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東方転妹録〜悪魔なんて言わせない!!〜  作者: 愛式未来
第3章 ~デンデンデデデン地霊殿!~
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破壊を操る運命と運命を壊す破壊

どうも、東方転妹録最新話です!



今回は少しシリアス……というかホラーが混ざってますよ!

そしてタイトルから分かる通りメインはレミリアとフランです!



それでは楽しんでいってください!

ゆっくりしていってね!

ーーーーー数時間後、紅魔館のレミリアの私室。

ーーーーside フラン



『……なぁ、私達は何時になったら聖の話を聞けるんだろうか?』


『んー、まぁ後1週間は見越した方が良いかもね。 フランの姉さん発狂してるし』



……これが少し前、地霊殿を後にする時に聞こえてきたぬえとナズの会話だ。

本当だったらその時のタイミングでナズ達と話したかったんだけど、とある理由から私は話しかけることが出来なかった。

その理由とは…………。



「フラン、暖かいでしょう? 私と一緒にいるならいつも暖かいままでいられるのよ。 だから、ね? どうせなら数十年後とかじゃなくて今からずっと一緒にいましょう? 」


「えっと、その…………」



……御姉様との相部屋を数十年後からにすると言ってから離れてくれなくなった御姉様がいたからである。

それもただ離れないだけではなく、例えどんなことがあろうとも私からしがみついて離れず、さとりをして『……レミリアは今、フラン以外何も感知していませんね』と言わせるほどだ。

さとりはきっと、地霊殿に残らねばならないことについて御姉様から何か一言話してほしかったんだろうけど…………かなり、申し訳ない気持ちで一杯になってきた。



「お、御姉様……そのね? 私、少しやりたいことがあるの。 だからそれが終わるまでは忙しくて一緒にいられないし、色々資料を置くスペースが欲しいから……だから、まだ部屋は別々にしてて欲しいの」


「やりたいこと? それはどんなことなのかしら?」


「その、探し物って言うのかな? 研究とも言えるんだけど……ただ、それは『私1人の力』でやらないと意味がないんだ」



寝台の上、横になって向かい合うように抱き締められながら、部屋を共に出来ない理由を話す。

宴会から今までに話す機会がなかった訳じゃないけど、元々は秘密にしたまま皆に話すつもりはなかったことだ。

故に地霊殿に残ったさとりとこいしにパルスィとヤマメ、それと勇儀と萃香に映姫さんと小町さんは知らないし、もちろん紅魔館まで一緒に上がってきたルーミアやぬえ、文お姉さんに椛やナズ達、美鈴も知らない。

ただ、ルーミアとぬえはあまりの御姉様の様子に心配してくれて今も部屋の扉の外にいるから、もしかしたら扉越しに聞いているのかもしれないけど。



「1人でしないと意味がない探し物……? 研究とも言えるって…………魔法創作か何か、特殊な術を勉強しようとしてるのかしら?」


「魔法とかじゃないよ……まぁ、自分探しって言うかな。 もう一度、自分を見つめ直さなきゃいけないことを見つけたの」



そこまで言い切った瞬間、突然鋭く目を細め、紅色に妖しく光る瞳を向けてくる御姉様。

心なしか、私を抱き締める腕に力が籠った気がする。

そんな御姉様の様子の変化に驚き体を引く私を、御姉様はしっかりと胸元に引き寄せて私の耳元で囁き始めた。



「……ねぇフラン? もう逃がしはしないわよ? 今貴女は私の腕の中にいるし、ルーミアと封獣も扉の外で待機しているわ」


「お、御姉様……? な、何を…………」


「さとりとこいしは地霊殿にいるから遅くなるけど、念話を飛ばせば応援に駆けつけられる距離にはいる。それに美鈴も地下の番についてるから何時でも呼び出せるし、射命丸や犬走も部屋(ここ)からそう遠くない客室にいるわ…………それに、妖精メイド達も最近動いたばかりだから命令はなくとも警戒は強くなっているはずよ。 絶対、貴女は逃げられない……」


「御姉様…………」



淡々と、そして冷静に言葉を紡いでくる御姉様。

さっきまで(ある意味では今もだけど)狂ったように私しか見てなかった御姉様が皆の様子を把握してることに内心驚いたけど、不気味なまでに静かに耳元で話し続ける御姉様に気圧されて、私はただ御姉様と呟くことしかできなかった。

