濃霧を吹き飛ばし、抱き締めるだけで私の背骨を軽々と粉砕出来る実力の持ち主だから、着いていけばあの糞尼をぶっ飛ばすための修行になるだろうと思って着いてきてはいるが……やはり、追われてでも向かいたいというフランの目的地が気になる。

そして興味が頂点に達し、私が疑問を口にしようとした時…………。



ーースゥッ、ババッ!!!!


「「っ!?」」


「……さて、準備はいいかな?」


「ええ、私は大丈夫です!」



突然目の前に現れた一筋の線のようなモノ、それが口を開けるように開いたかと思えば、そこから2体の妖怪が出てきた。

それも、出てきた2体の内の片方は…………。



「きゅ、九尾の狐!!!?」


「ん? あぁそうだよ、貴女は…………人間であって人間でないな?」


「っ……!!」



恐らくは白狼天狗と考えられる妖怪の隣に浮かぶ、着物の上に何かの式を書いた青い前掛けを付け、幾つかの札を貼った帽子を被っている九尾。

その九尾が伝承に伝わる九尾と同じなのかは分からなかったが、それでも九尾は九尾だ。

非常に強く恐ろしい妖怪であることに間違いはない…………九尾に至れる妖獣は、この世に十といないはずだからだ。



「あれっ? 藍さんと椛が追っ手なの? てっきり御姉様達が一番最初に来るかなぁって思ってたんだけど……」


「あぁそれなら、犬走と射命丸が私と紫様の元を訪ねてきてな? 本来なら私達も紅魔館に一度行くべきだったのだろうが…………まぁ、紫様と射命丸が組んでしまってな……」


「本当に、面白半分で部下を使うような誰かの下に仕えるというのも大変ですよね…………でも、私も藍さんもフランさんに会えたのは嬉しいからそこは安心してください!」


「えへへっ! ありがとね椛!」



私一人が九尾の登場に驚いている間、まるで親戚か親友と話すように親しく九尾と天狗と話すフラン。

しかしこの会話からして追っ手とはこの二人なのだろう…………普通、九尾が追っ手として追い掛けてくるなんてありえないはずだが。

フランには沢山『頼りになる』友達がいるとは聞いていたが……幾らなんでもこれは恐ろしすぎる。



「えっ!? ちょちょちょ、はいっ!? もしかしてきゅきゅ九尾と知り合いなのかフラン!!!!!?」


「えっ? そうだけど、どうかしたの?」


「あれ? 私がおかしいのか……? いや、でも普通の妖怪なら九尾と知り合いとかありえない……いや待てよ、霧を吹っ飛ばして抱き殺してくれたフランなら有り得なくもない……? いやいや、それでもここまで親しいか?」


「どなたか存じませんが、彼女の様子を見ているとあれが普通の反応だと思えない自分に気づいて少し虚しくなりましたよ……」


「あはは……確かに、紅魔館の知り合いと人里の人間以外では九尾を持つ妖怪と親しいなんて人間でも妖怪でも珍しいにも程があるからな。 まぁなんだ、私以上にフランと親しい時点で犬走は普通ではないから安心するといい」


「はい……フランさんはともかく、フランさんの周りがおかしすぎますもんね」


「ねぇねぇ? 私と親しいってそんなに普通じゃないの? あれ、ちょっと藍さん、椛、聞いてるー?」


「「さて、追っ手としての仕事をしますか」」


「むっ! 話を流された……!」



どうやら私が一人悩んでいる間に話が進んでしまっていたらしい。

静かに構える三人の様子を見てようやく我に帰った私は、とりあえず考えることを放棄して追従するように構える。

そして私が構えてから一瞬の間の後…………先に九尾が動き始めた。



「では行くぞ! はっ!!」


ーーガキィィィィィィィ!!!!!!


「っ!? もこたん! もこたんは椛の方をお願い! 藍さん、私だって負けないよ!?」


「ふふっ、それは楽しみだなっ!!!!」


ーーズバッ! キィンッ!! ガキャアッ!!!!



青い炎ーーー恐らくは狐火を爪に纏い、フランに接近戦を仕掛け始めた九尾。

対するフランも妖力を腕に纏わせたのか、紅く光る右手を振り下ろされた九尾の爪に目掛けて払い、九尾の爪を弾いていた。

驚くべきはその腕を振り抜く速さだ。

フランの腕も九尾の腕も、私の目では追うことが出来なかった。

そのまま二人は縺れあうように激しく格闘しながら、私と天狗から遠ざかっていく。



「……では、藍さんがフランさんを抑えている間に、私は貴女を倒すことにしますね」


「それはこっちの台詞だ! あんたには悪いがさっさと終わらせてフランを助けないといけないんでな!!」



睨み付けてくる天狗に前口上を吐き捨てると、私は自分の周りに炎の玉を幾つも作り出す。

それを見ながら、目の前の天狗はおかしそうに笑い始めた。



「ふふふっ! 1つだけ教えておきましょうか…………あの二人の戦い、弱い方を助けに行くべきというのなら、助けるべきはフランさんではありません」


「あん? 何を言ってるんだ、相手は九尾だぞ!? 幾らなんでも「それを言うなら、相手はフランさんです」…………どういうことだ?」


「そのままですよ…………フランさんは、伝承に伝わる九尾の狐より遥かに強いということ、ですっ!!!!」


ーードドドドンッ!!!!


「ちっ!!!?」



言葉尻が切れる前に、天狗が妖力を放ち私の展開した火の玉の幾つかを撃ち落とす。

それを皮切りに、私と天狗の戦いが始まったのだった…………フランが九尾より強いのか、という疑問を私の中に残したまま……。





ーーーーー

以上、主人公妹紅と秘密を持つヒロインフラン、そして予想以上に敵役してるもふもふ同盟回でした!



いやー、もう一度言おう……妹紅、お前はどこの正統派主人公だ(笑)

しかもこれから現れるのが確定しているメンバーを省みると…………うん、もふもふ同盟よりもっと悪役できるメンバーが揃ってる(笑)


それにフランが見事なヒロイン化してるしなぁ……いやいや待て待て、ここでの主人公はフランのはず!



それではまた次回にてお会いしましょう!

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