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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第4章 ~フラン包囲網、拡散~
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用心棒は、誰がいいかな?

どうも、東方転妹録最新話です!



今回はすこし短いですが、唐突な第四章の幕開けとなっています!

それはつまり…………もうパターンになっていますからわかる方も多いですよね(笑)



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね♪


ーーーーー翌日の朝、紅魔館。

ーーーーside フラン



「本当に綺麗な太陽……旅立ちにはピッタリだね!」



燦々と輝く太陽が昇り、私の背後にそびえる夜の王の館ーー紅魔館すら照らし始める。

そんな朝の美しくも儚い光景を眺めながら、私はゆっくりと、それでいてしっかりと旅立ちの一歩をーーーー。



ーーガシッ!!


「フラン……どーこーに、行くつもりなのかな?」


「こ、こいし!? 何時の間にそこにいたの!!!?」



ーーーー踏み出すことが出来なかったのであった。
















ーーーーー少し前、レミリアの私室。



「……おはよー御姉様。 それじゃあ行ってくるね!」



すやすやと規則正しい寝息をたてながら、普段の麗しい凛とした姿とはまた違う可愛らしい穏やかな顔で眠る御姉様に挨拶をして、私は両手に2枚のシーツを持ちながらゆっくりと部屋を出る。

扉を開けてすぐの両脇を見てみると、そこには心配してくれたまま眠ってしまったのであろうルーミアとぬえがいた。



「「スゥ…………スゥ……」」


「二人とも、昨日はありがとね。 風邪、ひかないようにね」


ーーファサ……ファサ……。



壁に寄りかかりつつ静かに眠る二人にそれぞれシーツを掛け、私は再び歩き始める。

気配も消さずに辺りを気にすることなく、いつも通りの歩調で廊下を歩いていたけど、誰も起きてくることはない…………何故なら私は昨日、『紅魔館にいる私以外の皆が明日の朝、寝坊しない運命』を破壊したからだ。

例え御姉様が私の運命をある程度把握できたとしても、完全には分からないしむしろ曖昧なところだらけなはず。

だからこそ、例えば今回のような『寝坊しない運命』のような想定しずらいことを破壊してあげれば御姉様にも気付かれずに運命を変えることが出来る。

……ただまぁ、これは大体は御姉様への対策としてしか使えない方法ではあるんだけどね。



「さーてっと! 今回の行き先は何処にしようかなぁ? 私の目的に合うような人って、すぐに思い付くのは後何人かだし…………あっ、でも目的に関係なく白蓮には会ってみたいかも!」



廊下を歩きながら右手の人差し指を唇に当て、旅先のことを考える。

宙を見ながら考えを口ずさみつつ考えていると、気が付けばエントランスホールに辿り着いていた。



「んー、旅先は本当にどうしよう? すぐには決めきれないし、それに追っ手のことも考えた方が良いよね。 となると、用心棒みたいな相方も欲しいなぁ」



恐らく、というか確実に御姉様達は知り合いを総動員して私を探しに来るはず。

只でさえ昨日の今日なのに、いきなり出し抜かれたと知れば一発で御姉様が興奮状態になるのは間違いない。

周りの皆もそんな御姉様に触発されて興奮状態になるかもしれないし、そうなると追跡も過激になってくるだろう。

そうなると用心棒のような頼れる仲間……それも、御姉様達とは全く関係のない誰かに頼み込んでいくしかない。

……でも、それって基本的に私も初対面の相手だよね。

知り合いの中で御姉様達とは付き合いが薄いといえば月の姉妹だけど、月の二人に頼んでもどうなるか分かったもんじゃないし…………んー、原作だと後は誰が適任かなぁ?

強くて、それでいて私のように旅をしていて…………。



「それこそ助け出したとしても白蓮とかは無理だろうし、みすちーやリグルは着いてきてくれるかもしれないけど流石に戦力じゃあ期待できないし…………あっ、そうだ!」



玄関の扉の取っ手に手を掛けたまま思考していた私の脳内に、私の用心棒として最適な人の姿が浮かんでくる。

強く、それでいて気さくな性格の炎の使い手…………今なら、もしかしたら輝夜を襲撃するために竹林にいるかもしれない。

今まで会ったことはないけど、探せばきっと見つかるだろう。

それに輝夜を倒すための修行と言えば多分簡単に着いてきてくれるだろうし、実際御姉様達の追跡を考えると修行には確実になるだろう。

……それに旅の間に少しずつ話して彼女の輝夜への恨みを少しでも減らせるなら、それに越したことはない。



「よしっ! そうと決まれば早速出発だね!!」


ーーガチャッ!!



用心棒の候補が思い付いたと同時に一気にやる気に満ち溢れた私は、溢れる気持ちに任せて勢い良く扉を開く。

するとちょうど昇り出していた太陽の光が射し込んできて、一瞬だけ私の視界を眩ました後、鮮やかな反射で淡く儚い、美しい外の景色を照らし出した。

そんな景色の中に数歩踏み出し、私は大きく七色の翼を広げながら、用心棒に相応しい、まるで不死鳥のように強く綺麗な炎を操るのであろうまだ見ぬあの人を思い浮かべる。

ただそれだけで、私は子供のように早く会いたいという気持ちにせかされだしたのを感じた。



「本当に綺麗な太陽……旅立ちにはピッタリだね!」



うずうずと疼く心にゆっくりと体を預け、心の赴くままに足と翼に力を入れる。

そのまま私は一歩を大きく踏み出そうとしてーーーー。



ーーガシッ!!


「フラン……どーこーに、行くつもりなのかな?」


「こ、こいし!? 何時の間にそこにいたの!!!?」



ーーーー突如現れたこいしによって、一歩を踏み出すことが出来なかったのであった。





ーーーーー

以上、成功したような失敗の旅立ち回でした!



うん、フランったら、せめて紅魔館と地霊殿を対象範囲にしてればよかったのにねぇ……こいしとは、どうなるのかな?



それではまた次回にてお会いしましょう!

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