そして、今も動けないでいる私に御姉様は語り続ける。



「そう、貴女は逃げられない。 たまにお伽噺でこういう場面があるでしょう? 『魔王からは逃げられない』って…………私は王、夜の王であり悪魔の王、故に誰も私からは逃げられない……。 フラン、覚悟しなさい。 貴女は私の愛を勝ち取った、妹だからとかではなく貴女自身が私の愛を勝ち取ったの。 だから私は貴女の意思を尊重するし貴女を自由にしてる…………でもね、それも全ては私の手の届く範囲の中よ。 例え貴女の運命だけ見えずとも、『唯一見えないからこそ操ることができる』の」


「っ…………!?」


「例えば、私が迷路の壁を操れたとしましょう。 でも、そこに入ってきた誰かは操ることはできない…………じゃあどうやってその誰かを操る? どうすれば自分の意のままに誰かを誘導出来るかしら?」



そこまで言って、御姉様は耳元から顔を離し再び私の眼を妖しく見つめ始めた。

先程と違うことと言えば、その口元に大きく笑みを浮かべていることだろうか。

そんな実に悪魔らしい笑みを見せる御姉様におもわず視線を奪われ固まっていると、御姉様はゆっくりと顔を近付けてきながら言葉を再び紡ぎ始める。



「……答えは簡単、迷路の壁を操って道を変えてしまえば良い。 そうすれば迷い込んだ誰かを意のままに操れるわ…………ここまで言えば分かるでしょう? 私は見えないフランの運命に関わる者の運命、さらにその外側の運命を操ることでフランに関わる者の行動を縛り、フランの運命をある程度固定『してきた』のよ。 もちろん、フランに気付かれないようにね?」


「どう、して…………?」


「だってフランは私の自慢の妹、強くて優しくて器量も良くて……とても賢い私の大切な存在。 だから、きっと私が運命を縛っていると知ればどうにかして逃げ出そうとするでしょう? 自由をこよなく愛する貴女なら、ね……? だから気付かれないようにしてきたのよ。 まぁ、最初は能力の使い方も下手だったし、フランの周りの知り合いに面識があまりなかったからそこまで操れなかったけど、今では使い方も覚えているしフランの周りの知り合いに面識もあるもの、完全にとは言えないけれど、フランの運命を操ることは可能なのよ」



……これは、完璧に緊急事態だよ…………まさか、そうくるなんて……。

別に、普段の生活においては問題ない。

御姉様が私の運命を直接見られるわけじゃないから前世の全ての記憶を見られたりもしないし、御姉様が私や皆が悲しむような形に運命を操るわけがないから。

ただ、このままだと非常に困ることが出てくる。

私は今、旅に出たいのに…………これだと、逃げることができない。

きっと御姉様は能力で私が再び旅に出ようとしてることに気づいてるのだろう、だからこそ…………ううん、さっきまでは私を抱き締めて離さなかったとはいえいつも通りの御姉様だった。

ということは御姉様は私が旅に出ようとしてることに気付いたのは、さっき様子が急変したときの可能性が高い……多分あの時、私は言葉を間違えてしまったんだと思う。

だからその直後に能力でハッキリと気付かれたんだろう。

……でも、それは暗に御姉様がそこまで私の運命を把握できないことも示している。

今こうして話していることの中にも、もしかしたら私のやる気を削ぐために過剰な表現をしているのかも……だったら…………。



「……御姉様、もう寝ようよ? 大丈夫、私はここにいるから、起きたらいなくなってるなんてことはないから、ね?」


「本当に?…………まぁ、そうね。 運命は変わっていないけれど、貴女を逃がさない用意は出来てるもの。 それじゃあ、おやすみなさいフラン。 また明日会いましょうね」


「うん、おやすみなさい御姉様」



私の唇に一つキスを落とし、優しく私の頭を撫でながら再び胸元に私を引き寄せる御姉様。

そんな御姉様の胸元で私はゆっくりと眼を閉じ、静かに夢の世界に流れていく。

そして、御姉様の優しい温もりを感じながら私は意識を手放していったのだった…………。





























































……御姉様の背中に回した手を握り締めながら。





ーーーーー

以上、姉妹の駆け引き回でした!



いやぁ、何だかスカーレッツの基礎スペックが段々凄いことになってきてる気がしてます(笑)


程々にしとかないとなぁ……。



それではまた次回にてお会いしましょう!

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